1. SCP話
  2. #415 Tale -アラ・オルン 【リ..
2025-08-05 27:02

#415 Tale -アラ・オルン 【リクエスト】

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紹介SCP/Tale


タイトル: アラ・オルン

原語版タイトル: Ará Orún

訳者: (user deleted)

原語版作者: qntm

ソース: http://scp-jp.wikidot.com/ara-orun

原語版ソース: http://scp-wiki.wikidot.com/ara-orun

ライセンス: CC BY-SA 3.0

作成年: 2019

原語版作成年: 2019


タイトル: 反ミーム部門ハブ

原語版タイトル: Antimemetics Division Hub

訳者: C-Dives

原語版作者: qntm

ソース: http://scp-jp.wikidot.com/antimemetics-division-hub

原語版ソース: http://scp-wiki.wikidot.com/antimemetics-division-hub

ライセンス: CC BY-SA 3.0

作成年: 2017

原語版作成年: 2017


SCP財団とは: https://ja.wikipedia.org/wiki/SCP%E8%B2%A1%E5%9B%A3


©️SCP財団 http://ja.scp-wiki.net/


BGMタイトル: Farewell

作者: H.Lang

作者ページ: https://dova-s.jp/_mobile/_contents/author/profile459.html

DOVA - SYNDROME楽曲リンク: https://dova-s.jp/_mobile/bgm/play19024.html


1・5・9・13・

17・21・25・29日更新予定


#SCP #SCP財団 #podcast


【活動まとめ】 https://lit.link/azekura

サマリー

ポッドキャストエピソードでは、アダム・ホイーラーが記憶を失い、過去の悲劇に向き合っています。彼は電話越しの女性の声を通じて、忘れられない出来事や愛する人に関する真実を探ります。このエピソードでは、ホイーラーが不思議な状況に置かれ、マリオン・ハッチンソンや財団の仲間たちとの関係を探求しています。物語は、彼が直面する困難とその中での自己発見の旅を描いています。

過去の記憶の断片
テイル アラ・オルン
しかし、願いは届かない。 それらは無理やりに彼を地面に押し倒し、腕を広げさせ、拳を開かせることによって、左の薬指をアラワにした。
おぞましいアイディアが彼の思考の扉に拳を叩きつけ、侵入を許すように必要に要求した。
それは間違いをはらみ、醜い姿形で、あまりに巨大で、毒にまみれていた。 それを受け入れれば間違いなく、彼のすべてが侵され、家はヘドロと割れガラスで満たされる。
それは彼を溺れさせようとしていて、彼はそれを許せば、自分がすべて置き換えられることを確信していた。
それはすでに世界の残りすべてを乗っ取り、彼の周囲の人間を乗っ取っていたからこそ、彼は踏みとどまったし、踏みとどまり続けていたが、
彼を押さえつけていた一人がのみを取り出し、何もかもを上塗りし、
入れ、と彼はいい。
入れ、と彼は扉を開け放ち、世界は損なわれた。
美しいものを手に取り、それを砕いたか汚れで覆った。
陽気な人間を手に取り、歪に溺れに突き動かされる我々は、数にして数億の彼らは、
動力のために。
街の中心では、そこに人々が投入され、扉が後ろから閉じられた。
不可逆な、無傷のまま見守って、アダム・ホイーラーの最後の一辺は、
は、間違いと知るそれに立ち向かう。
天井から活力に満ちた黄色の日差しが細々と差し込む。
彼はそれに導かれ、壁を越えていく。
街から出て、中心核から脱した。
背後で紐状の何かが解け始め、
侵入者が、累線から一匹の黒いなめくじが滑り落ち、
アスファルトに打ち付けられて、干からびた。
涼しげで広い廊下のよく磨かれた硬い床の上で、彼は意識を取り戻した。
投げ捨てられたラグドールのような体勢で、彼は一方の壁に寄りかかっていた。
背中は壁に当て付けられ、右腕は伸びきっている。
指関節に痛みを覚えるほどに拳は固く握りしめられていた。
彼は息を呑み、握り拳をほどいた。
おぼろげな意識と体中の痛みを抱えながら、
彼は体を転がして床にもう片方の手をつき、
自分のその手に何が起こったかを認識した。
彼は当然の反応を見せた。
彼は人差し指と中指があるべき場所の切断弧を握り、
どうしようもなく泣き叫んだ。
悲鳴が響き渡るが、答える者はいない。
最後に覚えているのは、
ショスタコービチを演奏していたことだ。
駆け抜けるような、のびのびとした演奏だった。
頭の中でその時の演奏が一音一音まで正確に聞こえてくるが、
ある瞬間を境に記憶は途切れていた。
その後のことが思い出せない。
続くべき記憶に変わり、
最後の一節が不完全な形で、
何度も何度も頭の中で繰り返される。
音符の途中で途切れては、
徐々に数秒前の時点に戻り、
イヤーワームのように染み付いて離れない。
思考を逸らすことができなかった。
壊れたレコードだ。
二度と演奏をできやしない。
彼は残りの指で正しい形を作ろうとした。
手は命令に従わなかった。
目を擦ろうとするも、
いい方の手を使うことを強いられる。
気分がどん底で、
二日酔いのようで、
ひどく喉が渇いていた。
シャツを着ておらず、
腕と胸周りは灰色に見えるほどに泥まみれだ。
二度と演奏をできやしない。
彼はそこに小さく縮こまって座り、
しばらくの間途方に暮れた。
電話の告知
いずれ、動き出さなければいけないことは分かっていた。
今はその意志を蓄えている段階だ。
徐々に回復してきた目で、
彼は廊下を見回した。
読書をするでもなければ、
眼鏡がなくとも支障はない。
彼は学校にいた。
掲示板、
いく列ものロッカー、
壁に描かれた色とりどりのイラスト、
その場所は人気がなく静かだった。
教室の窓から廊下の離れた箇所へ、
暗石色の光が注ぎ込み、
朝方か夕方かは分からずとも
日が傾いていることが察せられた。
一度や二度だけ、
学校で音楽の授業をしたことはあったが、
この校舎に見覚えはなかった。
ためらいがちに、
彼は傷んだ方の手を観察した。
指の切断跡は不揃いな凸凹になっていて、
良好な治癒とは言えなかった。
切り傷とかさぶたが数多くあったが、
縫った形跡は見られない。
指は相当に乱暴な過程を経て
失われたらしい。
切り落とされたのか、
それとも噛まれたか。
思い出せないことがひどく居心地が悪い。
いつもであれば記憶は鮮明で、
曇り一つないはずだというのに。
明瞭に思考できていると自分では思っているのに、
失われた時間を思い出そうと集中すると、
その隙間に潜む何かが意識を押し返す。
猛烈な赤色の熱が。
そこで思い至ったのは、
落とされた指がきれいに治癒しなかったとは言え、
治癒はしたという事実だ。
継続的な痛みはあったものの、
流血しているわけではなかった。
治癒にどれだけの時間がかかるものだろうか。
どれだけの時間を失った。
一体何があった。
放課を進んだ先の教室から離れた場所で、
職員室の扉が半開きになっていた。
その部屋で電話が鳴り始める。
職員室は薄暗い教書で、
書類が渦高く積まれていた。
小さな机が二つに、
使い古されたオフィスチェアー。
ホイーラーは鳴っていた電話を発見し、
受話器を取った。
もしもし。
それは合成音声で、
女性のものだった。
ホイーラーさん?
はい、どちら様でしょうか。
一定のトーンで、
機械的な声の主は続けた。
ホイーラーさん、
あなたは長期に渡って、
病に伏していました。
近いうちに、
あなたの疑問に全てお答えしたいと思います。
しかし、今はその時ではありません。
W16号室に女性がいます。
彼女は死にかけています。
私は医者ではありませんが。
存じています。
彼女を救うために、
あなたができることは何もありません。
それでも、あなたは行かなければなりません。
今すぐに。
どうにも、自分が敵人のようには思えません。
本聴手ではないと言いますか。
あなたでなくてはならないのです。
代理はありえません。
彼女とは誰なのでしょうか。
沈黙があった。
電話口の向こうで、
声の主が言葉に詰まったようだった。
大切な人です。
どうか今すぐに。
あの人にはあまり時間が残されていません。
ホイーラーは途方に暮れた。
衝撃の再会
今の彼は、
その言葉に逆らう力も持ち合わせていないようだった。
他に進むべき方向が存在しなかった。
電話が優先で繋がっているのでなければ、
彼は電話を持って行こうと思っただろう。
持ち歩けないことへの若干の苛立ちを覚える。
そこで待っていただけますか。
はい。
彼は受話器をフックにかけないままにしておいた。
静かな廊下を北方向へ進む。
彼はW16号室を見つけ、
網ガラスを通して石灯色に照らされた教室を覗き込み、
離れた窓から注ぎ込む日光に目を細めた。
ここに来てなお、
夜明けか黄昏か半然としなかった。
見た限りでは教室には誰もいなかった。
彼はドアを開き、教室に足を踏み入れた。
緻密でカラフルな生物のポスターとコースワークの展示、
配置の乱れた机、散らかった本とフェルトペン、
鮮やかな色合いのリュックサック、
中央の通り道を一歩か二歩進み、
そこにいると聞かされていた人物の不在に戸惑いながら振り返ると、
彼は驚きに震えた。
黒板には巨大なスケッチがチョークで描かれていた。
女性の頭から肩にかけての精巧な模写だ。
教室に入った時点では間違いなく何も描かれていなかったはずだというのに。
スケッチは動いていた。
1秒に5回か10回か、描かれ消されるのを絶えず繰り返しているかのようだ。
女性は彼と同程度の年齢と思われた。
豊かな髪が顔を取り囲んでいたが、黒板に白色のチョークで描かれていたために、
本来の髪色を推測することは困難だった。
唯一色づいていたのは、彼女がかけていた眼鏡のフレームの鮮やかな青だった。
彼女は悲嘆に暮れているように見えた。
彼女は何かを言おうとするが、音はなく、代わりに文字が周囲に現れる。
アダム
彼は答える。
はい
彼女は言う。
すべてが思い出せる。
文字は書き消され、書き直される。
あの時のことが一瞬たりとも忘れられない。
さらに線が描かれる。
新たな言葉は前の言葉を書き消す。
彼が何をしたのかがすべてわかる。
私は盲目だった。
彼は私を翻弄していた。
私は間違え続けた。
彼は私が愛するすべての人間を殺した。
あなたただ一人を残して。
それを最後に彼女の唇は動きを止める。
最後の一節は他の文字よりも長く残った後に空白で塗りつぶされた。
ホイーラーは長い時間をかけて最後の言葉を噛み砕き、ひっくり返しながら考えた。
仮に当てはまるとして、そのピースが自分の過去にどう当てはまるのだろうか、と
彼はその女性を見たことがなかった。
しかし本当にそうだろうか。
要素を一つずつ観察すると記憶が動き始め、遠い過去から重要な何かが掘り起こされる。
一世紀にわたって考えもしなかったように思える奇妙な遭遇の一件だった。
そう、彼女だ。
病院で一度だけ会ったことを覚えているだろう。
公演の後にバックステージで足をえぐられる怪我をした。
その夜の大半を集中治療室で過ごした。
彼女はその場にいて話をした。
さて、彼女は一体誰だっただろう。
政府組織のエージェント、あるいはそれに近しい人だったと思う。
現実離れした人だった。
自分とは全く違う世界を生きていた。
打たれ強く、スキルがあり、美しく、サファイアのように光る頭脳を持っていた。
音楽の話をした。
映画のサントラの話をしたし、
当時SFとしてまかり通っていた粗悪なテレビ番組やデビットリンチの話をした。
それは知り合って間もないとはいえ、展望のある関係だった。
しかし何も起こらなかった。
足はじきに治り、ともにどこかへ出かける機会はなかった。
本当に?
マリオン、と彼は息をついた。
もう少しで掴み直せる。
震えながら、彼女に止まってほしい、とでも言うように手を掲げる。
いや、そんな、まさか。
私はあなたを遠くに退けた。
あなたの命を助けたいと思ったから。
彼は思い出す。
全てが一度に繋がり直し、
幾年にもわたるほどけがたい共同生活が思い出される。
ホイーラーの目覚め
あまりにも多量のエネルギーが暴力的に彼と衝突する。
ほころんだ電線を掴むような、撃たれるような感覚。
驚愕とともに彼は後ろによろめいた。
こんなにも多くを失っていたとは思いもしなかった。
違う、違う、違うんだ、マリオン。
でもそれは失敗した。
君に何があったんだ。
僕はそこにいるべきだった。
そして彼は世界を損なった。
そしてあなたは地獄を生きなければいけない。
どこにいるんだ。知らない人が君が死にかけていると。
私はもう死んでいる。
私はその記憶。
でも今は記憶すら死にたえようとしている。
彼は天国への道筋を見つけ、その場所も損なおうとしている。
地球と同じように。
何が必要なんだ。
僕がその男を止めよう。
助けになろう。
どんなことでもやってみせる。
君を愛しているのだから。
彼女は言葉を返さない。
少しの間を経て、ホイーラーは絵が停止したことに気づいた。
彼は黒板に近づき、チョークの描線に目を近づけた。
ためらいがちに、彼は右手で彼女の髪に相当する厚く塗られたチョーク粉に手を伸ばし、一本の指で触れた。
黒色の点が残った。
チョーク粉は本物で、黒板と彼の指に存在を残していた。
ただの絵に過ぎない。
彼女はいなくなった。
一片残らず。
彼の視界は暗転する。
教室の前のよく磨かれた硬い床の上で、彼は意識を取り戻した。
投げ捨てられたラグドールのように一方の壁に寄りかかり、片腕が壁に沿って伸ばされていた。
彼は体を転がし、息を呑みながら床に片手をつき、自分のその手に何が起こったかを認識した。
なんてことだ。
彼はそう言って何を理解するでもなく、指が切り捨てられた跡を見つめた。
妙な、抽象的な理由により、二本の指の欠如は何も感情を呼び起こさない。
目覚めた時点ですでに事実を受け入れていたかのようだ。
一体何があった。
彼は左手を右手と見比べた。
幸運にも後者は元あったままだ。
彼は指を曲げ伸ばし、可能な限り両手で同じ動きをしてみた。
左手の神経にいくらかの損傷があるかもしれない。
専門医に相談する必要があるだろう。
しかし、弓を構えることはできるはずだ。
左手奏者になるしかないか。
と、彼は独りぼちた。
大変なことだ。
財団の使命
同水準の技術を取り戻すのに一体どれだけかかるだろうか。
生半可な時間ではあるまい。
彼は思い返す。
最後に覚えているのは、
ショスタコービチを演奏していたことだ。
駆け抜けるような、歌詞のない演奏だった。
演奏していた瞬間が一音一音まで聞こえてくるようだ。
しかし、ある一点を境に記憶は途切れ、その後のことが思い出せない。
代わりに、数秒巻き戻った箇所から最後の一節が流れ始め、
記憶の途切れた一点まで進んだかと思えば、
カチャリ、という幻聴と共に止まる。
しみついて離れない。
壊れたレコードのようだ。
彼はいつものようにそれに対処した。
別の曲を口ずさみ、意識をそらす。
奇妙な感覚だ。
疲よいのようで、のどがひどく渇いている。
シャツを着ておらず、腕から胸にかけてが灰色に見えるほどに泥まみれだ。
彼は死ぬほど、あくまで終止的に、死ぬほどタバコを欲していた。
しかし不思議と、生き生きとした感覚でもあった。
長い病から解放されたかのような、
峠を越えたかのような、
視界を徐々に取り戻しながら、彼は起き上がる。
読書をするのでなければ、眼鏡がなくとも支障はない。
教室は静かで、朝日か夕日かわからない赤灯色の太陽光が注いでいた。
緻密でカラフルな生物の授業のポスター、
コースワークの展示、
乱れた配置の机、
散らかった本とフェルトペン、
色鮮やかなリュックサック、
黒板には何も描かれていなかった。
ホイーラーは一度か二度、
学校で音楽の授業を取り持ったことがあったが、
この学校に見覚えはなかった。
教室から廊下を進んだ場所で、
職員室の扉が半開きになっていた。
その部屋で電話が鳴り始める。
職員室はほの暗い教書で、
書類が渦高く積まれていた。
小さな机が二つあり、
使い古されたオフィスチェアーが
それぞれに当てがわれていた。
机には一つずつ電話があり、
一方は受話器が外されていた。
その場を掃除した欲求を抑えながら、
彼は受話器を元に戻した。
当然、鳴っている電話はもう一方だ。
もしもし。
それは合成音声で、
女性のものだった。
ホイーラさん?
はい、どちら様でしょうか。
一定のトーンで機械的な声の主は続けた。
まず初めに一点だけ確認させてください。
マリオン・ハッチンソンという名前に覚えはありますか?
ほのかに何かが脳裏をよぎる感覚があったが、
いや、思い出せない。
特には知っているべきことでしょうか?
合成音声の主の心境は半然とせず、
その反応の後ろにあったのは
落胆とも無関心とも暗度とも取れた。
いいえ、私の名前はウルリヒです。
私は財団という組織の一員です。
財団の使命は今回起こってしまった事象を防ぐことでした。
突然に恐ろしくなったホイーラーはその場で振り返った。
背後には何もない。
起こってしまった。
彼はおののきながら尋ねる。
事象とは何でしょうか?
世界は地獄に落ちました。
そうですか。残念なことです。
長い沈黙が降りた。
あまりに長い間だったので、
ホイーラーは自分がどれだけ状況を過小評価した返答をしてしまったのか思った。
はい、大変残念なことです。
ホイーラーさん、あなたの助けが必要です。
あなたの助けというのは文字通りにあなたにしかできないことです。
なぜなら財団の構成員は私以外に誰一人として残っていません。
あなたは私に残された唯一の策です。
そして私は今死に近づいています。
なんと言葉をおかけしたらよいか。
とホイーラーは言った。
思えば言葉通りの心境だった。
彼はもう少し考えた末に次の言葉を発した。
私は何をすればいいのでしょうか。
あなたにはバーソロミューヒューズという名の男性を探してもらう必要があります。
席についてください。
位置から説明しましょう。
27:02

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