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2024-08-07 09:46

heldio#18. dish, desk, disk の共通点は「円盤」


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おはようございます。英語の歴史を研究しています。慶応義塾大学の堀田隆一です。 このチャンネルでは、英語の先生もネイティブスピーカーも辞書も答えてくれなかった英語に関する素朴な疑問に、英語史の観点からお答えしていきます。
毎朝6時更新です。ぜひフォローして、新しい英語の見方を養っていただければと思います。 今回取り上げる話題は
dish, desk, disk の共通点は円盤という話題です。 このタイトルからわかる通り、この3つの単語ですね。dish, desk, disk
これはですね、すべて同一語源に遡ります。 古代ギリシャ語のdiskosというものが大元になります。
そこからですね、ロマ帝国の言語であったラテン語に入って、diskosとなりまして、これが様々な時代に、様々な過程を経てですね、英語に入ってきたということなんですが、
微妙に各時代に入ってくる旅ごとにですね、微妙に形と意味を変えて、
次々と入ってきた結果、実は英語にではですね、この3つだけではなくて、6つの単語、異なる単語として共存していることになるんですね。
それぞれ異なる経路で異なる時代に、全く同じ語源の単語が微妙に発音、形態と、そして意味をですね、
互えながら入ってきた結果、現代の英語に至るまでに、6つの異なる語として取り入れられて、累積してしまったということなんですね。
その6つの単語は何かというと、まずですね、dishですね、これ皿です。
それからdeis、これ講座、冗談。
ちょうど演説台ですね、講義をするときに、その講義する人が上がっていくこの講座、冗談ですね。
それからdesk、これ机です。
それからdiscus、これは円盤です、円盤投げの円盤ですね。
円盤投げってのはdisc throwingと言いますね、このdiscusです。
それから円盤型のメディア、ディスクですね、いわゆるDVDとかCDのDです、ディスクですね。
最後6つ目はですね、同じこのディスク、記憶媒体のディスクなんですが、アメリカ英語ではdiskと続きますが、イギリス英語ではdiscと続きます。
これもですね、一応別の単語というふうに勘定すると、全部で6つということになります。
それぞれについて少し解説を加えたいと思います。
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今挙げた6つの単語ですが、これは英語に入ってきた順番で並べています。
まず最初にですね、dishという単語ですね。
これは小英語の時代からありまして、大皿という意味ですね。
今でも皿ということになっています。
次に入ってきたのがですね、13世紀ぐらい、中英語の時代なんですけれども、これがdeisというものですね。
これD-A-I-Sと書いて、これdeisというふうに発音するんですけれども、これが講座、冗談という演説台みたいなものですね。
これです。これも形は円盤状のちょっとした台ということになりますね。
円盤が関係しています。
それから100年後の14世紀ですね、入ってきたのが今につながるこのdesk、机です。
今でこそ勉強、机というのは四角形かもしれませんが、茶舞台なんか思い出してもいいと思いますし、
コモンルームなんかにある丸いテーブルを思い出してもらえばいいと思うんですが、これがもともとのデスクなわけですね。
もともと天板が丸い、円盤であるというような机を指したということです。
そこから転じてですね、今は形にこだわらず四角形でもデスクと呼んでいますが、もともとは天板が丸い、
この円盤状の台を持っている机という意味が原理なわけですね。
それから少し時代は飛びますが、17世紀半ばになって、いわゆる古代ギリシャの競技用のですね、
円盤だけの円盤という、本来の意味なわけですが、これがそのままギリシャ語、そしてラテン語を経た形のディスカスト、
DIS、CUSという形で取り込まれました。
英語では今でもですね、円盤だけのことをディスカスト、ストローウィングというふうに、ある意味専門用語ですね。
競技用の専門用語ということで、本来の語形が取り入れられたということになります。
さあ、その円盤から派生して、少し英語化した綴り形態と言っていいですかね。
DISKという形で、円盤であるとか平円形、この円盤の形をしたものですね。
一般を指すようになり、そして現代になって記憶媒体としてのディスクという意味にも使われるようになりましたが、
DISKとして使われるディスクというのも、書類はですね、17世紀に現れています。
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それから、これはつづり字状の問題ということに過ぎないんですが、DISKではなくてDISCという書き方でですね、
特にイギリス英語では、これのことを記憶媒体のディスクを表すのに使ったりするということで、
最後はおまけみたいなものですが、全体を合わせると6つ、同一語源の単語で、しかも原理としての共通項としての円盤の形、丸い形ということだけは一致しますね。
あとは発音、形態、つづりを少し違えて、そして意味的にも派生した形で、
異なる時代に、異なる経路で英語にどんどん入ってきた結果、最終的にはこの3つが共存するような状態になってしまったということです。
このような語源は1つなんだけれども、異なる語として入ってきたものというのは、25とか35と言いますが、この場合65ということになりますね。
これ、私が知る限り英単語の中では最も数の多い何々15ということになります。
その次ぐらいに来るのが、45みたいのは身近なところにあります。
これ何かというと、gentleという単語なんですね。
これはラテン語gentilisという単語に遡るわけですが、gentleというと上品なとか優しいという意味になりますね。
それからgentileという形容詞もありまして、これも上品ぶったというような意味です。
それからgentileという語もありまして、これはユダヤ人が非ユダヤ人を指してという言葉で、
もともとどこどこの生まれとかどこどこの出であるというのが本来の意味なので、
そこから異なる出である、自分たちは異なる出であるという意味でgentileというのが使われています。
上品な出であるということで、先ほどのgentileとかgentileというわけですね。
4つ目が、かなり形はずれてしまいましたがjauntyというのがありますね。
これ陽気なとか軽快なという意味です。
これももともとは上品なとかそういう意味だったんですが、だんだんと意味が崩れて、陽気な、軽快なということになって、形も崩れてjauntyなんてあります。
つまりgentle、gentile、gentile、jaunty、これは全く同一のラテン語gentilisに遡る45ということになります。
まとめますと、本日取り上げました65ですね。
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早く英語に取り込まれた順に改めて言いますとdish, dayis, desk, discuss, disk, diskということですね。
この順に取り込まれて、全体としては丸い何ものか、円盤状の何ものかという意味は共有していますが、事実上は辞書でも別扱いになっている異なる6つの単語として取り込まれたということになります。
脅威の65ということになります。
ではまた。
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