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2023-11-24 11:22

『プライベート・ゲイ・ライフ - ポスト恋愛論』学陽書房(1991)

LISTEN to books #11

Listen to the voice of books.

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『プライベート・ゲイ・ライフ - ポスト恋愛論』学陽書房(1991)

 

reference

伏見憲明:Wikipedia

 

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サマリー

伏見憲明さんは『プライベート・ゲイ・ライフ』という本で、自分がゲイであることをカミングアウトしたことで、1990年代にはゲイのカミングアウトが相次いで起こる画期的な出来事となりました。この本は、性的指向やジェンダーの多様性を認めることが重要であるというメッセージを伝えるものです。

伏見憲明さんと『プライベート・ゲイ・ライフ』
この番組では、本を取り上げます。
LISTEN to booksというタイトルの番組なんですけれども、これが11冊目になります。
LISTEN to booksということで、書評するわけではありません。
本の内容を詳しく紹介するわけでもありません。
Listen to the voice of booksというコンセプトで、
その本が何を言いたかったのか、どんなことが言いたくて、その本を書いたのか、そんなことを伝えたくて始めた番組です。
あわせて、私の思い出の本ということで、本の紹介ですね。
私がこんな読み方しました、なんてことをお話しする番組なんですが、
今日はですね、プライベート・ゲイ・ライフ。
たまたま、他の番組で話しているうちに、この本を思い出したんですね。
プライベート・ゲイ・ライフ、そういえばこんな本があったなと。
プライベートなゲイ・ライフ。ゲイはまさに同性愛のゲイですね。
筆者が伏見憲明さんという。
伏見憲明さんはですね、僕と同い年なんですね。
2ヶ月しか違わないと。
今は時事評論、小説家をやって、あとゲイバーをやっているということなんですね。
彼は、実は慶応大学の法学部政治学科卒業ということで、
私は名古屋の国立大学の法学部の政治学科卒業なんですけど、
同じ学部学科を卒業しているという点でも、ちょっと親近感があるんですけど、
彼が1991年にプライベート・ゲイ・ライフという本を学陽書房から出したんですね。
1991年というのは、私はちょうど大学院のドクターに進んだころで、
ちょうど娘が生まれるころでしたね。
彼はその本で、自らゲイであることをカミングアウトしたということで、
実は1990年代、ゲイ・カミングアウトが相次ぐんですね。
やっぱりかなり最初の初期のきっかけになったのが、
この伏見憲明さんのプライベート・ゲイ・ライフなんですね。
それをきっかけに、同性愛とかジェンダー・セクシャリティの論客として、
いろんな執筆や発言を続けているということですね。
大学でもちょっと教えたりもしていたということで、
この『プライベート・ゲイ・ライフ - ポスト恋愛論』というんですけど、
これはとてもいい本でした。
やっぱり政治学を学んでいるということも含めて、
単なる主観的な記述ではなくて、
可能な限り客観的に論述しようとしていて、
とにかくいろんな多様性があるんだということですね。
性別の多様性、性的指向の多様性、
何を好きになるかの多様性、いろんな多様性があるんだという。
その多様性の組み合わせも、いろいろと本の中では書いていたりして、
そうだよなあとか思いながら読んでしまって。
多様性の認め方
だからこの本はひとつやっぱり、とにかくゲイというのを認めてくれということよりも、
むしろいろんな多様性があって、その多様性っていうのをやっぱり認めるしかない。
自分自身も認めるしかないし、
人の多様性も認めるしかないし。
そんなことも含めてカミングアウトということをやろうということでやった、
かなり画期的な本なんですよね。
私、その後もう伏見さんの本は実はあまり読んでなかったんですが、
結構ずっと書いてるんですね、いっぱいね。
最近も『新宿二丁目』なんていう本が出てるし、
他にも、これウィキペディア貼っときますけれども、
発言は続けてるし、公式サイトも持ってるということなので、
ちょっとウィキペディア情報ですけども、リンクは貼らせていただきたいなと思ってます。
さらに、アマゾンのほうのプライベート・ゲイ・ライフのリンクも貼らせていただこうと思うんですが、
つまり世の中は男と女しかいないっていうふうにみんな思ってたんだけど、
そうじゃないと。もっとぐちゃぐちゃといろんな多様性があるんだというね、
話ですよね。
これはやっぱり説得力があったわけね。
いろんな性的指向があるんだ。
人と違うことで悩んだり苦しんだりしている場合があるんだけども、
それはむしろ男女っていうね。
男は女が好きになり、女は男が好きになりっていう、
そのスタンダードに縛られてるから苦しんでしまうんだっていう。
そこで沈黙するわけだけど、沈黙する必要はないんじゃないかっていうね。
これはもうカミングアウトするしかないという。
そんな話で。かなり衝撃だし。やっぱりこの伏見さんの本がきっかけになってカミングアウトが相次いだということなんですよね。
カミングアウトの突破口を開いたっていうふうに私は思っています。
それからフェミニズムに対してもやっぱりちょっと批判的なことを書いてて、
それも説得力が非常にあったんですよね。
あと結婚という。
私も実は結婚制度にはいろいろ違和感を持ってて、
結局事実婚のまんま、事実婚とも言えないね。
とにかく娘は一人生まれたわけですけれども、
いわゆる法律婚はしなかったっていうね、基本的にね、いうことなんですよね。
そういう結婚制度の問題。
フェミニズムと結婚制度への批判
それからフェミニズムに対してもやっぱり、わかるんだけどちょっとなっていう感覚があったんだけど、
そこにも結構、説得的に「そうだよね」って思えるような記述がたくさんあったということで、
とてもいい本でしたね。
とにかく自分に正直に生きるしかないし、それでいいじゃないかっていうね。
それを隠す必要もないしというね。
そんな話ですよね、結局はね。
とても良かったです。
今、手元に実はなぜかないんですよね。
これね、もうみんなどっか行っちゃったんですけど、古い本がね。
とにかく思い出したので、これは本当にね、今普通にもうみんなカミングアウトっていうね。
私オカマだからとかゲイだからとかね、いろんなことを
皆さんあけっぴろげに言えるような社会ではなかったんですね、1980年代まではね。
それは90年代以降、そういう時代に入っていった、その画期となる本だったというふうに思ってます。
あと伏見さんの思い出話を1個だけすると、実はこの本が出て、私大学院生だったんですけど、大学祭があるんですね。
そこで法学部祭っていうのがあって、その法学部祭のほうで学生たちが、いろんな人を呼んだんです。
何人か連続講座やったんですが、そのうちの1人が伏見憲明さん。
ついでに言うと久米宏さんにもアプローチしたんだけど、久米宏さんには断られたっていうね。
忙しくて今行けませんって言われて。
結構前向きには考えてくれたそうですけど、ニュースステーションやってた時期なんで断られたとかね。
他にも結構いろんな人来てもらってるんですが、
その中の1人が伏見憲明さんで、私も聞きに行くつもりでいたんですが、
ちょうどこの本を読んで、サインももらおうと思ってたんですが、
最終的にはちょっといろいろ都合があって行けなかった。聞きに行けなかった。
聞きに行っていれば、そこで直接お会いしてお話しして、
場合によってはその後飲みに行ってみたいなね、話になってたかもしれないんですが、
大事な機会を失ったんですが、一方でね、
ちょっと会って惚れたらどうしようみたいなね、
そんな気持ちもね、持ってたのもありましたね。
ちょっとね、なんかちょっと会うとやばいかもみたいな。
気持ちも心の片隅に結構あったんですね。
ちょうどその頃私も、なんていうのかな、
かなりそういう自分に正直に生きるみたいなことに、
かなり素直になってた時期なので、
もう何が起きてもおかしくない状況だったので、
ちなみに私は多分、何でしょう、基本的にはストレートなんですけれども、
ただ単純なストレートじゃないんじゃないかなって、
自分ではね、思ってたりするんで、
意外と柔軟に、何だろう、何でも受け入れるみたいなところは、
結構あるんですよね、私自身はね。
全天候対応型みたいなところがあるんですけれども、
何言っているのかよく分からないかもしれませんが、
そんな意味で、このプライベート・ゲイ・ライフ、本当にいい本ですね。
男性が読んでも女性が読んでもいい本だし、
多分いろんなことが、頭の中ね、整理できるんじゃないかなという気がします。
まあ今となってはね、ある意味、常識になりすぎちゃってて、
だからそういう意味でももう一度原点に戻って、
最初のカミングアウトってこういうことだったんだよっていうね、
ことを知っていただくのもいいんじゃないかなっていうね、気もしますね。
そんな伏見憲明さんも還暦を今年迎えたと。
私より2ヶ月先にね、還暦を迎えたってことで、
還暦のお誕生日おめでとうございました。
ということで、本の紹介でした。
ではまた。
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