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2023-12-21 11:22

『人類の起源』中公新書(2022)

LISTEN to books #12

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『人類の起源』中公新書(2022)

 

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『人類の起源』〔本〕人|note

 

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サマリー

篠田健一さんの『人類の起源』中公新書では、古代DNAの解析によって、ホモサピエンスの起源や進化、移動について明らかにされています。アフリカから始まり、ヨーロッパへの進出、アジアでの集団形成、そして最後の旅であるアメリカへの移動まで、ホモサピエンスの大きな旅が描かれています。

ホモサピエンスの起源と進化
LISTEN to books この本が12冊目になります。
この番組では本を取り上げます。
書評するわけでもなく、本の内容を詳しく紹介するわけでもありません。
LISTEN to the voice of books というコンセプトで、
その本が何を言いたかったのか、
どんなことが言いたくてこの本を書いたのか、
そういうことを伝えたくて始めた番組です。
12冊目は、篠田謙一さんの書かれた
『人類の起源』副題が「古代DNAが語るホモ・サピエンスの大いなる旅」ということで、
進化人類学の最前線ということで、
新書のベストセラーにもなっている本なんですけれども、
これは結局、DNA解析ですね。
DNAの解析が非常に進化したことで、
最近、いろんな化石から、
つまり、本当に少しの試料っていうんですけれども、
人骨の本当にわずかな部分とか、
場合によっては、人骨がなくてもその周りにあるものから、
DNAの解析ができるようになったっていうね。
そういう、これは本当にここ十数年の進化だっていうふうに
言われているんですけれども、
これを古代DNA研究。
1980年代からですね、
古代のそういった人骨などの試料、
試す材料って書いて、試料と言いますけれども、
それにDNAが解析可能な形で残っている
ってことが分かったのは、1980年代。
そして、その研究が本格的に始まったのは、
実は、コロナウイルス検知で有名になったPCR法ですね。
このPCR法の発明がきっかけになって、
この古代DNA研究が本格的にスタートした。
古代DNA研究ってのは、もう新たな学問分野。
まだ生まれて間もない学問分野。
今いろんなこういった過去の化石や人骨などから、
DNA研究がどんどん進んでるわけですね。
ゲノム解析。
古代人類のゲノム解析ってのが進んでいるわけです。
次世代シーケンサーって言うんですけれども
これはどういうものかと言うと、
DNAとかRNAの配列を
高速に効率的に読み込むことができる
読むことができる
そういう技術なんですね
なので短時間で解析ができると。
非常に精度の高いゲノム情報を得ることができるようになった。
ヨーロッパ進出とアジア集団形成
ということで
古代人類のゲノム解析が可能になったことで
分かってきたことが、書かれているんです。
ただこれはまだ今進化途中というかね
まだ研究は途中にあるわけです。
すべての古い人骨のDNA解析
ゲノム解析が進んだわけではないので
まだまだ中間報告で
これからいろいろ塗り替えられる仮説もたくさんあるということなんですが
ただ現時点でどうなっているかという話を
もう簡単に素人でも分かりやすくまとめてくれたのが
この「人類の起源」なんです。
例えば、ネアンデルタール人とホモサピエンスはいつ分かれたのか
というのもこれもいろんな仮説があったんですが
DNA解析の結果より正確なデータが出てきた。
しかも
DNAを
比べる
ことで
実は
この二つの人類が
分かれた
あとも、実は
混じり合い
ですね
交雑
混血ですね
が繰り返されていたということも分かってきた。
さらに実はホモサピエンスというのは
純血種だという仮説が強かったんですが
そうではなくて
これももうすでに滅んだ人類ですが
デニソワ人というのがいるんですけども
デニソワ人とも交雑していたということが分かってきた
ということなんですね。
ところが厄介なのは
ホモサピエンスの
化石の証拠が、空白期間があるんですね
つまり60万年前に
ホモサピエンスの系統と
ネアンデルタール人やデニソワ人の系統は分かれたというのは分かったんだけれども
ホモサピエンスの化石の証拠は30万年前ぐらいまでしかない。
だから空白の30万年間があるんですね
ここでどういう進化をホモサピエンスがしたのかが
まだ
分かっていないと
この本書によればね。
ホモサピエンスの移動と人類の最後の旅
そういうことなんですね。
しかも
ただこのことで分かったことは
ホモサピエンス、ネアンデルタール人、デニソワ人という3つの人類
3種の人類が
数十万年間にわたって共存していたと。同じ時代に生きていた。
しかも同じ空間に生きて交雑していたと。
遺伝子交換が行われていたということが分かったとかね。
こういう話なんですね。
ここで
ホモサピエンスのゲノム
遺伝子がどう変化してきたのかを
たどれるようにだんだんなってきた。
それが分かると何が分かるかというと
要するに
そのホモサピエンスとは何者なのか
どういうふうに変化してきたのかということ。
それから
なぜでも、デアンデルタール人やデニソワ人は
ホモサピエンスと
交雑してたのに絶滅してしまったと。
結局ホモサピエンスが
DNAの90%以上のホモサピエンスだけが生き残ったのはなぜか。
こういうことも考える材料になってくるということなんですね。
なので、これまで考えられていた
もう別れてからは交わりもなかったという仮説は
もう塗り替えられた。
そんな話なんですね。
この本
篠田さんの
関心は
こういった古代DNAの解析から
ホモサピエンスがどう進化してきたかということに加えて、
さらに
どこで生まれ
どう地球上を移動してきたか
こういうこともたどれるようになってきた、って言うんですね。
よく言われるのはアフリカで
初期ホモサピエンスが生まれたと。
これが全世界に散らばったと
言われるんですけれども
実はヨーロッパにも起源が一つあるんじゃないか
なんて話もちょっと出てきてるんですね。
ただ主力なのはやっぱりアフリカからヨーロッパに進出し
ヨーロッパの集団が東西に分かれ
そしてアジアの集団が生まれ
そして日本という極東の地への大いなる旅ですね
これ副題に大いなる旅っていうのは
要するに
アフリカから出て日本という極東まで来た。
篠田さんは日本人ですので
やっぱり日本列島に住み着いたホモサピエンスは
どういう起源を持っているのか。
この時にやっぱり本土と琉球列島と北海道とは
少し違うんだなんて話も出てくるわけですね。
さらに実は人類は、アメリカ
これが最後に
ホモサピエンスが到達した地点ということなんですね。
新大陸アメリカ、人類最後の旅っていうタイトルがついて書かれているわけです。
我々はどこから来たのか
我々は何者かそして我々はどこへ行くのか
そんな終章で終わっているわけです。
そんな流れなので、最初の方でホモサピエンスの起源が書かれ
それ以降は
第3章以降なんですけれども
むしろホモサピエンスがその後どう形成され
どう移動してきたのか。
特にヨーロッパ進出とアジア集団形成
そして日本人のルーツ
さらにアメリカへの人類最後の旅という
そういう移動ですね。
これに非常に関心がある。
実は今の歴史の教科書
アフリカで人類が生まれました
次に4大文明
が生まれましたって
そこまで飛んじゃうわけだけど。
その間が空白なんですよね。
ここを埋めることができる
これからね
いうことです。
つまりアフリカで生まれてから
もう数十万年の空白があったわけですが
それを埋めていくことができるっていう
そういうポテンシャルも持ってんだ
いうことですね。
さらにこのゲノム研究が明らかにしたことは
我々はホモサピエンスという一つの種であって
人種とか民族なんていうのは
生物学的な実態もなければ
遺伝的にまとまった集団であるわけでもないと。
つまり人種とか民族の違いなんてのは
大したもんじゃないと。
遺伝子からすればね。
だから人種や民族で対立してる場合じゃないって
こんなメッセージもね
伝えたいっていうことなんだと思います。
篠田謙一さんの書いた「人類の起源」
古代DNAが語るホモサピエンスの大いなる旅
中公新書から出た、人類進化の系統図、
そして日本人のルーツ、
そしてホモサピエンスとは何者なのか、
ということを人類学の第一人者が
最新の研究成果から解き明かす。
そういう本になってます
ぜひ興味のある方は
読んでいただくと
いいんじゃないかなというふうに思っています
ではまた
11:22

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