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2024-11-08 24:06

【読書ラジオ】『光のとこにいてね』一穂ミチ

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00:05
こんばんは、ゆうこです。このチャンネルでは、私の読書録や日々の学びを音声配信しています。
今日は、一穂ミチさんの『光のとこにいてね』という小説について話してみようと思います。
第30回島瀬恋愛文学賞受賞、第168回直木賞候補作、2023年本屋大賞第3位ということで、
観光以来、続々重判、大反響、感動、歓類の声、続々、令和で最も美しい愛と運命の物語。
村山ゆこさんは、素晴らしい。久しぶりに、ただ純粋に物語にのめり込む優越を味わった。
散々引きずり回された心臓が本を閉じてなお、うずき続ける。その眩い痛みの尊さよ。というあらすじを読んでみますと、
ほんの数回会った彼女が人生の全部だった。古びた団地の片隅で彼女と出会った。
彼女と私は何もかもが違った。着るものも食べるものも住む世界も。でもなぜか彼女が笑うと私も笑顔になれた。
彼女が泣くと私も悲しくなった。彼女に惹かれたその日から、残酷な現実も平気だと思えた。
ずっと一緒にはいられないと分かっていながら、一瞬の幸せが永遠となることを祈った。
どうして彼女しかダメなんだろう。どうして彼女とじゃないと私は幸せじゃないんだろう。
二人が出会ったたった一つの運命。切なくも美しい四半世紀の物語。
いやー、これあらすじ読んでるだけで震えますね。
これは私は2024年読んだ本の中で一番って言っちゃうかもしれない。
かもしれない。一穂道さんの光のとこにいてねという作品。昨日の夜読み終わったんですけれども
なんかやっぱりまだ思い返したりこうやってあらすじに触れると
心も体も震えるというか、これはね、あの、やっぱり愛の物語だなと思いました。
私はいろんな本の感想配信の中で何度も言ってるんですけど、やっぱりね真に愛のことを分かってないなと自分自身思うんですけれども
もしかしたらこれを愛というのかもしれないなと思ったんですよね。
03:03
これは2023年の本屋大賞第3位ということで、同年に本屋大賞を受賞されているのは
なぎらゆうさんの何時星のごとくなんですよね。
あの、あきみちゃんとかいくんのお話と、まあ似てるとは言わないんですけれども
やっぱりあれも愛のお話だなと思ったし、これは女性と女性の物語なんですけれども
これを友情と言っていいのか、そして恋愛と言っていいのか、よくわからないけど
2人の間にはきっと愛があるんだろうなと思えるようなお話でしたね。
まず想定ですけれども、光のとこにいてねというこの小説のタイトルがですね
金文字で描かれていて、その背景にはこれはおそらく写真だと思うんですけれども
一つの羽の生えた人のオブジェが置かれたところを写真撮られていて
そのオブジェの顔が向いている方からおそらく光が当たっているんですね。
そのオブジェから影が少し伸びているということで
タイトルから想像するに光のとこにいてねという
その光というものをこの写真ですごく表現しているのかなと思います。
明るいところと暗いところ、光と影ということですね。
読んでいくうちにその光のとこにいてねというのは
主人公2人いるんですけれども、そのうちのカノンという女の子が何度ももう一人の主人公のユズに言うセリフなんですね。
カノンとユズは小学校2年生のときにある団地で出会うんです。
そこの団地に住んでいたのはカノンの方で
ユズは母親に連れられてその団地に行くというのを毎週1回していたんですけれども
幼いユズにはなぜ私が自分が母親に手を引かれてその団地に行くのか理由がわからない
決められた時間ここを動いちゃダメよという母に言われて
母はある部屋に入っていく。そこで何がされているのかわからない。
ユズは不安の思いをしてただ待つという。そこに現れた団地に住んでいるカノンという女の子なんですね。
2人の共通点はおそらく2人ともですね、毒親に育てられているんですよね。
母親がすごく変わっていて、その影響を受けているユズは
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自分にはなぜか冷たい母に逆らえずにいるし、ユズの方はすごく裕福な家で育っているので
2人の間にはそういう金銭的な格差、育つ環境が全く違うという部分があると思うんですけれども
2人はその団地で出会って仲良くなる。そこでね、何気なくカノンが言ったユズに対する言葉
ユズちゃんはそこで待っててねって言うんです。その時に言うのが、そこの光のとこにいてねっていう
その時ちょうど私の立っているあたりだけぽっかりと雲が晴れ、小さな陽だまりができていた。私はうんと答えた。
その明るい光が当たっているとこにいて待っててねという優しい子供同士の何気ない一言なんですけれども
このセリフを言った後、ユズは毎週来ていた母が団地に行かなくなったので
カノンと会うことができないまま、2人の初学2年生の関係性が幕を閉じるということで次第2章に向かうわけですね
こんな感じで1章2章3章で構成されているこの物語は、1章は初学2年生の2人の出会い
第2章は高校生になった2人の再会。3章構成で物語が進んでいきます
カノンの視点、ユズの視点で入れ替わって物語が進んでいってですね
カノンの会は、段落の間に羽のイラストが描いてあるんですね
この羽のイラストが描いてある次からはカノン視点で物語が進んでいくし
ユズの視点で語られる部分は白爪草が描いてある
このイラストがすごく可愛くて、これを見ながら読み進めていくことになります
そして第2章雨のところということで、2人は高校生でS上と言われる名門の私立高校に入学したところから始まるんです
ユズは裕福な家庭で育ったので、私立の高校に行くというのは
ある意味王道かなと思うんですけれども、まさかここにカノンがやってくるとはということで
ある程度年齢を重ねたユズは、あの時の自分が母になぜあそこに手を引かれていったのかというのも少しわかり始めている
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カノンの家庭がおそらく貧困にあって
自分とはそういう経済的な格差があるんだろうなということもわかっている
もう会うことはないだろうなと思っていたカノンが、まさか自分が入学した学校に入学してきているということで
この学校はエスカレーター式のお嬢様学校なので、外部生としてカノンがやってくるんですね
最初はお互いのことを思いやりながら、小学2年生の時はユズちゃん、カノンちゃんと名前で呼び合っていたのに
高校生になった2人は、そんな過去の出来事はなかったかのように名字で呼び合う
それはお互いを思いやる優しさというか、距離の取り方だと思うんですよね
ただどんどん2人の距離は近づいていって、カノン、ユズと呼び合ったりするんですよ
そのカノンの事情だったりユズの事情を少しずつ知っていくことで
やっぱりね、カノンの方がユズに対する思いというのを早い段階から気づいていて
ユズのために何か行動したりするというのが高校生のパートになります
ただやっぱりカノンの方がですね、状況的には貧困家庭にあって
独子やシングルマザーの母親に育てられるということで、この高校生活を続けられなくなるという状況がやってきます
そこで言われる隣に住むチサというお姉さんから、カノンが言われた一言がすごく印象的だったなと思いました
私、お母さんと離れて一人で生きていけると思う?と聞くカノンに対してチサは思わないって言うんですね
なんでっていうと、お前はあの母親を見捨てらんねえからだよと言われるんです
お前は強くて優しいから弱い母ちゃんを捨てられない、捨てるのはいっつも弱い方なんだっていうことでね
これはあの、本当にカノンのことをすごくまとえて言い当てている言葉だと思うし
この後の3章に続く、そのカノンが大人になった時にどういう風な生き方をしていて
ユズと再会した時にどういう行動をとるかということにすごくかかってくる伏線のようなセリフだなと思うんですよね
だからね、ここはなんか、震えましたね
12:00
どんなにこう、だらしない情けない
親としての最低限の責任さえ果たせていない母を見捨てられないカノンっていうね
カノンの縛られた悲惨な呪縛のような環境を言い表しているようでもあるし
それがカノンの優しさでもあるというね
いやーこれはすごく、読んでいてね、辛い現実だなと思います
そしてまたこの第2章のところでもやっぱりね、あの光のとこにいてねというセリフが出てくるんですよね
小学2年生の時と同じようにカノンがユズに対して言う言葉
そこにいて、そこの光のとこにいてね
あの時とは違って、言ってて泣きそうになるんですけど
カノンがユズに対して言うこの光のとこにいてねという言葉は
もう単に子供の時に何気なく言ったセリフではない
その分かりやすく明るいとこで待っててねという言葉ではなくて
あなたはその光が当たる暖かいところにいてねっていう
それを暗いところにいるカノンが言うんですよね
もうこれは何か愛以外の何物でもないだろうというふうに思いました
そして最後第3章、光のところという章に向かっていきます
この章では大人になった2人が本州最南端の若山のある場所で再会する物語が描かれていきます
ここでそれぞれがどういうふうに人生を歩んで、どういう生活をして、どういう家族を築いているのかというのが出てくるんですけれども
ちょっとね、ここから先は言いたいところを話すとネタバレになるので
これはねちょっとあの
ちょっとどうしてもこれは言いたいという部分がかなり核心に迫るような内容だったり
市町道さんが仕込んだそのサプライズパートを暴くことにもなったりしてしまうと思うので
ちょっとね、自分で読みたいわという方はここまでにしていただいて
一度読んだことがある方はそうだったわということで
この後聞いていただければなと思うんですけれども
2人とも家族がいて、本州最南端の若山のある場所で再会して
ここでもやっぱり2人はお互いを思いやりながらも
15:04
その再会を純粋に喜ぶという大人として
関わり合っていくんですけれども、それぞれ家庭があり
友情、友人としてね
2人はお互いを助け合うという場面なんですけれども
ここで一つサプライズとしては
ユズに弟がいるというサプライズがここで明かされて
その弟のナオが東京から姉のユズが住んでいる若山に来て
カノンの娘ゼゼと交流を持ったりするんですね
で、ある事件が起きて
そこでナオとユズが改めて向き合って話す時に
ナオは姉のユズに対してこんなことを言うんですよ
お姉ちゃんは不倫なんかしてないんだよねって言うんですよね
お母さんみたいなのとは違うよね
お兄さんを裏切ったりしないよねっていう
これはですね、ナオが姉のユズとカノンの関係を疑っているっていうことなんですよ
これに対してユズは毅然と
まず私はママじゃない
もし私に夫以外に好きな人がいたとして
そのことだけでナオは私をママだと
ママと同じだと思うの
信用できない裏切り者になるのかっていうふうに言うんですよね
言い逃れしたいわけではなく
あなたがこれから出会っていくたくさんの人たちのことを
断片的な要素だけで決めつけてしまわないでほしい
ナオは私の家族だけど
だからって私の人生について
何もかも打ち明けようとは思わないっていうね
このセリフはね、すごくいろんなことを含んでいるセリフだなと思いました
まずユズはですね、高校生の時にカノン以外に
ずっと仲のいい友達がいたんですけれども
自分がその母から冷たい
その周知を受けているとか
そういう悩みをユズには話さなかったんですよね
でそれを知っているのはね、カノンだけだったんですよ
ユズが心を開くのはカノンだけだった
で、その
家族に対しても、仲のいい友人に対しても
全てを話すわけではない
そして、人は
何もかも打ち明けることが
全てではないというか
どんなに近しい関係性に至って
18:00
言えることと言えないことがある
見せる部分と見せられない部分が当然あって
その見えている部分だけで
人を判断するような人にはなってほしくない
これはユズが
自分の弟に対する
ある意味こう、親目線の
自分が親から受けられなかった愛情を
弟に向けている
少し母親のような心境も含んだセリフなんだなぁと
思いました
そして、その
自分とカノンとの関係を
その不倫だとか
駆け落ちだとか
そういう
なんていうか
簡単な言葉で言われたくないという思いも
おそらく含まれていて
いると思っていて
その
人と人との関係が
家族だとか夫婦だとか友人だとか
今世の中にある言葉だけで
完結できるようなものではない
言い荒らせられない関係性もある
ということにユズが気づいていて
それをなおにわかってほしい
という言葉でもあるなと思いました
そして
これは一方道さんが
問いを投げかけている部分でもあるなと思っていて
私たちはそのニュースとかで
不倫だとか駆け落ちだとか
そういう言葉を目にすると
どうしても避難してしまう
許せないという感情が湧き起こってくる
それが近しい人であれば
なおのこと許せないと思う
そう思っているのは
この小説ではなおなんですよね
なおは不倫を許せない
ただ今回は
自分の母親の不倫は許せないけど
自分の家族が女性同士ならどう思うかっていうね
また少し設定を変えて
一方道さんがこれだったらどうって
こう言っているような
読者に迫っているような場面でもあるなと思ったんですよね
ステレオタイプのこういうケースだったら
こうだよねみたいな
世間の声みたいなものがあって
それに乗っかって
いや許せないよねって言っていればいいんだけど
ちょっと違う
友情にも近いような
世の中の言葉では言い表せないような二人の関係性
お互いを大事にしたいという思い
それはそれぞれが夫に対する感情とは異なるもの
そこに芽生えている
21:00
二人に芽生えている感情を許すとか許せないとか
そういうことで決めつけてしまっていいのか
ということを問いかけられているような
セリフでもあるなと思って
それをね
まだ中学生のなおに言わせているという
もうちょっともうこれ終盤のページなんですけど
もうやめてよっていうね
ここでこういうこと言うんだっていう
第3章のこの
これが431ページ
単行本で431ページなんですけれども
こっから先がまだ何度も何度も2点3点して
最後本当にどうなるのかわからない
おそらく書いてる一穂道さんも
ここまでの流れも含めて
この二人がどうなっていくのかっていうのを
決めずに書いてると思うんですよね
それが書いてる本にも
おそらく楽しんで書かれてたんだろうなという
この先の展開を読んでる側も
一緒に楽しめるというか
いやどうなるんだろうって
おそらくこう決まりきった結末がある
はずもないでも想像もつかない
この二人はどうなっていくんだろうっていうね
そして本当にラストのページで
やっぱりこの第3章でも
カノンはユズに光のとこにいてねって言うんですよ
でこの光のとこにいてねという
最後のカノンのセリフが何を意味するのか
それに対してユズは
今回はどうするのかっていうのが
ラストの場面で読んだ人なら
もうわかってると思うんですけど
本当にこう心が震える
この二人の幸せを願わずにはいられない
間違いなく愛の物語だなと思ったし
唯一無二の物語でもあるなと思ったし
本当にね読んでよかったなと思う小説でしたね
ちょっと熱く語りすぎましたね
今日は24分も話してしまいました
2024年の一番記憶に残る本かもしれない
いちごみちさんの光のとこにいてね
という本について今日話してみました
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今日も最後まで聞いていただいて
ありがとうございました
24:00
ではでは
24:06

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