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ゴキブリのこと
2026-10-13 11:00

ゴキブリのこと

今回のお話は、みんなに嫌われがちな、あの黒い虫について。通称G。見つけただけで大騒ぎされ、新聞紙やスリッパまで飛んでくる。考えてみれば、なかなか気の毒な身の上です。ところが、同じ仲間でも、暮らす場所が違うと扱いがずいぶん変わるらしい。人間の好き嫌いというのも、ずいぶん勝手なものですね。そんなことを考えていたら、虫たちを見る目が、ほんの少し変わるかもしれません。

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サマリー

ゴキブリが嫌われる理由を、見た目ではなく不潔そうなイメージや暮らす場所との関係から考える。排水口や台所などにいる一方、森に暮らすサツマゴキブリやルリゴキブリもおり、ルリゴキブリは保護されている。さらに、衛生害虫・不快害虫・家屋害虫・農業害虫など、人間の都合で虫に貼られるさまざまなラベルを取り上げ、同じ虫でも場所や行動で扱いが変わることを語る。

ゴキブリが嫌われる理由
こんばんは、ひとりごとの時間です。 今夜はゴキブリについて話そうと思います。
カサカサと人目をはばかりながら、よなよな活動する生命体、通称ジイ。 世の中には、そんなゴキブリが苦手な人が多いと聞きます。
なぜそんなに嫌われているのだろうと不思議に思い、少し考えてみました。
気持ち悪いからという人もいれば、汚い、不潔だからという人もいます。
僕はどちらかといえば、後者の方です。 でもよくよく考えてみますと、ゴキブリの姿形は虫としてみれば、
ごくごく普通の佇まいをしています。 色だって落ち着いた茶褐色で、
これといって気持ち悪がられるような特徴があるわけでもありません。 ムカデやゲジゲジのように足が不気味なほどたくさんあるわけでもありません。
ケムシやハチのように毒針で刺してくるわけでもないし、 蚊のように夜中に耳元にやってきて血を吸っていくわけでもありません。
もちろん虫そのものが苦手な人にとっては、どんな虫であっても気持ち悪いのだと思いますし、それはよくわかります。
けれど、スズムシは良くてゴキブリはダメというのは、なかなか理不尽な話です。
ゲンゴロウなんて丸くて可愛い生き物として語られることもあります。
見た目だけで言えばゴキブリだってさほど変わらないように思えます。
暮らす場所で変わる虫の扱い
そう考えると陸のゲンゴロウくらいに可愛がられても良さそうなものです。 ところが現実はそうはなっていません。
そうなると嫌われる理由は見た目そのものではなく、やっぱり汚そう不潔そうというイメージの奥にあるのだと思います。
そのイメージには彼らが普段どんな場所を住みかにしているかというのも関係していそうです。
水中のアイドルゲンゴロウは小川なんかの水の中で暮らしています。
子供たちに大人気のカブトムシやクワガタはひっそりとした林や森の木々に集まります。
コオロギやスズムシだって土手や公園の草むらにいます。
どこか風情のある場所ばかりです。
一方ゴキブリはと言うと、排水口や台所の隙間、ゴミ箱の裏や下水のマウンホールなどにいます。
人間が不潔だなぁと感じたり、できれば人目のつかないようにしておきたいと思ったりする場所ばかりです。
これではなかなか部が悪い。
ただ、汚いかどうかは一旦脇に置いておきまして、ゴキブリだって人間を見つけたからといって、わざわざ近づいてきて襲いかかるわけではありません。
それなのに部屋の中を歩いているところを見つかろうものなら、丸めた新聞紙やスリッパが飛んできて容赦なく叩きつぶされます。
人間の方も驚いていて、大騒ぎしているのですから、どちらが先にびっくりしたのか、もうよくわかりません。
ゴキブリにしてみれば随分と理不尽な話です。
実はゴキブリの仲間には、林の中や森の奥でひっそりと暮らしている種類もいます。
サツマゴキブリやルリゴキブリなどがそうです。
中でもルリゴキブリは、数が少なく国によって大切に保護されている種類です。
捕まえたり売買したりすることも法律で禁止されています。
同じゴキブリの仲間なのに、家の中に現れれば叩きつぶされ、森の中に暮らしていれば捕まえることさえ禁じられて大切に守られる。
暮らす場所が違うだけで随分扱いが変わるものです。
こういう話を知ると、人間の基準というのはつくづく自分たちの都合でできているのだなと思います。
それではここで1曲。
自分
害虫というラベル
そもそもゴキブリには害虫というラベルが貼られています。
しかも一口に害虫と言っても、そこにはいくつかの呼び分けがあります。
ゴキブリの場合は病原菌を運んでくる可能性があることなどから、
衛生害虫と呼ばれる一方で、見た目や動きが不快だという理由で不快害虫とも呼ばれています。
病原菌を運ぶなど、人に健康上の被害をもたらす可能性があるのなら、衛生害虫と呼ばれるのも無理はありません。
けれど不快害虫となるとちょっと話が違います。
見た目や動き、あるいはそこにいるというだけで人間に不快感を与える。
そんな理由でつけられる呼び名だそうです。
つまり何か悪さをしたわけでもなくて、見ている人が嫌だと感じればそれだけで不快害虫になってしまうことがあるということなんです。
虫の側からすればなかなか身も蓋もない話です。
ちなみにこの不快害虫というラベルを貼られている仲間には、団子虫やゲジゲジ、ヤスデ、それからカマドウマなんかがいます。
カマドウマに至っては昔のトイレによく現れたというだけで、便所コオロギなんてあだ名までつけられています。
本人にしてみれば随分な言われようです。
さらに害虫のラベルはこれだけではありません。
シロアリのように家屋に被害を与える虫は家屋害虫、
アブラムシのように農作物に被害を与える虫は農業害虫と呼ばれます。
そして面白いのは、一匹の虫がいくつものラベルを掛け持ちしていることも珍しくないというところです。
例えばカメムシ。
農作物に被害を与えるときは農業害虫になり、
秋になって家の中に入り込んでくれば今度は不海害虫にもなります。
同じ虫でもどこで何をしているかによって呼ばれ方が変わるわけです。
人間は自分たちの暮らしのあちこちに害の網を張り巡らせています。
そこに引っかかった虫たちはあれも害虫、これも害虫といくつものラベルを背負わされることになります。
そう考えると人間の都合で随分忙しい思いをさせられている虫たちが少しばかり不便に思えてきました。
今夜はゴキブリについて話しました。
それではまた次回。
11:00

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