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こんばんは、ひとりごとの時間です。今夜はニルスについて話そうと思います。 僕が子供の頃にテレビで見ていて、今でもふと懐かしくなるアニメの風景があるんです。
例えば、アライグマラスカルやフランダースの犬、 アルプスの少女ハイジ、
それから、メイケンジョリーやスプーンおばさんのような海外の文学を原作にしたアニメです。
少し古い作品ばかりなので、僕が見ていたのは再放送だったり、もう少し先の作品だったりもするんですけど、
テレビをつけると流れてくる、 あのヨーロッパののどかな田舎町の景色を、なんだかの胸を踊らせながら眺めていた、そんな記憶があります。
石畳の道や、赤い屋根の家並み、 見たこともない遠い国の風景なのになぜだか懐かしく感じていました。
そこにあの出てくる人たちもみんな魅力的で、 思い出すだけで今でも心がじんわり温かくなる気がします。
そんな作品の中でも、あの頃の感覚が今でもどこかに残っているのが、ニルスの不思議な旅でした。
いたずら好きの男の子が妖精のいたずらで小人にされてしまい、 ガチョウのモルテンやガンの群れと共に空の旅へと出る物語です。
この物語の中で、今になって振り返ると妙に印象に残っている場面があるんです。 それがニルスの家で飼われていたガチョウのモルテンのエピソードです。
ガチョウはもともと人と暮らす中で飼い慣らされてきた鳥です。 野生のガンのように長い距離を空高く飛ぶことはできません。
ところがある日、空を渡っていくガンの群れから、 空を飛べない鳥なんて鳥じゃない、そうから飼われたモルテンは負けてたまるかと夢中になります。
地面を駆けて必死に羽ばたいて、そしてついに大空へと飛び立ってしまうんです。 子供の頃はあのただただ飛んだと嬉しくなって見ていました。
あんな大きなガチョウが空へ舞い上がる姿がとにかくかっこよかったんだと思います。 でも大人になってから思い返すと、あの場面はどこか不思議な余韻を残しているように感じます。
僕たちはなんとなく鳥といえば空を飛ぶものだと思っています。 でも鳥たちのことを調べてみると、実はそう単純でもないんですよね。
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例えばペンギンです。彼らの祖先は紛れもなく空を飛ぶ鳥でした。 でもある時から飛ぶことをやめ、その代わりに海を自在に泳ぐ力を育てていきました。
ダチョウなんかもそうです。 空を飛ぶ代わりに広い大地を力強く走る足を手に入れました。
飛ばなくなったからといって能力が衰えたわけではありません。 その場所で生きていくためにそれぞれのやり方を選んできたんですね。
そう考えると、飛ぶ鳥と飛ばない鳥の間に優劣のようなものはないのかもしれません。 そして飛ばない鳥にはもう一つ別の歴史があります。
モルテンのようなガチョウ。 そしてアヒルやニワトリたちです。
彼らはもともと野生の鳥でした。 けれど人と暮らし守られ、餌をもらうようになる中で少しずつ飛ぶ必要がなくなってきました。
ニワトリの祖先と言われる野生の鳥は今でもちゃんと空を飛びます。 そう思うと僕たちが当たり前に見ている鳥たちの姿も
ずいぶん長い時間の積み重ねの上にあるんだなぁと思えてきます。 だからこそあのモルテンの姿が妙に心に残るのかもしれません。
人との暮らしの中で飛ぶ力を失っていったはずのガチョウが、野生のガンに挑発されて夢中で羽ばたき大空へと旅立つ。
子供の頃はのただかっこいい場面だと思っていました。 でもあの今見ると、それは忘れていた何かを思い出した瞬間のようにも見えるんです。
モルテンがあの空へ舞い上がったあの場面を思い出すたび、 昔どこかに置き忘れてきたものを探すような気持ちになります。
それではここで一曲、忘れ物。
なんとなく開けてみたら 奥の方で
眠っていた お気に入りの小さなペン
毎日使っていたのに いつの間にか無くしたと思い込んで
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過ごしていた そんな自分がおかしくて
当たり前のこの毎日 すぐそばにある幸せは
ありがとうの宝物 忘れ物を一つ見つけて
心がぽつりと温まる
忙しく過ぎていく 日々の隙間で
置き忘れていた 大切な優しい気持ちを取り戻す
あったこの毎日 すぐそばにある幸せは
ありがとうの忘れ物を一つ見つけて
心がぽつりと温まる
見つけたペンをポケットに 明日のノートを開こう
さてここまで飛べる飛べないについて 話してきましたが
ここからは物語の結末へ向けた ネタバレを含んだお話となります
旅の途中ニルスはガンの群れの リーダーであるアッカ隊長から
妖精の伝言を聞かされます それは元の姿に戻りたければ
ガチョウのモルテンを生贄として 差し出さなければならない
そういったものでした やがてあの長い旅を終えニルス
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たちはようやく家へ帰ります ところがあの久しぶりに戻った
家の暮らしはすっかり苦しくなって いました
そして何も知らないお母さんは 生活のためにあのモルテンを市場
へ売ろうとするんです 市場へ売られるということはモルテン
の命が失われてしまうということ でした
その瞬間ニルスは自分が元の姿 に戻れるかどうかなんてどうでも
よくなります ただ必死にモルテンを売っちゃ
ダメだと飛び出していくんです そしてその時ニルスの体は元の
人間の姿へと戻ります 以前のニルスはいたずら好きで
動物たちの気持ちなんて考えもしない 男の子でした
けれどあの長い旅の中でたくさん の生き物と出会い助けられ時には
自分も誰かのために行動するよう になります
そして最後には自分の願いより も友達になったモルテンの命を
選ぶ 妖精が残したあの厳しい条件は
ニルスの成長を確かめるための 最後の問いだったんだと思います
物理的に飛べるか飛べないかという 話から少し離れてしまいました
けど大人になってこの結末を思い出す と
あの物語が今でも心のどこかに 残り続けている理由が少しだけ
わかるような気がするんです 遠い国の空を旅する物語なのに
最後に残るのは誰かを大切に思う 気持ちの温かさなのかもしれません
今夜はニルスについて話しました それではまた次回