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2025-11-04 18:05

第2回 奥田英朗『コメンテーター』1~文芸誌と芥川賞~

奥田英朗『コメンテーター』について紹介していきます。

「オール読物」で連載の「トンデモ精神科医 伊良部シリーズ」の最新作。今回は文芸誌や芥川賞についてもお話ししています。


《奥田英朗『コメンテーター』》

https://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784163916873

サマリー

奥田英朗の『コメンテーター』は、最新のとんでも精神科医ラブシリーズとして紹介されている。この作品は、文芸誌での受賞歴との関連性についても言及されている。また、文芸誌や芥川賞の影響力が語られ、村上春樹の作風とその評価についても考察される。さらに、精神科医のイラブさんを主人公にしたエンターテインメント作品が描かれ、心の病に対するアプローチがユーモアを交えて紹介される。

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【Book Bridge Lab Presents】文学サロン・アルボレ
この番組は、大人の読書教室、Book Bridge Lab代表の古原)がお送りするポッドキャストです。
今回は、いよいよ本編ということで、1冊目を紹介していきたいと思います。
奥田英朗とコメンテーターの紹介
今回ご紹介するのは、奥田英朗さんの『コメンテーター』という本です。
単行本は2023年5月に発刊、そして文庫版が2025年9月に出されたばかりという作品になっております。
この作品は、とんでも精神科医ラブシリーズというシリーズものなんですね。
それの最新作ということになります。
今回は、このとんでも精神科医ラブシリーズについて全体的に紹介しながら、
最終的にこのコメンテーターという作品、最新作がどのように位置づけられていくのか、
ということについてご紹介していけたらなと思っております。
やる前に、少しこのコメンテーターという本を読んだ時に、
久々の新刊だったので、読んだ時に、
これはこれまでの作品とずいぶん違うなという感想を持ったんですね。
もともとこの最初の作品が、イン・ザ・プールという作品なんですけれども、
そこから始まっているんですが、その1冊目だけ読んで、それ以来読んでなかったんですよ。
ですから、1冊目、2冊目、3冊目もあって、4冊目がコメンテーターなんですけれども、
ちょっと間空いているうちに、ずいぶん何か変わったなって思ったんですね。
じゃあ、いつ変わったんだろうとか、どうして変わったんだろうなんていうことも気になったので、
その後、2冊目の空中ブランコ、3冊目が蝶々選挙ですね。
この4冊がシリーズとして発刊されているんですけれども、
それぞれ読んで、これはなかなか面白いなと思ったので、
せっかくなので、それぞれについても紹介していけたらなと思っております。
まず、この奥田秀夫さんのとんでも精神科医ラブシリーズっていうのは、
文芸誌と直木賞の関連
オール読物っていう雑誌で連載されていたものなんですね。
文芸春秋ですね。文芸春秋の中でいろんな雑誌出されてますけれども、
その中の一つだということです。
オール読物っていうのは、直木賞が紹介される雑誌としても有名だと思うんですね。
文芸春秋社のオール読物っていう雑誌で連載されていたということで、
要するにこのオール読物と直木賞っていうのはかなりつながりがあるわけなんですよ。
ということを別にしても、このとんでも精神科医ラブシリーズの第一作、
インザプール、こちら2000年の8月に出されているものなんですけれども、
このインザプールは直木賞候補にもなっております。
直木賞、そうですね。直木賞っていうのは割と短編とか中編なんですけど、
このインザプールも決してすごい長い作品ではないんで、
まあまあ人口にもなってもいいかなという感じはありますかね。
直木賞にしては軽すぎるっていうよりは、
もうちょっと他の作品で出してもいいんじゃないかなって考えてもいいかもしれないけれども、
ただ今から考えると、このとんでも精神科医ラブシリーズの第一作と考えると、
非常に意義深いというか、何らかの賞を受賞してもよかったのかなっていう気はしてますね。
このシリーズっていうことでも分かる通り、これは短編集になります。
長い作品っていうんじゃなくて、そうですね。
中編からもうちょっと短編に近いくらいの作品までですかね。
いろんな作品が入っています。
第一作、第一冊目、単行本として最初に出された第一作目がインザプールという作品で、
このインザプールという単行本の中には、インザプール、これ2000年8月、
それから立ちっぱなし、コンパニオン、フレンズ、いてもたってもの5作が入っています。
いちでも2000年から2022年にかけての作品で、オール良いもので連載されていたもの。
そのオール良いもので連載があった後に単行本が2002年の5月ですから、
すぐに単行本が出ています。
これが文庫化されたのはそれから4年後の2006年になりますから、ちょっと間が空くんですね。
この2006年というのも少し大事な年になってまいりますけれども、
まずは順調にナスベイ出しをした作品だということなんです。
せっかくなのでこのオール良いものって作品も少し取り上げておきたいんですけれども、
僕自身もあんまりこの小説雑誌っていうもの、今ねこれ文芸誌と言ったりしますけれども、
文芸誌って言ってもね、なんかこういろんなものがあるわけですよね。
僕がよく読んでいるのは文芸っていう川出書房新社で出している文芸っていう雑誌と、
あとはそうですね、文学会ですね。文芸春秋が出している文学会のこの2冊はたまに読むんですね。
たまに読むんですけど、勝手に読むんだけど、それ以外はあんまり読まないですかね。
なんですけど、改めてそのあたりも少し振り返っておきたいんですけれども、
まず文芸誌って言うと大きく分けて、いわゆる文芸誌、
少し格式あるというか、ちゃんとした文学らしい文学っていうものが掲載される文芸誌と呼ばれるものと、
もうちょっと大衆向け、エンターテイメントとかそういったものに近いものを伝採している雑誌っていう大きく2種類あるんですね。
いわゆる文芸誌の中で、文芸誌って呼ばれるもの自体が割と少ないというか、そもそも雑誌自体が全体的に少なくなっているんですが、
この文芸誌っていうものはですね、その中でも特に少ないですね。
いわゆる五大文芸誌と呼ばれて今も続いているものとして、文芸春秋の文学会、あと新庁舎の新庁、
あとは抗断者の群蔵、そして衆営者のすばる、そして河原消防審査の文芸っていうことですね。
この5冊がいわゆる五大文芸誌ってことで、この中から芥川賞が選ばれるっていうことです。
芥川賞っていうのが文学とか、いわゆる大衆文学ってよりはもうちょっと文芸誌で伝採されるような格式のあるような、
そういう文学に対して与えられる賞なんですね。
この中から選ばれるってことなんで、まずはこの5冊の5種類の雑誌で何かしら伝採するとか、作品を出すってことが芥川賞の条件になってくるわけです。
その中から年に2回選ばれるのが芥川賞ってことですね。
新人賞なんかと比べると年に2回選ばれるわけですから、まあまあの確率で選ばれるわけですよ。
しかも五大文芸誌にまずは乗ることっていうのが大事だったりするので、まずそのカードを乗り越えれば割合限られるというか、その中から選ばれるっていうとかなりね。
しかも半期ですかね、半年で出されたものでその中から選ばれるって言うと、結構芥川賞に出る作品っていうのは要するに愛とあらゆる作品から選ばれるわけじゃなくて、あくまで最近ここ半年で出されたこの五大文芸誌の中から選ばれるっていうことですかね。
の中の作品が選ばれるっていうことだから、結構限りがあるってことはわかりいただけるかと思います。
各社ですね、大体そのいわゆる文芸誌っていうものとは別に大衆文芸ですね、大衆文学について連載するものも雑誌もあったりするんですね。
例えばその文学界にあたる、文芸春秋で出しているのが文学界が文芸なのに対してエンターテイメントとか大衆文芸にあたるのがオール読み物だっていうことですね。
例えば新潮だと小説新潮っていうのがね、これが文エンターテイメント系。
偶像、講談社の偶像で言うと講談社の小説現代。
修鋭者のスバルに対して修鋭者の小説スバルなんかがあったりするわけですね。
ちょっと私も詳しくはないんだけど、この直記書っていうのがエンターテイメント系に出されるものなんですね。
基本的にはこれらの雑誌から出されるものと考えていいんじゃないかなと思うんですけど、どうなんですかね。
ちょっとそこは詳しくわからないところで、例えばエンターテイメント雑誌で言うとSF雑誌とかファンタジー系の雑誌とかね。
いろいろ雑誌はあるんですよ、雑誌ってだけだったら。
やっぱり文芸誌と比べるとかなり雑誌数が多いというか種類は多いわけですね。
雑誌はいろんな雑誌があるわけですね。作品数も多いわけです。
どこまでをカバーするのかって言うとちょっとわからないところあるんですけれど、直記書候補作っていうのはそういう中から選ばれていくわけですね。
中でもオール読物っていうものの中から選ばれるし、オール読物で直記書の受章作を掲載するっていうこともあるので、まあまあそこはかなり癒着というのもあれですけど、関係性は深いということになりますね。
オール読物とシリーズ作品
そんなオール読物で伝採されているのが、この奥田秀夫のイラブシリーズだということになります。
なのでエンターテイメント小説ですね。結構コミカルなものだし軽く読めるものだと思っていただいていいと思います。
何をもって文芸というか格式のあるものだ、そして何をもってエンターテイメントとするのだっていうのは難しいところですけれども、
比較的わかりやすくて読みやすいものはエンターテイメントに属することが多いでしょうし、
文芸史に掲載されるものはちょっとわかりにくかったり、少し前衛的というか挑戦的な試みをしているような作品も多かったりするわけなんですよね。
そうなるとどう思いますか。例えば村上春樹の作品っていうのは、作風的にはなんとなく個人的にはエンターテイメント寄りな印象あるんですよね。
文芸的なものはあるんだけど、文章表現も面白いんだけど、やっぱりドキドキワクワク感とか話の展開とかの面白さもあるし、
割とカジュアルに読める方なのかなという気もしなくはないんですよね。
ただどこか文学的な格式という側面で見ても特徴的な文体だったりもするし、展開だったりもするのでね。
そういう意味ではこちらにあげてもいいんじゃないかなと思いますが、基本的にこれは新人賞に近いというか、
割と最近の作家さん、最近連載されている作家さんだし、すごいベテランの方というよりは割と若手、
どちらかというと若手の方が受賞するケースが多い作品にはなっているんですね。もちろんそうじゃない場合もありますけどね。
とはいえ多分村上春樹がどちらかを受賞するということは今更ないんじゃないかなと思いますけどね。
こういった文学賞というのは色んな背景とか、音楽賞なんかもそうだけど、
こういう芸術の賞というのはある程度の偏りというのはありますからね。
こうするとそれに受賞しやすいとか、あとはこういうものは受賞しないんだというのはありますからね。
別にそれが芸術的な価値とは必ずしも一致しないというかね。
だからもちろん文学作品も文学としての価値と必ずしも一致しないというのは、これはありますよね。
さて少し前段が長くなりましたが、いよいよ実際作品に入ってまいりますね。
このとんでもない精神科イラブさんという作品なんですけれども、主人公がイラブさんという人ですね。
これはイラブ総合病院の後を解いておいていいのかな。
イラブ総合病院の息子さんが精神科医なんですね。
その精神科医のイラブが神経科を開いて、そこでイラブ総合病院の中の神経科を担っていて、
そこにいろんな人が訪れるという作品なんですね。
どうなんでしょうね。精神科医っていう印象をパッと思い浮かべると、今だとどういう人を思い浮かべますかね。
あんまりテレビに出てるような人で精神科医って言うと、最近はちょっとピンとこない人も多いんじゃないですかね。
もちろんね、僕は結構アディクションとか、何て言うんでしょうね、依存症ですね。
そういうものとかに結構興味があったりもするので。
あとはもともと精神医療だけじゃなくて心理学の方ですね。
臨床心理の方の関心とかも高い人間ではあるので、心理カウンセラー、臨床心理師、
もしくは後任心理師とも言うようになりましたけれども、そういった方の精神医療に関わる人とかもね、
パパッとなんとなく印象つけられるとかもありますけれども、ただなんとなく精神科医って言うと、
あんまりキャッチな感じでは受け取られないことも人も多いんじゃないですかね。
精神科医って言うと、これでもただ注目したいのは最初に出されたのが2000年なんですね。
今から25年も前なわけですよ。
25年前って言うとだいぶね、この精神科医っていう印象もだいぶ違ったと思うんですよね。
なんか多分もう得体の知れないものって、ちょっとなんかある種のこの精神医療に対する偏見もまだ今以上にあった時代だと思うんですね。
鬱病って言うと、これは口にしちゃいけない病だとかね。
なんかそんな時代だったと思うんですよ。
今だったらね、鬱病ってものに対する理解がだいぶ深まってきたというか、偏見もあれど、そこに対して全くこれは大丈夫なの?みたいになったりはしないというか、
鬱病なのね、そっか、じゃあちょっと休んだ方がいいんじゃないかなっていうくらいにはなってきたと思うんですね。
そんな2000年において、いろんな心の病に向き合っていく。
向き合っていくというかね、向き合わないんですけど、向き合わないわけじゃないか。
なんかこう、規制していく作品ではあるんですね。
これはもうエンターテインメントですので、いわゆるこの精神医療としてどう立ち向かうか、
ブラックジャックはよろしくみたいなね、正面から医療に切り込むみたいな感じじゃなくて、
まあもうコメディですね。
エンターテインメントとして、このイダブという人物がですね、非常にユニークな方なんですね。
いろんなことに無頓着だったり、いろんなことにすごく注意深かったり、熱心だったりとか、いろんな特徴のある、かなりユニークなキャラクターなんですね。
このイダブさんがいったい、いろんな心の病だったり、いろんな症状に対してどう接していくか、
そしてその症状はどうなっていくのかということが、面白い作品となっております。
イラブさんの物語
一旦ちょっと今回ここまでで終わりにしましょうかね。
この番組ではお便りを募集しています。
番組の感想や質問など、どしどしお待ちしております。
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お待ちしております。
何か今回のことに関わるもの、これからもちろん本編にも入っていくわけですが、
例えば今回お話ししたような文芸誌についてだとか、こんなの読んでますとかね。
あとは芥川賞や直樹賞といった受賞作とか、新人賞とか持ってますとかね。
そういうふうな感想もいただけたら嬉しいです。
ではまた次回も楽しみに。ご案内は小原大輝でした。
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