1. SCP話
  2. #102 SCP-3930 - パターン・ス..
2022-10-16 47:07

#102 SCP-3930 - パターン・スクリーマー

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紹介SCP

Author: djkaktus
Title: SCP-3930 - パターン・スクリーマー
Source: http://scp-jp.wikidot.com/scp-3930
Year of creation:2017
CC BY-SA 3.0

SCP財団とは: https://ja.wikipedia.org/wiki/SCP%E8%B2%A1%E5%9B%A3

©︎SCP財団 http://ja.scp-wiki.net/

#SCP #オカルト #朗読
00:04
スピーカー 1
アイテム番号 SCP-3930 オブジェクトクラス 該当なし
スピーカー 2
特別収容プロトコル SCP-3930に割り当てられた職員は、ロシアウシンスク近郊のS5からC9区域をモニターし、
サイト駐在の指令の命令に従います。 SCP-3930に割り当てられた職員は、区域内には何も存在しないこと、
スピーカー 1
同様に SCP-3930は存在しないことを認識しなくてはなりません。 説明
スピーカー 2
SCP-3930は存在しません。 このファイルの残りは、L5-3930に分類され、制限されています。
資格情報を入力。 資格情報が承認されました。
O5-1命令 以下のファイルは、L5に分類、制限されています。
スピーカー 1
適切な資格のないアクセスは禁止されています。 アイテム番号 3930
L5 トップシークレット 収容クラス
エソテリック? イソテリックかな? 副次クラス 該当なし
かくらんクラス EKHI リスククラス クリティカル
ファイル管理者の注意 存命の職員のうち7名のみがこのファイルへのアクセスを許可される
収容された特別収容プロトコル あ、失礼、修正された特別収容プロトコル
スピーカー 2
SCP-3930の収容を続行するため、SCP-3930が存在しないこと、これまで存在したこともないことを理解することが
スピーカー 1
SCP-3930に割り当てられた、このファイルへのアクセスを許可された人員以外の職員にとって重要です。
スピーカー 2
SCP-3930に現在割り当てられている職員が、SCP-3930の存在を主張する場合は、配置転換され
SCP-3930は存在しないという理解を確実なものとするために、全面的な心理学的検査を受けます。
スピーカー 1
そのようにすることが不可能な職員は、収容のために現在の3930研究本部へ送置されます。
スピーカー 2
命令・指示を言語で記述する便宜上、SCP-3930は対象として記述されますが、
03:01
スピーカー 1
SCP-3930に割り当てられた全ての職員は、SCP-3930は存在していないことを理解しなくてはいけません。
スピーカー 2
SCP-3930は発見された場所で収容されます。
スピーカー 1
SCP-3930を収容している領域へのアクセスは固く禁止されます。
SCP-3930周辺に直径およそ1kmの区域が設定されました。
SCP-3930に接近するという意図で許可なくこの区域に侵入したあらゆる人間は、発見次第収容されます。
スピーカー 2
このファイルへのアクセスを許可された7名の職員は、SCP-3930の収容と、
スピーカー 1
SCP-3930に割り当てられた職員の管理に関して、絶対的な実行力のある権限を持ちます。
SCP-3930の非実在を維持することが、SCP-3930の収容プロトコルとなります。
説明
SCP-3930はロシア・ウシンスク近郊の1970年代初め頃にソビエトの科学者たちにより設置された直径1kmの範囲内にある静的な空虚です。
SCP-3930は光や音を発したり吸収したりせず、形や手触りを持たず、通過・相互作用、あらゆる方法での操作を受け付けず、寸法を持ちません。
様々な方法を用いた広範な調査にもかかわらず、財団の研究者は99.999%の角度で、SCP-3930として規定された領域内には全く何も存在していないことを証明しました。
スピーカー 2
このことにもかかわらず、SCP-3930に暴露された対象は、例外なくその空間に周辺地域と同様の植物層、動物層、及び非実在の空間内のいずこかに構造物があると報告します。
いくつかの仮定が提唱されましたが、詳細はホイ3930-3を参照。人間がどのようにしてSCP-3930を知覚することができるのかは現在まで不明です。
SCP-3930を通過できず、相互作用できない、SCP-3930は存在しているものではないためのと同時に、実在する物品や実体はSCP-3930に入ることはできません。
それにもかかわらず、SCP-3930に接近し、侵入しようと試みた人物はなおもSCP-3930を通過し、相互作用をしていると他の観察者によって知覚されます。
06:03
スピーカー 2
人間がSCP-3930の非実在の境界を通過する瞬間、彼らは存在することをやめます。
これにもかかわらず、外部の観察者はSCP-3930へ侵入したその人物をある程度の時間知覚し続け、その後は知覚できなくなります。
ようやくすると、SCP-3930は存在しません。
その知覚される特性にかかわらず、SCP-3930は何であるかと言い表すことはできません。
SCP-3930は存在しないため、何らかの存在を内包することはできません。
そのため、SCP-3930が非存在であるために不可能であるSCP-3930への通過または侵入を試みる者もまた存在をやめます。
蒸気すべてにもかかわらず、人間はSCP-3930を知覚可能なものとして認識します。
SCP-3930により、非実在となった物体も同様に知覚可能です。
最も記述すべきこととして、SCP-3930を認識している人物により知覚されるSCP-3930の特性は、
SCP-3930の存在とSCP-3930が知覚されていることにより影響されるという事実の双方を知っている人物の数により大きく変化することが挙げられます。
これに関するさらなる情報は、ホイ3930-3を参照してください。
最後に、その人数がSCP-3930の知覚上の特性に及ぼす影響は、記憶処理あるいは自然な死によってさえも消失しません。
SCP-3930の知覚上の特性を変化させる唯一の方法は、SCP-3930を認識したことのある人間が、SCP-3930に侵入し、非実在となることです。
このことが、SCP-3930に及ぼす影響は即時のものでありませんが、時間と共に減衰し、おおむね31日で再び安定します。
空虚を安定的に維持するためには、SCP-3930を認識する人物は10人以内でなくてはなりません。
09:07
スピーカー 2
そのうち7名が収容プロトコルにより占められ、2名が試験目的で許可されます。
1名分の枠が一般人の干渉があった場合のために設けられています。
保位3930-1発見
SCP-3930の初期発見の記録はソビエトの情報機関の解体により失われましたが、SCP-3930は複数回発見された可能性が高く、発見した人物はSCP-3930と相互作用する試みの結果、もはや存在しないと考えられています。
特筆すべきことにソビエト連邦末期において、SCP-3930は国家直属の科学者や研究者によってのみ知られており、GRU-P部局の構成員はSCP-3930について知らされていなかったと考えられます。
国家直属の科学者たちがSCP-3930の性質を知っていたのなら、このことは意図的であると考えられます。
収容プロトコルが発行される以前にSCP-3930を知覚していた人物の数は不明ですが、記録によると国家の科学者たちはアノマリーの収容とそれに対する研究の双方において、極度の困難に直面していたことが示唆されます。
彼らがSCP-3930の異常性に対する適切な理解を書いていたことが多数の生命の喪失をもたらし、SCP-3930に関する状況をさらに悪化させました。
財団の工作員がSCP-3930を発見するまでに当初の研究チームの構成員で存命していたのはごく少数であり、残りはSCP-3930へと失われていました。
SCP-3930の現在の収容プロトコルの発行にあたっても不幸な生命の喪失がありました。さらなる情報はHOY-3930-3を参照してください。
HOY-3930-2 探索ログ
SCP-3930の探索はこれまでに確立されたSCP-3930の理解によると不可能となります。
しかしながら外部の観察者はSCP-3930に侵入した、そしてそれにより存在を止めた人間を知覚することが可能であり、無線すら受信することが可能です。
特筆すべきことに、音声・映像記録機器はSCP-3930の視覚では適切に機能しません。ビデオカメラは非実態を捉えることはできず、
12:09
スピーカー 2
SCP-3930を記録した映像もSCP-3930の通常の観察と同様の異常な映像視覚変調の対象となります。音声も同様です。
手短に言うと、すべての音声・ビデオ装備はSCP-3930に侵入した瞬間に機能を停止しますが、観察者は矛盾が記録されたとしても適切に機能していると認識し続けます。
以下は、SCP-3930-7-4のメンバーです。
以下は、SCP-3930-7-4により、彼が知覚した通りに執筆された音声ログの書き起こしです。
このログの記録中、SCP-3930-7-4はマイクへ喋りかけ、返答を知覚し、もう一つの録音機器へ返答を繰り返しました。
つまり、以下のログでは、SCP-3930-7-4がSCP-3930に侵入した人物と会話しているように見えますが、実際には侵入した人物は録音の時点では存在しておらず、両方の人物の発話がSCP-3930-7-4によって話されているということです。
SCP-3930-3-3がこの出来事を監督し、知覚された応答の正確さを確認し、事後にもログのチェックを行いました。
ログ開始。
SCP-3930-7-4。
よし、D-124。君に前へ歩き出してもらいたい。目の前に見えるものを説明してくれるか?
D-124。木だ。ただの木。
SCP-3930-7-4。何か動物や生き物はいるか?
D-124。いない。
SCP-3930-7-4。よし、前進してくれ。
沈黙。
SCP-3930-7-4。君はアノマリーの境界へと接近している。今は何か見えるか?
D-124。見えない。まだ。
ただ、この時点でD-124はSCP-3930へと消失し、存在を止めた。
15:00
スピーカー 2
音声モニタリング機器により彼の無線が機能を停止したことが確認された。
にも関わらず、3930-7-4も3930-3-3もこれに気づかなかった。
D-124。木と矢布とごちゃっとしたものがあるだけだな。
SCP-3930-7-4。前進し続けてくれ。
沈黙。
D-124。ああ、ちょっと待て。あそこの開けたところに何かあるぞ。何か建物のようだな。
3930-7-4。詳しく描写できるか?
D-124。えー、これは低階層だな。そいつには人ぞろいの、えーと、アパートかマンションじゃないかな。
すごいツタに覆われている。しばらく放置されてるみたいだ。
3930-7-4。大きさはどのくらいだ?
D-124。えーと、よくわからないな。たぶん100フィートくらい?
側面に6つのドアが見える。カーブして後ろにも続いているように見えるぞ。
3930-7-4。前進を続けてくれ。
D-124。了解。
沈黙。
D-124。ところで何か聞こえるような音が聞こえる。でもとても小さい。
数秒前は風か草の音だと思ったんだが、でもそのどちらでもないと思う。
3930-7-4。どんな風な風だった?あ、どんな風な音だった?
D-124。真。
正直わからない。かすかだ。
3930-7-4。了解。何か新しいことがあったら伝えてくれ。
沈黙。
D-124。オーライ。建物のところまで来た。
明らかに何かアパートのようなものだ。壁は白で茶色のドアがある。木製だ。
スピーカー 2
それと向こうに別の建物がありそうだ。
事務所だろうか。
スピーカー 2
3930-7-4。ドアをどれか開けてくれるか。
D-124。やってみる。ちょっと待て。これは鍵がかかってるな。
ま、これもだ。ちょっと待て。
窓を覗き込んでいる。中に何か見えないか。暗いだけだ。カーテンの向こうは見えない。
スピーカー 1
3930-7-4。ドアを調べるのを続けてくれ。
18:01
スピーカー 2
D-124。ああ。一つ開いた。見てみる。
完全に、えっと、完全にしばらく誰も入っていないみたいだ。暗くて埃っぽい。寝室が一つ、だと思う。家具はそれほどない。
椅子と小さな本棚。でも何も入っていない。寝室を見てみる。
ベッドが二つ。タンスが一つ。しかし中は空だ。
ベッドは整えられている。カーテンは全部引かれている。待ってくれ。カーテンが開く音。
この窓は外の、えっと、空き地に面している。この建物は大きなL字型で、もう少し向こうへ続いている。
3930-3-3。マイクから遠くで。ライトを消してくれるか?めちゃくちゃに明るすぎる。
D-124はその部屋と付属するバスルームを続く5分間探索し続ける。やがて彼は3930-7-4により離れるように要請される。
D-124。ああ、オーライ。それでは俺は。ちょっと待て。3930-7-4。なんだ?
D-124。俺は、俺はこのブラインドを開けたか?
3930-7-4。なんだって?
D-124。ブラインド。俺はカーテンをさっき開けたかって意味だ。寝室に入った時に。
3930-7-4。私にはわからない。私は。
D-124。いや、確かにやった。それから窓の外を見たのでそれを特に覚えている。
ここには誰か他にいるのか?
3930-7-4。我々にはそう考える理由がない。いない。
D-124。では何があのクソカーテンを閉めたというんだ?なんであれが閉まっている?
3930-7-4。我々にはわからない。
D-124。もちろんあんたらにはわからないだろうよ。
だが、だが俺は絶対にこれを開けた。
俺はここに来て、外を見て、そして俺は、えーと、ああ、俺は外に誰かいると言ったんだからな。
そして、うん、実際のところ何て言ったか覚えていない。もしかしたら俺が間違えていたのかも。変だな。
3930-7-4。もう一度窓に近寄ったのだか?もう一度窓に近寄ったのか?
21:03
スピーカー 2
D-124。それはない。俺はただ、うん、探索を続けた方が良さそうだな。
沈黙。次の部屋に来たが同じようだ。ここは、うん、向かいの部屋と真逆の間取りだ。こっちの部屋にはテレビがある。
3930-7-4。テレビはついているか?
D-124。なんだって?ついていない。何週間も誰もいない。いや、何年もかもしれない。
俺にはとても、実際、なんだ?テレビがまだ暖かい。ここにも誰かいたぞ。ちょっと見てみる。
3930-7-4。なんだ?D-124。着いた。だが、これはおかしい。チャンネルが切り替わり続けている。ただの静止画だ。
白黒。背景の海。鏡と顔。仮装用に積んだ薪。何度も同じ映像に戻っている。黒い背景で、うん。
浮かんでいる暗い影。2つ以上。小さい。よく見えない。薄くなったり、現れたり。お前にも聞こえるか?
3930-7-4。聞こえない。D-124。例の音がまただ。テレビからじゃない。外からか。これは、うん。
3930-7-4。また聞こえたのか?D-124。ああ、これはただ、音が、気が狂ったようになってきている。
分かってる。俺はこの部屋に、あの壁のドアから入ってきたはずだ。だが今はドアはない。代わりに窓がある。
3930-7-4。窓の外を見れるか?D-124。ああ、えーと、オーライ。音が本当に狂ったようになっている。カーテンは開けられない。
引っ張っても、こいつらはまるで、後ろにもっと何かあるような。もっと後ろに、何か。
3930-7-4。その部屋に他に出口はあるか?D-124。ここには。
この時点で3930-7-4と3930-3-3のいる移動式研究ステーションの部屋の電話が鳴り、3930-3-3が出る。
その間、3930-7-4は音声通信の向こう側、D-124の側でもう一つ電話が鳴っていることを描写する。
24:04
スピーカー 2
D-124。電話が鳴っている。今までここに電話があったことに気づかなかった。ちょっと待て。
3930-7-4。おい、やめ。
D-124と3930-3-3、同期して。
ハロー?ああ、見えている。これから聞こえている。そっちは聞こえるか?
この時点で3930-7-4は激しいエコーがD-124からの音声受信器から発生していることを書き留める。
D-124と3930-3-3、同期して。
ハロー?ハロー?聞こえるか?俺は今、お前に話しかけているか?これはなんだ?
3930-7-4。おい、電話を切れ。そのクソ電話を切れ。
3930-3-3は電話を切り、混乱を示す。音声受信器の反対側でD-124も同様の混乱を示す。
D-124。これはなんだ?そっちでは聞こえたか?
3930-7-4。D-124。現在入っている部屋からの出口はあるか?
D-124。ああ、階段室がある。ここを降りてみる。
3930-7-4。了解。やってくれ。
スピーカー 1
沈黙。
スピーカー 2
D-124。オーライ。階段を下がった。今は別の部屋に入った。
いや、待て。そうか?おい、言い忘れていたが、肌が変な感じがする。
3930-7-4。どういう意味だ?
D-124。せっかいみたいだ。腕を手で擦ると、なんだか…どう言ったらいいかわからない。少し、そこにはなくなったみたいな感じだ。
3930-7-4。記録した。現在の周りの状況を説明してくれるか?
D-124。前の部屋と同じソファーがある。だが少し違った感じがする。部屋のサイズが違うのか?少し大きいようで、物の間隔が広い感じがする。
3930-7-4。階段を戻れるか?
D-124。階段?
3930-7-4。今、下ってきた階段だ。
D-124。階段がなんだって?
3930-7-4。君は階段を一回下がったんじゃないのか?その部屋に入る前に。
D-124。いや、俺はドアから入った。すぐそこにある。
27:03
スピーカー 2
おかしいな。ドアに鍵がかかっている。
ところで、本当に聞こえないのか?
3930-7-4。聞こえているノイズについて説明してくれるか?
D-124。まるで、あんな静かなはずのところで、あ、あんた、静かなはずのところで音が聞こえたことはあるか?
3930-7-4。ああ。
D-124。完全に静かなところで、何か聞こえることがあるだろう。脳がギャップを埋めようとしているんだ。
この音はその音みたいだ。静かさじゃなくて、脳が作り出している。そんなに大きくはないが、明らかに気づく。
俺が思うには、うーん、見てみる。ここから出るドアがあると思う。どこかにな。見てみる。
D-124は彼の現在いる部屋を出口を求めて以下4時間探索する。
コントロールからのD-124を部屋から出そうとする支援にもかかわらず、彼は出ることができない。
D-124。俺はまた何かに気づきかけている。なぜこんなに時間がかかるのかわかる。
すべてのものの間の距離が今はとても大きい。ソファーからテレビまで歩くのに、今は10分かかる。キッチンへ行くには20分だ。
3930。なんだって。いつからだ。なぜもっと早く言わなかった。
D-124。わからない。俺は…ドアにノックがあった。待て。
ハロー。外に人がいる。そいつは俺が聞いているのか知ろうとしている。
スピーカー 1
393074。私か?
スピーカー 2
D-124。そうだ。俺だ。
オーライ。そいつは出る道があると言っている。床を…うん、床を抜けて。
彼は背中を十分寄りかからせればそこへ行けると言っている。それで…
沈黙。D-124は38分間応答しない。
393074と393033は38分間喋らない。
D-124。ホワイトノイズ。沈黙。
393074。まだそこにいるのか?
D-124。思っていたよりずっと長かった。
分かってきたんじゃないかと思う。聞こえているか?
393074。聞こえているか?
D-124。いいぞ。聞き逃すなよ。
俺は下がった。見ろ。俺は俺が見ていたものは。
俺に関係あるんじゃないかと考えていた。
30:03
スピーカー 2
だが全くそうじゃなかった。俺は本当にはそいつらを見ていなかった。
ああ、これの方がずっと筋が通る。
俺じゃなくてお前に関係あるんだ。
そんなことはどうでもいいのかもしれないが。
俺が前に静かなところで何かが聞こえる話をしただろう。
同じようなことが今、俺の目に起きている。
空白を埋めてだ。
393074。何が見える?
D-124。この世界には穴がある。
そしてこの場所がそこに向けて引き込まれている。
排水溝みたいに。人もだ。
俺には今実際にそれが見える。
建物全体が小さな小さな穴の中に入っている。
37.天に向けて。
スピーカー 1
砕けて壊れて。
スピーカー 2
オーライ?
スピーカー 1
ああ。ああ。ああ。
スピーカー 2
これは応答だ。反応みたいなもんだ。
自然は深空を嫌わない。だが人間は嫌う。
人の精神はこんなもののためには作られていない。そうだろう?
人は星を見るとき、そこに何かを見出す。
なぜならそれが人の成すことだからだ。
筋を通すんだ。秩序は人が作った概念だ。
393074。君が今いる空間を説明できるか?
D-124。いない。
393074。どういう意味だ?
D-124。俺が存在しないことをあんたは分かっているはずだ。
あんたがそれに気づいたとき、これは全部終わる。
393074。私が何に気づくって?
D-124。あんたはスクリーンから目を逸らして、そいつを見るのを、
うん、パターンを見るのをやめなくちゃならない。
俺は、もしあんたが目を逸らせば、あんたには俺が見えなくなる。
そしてあんたは、あんたは俺の声が聞こえなくなる。
そしてそいつが俺の聞いているものだ。
俺がここずっと聞いていたものだ。
そうだ、これで筋が通る。
あんたが瞬きすれば、あんたはすべてを失い、
そいつがなくなればそいつは何者でもなくなるからな。
だからそいつらはあんたの注意を引こうとする。
そいつらがそれに失敗すれば、そいつらは何者でもなくなる。
そして393074
落ち着いてくれ、私は君に。
D124
ダメだダメだ。あんたは目を逸らして、そしてパターンは消えるんだ。
あんたは聞くのをやめるんだ。そいつらの声を。
33:01
スピーカー 2
そいつらは何でもないんだ。そして今は俺。
わからないのか?
393074
この時点でサイトの発電機が起動される間、電気系統に瞬断が起きる。
393074と393033
両名は即座に音声通信がもはや機能していないことに気づく。
D124に連絡する試みは失敗する。
ログ終了
HOY39303
393011へのインタビュー
以下の罰水は財団の介入が開始される以前に
SCP3930の収容プロトコルを実施していたと判明したソビエトの科学者
アンドレイ・バシリエフ博士とのインタビューのログから取られたものです。
バシリエフ博士はその後財団のポストを提示され、ほどなくして393011となりました。
インタビュアーはピエトロフ・クズキン博士です。
翻訳はサイモン・ピエトリカウ博士により提供されました。
スピーカー 1
ログ開始
スピーカー 2
クズキン博士
これは何ですか?
バシリエフ博士
これは何でもない。あらゆる測定可能な意味においてな。
これは静寂だ。妥協なき虚空だ。何も存在していない空間だ。
クズキン博士
どのようにしてここに存在するのですか?
バシリエフ博士
我々には分からない。ただ発見された。国の誰かか、それとも外部の者によってか。そして我々がここに最初に到着した。
クズキン博士
これについて何を知っていますか?
バシリエフ博士
これについて知る、だと?
知るべき何があるんだ。そこには何もない。
測定するべき何かも、試験すべき何かも。その境界を越えた者は消失し、存在しなくなる。我々は記録機器を装備した兵士を送った。だがみんな同じ結末だったさ。
クズキン博士
あなたのチームの他の者には何が起きましたか?
バシリエフ博士
ああ、知覚が鍵だ。何かをテストすると、いつもそこには何もないと出るだろう。だがそこを見ると、そこには森と木と動物すら見える。もし君がそこへ深く歩き込めば、建物が見えるだろう。あるいは人間も。
だがそれら全部は現実ではない。建物が見えるまでには、それがどんな形であれ、君も現実じゃなくなる。君は誰かの心に近くされた、君自身の写し絵以上の者ではなくなる。
36:02
スピーカー 2
このものは、この虚空、これは憎しみに満ちた鏡だ。そいつは君に覗き込まれたいと思っている。見るものが増えるほど、それはさらに憎しみに満ちる。
クズキン博士
それで、チームの他の者はどうなったのですか?
バシリエフ博士
バシリエフ博士
我々は多すぎたんだ。あまりに多くが虚空を覗き込んだ。そしてそいつは叫び始めた。
クズキン博士
叫び?
バシリエフ博士
もし君がそこに近づけば、それが聞こえ始めるだろう。何もないかのように微かだ。何かおかしなことが起きる。
人の精神は何もないところにパターンを見出すように進化してきた。だから本当に何もない空間に対して、精神は無から何かを作り出し始める。
聞こえるものは何か原始的なもの、ほとんど知覚できない本能だろう。我々の精神が存在しない何かを知覚しようとすると、虚空の端に沿ったひらめきが発生する。そしてそれは憎む。
クズキン博士
どういう意味ですか?憎む?なぜそれが何かを憎むのですか?どうしてあなたにそれがわかるのですか?
バシリエフ博士
我々が多すぎたからさ。我々のチームの各々が虚空を知覚していた。各々がそれを知覚しようとした。そのひらめき、その小さな叫びたちはやがて結びつき始めた。
間違いなく、クズキン博士、それらは現実ではない。それらはニュートリノだ。我々にとってニュートリノが何であるか、何者でもない。
だがそれらはどのようにしてか、自らが何者でもないことを知っていて、そして憎しみに満ちている。
それらの存在は私が考えるには苦痛だ。それらは自らを存在させる世界を憎んでいる。そしてそれらを存在させた我々を憎んでいる。
それらは憎しみ以外の何者でもない。十分な時間があり、十分な数の我々が虚空を覗き込もうとすれば、何かがそこから這い出す。その後、我々住人が残された。アノマリはそれ以来安定している。
クズキン博士、何が出てきたのですか?
沈黙。
あなた方は何年ここにいるのですか?
バシリエフ博士、何十年も。
クズキン博士、なぜ解放されたいと言わなかったのですか?
39:00
スピーカー 2
バシリエフ博士、一度叫びを聞けば、それは耳から離れない。
私が解放されれば、もう一人の魂を呪うことになる。
クズキン博士、先日、あなた方の科学者の残りが行方不明になりました。彼らはどこへ行ったのですか?
バシリエフ博士、彼らは虚空へ入った。
クズキン博士、なぜ?
バシリエフ博士、今の我々は多すぎる。あなた方は十二人連れてきた。
我々は八人いた。十人以上いてはいけないんだ。
一旦虚空を知覚すれば、それを忘れさせることはできない。我々は今、十三人いる。だが十人以上いてはならない。
クズキン博士、あなたはこの虚空を何か知性のある生物のように言いますが、何もないものがどのようにして知性を持つ何かとなるのですか?
バシリエフ博士、それらは同じものではない。虚空は虚空だ。
非存在の領域、それははかりがたく、変化させられないものだ。そして我々はそれについて何も知らない。
だがパターンを叫ぶ者たちは、そう、ある種の知性を持つ。だがそれらは、それらが我々であるがゆえに知性を持つのだ。
それらは、この憎しみを讃えた鏡に映る我々自身だ。
カメラがオフになる。クズキン博士は目をそらす。バシリエフ博士は少しの間カメラを見つめる。
クズキン博士、往来、他に何かありますか?
バシリエフ博士、十人以上いてはならない。私は虚空へ行こう。そしてそれから、あなた方のうち二人が続かなくてはならない。
クズキン博士、もしそうしなければ。
沈黙、ログ終了、サイモンピエトリカウ、パラドックス、幻覚、感覚、敵対的、概念、聴覚、視覚、観測、認識災害のタグがついています。
注釈が2つ目は、もう読んだから1つ目だけですね。
機器が故障した。ソースから切断されたというアラームや警告など。どこのことだろうか。
消失したとこかな。注釈1、喉痛、あった。
観察者は矛盾が記録されたとしてものとこですね。適切に機能していると認識し続けます。
音声、映像機器が異常、音声録音できてません、映像録画できてませんという状況でも、適切に機能していると認識し続ける現象。
42:10
スピーカー 2
存在しないこととなっています。ただ存在しないが存在する。よくよく近づくと色んな虚無の空間があると。
中にいる人がおかしくなっていってそのまま消えていく。
なんか最後の方ファシリエフ博士それっぽいの言ってましたね。どこだ。
スピーカー 1
鏡だとか言ってた気する。えー。あった。
スピーカー 2
虚空は虚空だ。非存在の領域。それははかりがたく変化させられないものだ。我々はそれについて何も知らない。
だがパターンを叫ぶ者たちはある種の知性を持つ。だがそれらはそれらが我々であるがゆえに知性を持つ。
それらはこの憎しみを讃えた鏡に映る我々自身だ。
スピーカー 1
自分たちのもともと知性があるわけじゃなくて消失した奴らの知性を得ているのか。
スピーカー 2
知性を得ているというよりは知性が残っている。残死になっているみたいな感じかな。
知覚上の特性に及ぼす影響は記憶処理あるいは自然な死によっては消失しません。
知覚上の特性を変化させる唯一の方法はSCP-3930を認識したことのある人間がこの中へ侵入し非実在となることです。
影響って何て言ってたっけ。
暴露された対象は例外なくその空間に周辺地域と同様の植物、動物及び非実在の空間内の何処かに構造物があると報告します。
いくつかの仮定が提唱されましたが詳細はホイ39303を参照。
いくつかの仮説出てた。ちょっと読むのに注力しすぎて。
ホイ39303 静寂 妥協なき国 何も存在していない空間
これについて何を知ってますか。
何を知る。知るべき何があるんだ。
あなたのチームの他の者には何が起きましたか。
知覚が鍵だ。
何かをテストするといつもそこには何もないと出るだろう。
45:02
スピーカー 2
だがそこを見ると森と木と動物すら見える。建物も見えるだろう。あるいは人間も。
だがそれら全部は現実ではない。建物が見えるまでにはそれがどんな形であれ君自身も現実じゃなくなる。
君は誰かの心に知覚された。君自身の写し絵以上のものではなくなる。
はぁはぁはぁはぁはぁ。
ある、えーとだから日本神話の神様的な感じだな。妖怪とか都市伝説とかそっち系だな多分。
そこにいると思われているからいるだけであると。
動物とか森とか木はどうなってるかわからないけど人間はそういうことですね多分。
誰かの心に知覚された。自分自身のその認識が具現化したもの。
スワンプマンだな。我々は多すぎた。あまりに多くが虚空を覗き込んだ。
何かおかしなことが起きる。人の精神は何もないところにパターンを見出すように進化してきた。
うーん。なるほどなるほど。精神は無から何かを作り出し始める。
精神は無から何かを作り出し始める。幻覚現象の集合体みたいなことかな。
集積して修練していって何もないはずの空間だけど無意識化で何かあると作り出してしまい
それが共通イメージとなりその空間内に存在してしまう。
なんかそれっぽいこと言ってみたけどどうだろうな。というSCPでした。
ちょっと読むの疲れたので詳細を知りたい方はご自分で見てください。
ではまた次回お疲れ様です。
47:07

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