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2026-03-13 20:30

#6『アニータの夫⁠』事件は一瞬、だけど人生は一生

【本日紹介の一冊】

『⁠⁠⁠アニータの夫⁠』(柏書房、坂本泰紀・著)

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【エピソード概要】

14億円を貢いだ男の「その後」とは? 2001年に世界を賑わせた事件から見えてくる、マニュアルなき捕食者の実態と、すべてを失った人間の現在地に迫ります。事件ノンフィクションの醍醐味が詰まった一冊を徹底解剖。


【チャプター】

() オープニング

() 14億円を貢いだ男の「その後」

() 頂き女子の先駆け? 2001年のマニュアルなき捕食者

() 14億円と引き換えに、未来も過去も失った現在

() チリのトランプ現象?

() 事件は終わっても、人生は終わらない

() 事件ノンフィクションの醍醐味

() エンディング


【出演】

プレゼンター :内藤 順

ナビゲーター :首藤 淳哉


【関連書籍・リンク】

渇愛 頂き女子りりちゃん

『⁠⁠対馬の海に沈む⁠⁠』

⁠ヒルビリー・エレジー


【関連リンク】

『対馬の海に沈む』 不正の拡大装置になった「相互扶助」の精神


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【収録場所】

⁠⁠Hama House⁠⁠ 

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サマリー

本エピソードでは、2001年に世間を騒がせた「アニータの夫」事件を扱った書籍『アニータの夫』(柏書房)を深掘りする。この事件は、青森県の職員が14億円を貢いだという衝撃的な内容で、当時ワイドショーを賑わせた。本書は、事件のその後、特に14億円を使い果たし、14年の服役を終えた夫・千代雄司氏の現在に焦点を当てる。彼は現在、生活保護を受けながら一人で暮らしており、過去の過ちと向き合いながらも、未来への希望を見出せない状況が描かれている。 番組では、この事件の構造が「頂き女子」リリーちゃんのケースと類似している点を指摘し、アニータの手口がマニュアル化された恋愛詐欺の手法と共通していることを解説する。しかし、アニータの場合はマニュアルが存在しない時代に、人間の心の隙間に入り込む野生的な賢さがあったと分析。一方、千代雄司氏の「いいかっこしい」な性格や、貧しい暮らしから抜け出したいという生存本能が、事件の背景にあった可能性も示唆される。 本書の構成の巧みさも高く評価されており、千代雄司氏の主観的な語りと、著者による客観的な取材を対比させることで、事件の悲劇性や、失われた時間軸、そして現在も続く人生の重みが浮き彫りになる。また、アニータがチリでタレントとして成功している現状や、その背景にある社会構造についても考察。事件ノンフィクションの醍醐味として、複雑な現実をそのまま提示し、読者に深い思索を促す作品として紹介された。

オープニングと書籍紹介
こんにちは、BIBLIO JAM始まりました。 プレゼンターのナイトー・ジュンです。
こんにちは、ナビゲーターの志藤淳です。 今日も、日本橋浜町のカフェ、浜ハウスからお届けします。
ナイトーさん、メンバーが一巡して、 ついに2周目突入ですけど。
そうですね。
1周目終えてみて、どうですか?
いやー、僕らも本当に手探りで1周目、望みましたけど。
そうですよね。
やってみると、ポッドキャスト面白いなという感じは強いですね。
書評って、どっちかっていうと個人議じゃないですか。
で、ポッドキャストだと、人との対話だから、
なんか自分の中で関係していなくて、
志藤さんがこれ、どこ興味を持つかなとか、
そういうことを考えながら、本を読んだりとか、
そういうのも、なんかちょっと新しい体験になってきて、
非常に楽しんで。
意外な発見がありますよね。
そうですね。
はい、で、今日ご紹介いただく一冊は何でしょうか?
はい、今日の一冊はこちらです。
ジャン!
兄田の夫。
来たー。やっぱり来た。
柏書房から出ている本で、
著者は朝日新聞記者の坂本泰則さんですね。
そうですね。
あっ、志藤さん。志藤さんの手元の本、
ツエンだらけじゃないですか。
さては、全部もう読めたんですか?
読み終えましたよ。
これ、絶対本図で被る。
そうですね、本だったら被りますよね。
被りますよね。
事件の概要と千代雄司氏の現在
取り合いですよね。
まあでもね、今日の収録のためにっていうか、
読まなきゃなと思って読んだんですけど、
読み出したら止まらなくなっちゃって。
そうですね。
2001年の当時の事件ですけど、
あの騒動は本当話題になりましたもんね、当時ね。
話題になりましたね。
青森県の住宅供給公社、
その職員が14億円も応領して、
地理人兄田という女性に、
この後に結婚するわけですけど、
三井田という事件ですね。
そうですね。
本書の主人公はその兄田の夫、
千代雄司さんも出所されていますね。
はい、そうですね。
長役14年の経験を得て、
現在は関東近郊のアパートで生活保護を受けながら、
たった一人で暮らしているというふうに書かれています。
はい。
当時も非常にワイドショー盛り上がりましたし、
ワイドショー的なゴシップネタかなと思って
読み始めたらとんでもなくて、
まあこれちょっと優れた文学を読んだ
独語館のようなものが何かありますよね。
そうですね。
本当にまさにでして、
多くの人が兄田の名前を聞くと、
あの事件でしょっていうふうに、
ちょっと鷹をくくる感じってあるんじゃないかなとは思うんですけども、
この本が描いているのって、
その事件のその後の部分なんですよね。
14億円を使い果たして、
刑務所を出た男が、
どうやってこの人生の残り火を燃やしているのかっていうですね、
その奥深さについてですね、
今日はじっくり語っていきたいと思います。
「頂き女子」との類似性とアニータの特異性
で、まずですね、
事件の構造を振り返りたいんですけども、
首都さん読んでいて、
これ最近のあの事件に似てるな、
みたいなのって何か思い当たりません?
そうですね。
あのもう真っ先に浮かんだのは、
いただき女子、リリーちゃんですね。
もう本当に構造がそっくりなんですよね。
ですね。
あの孤独な男性の心の隙間に入り込んで、
恋愛感情を利用して帯金を引っ張るっていうか、
リリーちゃんってその手口をマニュアル化してね、
販売までしてたわけですけど、
千田さんがアニータにハマっていく過程っていうのは、
まさにそのプロセスそのものを見ているような気がしました。
そうなんですね。
リリーちゃんマニュアル、
僕も相当研究したんですけども、
研究した?
信頼関係の構築っていうパートがあってですね、
その中に特別感の演出について、
みたいな言及があるんですね。
で、アニータのこの手口がですね、
ここにですね、ちくいち当てはまっていくんですね。
成田さんってそれ、
研究しなきゃいけない理由が何かあるんですか?
いや、特にないんです。
今回のこの収録のために必死で研究してきました。
ということにしておきます。
はい。
で、例えばですね、
アニータって千田さんにこういうふうに語ってるんですね。
南米地理に2人の息子を残して出稼ぎに来ている。
仕方なく自分は買収してるんだみたいな。
これってリリーちゃんマニュアルでいうところのですね、
自己開示っていうキーワードそのものなんですね。
いわゆる弱みを見せて、
相手の保護力を刺激するみたいな。
そういう手口ですね。
まあ、キャバクラとか行くと、
お客としてこういう経験をよくしますよね。
そうですね。
あなただけには言うんだけどみたいなね。
そうそう。
そうです。
説得力ありますね。
はい。
で、あとですね、さらにですね、
千田さんがですね、
家を建てろっていうふうにお金を渡すんですね。
で、アニータは家買ったら電話するねとか、
一度千里に見に来てくださいみたいなこと言うんですね。
これもですね、リリーちゃんマニュアルではですね、
未来系色恋会話っていうふうにですね、
呼んでるんですけども、
二人の未来を匂わせることで、
次の送金を引き出すテクニックとして、
紹介されてますね。
一度ね、お金渡したらダメなんですよね。
そうなんですよね。
まあ、これなんかもう本当恐ろしくなりますね。
で、極めつけはですね、
貧乏な人のために病院を作りたいと、
いうふうな話とかもあるんですけども、
これもですね、マニュアルの中で、
お金目当てに思わせないみたいな項目の中でですね、
詳細に記述されてるやり口なんですね。
こうやってステップ踏んでですね、
僕にはこの子しかいないとか、
俺には存在価値があるんだみたいな、
そういうことをですね、思い込ませて、
リリーちゃんマニュアルで言うとこの、
ギバーオジっていう言葉ありますけども、
そういう存在に仕立て上げていくという感じですね。
ギバーオジ。
ギバーオジ。
恐ろしい言葉ですね。
怖いですね。
でもアニータの事件の当時って、
リリーちゃんマニュアルなんてなかったわけですもんね。
そうなんですよ。
だからそこが似てるようでいて、
決定的に違う点がありますね。
本書によると、
千田さんってもともと津軽弁で、
エフリーっていう言い方をするらしいんですけども、
いわゆるいいかっこしいな性格だったみたいですね。
アニータに出会う前から、
スナックで再会した初恋の人に、
いいかっこを見せたくて、
その時点でも既に往々に手を染めてたりもするんですよね。
そうなんですよね。
だからもともと千田さんって、
その気があるっていうか、下地があるんですよね。
そうなんですよ。
で、アニータって千田さんのエフリーな性格っていうのを、
多分本能的に嗅ぎ取ってたんじゃないかなって感じなんですね。
リリーちゃんはマニュアルだったら、
アニータは野生の感なんですよ。
余計怖いな。
そう。
だから、すごく要求がですね、
いきなりエスカレートしたり、
なんか口が剥がれたりする点もあるんだけど、
この原動力って、やっぱりこの貧しい暮らしから
抜け出したいみたいな、
こう生存本能みたいなところに
なんか寄ってたってんじゃないかなという気がしますね。
そうですね。
スナックやってた千田さんの初恋の人、
そこまでやっぱりアニータほどにはね、
はいはいはい。
いかないっていう。
だからそれだけアニータの、
それまでの老いたちがすごかったっていう。
すごいんですよね。
だからこそ賢いの上にズルがつくっていうね、
千田さんが表してましたけど、
計算を超えたこう、
アニマルチックな動物的な賢さがあったっていう。
いやもう本能ですよね。
うーん。
事件後の千代雄司氏の厳しい現実
でもそんな派手な14億円という、
えー、祭りの後が、
この本の進行調ですよね。
そうですね。
僕がですね、
やっぱりまず一番印象的だったのが、
事件後の千田さんのですね、
厳しい現実なんですね。
かつてですね、
億単位のお金を動かして、
祭りに豪邸をね、
建てさせたような男が、
景気を得て社会に戻ってくるわけですよ。
で、そこで待ってるのって、
誰からも相手にされない孤独ですとか、
あとそれがもう毎日繰り返されるっていう、
やるせない日常なんですね。
そうですよね。
出所前、刑務所にいる時も、
山形刑務所にいたんですけど、
一緒のこう、
棒に入ってる人たちが、
みんな千田さんのこと、
金持ってるって思ってね。
そうそう。
持ってないんですけどね。
出たら、金貸してくれ、
借りに行くからとかね。
だから誰も、
彼のことを理解してくれてもいないし、
なんか常に孤独っていうか、
本当に描写の一つ一つが、
重たいですよね。
で、千田さん刑務所出て、
何とか前を向いて、
未来に生きようとするんですけど、
でも職を探そうにも、
ネットで検索すればすぐに、
事件の記事が出てくるし、
まさにこう、
過去が常に追いかけてきて邪魔をして、
未来への道を閉ざしてしまうっていう感じですよね。
そうですね。
だから彼は、
前を見ることもできないし、
要はその、
なぜあんなことしちゃったんだろう、
みたいなね。
そういう変えようのない過去の後悔の中で、
生きるしかないんですよね。
つらいですよね。
だから、
未来にも行けないし、
なおかつこう、
過去の自分は否定しなきゃいけないしね。
しかも、
かつての知人だったり、
親戚だったり、
あとは生まれ育った青森の言葉とか風景、
そういう懐かしい過去さえも、
全部捨てなきゃいけないんですね。
そうですよね。
結構千田さんって、
釣りの名人だったり、
サンサイ鳥の名人だったり、
海もね、
山もなんか恵みを繋げるみたいな、
そういうことをなんかすごく懐かしく振り返ってて、
でも戻れないんだみたいなね。
いやー、
本書の中にある、
罪を犯すっていうことは、
だから帰る場所がなくなるっていうことだっていうことが出てくる。
その言葉本当に刺さりましたね。
はい、そうですね。
つまりですね、
彼は未来への希望も過去の安らぎも、
両方失っちゃったってことだったんですね。
そういう時間軸の全てを奪われた男の虚無とか孤独。
ああ、虚無と孤独。
だから事件の派手さとはね、
裏腹な厳しい現在っていうのを、
淡々と描いてるのがこの本の凄みですよね。
チリでのアニータの成功と社会現象
一方で、
対象的なのがアニータですよね。
しましたね。
彼女、チリで凄いことになってるんですよね。
ここがですね、
もう一つの読みどころで、
社会学的な面白さもあるんじゃないかなと思うんですよ。
アニータって今、
チリで大人気のタレントで、
かつにインフルエンサーでもあるという感じで、
日本でいうとこのデビ夫人みたいな、
そういうポジションを取ってるらしいんですよね。
SNSのフォロワーが80万人かな?
そうそう。
今ね、最新で何か閉じちゃってましたね。
本当?
なるほど。
日本人の感覚するとね、
犯罪出た金で成り上がった人が、
いや、そこまでなるっていうね、
なんかこう、
行き通りすらちょっと感じたことある。
そうですよね。
で、彼女のチリでの躍進を決定付けたのって、
事件発覚後の彼女の振る舞いにあったんじゃないかなと思うんですね。
振る舞い。
で、チリってものすごい格差社会で、
エリート層がですね、
お行儀の良い道徳とかルールっていうのを、
庶民に押し付けているような、
なんかそういう下地があるみたいなんですね。
そこで日本から14億円という大金を引き出した兄太の事件が報じられて、
エリート層とかメディアとかは、
当然不死だらだとか、犯罪の金じゃないかとか、
そういうふうにバッシングするんですよね。
普通はね、そうなってそこで謝罪したり、
その上から表に出ずに隠れて暮らしたりとかってしますよね。
そうなんだけど、
彼女は全く悪びれずに堂々とメディアの前に出て、
貧しい家族を養うためにやったんだ。
何が悪いんだと。
まあそういうふうに言い放ってですね。
日本人だと考えられないですね。
そうそう。
で、その上で辞伝出したりとか、
テレビに出たりっていうことで、
大暴れしたんですよね。
すごいな。
だからチリの貧しい庶民の人たちから見ると、
エリートのいわゆる積極性、
言葉とかっていうのは鼻で笑うみたいな感じで、
欲望を揉むくままにですね、
たくましく残し上がっていくっていう、
彼女の姿って、
ものすごく痛快に映ったんじゃないかなって気がしますね。
なるほどね。
見つかせた事実そのものっていうよりも、
権威とかメディアからの罰金を跳ね返す反骨心とか、
たくましさ、
それが支持されたってことですね。
そうですね。
一方から批判されるほど、
彼女はキレイごと言わないとか、
俺たちの本音を体現してるみたいな、
一方からの熱狂的な支持が集まるっていう、
これってアメリカのトランプ現象にも、
よく似た構造なんじゃないかなと思いますよ。
なるほどね。
彼女はチリの、
トリックスターとかダークヒーローみたいな、
そういうような存在ですかね。
本書の構成の巧みさと情報設計
内藤さんが感じるこの本の唯一無二のポイントって何になります?
ズバリですね、
圧倒的な構成の巧みさですね。
これね、著者は本文で直接的に語りすぎず、
いわゆる本全体の情報の組み立て方で、
有便にメッセージを発してるなっていうふうに思うんですね。
というと。
特に前半部分って、
千田さんのモノローグが中心なんですね。
正直ですよ、
千田さんのこのモノローグ読んでて、
ツッコミどころ多いんですよ。
なんかちょっとイライラするとかあるんですよね。
千田さんに対してね。
だけど、
著者って決して彼を断罪するわけでもないし、
晒し者にするわけでもない。
確かに前半の千田さんの言うだけ聞いてると、
いやなんでそこで金渡すかなとかね。
なんでそんなことしにいっちゃうんだとかね。
思うところもあって。
まあ言ってみたら、
運が悪かったねと。
いけない女性に会っちゃったねっていうね。
可哀想な人で終わってたかもしれないですよね。
そうですよね。
この本って二部構成になっていて、
前半は千田さんの主観ですよね。
後半は著者の取材による客観みたいに。
特に後半のアニータの喧騒に満ちた生活っていうのが、
前半と照らし合わせることで、
千田さんの人生の残り火みたいな、
心象風景がですね、
すっごい際立つんですね。
物悲しいな。
そこ読むと、
事件は終わっても人生は終わらないっていう、
ある種残酷さみたいなのが、
すっごく浮き彫りになってるなっていうのが、
構成から伝わってくるっていうのがすごいなと思うし。
分かりますね。
だから読んでて、
狭いアパートの一室で、
千田さんが一人で、
暮らしてる感じっていうのが浮かび上がるような、
感覚ありましたもんね。
そうですね。
あと、
首都さんも多分お気づきになったと思うんですけど、
小舘が歌のタイトルになってるじゃないですか。
いや、これがね、
洒落てるんですよね。
サイドA、サイドBで、
カセットテープのお手裏みたいな。
ラブ・イズ・オーバーとか、
酒と涙と男と女とか、
これが実際の歌のタイトルが、
ショーの名前になってて。
これが千田さんの世代観っていうか、
彼の人生を一枚のアルバムのように見立てるような感じがして、
すっごく洒落てるんですよね。
そうですね。
千田さんって、
どっか自分の人生をね、
なんかこう、
演歌的なドラマみたいに、
こうして語りたがるところってあるじゃないですか。
ここもなんかちょっと説教したくなるところ。
だから、
このなんか、
小舘歌のタイトルにしてるのも、
なんかね、
ちょっとかんぐりすぎかもしれないけど、
著者の人の千田さんに対する、
こう、
アイロニーっていうか、
若干いじってんじゃねーのみたいな。
なるほどね。
そんな気がしたんですよね。
そういう見方もあるかもしれないな。
だから、
こういう情報設計の上手さっていうのが、
この本をですね、
いわゆるこう、
ワイドショー的な話の延長じゃなくて、
いわゆる上質なノンフィクションへっていう風に、
昇華させてるような最大のポイントじゃないかなっていう風に思いますね。
まあ単なる事件物としては、
消費するにはもったいない深みが、
この本にはありますけど。
事件ノンフィクションの醍醐味と推薦書籍
ナイトーさんって事件ノンフィクションよく読みます?
はい。よく読みますね。
事件物って、
ノンフィクションの本領が発揮されるね。
一番発揮されるジャンルじゃないかなと思っていて、
テレビとか雑誌の事件報道って、
いわゆる白か黒かみたいな話だったりとか、
犯人は誰かみたいに、
なんかわかりやすい話に決めたがるじゃないですか。
でも、
この優れたノンフィクションって、
複雑なものを複雑なまま提示するってことができて、
なんかこう読んだ後に、
ちょっとこうモヤモヤってするような話の方が、
現実に近いよなっていう風にいつも思うんですよね。
なるほどね。
例えばどんな本があります?
はい。
アニータ事件にも通じるですね、
人間とか社会が浮かび合ってくるような本をですね、
3冊ほど紹介したいなと思うんですけど、
まず1冊目はですね、
冒頭でもお話しさせていただきました、
リリちゃんの件で、
割愛頂き女子リリちゃんっていう本が、
宇都宮直子さんが書かれた本で出ておりますよね。
これも様々な事件の犯人に共通するですね、
愛されたいっていう強烈な飢餓感みたいなのを、
描いた本なんですね。
そうですね。
千田さんがアニータに見ついた真理っていうのも、
まさにこの割愛そのものじゃないですか。
自分を必要としてくれる誰かを求め続けた、
慣れの果てとして読むと非常に面白いんじゃないかなと思いますね。
心の穴の正体をね。
そうですね。
で、2冊目が、
津島の海に沈む。
おお。
これは本当にいい本ですよ。
ね。
これもですね、
地方の組織で起きた不正の話なんですけども、
なぜ真面目な人がね、
組織の論理に飲み込まれて、
道を踏み外していくのかという話なんですけども、
千田さんが往々に手を染めた時の、
なんかこう、感覚が麻痺していくプロセスっていうのが、
生々しく理解できる本ですね。
そうですね。
まあ普通の人がこう、
犯罪者になるっていうのは、
なんかそこに超えられない壁が、
境界線があるような気がするけど、
結構ね、ひょいって超えちゃったりするんですよね。
紙一重ですよね。
そうですよね。
で、3冊目がですね、
ヒルビリエレジー。
意外。
でもご存知ですよね。
もちろん。
アメリカの貧困白人層を描いた本なんですけども、
ここで描かれるですね、
貧困ゆえの強烈な家族愛とか、
あとはエリートへの反発みたいなところっていうのが、
アニータの背景と重なりますと。
そういうことか。
そういうことになること。
ちなみにこの本の著者はね、
今アメリカの副大統領になっているんですけども、
本で読んだ時とテレビで出た時の印象の違いにね、
本当に驚き隠せなかったですね。
こんな人だったの?みたいな。
トランプよりもジェイリー・バントが怖いなあ。
なんかこの人ね、
すごい闇抱えてる感じしません?
本に罪はないんで。
そうですね。
そうか、アニータの夫を入り口に、
人の内面、組織の闇、
そして社会の分断ですね。
ここまで繋がってくるわけですね。
エンディング
はい、というわけで本日はですね、
アニータの夫を紹介しました。
やっぱり、
ナイトさん取り上げてくるかと思いましたけど、
面白かったですよね、この本ね。
自分はこう、
多分ね、絶対に騙されないって思ってる人ほど、
これ読んだ方がいいと思います。
千田さんのこの一人語りの部分とか、
絵画部分は非常に刺さるかもしれませんね。
はい、そうなんですね。
人間の愚かさ、弱さ、そしてたくましさ、
全部がですね、詰まった一つかなと思います。
読み終えた時にですね、
きっと自分だったらどうしてきたか、
みたいなことをですね、
考えずにいられないはずなので、
ぜひ手に取っていただければと思います。
本日の収録は、
日本橋浜町にあるハマハウスさんより
お送りいたしました。
お相手はプレゼンターの内藤潤と、
ナミゲーターの首藤淳也でした。
それではまた。
20:30

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