防災庁発足
2026-11-04 12:59

防災庁発足

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農業、漁業、林業、工業、物流、サービス、貿易、交通など、さまざまなテーマで九州経済の今を、エコノミスト・鳥丸聡が解説します。

田畑竜介
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サマリー

政府の災害対応を担う防災庁が発足したことを受け、鳥丸聡がその役割と課題を解説する。防災を成長分野として海外展開する方針に対し、被災者への備蓄要請よりも、支援物資の管理や仮設住宅整備など現場への公助を重視すべきだと指摘する。地方防災局の設置が数年先で、九州各県などの誘致競争が進む一方、支援体制や避難所環境の整備を優先してほしいと述べる。九州・山口の職員研修で出た、フォークリフト人材、災害時のドローン規制、離島の共助社会、自治体間の対口支援などの具体例を挙げ、国が自治体から学ぶ姿勢を求めた。

防災庁発足と自助要請への違和感
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この時間はズームアップ。毎週水曜日は九州経済です。
政府の災害対応を担当する防災庁が2日に始動しましたが、
今朝はこの防災庁にズームアップします。
エコノミストの鳥丸さとしさんです。
鳥丸さん、おはようございます。
おはようございます。よろしくお願いします。
日本の防災技術を一つの産業として確立させて、
海外展開も狙うっていうから、鼻息が荒いのですね。
高市首相が掲げる17の成長分野ってありますけど、
防災国土強靭化っていうのがしっかりと書き込まれています。
防災っていうのを企業がビジネスに結びつけるっていうのは自由ですけど、
政府が防災っていうのを成長分野に位置づけるっていうのは、
なんかちょっと違和感があるような感じがします。
防災庁の細野担当大臣ですけれども、
昨日八代市を訪ねられたようですけれども、
15年前の菅直人民主党政権の時に、
原発事故の収束担当大臣というのを務めておられて、
被災地現場の混乱や苦労を目の当たりにしておられるので、
熊本地震の被災者や支援者に寄り添うコメントが、
月曜日聞けるだろうと思って、ちょっと期待してたんですね。
ところが月曜日に真っ先にお話しされたのは、
災害への備えを促す緊急要請というので、
ちょっと上から目線の感じがしますけど、ちょっと片透かしを食らった感じがしました。
緊急要請の全文を読んでみると、
国民の皆様一人一人が、丁寧な表現なんですが、
自らの命は自らが守ることが必要です。
っていう風になってるんですね。
国民には最低3日間できれば1週間分の水や食料を備蓄することを求めていると。
昨日のこのグローアップのリスナー投票で、
水や食料の備蓄を全くしていないという回答が43%でしたので、
よく聞いてくださってますね。
細野大臣の緊急要請って、防災意識を高める狙いとしては、ある意味ごもっともなんですけど、
防災行政のトップがいきなり自助の、自ら助かるんですね。
自助の対応をいきなり呼びかけるっていうのは、いかがなものかって思いました。
この備蓄とか自助とかじゃなくて、私なんかの場合は、
値上げ前のスーパーで買い溜めしたことによって、
結果2週間分の水とカップ麺とレトルト食品が、
いつの間にか備蓄されてしまっているっていうですね。
そういうご過程も少なくないんじゃないだろうかと思います。
政府は事情を言う前に、今の歴史的な円安と輸入物価の高騰を何とかしてよと言いたくもなります。
被災地を支える公助と地方防災局
今回の緊急要請もっともですけれども、工場の中身とかですね、
政府の意気込みっていうところを話してほしかったなと。
熊本地震の惨状を私たちはテレビで見てるわけなんですけれども、
罹災証明書を発行してもらうのに、
なんで被災者自身が朝の4時から役場の前に並ばなくちゃいけないのかとかですね、
隊艦や公民艦の避難所で山のように積まれたプッシュ型の支援物資が、
もっと整然と利用しやすいように在庫管理できないのかって、
誰もがイライラする場面を見てきているわけですが、
IT、AI、フィジカルAI、AIドローンとかの活用とかですね、
国が公の助け、公助としてもっと現場をサポートする手立てはあるんじゃないかと思います。
また縦割りの弊害を打破するために、
防災庁には各省庁への勧告権っていうのが付与されたっていうことですが、
そんなことはもう被災地にとってはどうでもいいことっていうか、
政府内部のガバナンスの問題であって、
仮設住宅の1日も早い完成や、
損壊住宅の建て替え費用の負担に悩んで、
心が折れそうになっている被災地にとってはどうでもいいことだと思うんですよね。
そもそも司令塔機能が期待されていた復興庁とデジタル庁、
これにも勧告権があるんですけど、一度も使われたことはない。
さらに今回の防災庁発足でもう一つ驚いたことがあって、
今後のスケジュールです。
防災庁設置っていうのはかなり前から議論されてきたんですけれども、
同時に地方防災局、出先機関ですね。
これを設けることも検討されてきていて、
もうてっきり私は防災庁発足と同時に地方防災局も発表されるんだろうと思っていたんですけれども、
差にあらず。
地方防災局っていうのは有識者の検討会で来年2月頃に提言がまとまって、
政府が来年夏に具体的な設置場所を決定して、
再来年の夏に開設されるという段取りになっているんですよね。
随分のんびりしてますよね。
のんびりしてますよね。
現時点では全国にたった2箇所、設置が検討されていて、
これまでに49の自治体や団体が設置を要望していて、
水面下で誘致脱線が白熱しているようなんですよね。
九州からは佐賀、熊本、宮崎、鹿児島の4県と北九州市が誘致を表明しているんですけれども、
先日福祉等の要件を満たした福岡県というのも、
何らかの動きを示してくるだろうと思うんですよね。
だから防災庁って上から目線で事情を促したり、
出先機関を置いてやるぞっていうニンジンぶら下げて地域間競争を煽るんじゃなくて、
支援物資を届ける体制だとか、避難所環境の整備とか、
被災地支援にもっと寄り添った政策を掲げてほしいなというふうに思います。
九州・山口の職員研修から見える課題
そんな防災庁発足に先駆けて、
先週月曜日から木曜日まで大野城の福岡県の職員研修所で、
九州・山口各県職員合同研修というのが開催されました。
毎年各県から若干名の中堅職員の方が派遣されて、
毎年異なるテーマについて政策立案するという集合研修です。
九州地方知事会で決まっている事業なんですけれども、
今年のテーマがタイムリーなことで、
防災減災対策の高度化というテーマなんですね。
私13年前からコーディネーターをずっと務めてるんですけれども、
今年の政策提言の内容は知事会への報告が先ですから、
詳細をお伝えできないんですけれども、
グループディスカッションの中で、
是非防災庁にも取り上げてほしい現状と課題がいくつか指摘されています。
いずれも被災地で支援活動をした経験のある県の職員ならではの指摘ですから、
貴重だと思います。
例えば、プッシュ型で搬送されてきた支援物資を整理するためには、
フォークリフトが有効なんですよね。
ところがフォークリフトの免許を持った職員がいないっていう。
全国見渡すと、一部の自治体では防災部局の職員に
フォークリフトの免許を取得させているっていう事例があるんです。
あるいはですね、全国的に災害時のドローン活用っていう点では、
大分県が全国の最先端にあるんですけれども、
緊急時のドローンの活用には法律上の制約があって、
活用しづらいっていう意見が出されました。
今の法律だと、大規模災害時に被災地の周辺が緊急用務空域っていうのに
指定されてしまうらしいんですが、そうなると許可された救助機以外、
全てのドローンが即時飛行禁止になってしまうんですので、
自治体に学ぶ防災と共助
地域の努力をしようと思っても、
共助をしようと思っても、それができなくなってしまうっていう。
だから規制緩和とかそういったのが必要になってくるんじゃないか
っていうことなんですね。あるいは大災害で都市機能が途絶えた時に
共助が薄い大都市っていうのは陸の孤島になるかもしれないと。
だったら都市住民は過疎化と高齢化の先進地である
離島の共助社会っていうのを事前に学んでおくべきじゃないかっていう指摘があって、
学生のインターンシップだとか、企業の新入社員研修だとか、
共助を学ぶ留学として短期間実施してはどうかっていう提案なんかもあったりしています。
被災地ごとに担当自治体を割り振る仕組みのことを対抗支援って言って、
対する口って書くんですけれども、対抗支援って言うんですが、
10年前の熊本地震以降、九州の自治体はこの対抗支援を通じて
被災支援のノウハウをかなり集積させているんですよね。
だから国家の防災の司令塔には、そんな地方自治体に、
上から目線じゃなくて、むしろ自治体に学ぶっていうですね、
謙虚さがちょっと欲しいなっていうふうに思った防災庁発足でした。
本当に実際に被災した自治体ってどんどん増えてるっていう悲しいところもあるんですけどね。
全国的にも多数はずですよね。
でもその声を拾い上げてボトムアップしていきながら、
それをトップダウンで決めて対策をするっていう流れがいいんですけど、
なんか逆な感じしますよね。
舞台は現場ですからね。
本当ですね。どっかの映画で聞いたことありますけどね。
ということで今日はですね、その防災庁発足について鳥丸さんに解説していただきました。
ありがとうございました。
ズームアップ。水曜日はエコノミストの鳥丸佐藤さんでした。
LINEもベストプランは誰でも3GB以下。月額基本料990円。10GB以下は2090円。
通話料別オンライン専用。時間帯により速度制御の場合があります。
LINEもで検索。
防災に成功させたいので全員集合!
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