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2024-09-18 15:30

【読書ラジオ】『センスの哲学』千葉雅也

いつも聴いていただきありがとうございます。わたしに無い視点が見つかった本。でも大半は理解不十分なので機会を作って再読したいと思います。

⭐︎本紹介
センスの哲学
https://amzn.asia/d/hlDxjuK
(配信の冒頭部分は本の説明文・あらすじを読み上げています。)

⭐︎自己紹介
https://stand.fm/episodes/63c3432660a5d6684a4fd590


#読書感想 #読書 #読書ラジオ
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00:05
こんばんは、ゆうこです。このチャンネルでは、私の読書ログや日々の学びを音声配信しています。
今日は千葉雅也さんの【センスの哲学】という本について話してみようと思います。
服選びや食事の店選び、インテリアのレイアウトや仕事の筋まで、様々なジャンルについて言われている
センスが良い悪いという言葉、あるいは、あの人はアートがわかる、音楽がわかるという芸術的センスを捉えた発言。
何か自分の体質について言われているようで、どうにもできない部分に関わっているようで、気になって仕方がない。
この、曰く言い難い因数分解の難しいセンスとは何か。果たしてセンスの良さは変えられるのか。
音楽、絵画、小説、映画、芸術的諸ジャンルを横断しながら考えるセンスの哲学にして芸術入門の書。
フォーマリスト的に形を捉え、そのリズムを楽しむために。哲学思想と小説美術の両輪で活躍する著者による哲学三部作。
勉強の哲学、現代思想入門の最終作。万を持していよいよ誕生ということで。
私はですね、毎月1回、コーチングで知り合った人たちと輪読会というものをやっていまして、
輪読会というのはね、一冊の本を章ごとに分担を分けて、その日、当日に集まったメンバーで約1時間かな、
で、割り当てられた章を読んで、自分が担当した章の要約を1枚のスライドにまとめて、それを最初から順番にご説明していく
ことで、一部分しか読んでないけど、その本全体を理解するという。
で、それぞれの視点で感想だとか切り口を共有することで、自分にはない視点で読むこともできる、みたいな。
そういうコンセプトの輪読会をやっているんですけれども、その9月のですね、
先週の担当が私だったので、今回センスの哲学という本を課題図書に選ばせてもらって、先日の輪読会でみんなで読んでみました。
なのでね、私これ全部読んでないんですよね。 私が担当したのは第1章と第7章、第8章だけなので、間がねごそっと抜けてるんですけれども、
あの、みんなのご要約、感想、フィードバックいただく中で、
03:06
小説を読むことに対する、この著者の考え方、
センスという切り口での小説の読み方が書かれている部分があったので、今日はそこをね、ピックアップしてお話しできればなと思っています。
とは言っても、まずこの本で言っているセンスとは何かを簡単に説明すると、
センスとは物事の直感的な把握であると、それは絵画だけじゃなくファッションだけじゃなく、いろんなジャンルにまたがる
相互的なもの。それで、どう把握するかということで、
例えば、小説でも絵画でも、この作者は何を伝えたかったのかっていう意味や目的を
読み解く、なんてことは結構往々にしてあるかなと思うんですけれども、そういったことじゃなくて、書かれていること、それそのものを把握するというのがセンスである、というのがこの本に書かれていることです。
そのものって何ですかというと、リズムです、というふうに言います。リズムとはまず形ですね、フォルムのことを指します。
広い意味で言うと、形、色、響き、味、触った感じなどすべてリズム。 そのリズムにはいろんな要素があるけど、形としてデコボコしていたり、
ザラザラしていたり、 抽象的に言って形と見なせるものはすべてリズムだと言います。
リズムには2つの側面がある。一つは0から1、ない状態からあるに変わって、あるからないに戻る。
そういったものがリズム。 例えば、いないないば、なんていうのはそのリズムだね。リズムというか、ないからあるに変わるものだよね、と。
いない状態から、ば、とある状態になる。 これ説明がした方が難しくなるような気もするけど、この本ではそのように書かれてますね。
0から1、ないものがある、あったものがなくなる。そういったものをリズムの一つの側面。
もう一つの側面は、単純な0から1だけではなくて、それらがたくさん重なって、こう極的にうねりのように、
形をなしていくもの。それをビートというと。 ということでリズムはうねりとビートっていう二重の見方ができるよね、と。
06:10
そんな風に物事を見ようというのが、このセンスで物事をどう把握するか、そのものを把握する。そのものとは何か、リズム。
リズムとは何か、ビートとうねり。 ないものがある、だったり、それらが多重的に重なってうねりになる。
簡単に言うと、センスについて、まあそんな風に説明されていて。
そのリズムっていう観点で小説を読んでいくと、その登場人物が何をしたとか、どういう気持ちだったとか、
そこに作者のどんな意図があるかとかだけじゃなくて、それ以外のいろんなオブジェクトだったり、風景とかがどういう風に描かれていくか、
その文章そのもののリズムっていうのも面白さの一つだったりします。
で、私は小説を読む時に、その前者の方に結構意識が集中していて、要するに登場人物の気持ちとか行動とか、そこに見える作者の意図みたいなことにすごく注意を払って読んでいるような気がするんですけど、
そうじゃない、その全体を取り巻く風景だったり構造のそのものに関する面白さにはあまり注意を払ってないように思っていて、
なんかここがね、自分でも自分で小説を読んだり、こうやって感想を話している時に、どこか物足りなさを自分自身が感じているところでもあったので、
あの、さらにこう、深くなのか広くなのかわかんないですけど、物語を読む、自分の力というか広がりのヒントがある本なんじゃないかなと思って、
こんな風に一生懸命自分の言葉にしようとしているわけなんですよね。
あの、物語を読んで、「あ、めちゃくちゃいいお話でした。感動しました。この登場人物が素敵でした。」みたいな、割とこう大きな感動を伝えるっていうのは結構誰にでもできることかなと思います。
すごい悲しかったとか、主人公の気持ちが自分にも入り込んできて、すごく自分も悲しい気持ちになりましたみたいなことはすごく言いやすい、大まかな感動として伝えやすいんですけど、
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そのディティールの部分がどう組み合わさって、この作品をより面白くしているのか、自分に感動を起こさせたのか、っていうその構造的感動というものを表現するのは、たぶんきっとみんなができることじゃないんですよね。
この本に書かれているのは、そういった喜怒哀楽を中心とした大まかな感動っていうのを半分に抑えて、いろいろなディティールの面白さに注目する構造的感動ができることである、というふうに書いてあるので、
まさに私が今自分にないもので欲しいなって思っていることだなというふうに思いました。
で、じゃあ具体的にそれってどういう部分、そのディティールの部分ってどういうことなのかなっていうと、さっきの0から1の部分ですよね。
物語の全体を貫く、意味だとか目的、問題みたいなことがわかりやすい事例としては、エンタメ文学だと思いますね。
で、この話の肝はここだろうみたいなのがみんながわかるやつ。
それが巧妙に隠されているからこそ、その隠された部分を知りたくてどんどん読み進めていくっていうのがエンタメ文学だと思うんですけど、
一方で純文学の部分は、そういった大きな意味は巧妙に隠されていて、最終的に明かされないこともある。
かつ、その周りを取り巻く風景だとか、ディティールの部分も隠されたり表出したり、隠されたり表出したり、細かく描写されることが多いのが純文学である。
作者はこんな風に言うんですけれども、その純文学で表現されている、全てのことをディティールとして捉えて丁寧に表現されていく、大きな物語を貫く意味の部分も、それを取り巻く背景の部分もそれぞれのリズムで細かく表現されて、
それが大きなうねりとなっている純文学を読み解く。それはなかなかみんなができることじゃないんだなと思いました。それを身につけていきたいなとも読んでいて思いました。
12:03
まとめると、小説を読むときは自分の気持ちとか、作者の狙いというものを読み解こうとするんですけれども、それだけじゃなくて、描写される空間の特徴だとか、その文章のスピードの変化、どこで段落が変わるかとか、どれくらい説明してどれくらい省略されているかという、
特に純文学では微妙な変化だったりするから、変化に気づきにくい部分も含めて、そういうリズムを丁寧に読み解いていく。
そこに隠されている潜在的な問題、作者の抱えている価値観だったり、もしかしたら作者自身のどうしようもなさかもしれないし、登場人物の困った部分なのかもしれないんですけど、そういうものがどうやって書かれているかが、作品とか作者によって特徴が現れてくる。
そういうものを観察して言葉にしていくと、大まかな感動だけじゃなくて、構造的な感動を感じて言葉に表現することができる。それがセンスである、みたいな、そんなことなのかなと思いました。
なのでね、この本を選んだ時は、そういった小説の読み解き方がわかる本、というかヒントがもらえる本とは知らずに選んだんですけれど、私の興味関心領域である小説の読み解き方もここには書いてあったので、かつ自分に物足りなさを感じていたタイミングでもあったので、
すごく印象に残る本として読みました。ただ、倫読会に参加しているみんなは、私がそういう問題意識を持っているってことは知らないので、一人でちょっと興奮してたんですけれども、人によっては、そういう自分が関心を持っていることに対する見方、読み解き方のヒントがある本かもしれないです。
私の場合は小説だったけど、人によってはアートかもしれないし、ファッションかもしれないし、自分の仕事の仕方かもしれないし、生活スタイルかもしれなくて、何か物足りないなと思っているところにヒントを与えてくれる本だったのかもしれないなと思います。
ということでね、すごく思わぬ副産物をいただいた本だったなということで、千葉雅也さんのセンスの哲学、今日はこの本について話してみました。
15:12
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ではでは。
15:30

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