なんか日本でも流行ったみたいな話は後から知ったのかな。
なるほど。あとちなみにこの本以降に、
ほにゃららの教室みたいな本が、
ハーバード大学のほにゃらら教室みたいな本がめっちゃ増えましたね。
めっちゃ。だからそのブームを作った本ですよね、この本自体が。
ただやっぱりそのサンテル教授の講義の面白さって、
一方的な語りかけじゃなくて、
こういう問題があります、あなたたちはどう考えますかって言って教師求めて、
生徒の発言を受けて、
それをうまいこと自分の進めたい議論の方に取り込んで、
全体を巻き込みながら話を展開されていくんですよね。
本もその方向ですよね。
やっぱりそういう講義のあり方に触れたことがある人が多分少なかったので、
多分人気あったんじゃないですかね、この本は。
なのでやっぱ単純に教師として素晴らしい人が書いた本で、
そういう意味で、だからきっと人気でわかったんですけど、
でもやっぱり難しかったですよ。
そうですね、だから多分一番難しいのは後半の章なんですよね、きっと。
9章とか10章とか、全員10章だけなんですけど、
後半にかけてサンテルさんが主張しているところにグーっていくんですけど、
そこの理解はちょっと難しいでしょうね。
ある意味では、今まさに彼の中で議論されていることなんですよね。
逆に序盤の方って、いわゆる古典的な哲学についての話なんで、
ある程度共通理解が出てるし、
いろんな人がその話を参照してるから理解もしやすいんですけど、
一番最後は彼の思想を理解しなければならないので、そこの部分が難しいでしょうね、きっと。
当時も多分なんだけど、なので6、7あたりまでは進んだんじゃないかっていう気がして、
その、読み終えてない印象だけはあって、
面白かったけどつまんなくなったという淡い印象なんですよね。
なので、やっぱどこかでわからないところが出てきて、
つまんなく感じたのではないかっていうふうに思っていて。
一つ前の本で、公理主義入門で、
位置づけとしては倫理学としての公理主義っていう捉え方だったと思うんですけど、
今回はもうバリバリ哲学なんですよね。
哲学でも、このサンデル教授は政治哲学を扱ってるんですよね。
政治哲学ってこれまた難しいんですけど、
この本って、現代が、英語のタイトルがJusticeっていう、正義っていうタイトルで、
What's the right thing to do?
正しい行いとは何か、みたいなタイトルですね。複題化。
だから、どこかな。
政治っていう分野において、
何をなされるのが正しいのかを考えるための基準点を作ろうっていう話なんですね。
そのために、過去の人たちがどのようなことを正しいと考えてきたかっていうのを
たどっていくっていうのが一応大きな話の流れになってますね。
改めて思うのが、自分が例えばリバタリアニズムという話だったり、
自由主義という話だったり、
そういうことをまず全然知らなかったということを改めてよく分かった。
なるほど。
例えば、ルソーの社会契約論、一般意識。
前回でも、ラシタさんに一般意識って知ってるかって聞かれて、知らねえって言ったんですけど、
歴史の中の立ち位置としての社会契約論なら分かるんですよ、自分の中で。
ただ、社会契約論とは何かって言われたら、何も知らなかった。
今回、読んである程度理解できたんだけど、
当時自分が知っていたのは、社会契約論がきっかけになってフランス革命が起こったレベルのこと。
そのレベルの人が読むと、やっぱりまずね、
それは小売主義までしか分かっていなかったので、
リバタリアニズム、リバタリアンというものもすごく分かっていなかった、
理解できていなかったということがよく分かりました。
そうなんですよね。リバタリアンとリベラルってちょっと違うんですよね。
リベラルっていうのは、一般的に経済は自由ではなく、個人としての自由を象徴するもので、
逆に共和党の方、右の方は、個人としての自由というものはすごく制限しようとするんだけど、
経済というものはすごく自由にしようとする。
そこをね、まずアメリカのなので、
俺、自分、今回の本を読んだおかげで、
民主党と共和党のポジションの違いというものも全然分かっていなかったということも、
改めて読んでみてよく分かって。
まあ、そうでしょうね。きっと。
ある意味、トランプさんはなぜあんな人気だったのかというものの、
その一部がちょっとだけ理解できたというか、
そういうことも、例えばそのリベラルと保守というものを分かっていなかったら、
全然分かっていないんだなっていうのも分かったですね。
うーん、なるほど。
まあ、なのでやっぱその、相当自分の知識というものが、
自分が好んできたこと以外何も知らなかったということを、
3冊じっくり読んで、すごく思い知らされた本でもあったのかな。
なるほど。
まあ、で、どうしようかな、本の中身でいうと、
そういえば、この本って、このブックカタリスト初めて、
初めて2人とも読んでる本ですね、そういえば。
ああ、そうなるんだ。そうか、そうですね。
ラッシュサスは10年前ぐらいに読んでるでしょ。
そうそう。で、その時、サンデルさんに結構ハマって、
彼の本をいくつか読んでるんですけど、
その中でもこの本は非常にうまく、
まあ、だから抗議なんで、
やめといた方がいいぞって書かれてたっていう話なんですけど、
触りのレベルを持ってですね、思ったよりこの人は自分が興味を持てる、
興味深い人なんだなっていうのが、分かったのがまず中盤のハイライト。
でも実際、本は難しいです。読んだら分かりますけど、本は難しいです。
逆にこれはすごくサンデルさんがうまく紹介していると捉えた方がいいですね。
歴史に残るすごい人っていうのはやっぱすげえんだなっていうことが分かったっていう。
それは間違いないですね。
よくこんな理屈を言ってみたら自分だけで考えたわけですよね。
彼も歴史の上にはいますけど、かなり独特なことを祝いましたね。
この人も過去の天才は世界を変えるのを典型みたいな感じなのかなっていうのは、
感慨深いというか、すごいことだなって思いつつ。
あとはですね、ジョン・ロールズがあんまり分かんなかった。
ジョン・ロールズがね、この人たちに比べてもう少し現代に近い人なんですけども、
サンデルさんはロールズ的な考えに対立する軸として自分の考えを出してはるんで、
本来はもうちょっと綺麗に論を立ててほしいんですけど、
ページ数の関係というかコマ数の関係でそこまで詳しくはいけないというのと、
本屋さんに行った時にロールズの正義論という本があるんで、探してもらったら分かると思うんですけど、
クソ分厚いです。
読む気がなくなるぐらい分厚いです。
俺もね、読んでてね、憶測というかね、勝手な推測というかね、
言ってみたらジョン・ロールズとサンデルさんは戦ってる敵同士じゃないですか。
論的同士ですね。
なんかね、嫌いなんでね、あんま詳しく説明してないんじゃないかっていうね、
深読みができるぐらい、ジョン・ロールズに対しては本当になんか浅いんですよね。
ここだけすごく書いてあることが浅い。
まあ、しゃあないですね。後半の9章あたりに出てくるんですね。今ちょっと読みながら見てますけど。
ジョン・ロールズ自体はですね、6章がジョン・ロールズの話なんですよ、言ってみれば。
格差原理も出てきて、一応触れてはいるんですけど、
なんかあのめっちゃ否定したいんだけど、それを書いてしまうと否定しか書けなくなるので、
あんまできるだけこう、違反終わりとしか触らないようにしたんじゃないかって思える感じの書き方で、
特にこの人に関しては全然情報足りなくて、他の情報ソースを結構漁って読まないと、ここが全然わかんなかった。
たぶん最初にこの本を読んだ時につまらなくなったのは、たぶんこの6章あたりなんでしょうね、きっと。
思い返したらそうなのかもしれないですね。事例だけなら面白いんだけど、なんかここはやっぱり足りないんですよね。
確かにそうかもしれない。無知のベールって出てきました、この本の中で。
減少状態とか無知のベールっていう話をしていない、少なくとも強く書かれてはいない。
この社会ってそもそもどう成り立ってんのかっていうふうにして、いろいろ読みたくなる、知りたくなることが増えるんですよね、これ。それが沼なんですけども。
ラシタさんは哲学詳しいですよね。
どうなんやろ。それでうんって言う人は多分いいと思うけど、詳しくはないですよね。
そうか。俺目線で見てっていう話なのか。
これ岡さんよりは読んでる哲学の本は多いと思うよ、っていうぐらい。
学生時代に大学でそういうことをやっていたとか、そういうのではないですよね。
一応僕理系なので。
言ったらなんですけど、理系の学校に行くとこんなことは全く触れないじゃないですか。
おそらくはね。
しかも人文系の面白いことは、何て言うんだろう。大体が頭の中で完結していることっていうのかな。
そうですね、確かに。
で、人文系を学んで思ったのが、やっぱり大体が頭の中で完結していることなので、
この人たちの考え方を理解するというだけで応用できるっていう言い方をするのかな。
そういうことがめちゃくちゃ増える。
そうですね。だから哲学者の仕事っていろいろ定義されますけど、概念を作ること。
新しい概念を作ることとよく言われてて、その概念っていうのが要するに考え方って言い換えてもいいけど、
考えるときの武器になるっていうちょっと攻撃的な言い方もありますけど、
それを取り入れることによって単純に知識が増えるというよりも、
物事の捉え方とか知的操作のバリエーションが増えるとか、そういう効果がありますね。
それが例えば物理、数学は理系にいてちゃんと勉強すれば役に立つということは理解できるんですけど、
役の立ち方が全然違うというのかな。
究極なこと言えば数学はその業界にいなければ役に立つ確率は低いので。
特に応用というか、先に進めば進むほどそうなりますよね。
ただ人文というものは割と生活に密接したレベルで学んでおくと、ストレートではないんだけどすごく役に立つ。
そうですね。だから例えばそこにある前提を疑うみたいなことは、手図学でないと見につかないんですよね。
というのが初めて勉強して、こんな面白い学問というものが世の中にあったんだなというのに結構感心していて。
こういう本を読む人は別に変わっている人たちはないんですよ。ただ単にこういうのが面白いから読んでいるということなんですよね。
しかもやっぱり面白いのに役に立つと思ったっていうのが結構すごいなっていう。
知的好奇心だけではなく、これを何の役に立つかって上手に話せるほど、俺はちゃんと理解はできていないんですけど、役に立つと確信することはできた。
人が生まれ持った社会的成功はほとんどが運だっていう言い方。あれを読むと救われる人というのがすごくいっぱいいるような気がして。
例え話で出てきたのが、ウッディ・アレンのスター・ダスト・メモリーっていう映画で、サンディさんとジュリーさんっていう人が出てきて。
どっちがどっちか忘れちゃったんですけど、タクシー運転手と超売れっ子コメディアンみたいなのがいて、
その超売れっ子コメディアンが地元に帰ってきて、タクシーに乗ったら、昔の友達がいて、お前めっちゃ売れててすげーよなーって言ってるんだけど、
その超売れっ子コメディアンが、たまたま今の時代というものは、面白いことを言うやつというのが高く評価される時代なだけで、
俺がすごいんじゃなくて、俺は運が良かっただけなんだっていう言葉。
確かジョン・ロールズさんは努力できることすら運だって言ってるんですよね。
そうですね。それも実際、くつくえの前に座ってコツコツ勉強できる人っていうのは、
遺伝的な要素はかなり強いでしょうし、もっと言うと家庭的な要素もあるでしょうから、
その努力できる土台っていうのは、その人のいわゆる自由意志だけで獲得されたものではないでしょうね。
っていう考え方は、結構、現代社会の暗い面というものを救い得る考え方じゃないかなっていう風にこれを読んでいて思って。
ある意味で、自分のせいじゃないんだって考えられるってことですね。
それはあんま悪く言ってしまうと、ただの無責任なダメなやつになってしまうので、難しいんですけど。
そういう意味で、ジョン・ロールズさんというのをもうちょっと知りたいなって思ったりもしたかな。
これね、ジョン・ロールズさんの原本に当たるのはまず無理として。
ああ、そうなんだ。
いや、別に本には言って、ブーツさん見てから判断してもらったらいいですけど、まあ積極的に思うとは思わないと思いますよ。
でもね、あんまりロールズさんの日本人が書いた改正書ってね、あんましないんだよね。見かけない。
ああ、そうなんだ。ウェブで調べる限りでも、あのね、ジョン・ロックと混ざるんですよね。
やっぱりなんか、その、正義論とか社会論の中でロールズが惹かれてるのは結構あるんですけど。
ロールズそのもの、NHKの100分で名著とかがあったら一番いいんですけどね。
あれはいいですよ。確かね、カントは出てたはず。確かカントは出てたからそこから行くといいと思います。
それぐらいだったらだいぶ読みやすいと思う。
で、サンデルさんをもし広げるんやったら、それをお金で買いますか。市場収入の限界って話。
さっき言った市場に全部任せてたらうまいこといくのって、たぶん嘘ですよねっていう話。
だからさっき言ったマンガとかベースで興味を持って広げるとかいうのが良くて、働く細胞っていうマンガもあるんですけど。
人間の体めっちゃよくわかるやつね。
あれも結構、科学的な知識を講義帳で説明するんじゃなくて、マンガのわかりやすい形でつなげているところがあって。
教科書を読んで学びましょうというよりは、そういう形でサブカルチャーに侵食する形で広がるのが一番広がりやすいような気がしますね。
実際、学術とか記憶の話で言っても、その辺よく見てるんですけど、テキストじゃなくて図で覚えろっていう、そっちの方がはるかに効率いいぞっていうのは言われてるんで。
そうですよね。テキストを読むより表とか図とか絵とかを見た方が効率よく記憶がしやすい。
そこをもちろん動線にして、その入り口以降はそれぞれのテキストを読むのはいいんですけど、段階的に最初はそれから入って、
次にNHK百分の一名町入って、新書で入門してそれぞれの本に入っていくぐらいの階段が設計されていると良いかなという感じがしますね。
大体大きな流れが分かってまとめると、ギリシャの最初の頃に哲学というものが始まったのは古代のギリシャなんですよね。
その後にJ.S. Mill、ジェレミー・ベンサム、ちょっと後にカントさんってフルネーム何でしたっけ。
エマニュエル・カント。
エマニュエル・カントあたりの経済が発展してきた頃に、公理主義に代表される分野と、古代のギリシャの哲学があって、公理主義というものがあって、
俺の認識なんですけど、そこから一時、哲学という分野がちょっと盛り下がっていたところに、
ジョン・ロールズさんがその正義というものを考えようということで、再び哲学という分野が盛り上がり、
そこに反論するという形で出てきたのが、マイケル・サンデルさんみたいな形なんですかね。
サンデルさんがさっき言ったように、生活に密着した形の哲学というか、私たちが何かを考える上の土台で、
あとフランス現代思想というのがありまして、それはまた別個で現代的な盛り上がりを見せてるんですけど、
それはまた別の話なんで、とりあえずここではやめときますが、それはそれでまた別ルートがあります。
別ルートね。サンデルルートじゃない方もあるってやつね。そっちはまだ未知なので、何も分からずっていう。
でも何冊かの本を読んで見事に繋がるっていうことが、ちょうどいい感じに体験できて良かったですね。
なるほど。ちなみに、カントの言った話の自由の話で佐々木さんのあれが出てきましたけど、佐々木さんは心理学系統じゃないですか。
心理学系統というのはラカンという方が有名で、実はラカンって前回名前を出したハガキが届く届かへんみたいなので、届くって言った方の人なんですね。