1. ゆうこ|読書ラジオ
  2. 読書ラジオ『マリエ』千早茜
2023-09-03 13:34

読書ラジオ『マリエ』千早茜

いつも聴いていただきありがとうございます。

⭐︎本紹介
マリエ https://amzn.asia/d/3zUn7VV

⭐︎自己紹介
https://stand.fm/episodes/63c3432660a5d6684a4fd590

#読書
#読書ラジオ
#読書感想
#マリエ
#千早茜
---
stand.fmでは、この放送にいいね・コメント・レター送信ができます。
https://stand.fm/channels/63650fb3b4418c968ddbd7ab
00:07
こんばんは、ゆうこです。
このチャンネルでは、私の読書録や日々の学びを音声配信しています。
今日は、千早茜さんの最新刊、8月25日に発売された『マリエ』について話してみようと思います。
私の幸せも不幸も私が決める。
そう決めた。
離婚って失敗なの?
恋愛と結婚って別物?
信直希少作家が描く、大人の女性の結婚と幸福をめぐる物語。
霧原マリエは40歳を手前に離婚した。
夫の森崎に恋愛がしたいと切り出され、2年近い話し合いの時期を経て、7年半の結婚生活に終止符を打ったのだ。
理由には今も納得がいかないマリエだったが、自分はもう誰にも属していない。
そう思うと心は軽やかだった。
離婚届を提出する朝、寂しさよりも手放して一人になることの清々しさをこそ感じたのだ。
あんたもこれから恋愛できるわね。
行きつけのワインバーでよく会う、年傘のかっこいい牧さんはそう言うが、マリエにはその気はない。
駆け引きも探り合いも億劫だし、今の体を見せる周知が性欲を上回る。
何より、すべて自分の自由にできる生活が一番大事で、それを危うくする欲望に飲み込まれたくはないのだ。
でも、何か不安で何か取りこぼしている気がする。
ひょんなことで懐いてきたユイ君が、料理教わりに訪ねてくるのを好ましくは思うが、
物事の受け止め方に七つの年の差を感じるばかりだ。
そんな折、些細なきっかけと少しの興味から、マリエは結婚相談所に登録をした。
そこで見聞きする世界は思いもよらないものだった。
マリッジコンサルタントに紹介された男たちに、婚活仲間に、切実な現実や結婚に対する価値観を次々と突きつけられ、
マリエは考え続ける。
自分が人生に求める幸せとは何なのか、若い頃のように無邪気に恋愛に飛び込んでいけなくなった目に、
それからこそ捉えられる、大人の女の幸せをめぐる長編ということで。
03:02
茜さん曰く、このマリエはですね、男友達で30歳のキャリアで優先して、
恋愛は二の次、人と生活するということがあまり得意ではない女性の、その後の10年後を描いた本ということで。
円満離婚するんですね、マリエは。
で、そのきっかけは夫の森崎から突然別れを切り出されたことにあるんですけれども、
別れてしまえばなんかスッキリしたというふうに、千早茜さんの小説に出てくる女性っていうのは、いつも潔くて心地いいですね。
決断した後はもう後ろ髪引かれないみたいな、そんなところが好きだなと思いますが、
印象的なそのマリエの表現として、夫の森崎の香り、香水の香りが受け入れられなくなる。
これまでは普通に生活をしている中で、どこか安心感さえ感じていた匂いだったのに、離婚すると決めてしまえばもう受け入れられない。
それはその森崎の存在自体、嫌いではないんだが、もうあんまり話すこともない顔を見たくないみたいな、
そういうありきりの良さみたいなところはめちゃくちゃわかるなと思いながら読んでました。
マリエは離婚するところからこの物語が始まって、新しい恋愛が始まるのか、
それは離婚して成功だったと言えるのか、もしくは失敗なのか、恋愛と結婚は別物なのか、みたいなこの解説の一番最初に来る問いに、
答える前にこの物語は終わるんですよね。
40歳になったマリエがどういう道を進んでいくのか、まさにこれからというところでこの物語は終わる。
ちはやかねさんはその先を書いてくれなかったですね。
だからもうめちゃくちゃ気になります。
もしかしたら何年後かにこのマリエの10年後っていうのをちはやかねさんが書いてくれるんじゃないかと思いますが、
それまでの間は私も他のあかねさんファンの読者も、この先の人生何が正解なのか、成功とは何なのか、わからない状態でそれぞれ進んでいかないといけないと。
06:00
何年後かに答え合わせができるっていうのは、それは楽しみではあるなと思いますね。
このマリエという話の中には、香りの表現がとても素晴らしい比喩でたくさん出てきます。
マリエは香りをとても大切にするというか、自分の直感を香りに委ねているようなところがあるかなと思います。
この人の香りはなんとなく受け入れられるとか、ちょっと生理的に無理みたいなのって誰にでもあるかと思うんですが、
そういう身体感覚がとても鋭いマリエなのかなと思います。
そしてその表現は、千早かねさんの透明な夜の香りや赤い月の香りという聴講師の作が出てくる物語に出てきたような素晴らしい表現で書かれていて、
特にマリエが好んでつける香水、離婚した後はこれまでと違った資料を基調とした、まさにこの本の想定のような爽やかな白いイメージを彷彿とさせるような香りを選んでいくんですけれども、
そういったところの表現がとても素敵で、文字を追っているだけでうっとりするような本でした。
香りだけではなく、料理についてもいろんな料理が出てきて、それを一緒に作ることでユイくんと出会うシーンもあったりするんですが、
その料理もどれも素敵で、千早かねさんのツイッターにはよく、もうツイッターじゃないか、Xにはよく、料理の写真とかお茶受けの写真みたいなのが出てますが、
どれも美味しそうな料理の写真ばかりなんですけれども、それがこの小説の中にも出てくるような、そんな感じでしたね。
まさに食べるものが人を作り、その人から発する香りを作っていくものだと思うので、
人は食するということと香るということは繋がっているんでしょうね。
面白いですね。人それぞれの臭いを作る体みたいなものがあって、そこに食べ物を入れていって、
どんな匂いが出てくるか、その相性で人と人がこうくっついたり別れたりするみたいな、
種々選択していくみたいなことを考えるとちょっと面白いなと思いました。
09:02
このマリエは行きつけのワインバーで、マキさんから言われる、ある一言言われるシーンがあるんですけれど、それが私にとってはとても印象的でした。
こんなこと言われます。
あなたはすぐ疑似家族を作ろうとするのよね。
私のことも母親だったらよかったのにとか言ってたわよね。
家族の役割に当てはめる方が繋がりを実感できる?
安心したい?
あんたはどっかで家族の幻想を捨てきれないのかもしれないわね。
それか、案外家族という概念に縛られているのか。
知っている関係に置き換えなくてもいいのよ。
どんな人との関係も初めてのものなんだから、形なんてないの。
いいじゃない。誰にはばかることもない恋。
最近不倫の話しか聞かないから、うんと楽しみなさいよ。
ちはやかねさんの小説には、こんな捌けた真理を尽く迷惑役が必ず出てくるんですけれども、
今回その役は牧さんですね。
どこか疑似家族を作ろうとするっていうのはすごいよくわかるなと思って、
恋愛関係の人に父親だったり夫だったり兄?弟?のようなものを当てはめてしまう。
そういった役割を感じることで、この人は恋愛関係以上の繋がりがあるんだ。
役割があるんだ。特別な存在なんだ。
という安心感に繋がっていくというのは私にもよくわかるなと思います。
40歳で離婚したマリエは子供もいないわけなんですけれども、
もう家族の役割に当てはめる必要はないわけですね。
そういった夫を手放したわけなので、
またその安心感を得るために同じことを繰り返すのか、牧さんが言うように、
どんな人との関係も初めてのもの、何かに置き換えなくていい形なんてない、
というある種不安定だけれどもずっと新鮮な、
その人、オリジナルのユニークな関係を楽しんでいくのか、
12:06
ここが今マリエが置かれている分岐点なんだろうなと思います。
牧さんはそれを楽しみなさいと言っている。
すごいグザッと刺さる一言だったなと思いますね。
マリエは40歳で離婚するという虚偶も、
何か自分のことを言われているようで、
人事とは思えない小説だったんですけれど、
牧さんの一言を言ってくれる人がいるってすごいなと思いましたし、
リアルでこんなことを言ってくれる人っていないので、
代わりに小説で何か自分にも言ってもらえているような気がしましたね。
ここから先どういう人生を歩んでいくのか、
マリエも私も何か自分次第なんだなというふうに改めて思いましたね。
ということで今日は千早茜さんのマリエについて話してみました。
この配信が気に入っていただけたら、
いいねやコメントフォローお願いします。
励みになります。
今日も最後まで聞いていただいてありがとうございました。
ではでは。
13:34

コメント

スクロール