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2023-09-19 15:43

『大転換-市場社会の形成と崩壊-』東洋経済新報社(1975) /The Great Transformation(1957/1944)

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[新訳]大転換

 

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サマリー

このエピソードでは、カール・ポランニの『大転換-市場社会の形成と崩壊-』が紹介されます。カール・ポランニはピーター・ドラッカーと親しい間柄であり、まだ市場社会の分析を行った本は出版されていません。

『大転換-市場社会の形成と崩壊-』の紹介
Campus Presents, LISTEN to Books。
この番組では本を取り上げるのですが、単に本を紹介するというよりも、書評するというよりも、こんな本がありますよと。
しかも、LISTEN to the Voice of Booksということで、その本が何を言いたかったのかと、その本の声を聞くというテーマでお送りするのですが、
3冊目はちょっと難しい本です。
カール・ポランニという人、知ってますかね、カール・ポランニ。
The Great Transformation- The Political and Economic Origins of Our Timeという本なんですけど、
これは日本語に訳されて、翻訳されて、『大転換』というふうに訳されているんですけどね。
これは1975年に日本語訳が出て、私が持っているのは1990年の版ですね。
私はたぶん1990年代に読んだと思うんですが、この本はもともと1944年に書かれた本なんです。
The Origins of Our Time、我々の時代の起源。
要するに、我々のこういった今の時代は、どこに大元があるんだろう。
これはどんな本かというと、市場社会、市場経済を分析した本なんですね。市場社会、市場経済の起源はどこにあるのか。
これがアメリカとイギリスで1944年に、まさに第二次大戦中に書いてたんですよね、この人はね。
それを1957年に少し追加、加筆をして、1957年にまた57年版が出ているんですね。
この1957年版を翻訳したのが、この1975年にようやく日本語の翻訳が出たんですよね。
私が読んだのは、90年代、1990年代。
だから、原著が出されてから、もう50年以上経ってから、私は読んだわけですが。
このカール・ポランニという人は、実はピーター・ドラッカーととても仲良いんですね。
ピーター・ドラッカーは日本では有名ですよね。経営学の神様みたいな感じでね。
企業でうんちく語る人は、ドラッカーを語るというぐらい、ドラッカーは有名人なんですが。
実は、このドラッカーととても親しかったのが、このカール・ポランニ。
もっと言うと、このドラッカーは、ポランニをとても評価していた。
ところが、このカール・ポランニは、意外と日本では知られていない。
ちゃんと読んでいる人も少ない。
例えば、市場経済。市場経済について語る人はたくさんいるんですけれども、経済学者も含めてね。
私は政治学専門なんで、経済学そんなにめちゃくちゃ詳しいわけではないんですが、
政治経済学的な意味での市場経済論として、このカール・ポランニの大転換を超える本はないんじゃないかというぐらいに評価しています。
19世紀から市場経済というシステムが 出てきたわけです。
これは非常に特殊な 経済システムです。
市場経済は 一体どういう社会的な意味を 持っているのだろうか。
われわれは 市場経済について これは必要だと、
一方で 市場経済の ネガティブな面にも いろいろと 思うところが あると思います。
市場経済は どのように 生み出されて なぜ世界中に広がって しかも この先は どうなっていくのだろうかと
市場経済は 社会にとって どんな意味を 持っているのだろうかを 一生懸命考えたのが この グレート・トランスフォーメーション、大転換なんですね。
その本の書き出しは こうです。
「19世紀文明は崩壊した。
本書は この事態の 政治的経済的起源(オリジンですね)
とそれが招来せしめた(それが 招いた) グレート・トランスフォーメーション(大転換)とを 扱っている。」
これが 最初の一文です。
19世紀文明が終わり 新しい20世紀文明が 始まった。
それは グレート・トランスフォーメーション、大転換である。 市場社会の時代が やってきたという 話です。
では、19世紀文明は どのような 特徴を 持っていたのか。
バランス・オブ・パワー、 国家間の 関係としてはね。
それから 金本位制です。
正確には 国際金本位制が ありました。
そして 自己調整的な 市場が 生まれ、
自由主義的な国家 リベラルな国家です。
福祉国家は まだ 出てきていません。
非常に リベラルな国家が 出始めたのが この時期です。
これが グレート・トランスフォーメーション、大転換して 20世紀型の市場社会に なってきたという 話をするわけです。
これは 何でしょうね。
なぜ それが生まれ 世界を支配するというか、 世界のスタンダードに なっていったのか。
そこには どんな問題が あるのか。
そんな話を 書いているんです。
市場経済とか 語る人 あるいは ピーター・ドラッカーを うんちくで語る人
それから 今の資本主義について いろんな思いを持っている人は
やはり 一つの基礎的な知識のベースとして このカール・ポランニの大転換
グレート・トランスフォーメーションは 読んでおいたほうがいいと思います。
実は カール・ポランニ、 ドラッカーも そうなんですけれども
ドラッカーも 新しい企業という組織形態が 出てきて
そして そこにおける経営という問題が出てきて
それをやっぱり科学的に扱いたいと思って
誰もやっていないから 自分が考えて作った。
それがピーター・ドラッカーの成果ですよね。
カール・ポランニも同じような形で 市場経済について
そういったことをやった人だというふうに 私は思っているわけです。
で この 一つの時代が終わって 次の時代が始まると
その輪郭が見えているけれども それがどう展開するのか 十分には分からない。
だけどカール・ポランニは20世紀の初頭に その変化を
多くの人たちがその変化を察知していたわけですが
それを可能な限り市場経済 市場社会の時代だというふうにして 捉えようとしたんですよね。
で 何が言いたいかというと 今2023年になって
実はまた大きなグレート・トランスフォーメーションが 起きているはずなんですよね。
もう起きてきているわけですよね。
そのグレート・トランスフォーメーション つまり20世紀型の
それこそカール・ポランニが分析したような 市場経済 市場社会の時代がまた違う形に
それをもちろんベースにしながらですけど
違う形にグレート・トランスフォーメーション しつつあるのが今の時代だと思うんですが
じゃあそれは一体どういう変容で 21世紀型の社会
例えば2090年とかね 2100年とかね
いう頃には一体何が起きているだろうっていうね
つまりほぼ100年前にカール・ポランニが グレート・トランスフォーメーションを語ったように
我々はこれからあと10年15年ぐらいかけて
次のグレート・トランスフォーメーション 今何が起きているのか
21世紀型の社会どうなっているのかということを
やっぱり本当は考えなきゃいけないんだと思うんですよね。
そういう意味ではおそらく今2023年ですから
市場経済の起源と分析
単純に100年サイクルになるわけじゃないけども
やっぱりまだそういうものは 出ているようには思わないんです
つまり1944年にカール・ポランニが
100年単位で物事を考えたような 時代の変化を捉えたような
21世紀にすでに起きている このグレート・トランスフォーメーションを
ちゃんと説明して語っているような本は
まだ出ていないというふうに思っていまして
誰かがやってくれるんだろうなと思いますけどね
でも今まさにそういう時代に実は来ていると思ってね
そういう意味ではそういったちょっと大きなね
大きな動きで物事を考える時に
いろんなそういう世紀の大転換
分析した本はいっぱいあります
市場経済について分析した本もあります
例えばシュンペーターなんていう人もね
いろんなことを書いているし
あるいは市場社会が展開した後
例えばダニエル・ベルなんて人もね
脱工業化社会なんてことも言っているし
他にもいろんな人がいます
きわものみたいなことを言う人もいるけども
やっぱり社会科学としてまともに
誠実に分析して
時代のトレンド、 社会の輪郭
次の社会の輪郭 今起きている社会の輪郭
こういったものを描こうとした本っていうね
真面目にですよ 売れ筋狙いじゃなくてね
真面目に描こうとしているような本って
まだやっぱりね
21世紀にはまだ出てないと思うんですね
カール・ポランニの書いたような本
あるいはピーター・ドラッカーが書いたような内容に
匹敵するような内容 新しい時代のね
これにまだ出会ってないと
少なくとも私は思うので
ちょっと残念なのはやっぱりそういう発想で
考える学者が減っちゃってるという
実は第一次大戦から第二次大戦にかけての時期っていうのは
非常にそういう学問的な
知識人の学問的な成果がたくさん出た時期なんですよね
つまり世界戦争みたいな極限状態
カール・ポランニの評価と現代の変化
でも起きない限り
そういう真剣な思索みたいなのは生まれてこないのかもしれない
カール・ポランニもいろいろ
やっぱりその時代の中で苦労したわけですし
ドラッカーもそうですよね
そういう
なんていうのかな
何らかの危機的な時代にならないと
戦争とかナショナリズムとかがね
かなりこう
悲惨な形で起きるようなことにでもならないと
そういうふうに多くの人がね
考え始めないのかもしれない
どうしてもちょっと表面的なところでね
ひょうひょうと書いて終わってしまうということなのかな
別の言い方すると本気度ですよね
社会を把握しようとする本気度がまだまだ
我々は足りないなと思ってたりするという
何の話かよくわからなくなってきましたが
カール・ポランニー、大転換
ちょっと専門的な本を読んだことある人じゃないと読めませんし
今はこれどうなんだろう
古本以外で手に入るのかな
ちょっと調べてみますけれども
もしかしたらね
この番組エピソードを聞いて
経済学を勉強して
いろいろ読んできたけれども
そういえばカール・ポランニの大転換は読んだことがないな
という人はぜひ読んでみてください
カール・ポランニ、大転換
日本語の翻訳の副題は、市場社会の形成と崩壊
というふうに書いてありますね
The Great Transformation
東洋経済新報社
私が買った時は3200円
ページ数で言うと
426ページ、427ページありますね翻訳本はね
なので分厚いですね
2センチ以上、2センチぐらいの分厚さありますけどね
市場経済、興味ある方
それからピーター・ドラッカーとか大好きな方はね
合わせてカール・ポランニもぜひ読んでほしいと
いうことで紹介してみました
ではまた
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