ゆみこ:こんにちは。チャコウェブラジオは、株式会社Cyber Catsが運営するチャコウェブのスタッフが、ウェブアクセシビリティを実践したい制作者やウェブ担当者に向けて、ゆっくりじっくり解説していくポッドキャストです。
進行を担当するゆみこです。よろしくお願いします。
みあ:みあです。よろしくお願いします。
ゆみこ:前回で、WCAG 2.0 解説シリーズが完結しました。ということで、今回は番外編です。
ここまでWCAG 2.0 解説シリーズをやってきて、考えたことや感じたことなどを、自由にお話ししていきたいと思います。
みあ:はい。よろしくお願いします。
ゆみこ:では、これからさっそくやっていきましょう。
まずはですね、WCAG 2.0 解説シリーズは、なんと22回も続いたんですが。
みあ:おー(笑) あっという間に、そうですね。
ゆみこ:やりました(笑)
みあ:もう22回もやってました。
ゆみこ:ここでこの解説シリーズを振り返って、やりながら学んだこととか、感じたことっていうのがどんなだったかなというのを振り返ってみたいと思います。
みあ:はい、そうですね。私はやっぱりその、私台本を担当してましたので
アクセシビリティは、一応Trusted Testerというアメリカの資格だったりも取得してたりして、一通りはわかっているつもりだったんですが、
やっぱりこう、人に説明するためにまとめていくっていう中で、こう……自分の中でやっぱりあやふやだったなっていうところとか、わかっているようでわかってなかった部分っていうのが浮き彫りになってきたなというのがありまして。
で、そこをどうだったかなっていうので、詳しく調べたりとか、改めてちょっと学び直したりとか
っていうので、このシリーズ始める前よりもWCAG 2.0に対する理解っていうのは、もうどんどん深まっていって。まぁ、格段に理解が深まったかなというふうに思います。
ゆみこ:そうですね。毎回台本を用意していただくんですけど、結構な情報量を作っていただきましたよね。
みあ:そうですね。結構専門的な言葉とかも出てくるので。WCAGとかでしか見ないような言葉とか。同期メディアとかも普通あんまり聞かないですよね?
ゆみこ:たしかに聞かないです。
みあ:そういうのを、じゃあ「同期メディアって何なのか?」とか、そういうのまでこう……なんというかわかりやすく説明していくっていうのは、なかなかやっぱり難しいというか
自分の中でなんとなくイメージがあっても、それを言語化するっていうのが大変だったんですが、それをやっていく中で、よりこう……理解が深まったかなというふうに思います。
ゆみこ:そうでしたねぇ……。実際、私もなんとなくわかっているつもりみたいなところがあったんですけど、結局はみあさんにいろいろ教えてもらうような形なんですが、まさにそのままやってきたなと思っていて。
例えば4つの原則って、知覚可能、操作可能、理解可能、堅牢って4つを初めて聞いたときは「なんだこれよくわからない」って思ったんですけど、
でも、内容を聞いていくと「知覚可能ってこういうことか!」とか、理解可能というのは言葉のままだと「理解できればいいじゃん」って思うんですけど、「実際にはもっとこういうふうにしないと理解できるようにならないんだよ」っていう解説が詳しく載っていて。
「こういうことか!」っていう、すごくこの4つの原則って大事なんだなっていうのに気づけました。
みあ:うん、そうですね。やっぱり4つの原則があって、そこにさらにそれぞれガイドラインがあって。ガイドラインごとに達成基準があって、達成基準を満たすための方法がまたたくさんあってっていう感じなので。
これはやっぱりあれですよね、土台になるところですよね。
ゆみこ:そうですね。なので、この4つを一旦理解しておくっていうのは、ベーシックというか基礎なんだなって、改めてわかりました。
ここできないと、たしかに、例えば「スクリーンリーダーを使っている人は、知覚できない」っていうことにも気づけたんですよね。
みあ:あ、そうですね。情報があることがわからないっていう。
ゆみこ:はい、そうです。そうか!っていう。改めてそこをクリアして、操作できるようにして、理解できるようにして。で、全部安全に使えるように堅牢にしましょうっていう。
なんかよく思えば、すごい分かりやすい…言葉がちょっと難しいんですけど、理解していくと「あー、大事だなー」っていうのがわかったのがすごい良かったです。
みあ:そうですね。基礎の部分なので、そこは私も結構何回も、多分台本の中で言葉出したと思うんですけど、少しでも理解が深まっていただければ、良かったなと思います。
ゆみこ:本当ですね。このWCAGを参考にしていけば、いろんな人が情報にアクセスできて、使える人が増えるんだなーっていうことなので、もっと広まっていってほしいですよね。
みあ:そうですね。
ゆみこ:では次の話題に行きましょうか。
みあ:はい。
ゆみこ:次はですね、WCAGを学んだことで気づいた日常生活とアクセシビリティっていうことなんですけど、
普段の生活でこれってアクセシビリティだなと思ったこととか、もっとこうすればいいのにと感じたことについてですね、話していきたいと思います。
みあ:はい、そうですね。普段の生活で言うと、結構私最近動画配信サービスとかで映画見たりとかドラマ見たりとかするんですけれど
なんかその日本のドラマ、あの連続ドラマですよね。テレビでやってる。あれが結構配信されるときに、最近音声解説がされてるもの、あの通常のドラマと他に音声解説版っていうのが配信されてるのをちらほら見るようになってきたんですよ。
ゆみこ:はい。
みあ:で、ちょっとそれってすごいなと思っていて。その音声解説って、要はセリフだったりとか、その流れてくる音以外の登場人物の動きだとか背景に何が映ってるのか、そういうのも全部言葉で説明していくっていうようなものなので、
WCAGでもその音声解説に関する達成基準ってあるんですけれど、そのAAなので、わりとこうレベルの高いというか、これできているとAAの基準が達成できるよっていうようなものなんですよね。
それをこう連続ドラマの中で、例えば「今登場人物が後ろを向いた」とか、「屋上に立っていて、で登場人物がセリフを喋って、セリフ喋った後に、今セリフを喋った後になんかうなずいた」とか、そういうのが全部解説されてるやつが出てきてるっていうのはすごいなと思いました。
ゆみこ:すごいですね。あの、昔から字幕で笑っている場面、(笑)っていうのとか(拍手)とかありましたけど、これの音声解説版が出てるっていうことなんですね。
みあ:そうですね。なので、視覚に障害があったりとか、何かしら視覚情報を得るのが難しい状況だったりっていう場合でも、ドラマの流れがわかる、誰が何をしていてっていうのがわかるっていうのが配信されてるんですよね。
ゆみこ:すごいですね。
みあ:いろんなサービスによって違うと思うんですけど、私が見てたサービスでは、日本の連続ドラマがそれで出ていて。ただちょっと一方で、同じ動画配信サービスの中で気になったと言いますか、反対に日本語の字幕っていうのがなかったんですよ。
ゆみこ:なるほど。
みあ:それはちょっと意外だなと思って。なんか日本語の字幕を日本語のドラマとか映画につけるっていうの自体、そんなに多分多くはないと思うんですね。
ゆみこ:そうですね。
みあ:なので、視覚障害とかを持ってる方は、その解説放送があればドラマわかると思うんですが、逆に聴覚に障害があったりする方は、字幕の方が重要かなっていうのがあって。
ゆみこ:たしかに。
みあ:どうしてその日本語字幕が配信されてないのかなっていうのでいくと、テレビで放送するときにはやっぱり日本語の字幕ってついてるので、
なので配信サービスでは字幕よりも音声解説が優先されて配信されてるのかな?っていうふうに、なんか私は感じたんですが。
ただやっぱり放送が終わっちゃったドラマを見たいっていう方もいらっしゃると思うので、解説放送ももちろんなんですが、日本語字幕とかも増えてったらいいなというふうには思っています。
ゆみこ:うん、たしかに。そうするといろんな人が楽しめるっていう感じになりますよね。
みあ:そうですね、やっぱり。私、前の職場で聴覚障害のある方と働いてて、同世代ぐらいの子とかと結構帰りのバスでしゃべってたりとかしてたんですけど
その中で言ってたのが、やっぱり「日本語の字幕がないので、洋画ばっかり見てる」っていうのを言ってて。
ゆみこ:なるほど、逆に?
みあ:そうですね。DVD借りるにしても、日本語のDVDには日本語の字幕がついてないけど、洋画には日本語の字幕がついてるって。
ゆみこ:あー、気づきませんでした。なるほど。
みあ:なので、日本の映画はあんまり見ないんだけど、洋画はよく見るんだみたいなのを言ってて。あー、なるほど、そういうことなんだと思って。
なので、日本語字幕も増えればいいなというふうに思ってます。
ゆみこ:そんな課題はありつつも、アクセシビリティを楽しく学ぶには?という話で、ただ学ぶだけではなくて、どうすれば楽しく学べるんだろうかっていうことをちょっと話したいと思います。
みあ:そうですね、楽しく学ぶ。
でも、やっぱりその、ウェブアクセシビリティって「難しい」とか「特殊」みたいな。とか、やっぱり「障害者・高齢者のためのもの」みたいなイメージを持ってる人ってまだまだやっぱり多いと思っていて。
ウェブに限って言えば、その……対応でちょっと難しい対応があったりとか、何か今までの作り方と変えなきゃいけないような部分が出てくるっていうのはあると思うんですよ。
ただ、アクセシビリティっていうものだけで考えてみると、意外と身近にあるんですよね、何でも。
だから、その生活に馴染んでるものとかを見つけて「あ、これすごいアクセシビリティだな!」とかって思って、「これってこの達成基準で言ってたことと一緒だな」とか「このガイドラインと一緒だな」とか
そういうふうに実感すると、やってる内容の理解も進むし、あと意外に面白いなって個人的に思ってるので、おすすめかなと思ってて。
ゆみこ:なるほど。
みあ:そうですね。例えば具体的にで言うと、さっきゆみこさんがおっしゃってたのもそうなんですけど、本が紙の本もあるし電子書籍もあって、で、そういうオーディブルみたいなオーディオブックとかでもあるっていうお話があったと思うんですが、
同じ一冊の本がいろんな形で世の中に出てるっていうのは、もうこれ本当にアクセシビリティなものだと思うんですね。
やっぱり、紙の方が集中しやすいとか、なじみやすいっていう人もいれば、電子書籍の方が字の大きさとか、あとコントラストとかですね、色々。ああいうの変えられて便利っていう人もいますし、
あとはその、視覚障害とか読字障害があったりとかで、オーディオブックがいいっていう方もいらっしゃいますし。
それを利用するのが、障害者とか高齢者だけじゃなくって、例えば紙の方が使いやすいっていう人もいれば、なじみがあるって人もいれば、持ち歩くときに電子書籍の方が楽っていう人もいるじゃないですか。
やっぱり、それこそ太い本とか技術書だと重いので。
ゆみこ:そうですね。
みあ:あとは、何か家事とかやりながらながら聞きができて、時間有効活用できるからオーディオブックが好きとかっていう方もいらっしゃいますし。
そうやって、障害がある方、ない方、高齢者、若い方とか、年齢とかに関わらず、一つのものをいろんな形で提供してることで、自分が使いやすいものとか気に入ってるものとかを選べるっていうのは、本当にアクセシビリティですよね。
いろんな形で提供することで、あらゆる人が便利になるっていう。
なので、こういうのを見て「あぁ、すごい電子書籍とか増えてきて、アクセシビリティになってるな」って思うんですよね。
ゆみこ:たしかにそうですね。手段が結構増えるっていうのが、まさにアクセスする手段が増えるっていうのが、アクセシビリティの一つの方法って考えると、
特に障害とか高齢になったからっていうことよりは、もう既に私たちもやってるんですよね。
みあ:そうですね。
ゆみこ:何か勉強するときもタイピングする人がいいとか、紙に手書きがいいとか、もうそういうやり方も色々ありますし。
実際私、電子書籍を読み上げ機能を使って聞くっていうのを、本当に日常的にやるようになったので、すごく便利なんですよね。アクセシビリティが高い状態だと。
みあ:そうですね。意外とそうやって、意識してないうちにアクセシビリティの便利さに触れてるってあると思うんですよ。
ゆみこ:いやー、本当ですね。あとは特に都内、駅のエレベーターってすごい便利っていうか。ドアが開く、開いている時間が長かったり、
あとエレベーターのボタンの位置も低めにしていたりとか、いろんな場所についてて、音でも案内をしてくれて、
じゃあそれは障害のある人だけ使うのかって言ったら、みんな使うじゃないですか。
みあ:そうですね。
ゆみこ:これすごいアクセシブルだなと思って。
みあ:うんうんうん、そうですね。
ゆみこ:これはすごい面白いですね。
みあ:個人的にはそういうのを、なんか日々見つけて「おー!」って思ってます。さっきの、それこそ解説放送とかも。
ゆみこ:そうですね。
みあ:解説放送はちょっと特殊というか、なかなか多分テレビとかでもそんなに多くはないと思うんですけど。
ゆみこ:はい。
みあ:配信サービスで見てみて、私なんかこうやってアクセシビリティについてっていうのをやってるので、
ゆみこ:はい。
みあ:解説放送を見て「なるほど、こういう感じなんだな」ってちょっと勉強にもなったりして。
みあ:たしかに、なんかひとつ「これもアクセシビリティのひとつなんだ」って気づくと、たしかに面白いこといっぱいありますよね。
みあ:そうですね。
ゆみこ:シャンプーとリンスとかのボトル、手だけで分かる、
みあ:あー、分かるように。
ゆみこ:見分け、区別できるようにしてるのとかも、あれもそのひとつなんですよね、たしか。
みあ:うんうんうん。でもあれもこう、なんですか。視覚障害がある人「だけ」っていうのじゃなくて、
ゆみこ:そう。
みあ:なんか、普通にシャンプーしてるとき目つぶってたりするじゃないですか。
ゆみこ:はい。
みあ:とか、私もメガネかけてるので、お風呂入るときメガネ外したら、どっちがどっちかわかんないみたいな(笑)
ゆみこ:そうなんですよね(笑)
みあ:はい。
とてもすごい便利だなっていうところで。なんか、ある特定の属性の人だけのものじゃないっていう、誰でも便利みたいなのはありますね。
なので、そういうのをちょっと見つけるっていうのは、結構、なんかなじみのあるところとかで見つけると、「おぉ!」って思うので面白いのと、
あとはなんか難しいって思ってたWCAGとかそういうガイドラインとか見て、で、生活にあったりすると「これのこと言ってたのか!」っていう発見があるみたいな。
ゆみこ:たしかにありますね。
みあ:っていう感じで、結構私は日々探して、自然と探してるというかそんな感じですね。
ゆみこ:なんか結びついていくのは楽しいですよね。
みあ:そうですね。
ゆみこ:あと、それで思ったのは、最近というかここ年々、アクセシビリティに関するイベントって増えてきてるなと思っていて
なるべく情報収集するようにしてるからっていうのもあるんですけど、どこどこでこの視覚障害の人たちがこんなふうなことをしていますとか
アクセシビリティに改善したらこういうイベントをやってますみたいなのが、全国各地でだいぶ起こるようになっていて、そういうのも気軽に参加できるようになってきたかなと思うんですよね。
みあ:それこそあれですよね。ウェビナーみたいなのとか、オンラインのものも結構増えてるので、どこからでも参加できるみたいなのありますよね。
ゆみこ:多分昔は本当に専門的に学びたい人向けとか、すごく少数だったんですけど、方法も多様化しているし、イベントをやっている場所自体も増えているので
もっと今より身近になってきたのかなと思って。一回参加すると、さっきみあさんが言ってくれたように「あっ!これが繋がってるんだ!」って気づけることが増えるんじゃないかなと思うので、
「あれってこのためにあったんだ」とか「こうすれば伝わりやすいんだ」とか「使いやすいんだ」とか、そういうことに気づく機会とか、きっかけになりそうだなと思ったので、気軽に一回イベントに参加してみるっていうのは楽しく学ぶっていうのにはいいかなと思いました。
みあ:そうですね。何ですかね、最初オンラインとかでちょっとそういうセミナーじゃないですけど、そういう実体験聞いてみるとか、ウェブアクセシビリティって何かっていうの聞いてみるとかっていうのもいいと思いますし、
実際に参加すると、なんか体験会みたいなのやってたりしますよね。点字の体験してみるとか。
ゆみこ:はい、ありますね。
みあ:そういうのも楽しいのかなって。なんか、前に点字ちょっと打ったことがあって。学生の時なんですけど、授業の一環みたいなので。
「点字ってこういう風になってるんだ!」みたいな、「こういう器具でやるんだ」っていうのをやったりとか。
あと前の会社とかでも聴覚障害のある方が結構いらっしゃって、私そこで手話教えてもらって、手話がちょっとできるようになったので、日常会話とかが
その時に、すごい手話楽しいなと思って。
ゆみこ:なるほど。
みあ:英語とかと一緒だと思うんですけど、要は言語なので手話といえど、日本語を手話に変えてるだけって思ってる方も多分多いと思うんですけど、
それも手話もいろいろ日本手話とか、日本語対応手話とかいろいろあるので、一概には言えないんですけど、やっぱり手話は手話として言語として成り立ってるので、
分かってくると、例えば英語がちょっと喋れるようになったら楽しそうじゃないですか。
ゆみこ:うん、うん、うん。
みあ:なんかそんな感じで、手話もちょっとできるようになったら楽しい、みたいな。
「はっ!なんか、この間教えてもらったのを使ったら伝わった!」みたいな(笑)
ゆみこ:あー、それは楽しいですね!
みあ:はい。なので、そういうイベントとかもぜひ参加していただくと楽しいのかなとは思います。
ゆみこ:そうですね。
それが私たちのポッドキャストも何かきっかけになれば嬉しいなと思いますよね。
みあ:そうですね。なのでちょっと今後も難しい内容もある、ところどころ出てくると思うんですけど、頑張って解説していこうかなと思ってます(笑)
ゆみこ:そうですね、よろしくお願いします(笑)
みあ:はい、よろしくお願いします。
ゆみこ:では、今回の番外編はここのぐらいですかね。
みあ:はい。
ゆみこ:本日は番外編として、WCAG 2.0 解説シリーズをやってきて考えたことや感じたことなどをお話ししました。