クリエイティブ業界の仕事着について
MAYO
Beside the Seaside プロデューサー兼 家業アトツギの永野 真代です。
MISAKI
アートディレクター兼 デザイナーの髙橋 美沙紀です。
MAYO
東京と茨城の海沿いの街との 二拠点生活中の私たち。
そんな二人が、人生のA面、B面、C面について あれこれと語る言語化雑談番組です。
MISAKI
私さ、この業界で仕事してて、
特に打ち合わせのタイミングで よく思うことがあるんだけど、
クリエイティブ業界って、結構仕事着って、 何だろうな。
カジュアル、結構カジュアルめ。
何だったら、 普段着に近いみたいな。
Tシャツ短パンみたいな感じで、 仕事してることが、
私なんかは特に多いんだけど、
それが普通だから、その感じで クライアントとの打ち合わせに行っちゃうことも
結構あるんだけど、
お客さんによっては、
そういう装いでいくと、
面と向かって話してもらえないというか。
それは言い過ぎかもしれないけど、
例えば、私と営業さん的な役割の人とか、
あとは私ともうちょっと上のキャリアがある 制作スタッフとかと一緒に行くと、
なぜかそっちの人とばっかり話をされる みたいな。
そういうシーンがあって、結構身につけてるものとか、
見た目での判断
MISAKI
その人のビジネスにおいての能力っていうのかな?
を判断されるような気がしてて、
ちょっとそれにモヤついてたりするんだけど。
MAYO
なるほど。
MISAKI
マヨさんってどうですか?
例えば、そういう人が打ち合わせに来た とかっていう場合。
MAYO
それは結構カジュアルめな人が、
営業として自分のところにやってきたとき?
MISAKI
営業だけじゃなくて、
何か作ろうってなったときに、
打ち合わせとして、キックオフミーティングとかさ、
そういうのに来た場合も、かな?
MAYO
うちの業界もメディアなので、割とカジュアルめな人が多い。
もちろんカチッと、いつもスーツみたいな人も、
役職柄、そうしてる人もいるんだけれど、
割とみんなカジュアルめなこともあって、
別にカジュアルで来られても、特に何も。
MISAKI
そうなんだ。
「この人こんな格好で来て、
私って尊敬されてないのかしら?」とか
そういうふうに思ったりしない?
私に対する礼説が欠けているとか、
私に対するじゃなくても、
ビジネスにおける礼説に欠けているとか。
MAYO
あんまり思わないかもしれない。
もしかしたら、あまり度が過ぎてたら、
例えばすごい絶対1週間くらい
着てるでしょうみたいな、
Tシャツ?
よれよれTシャツとかだと、
ちょっと1回お風呂入って来ていただいていいですか?
とかは思うかもしれないけど。
それよりも中身だよね。
MISAKI
うん。
作品とか、何をどういうものを作るかとか、
そういうこと?
MAYO
うんうん。
うん。
MISAKI
うん、
いや、なんかそう、
全ての人が、
マヨさんだったらいいなと思うんだけど、
私もクリエイターなんだから、
作った作品とか、
仕事の内容で評価されるべし、
というふうには思うんだけど、
そうじゃない人がいるらしいというね、
MISAKI
多いらしいっていうのを、
経験として、実際に経験したわけで、
MAYO
それはもう明らかなんだ。
例えば、コンテンツ説明は、
そのコンテンツのクリエイター、
ディレクターである、
ミサキさんがする場面っていうのは、
みんな普通そうだよねっていうときに、
ミサキさんの顔を見てくれず、
営業さんが説明してくれません?
みたいな感じで目が、
もう一人の方に移動しちゃうとか、
そういうこと?
MISAKI
そうだね、それに近いと思う。
実際に作るのは私なんだけど、
なぜか横にいる、
きちんとしたスーツとかネクタイ、
っていう格好をした人と、
コンテンツの内容についても話すとかさ、
そっちの、そういう感じ。
MAYO
そのときにミサキさんはどう思うの?
MISAKI
なんかやっぱ、
こういう格好をしてたらいけないのかな、
とかっていうふうに思う。
あとはなんかすごいペーペーな感じが
出ちゃってるのかなとか、
やっぱりさ、こう、
しかもそれが初対面だったりするとさ、
やっぱ今まで自分が何作ってましたとかってさ、
言う機会もなければ、
示すツールがないからさ、
作品背負ってるわけにもいかないし、
っていうのでやっぱ、
絶対第一印象っていう、
一番最初に目に入るものとしては、
その見た目。
だから、
そこで判断されるのは、
仕方ないのかなとは思いつつ、
受け入れる部分もありつつ、
でもそういう人もどうなの?っていうので。
ファッションの重要性
MAYO
それはコンテンツクリエイターの、
私がコンテンツを話すべきだっていう思いもある?
MISAKI
いや、
でもそうだね、
自分が担当してる部分なんだから、
やっぱ自分と面と向かって話してほしいなっていう思いは、
あるかな。
MAYO
そうだよね。
普通そうだよね。
なんかね、一応自分が一番その、
商品担当として、
商品について端的にかつ熱く語れるのに、
自分にお話を振ってもらえないってことだもんね。
MISAKI
そうそう。
MAYO
それは悲しいし、もやもやするし。
でも、解決策としてさ、
例えば、じゃあ服装を変えればいいじゃん、
みたいなこと言う人もきっといるよね。
MISAKI
そうそう。
MAYO
それについてはどう思う?
MISAKI
うん。
いや、正論だなとは思うわけです。
それはファッションだけに限らず、
例えば体型とかもそうなんだけど、
もっとね、シェイプアップして、
MAYO
そこまで?
MISAKI
意識してる人いるよ、周りに。
MAYO
作品を通…
MISAKI
説得力を持たせるために、自分のプレゼンとか、
説得力を持たせるために、
そっちのブラッシュアップ、
自分の見た目のブラッシュアップもかけている人はいる。
MAYO
なるほどです。
MISAKI
筋肉とかさ。
MAYO
うん。
MISAKI
そういう人に言われる。
MAYO
うん。
MISAKI
それは正論なのかもしれないと思いつつ、
でも、やっぱりクリエイターだし、
どっかでなんか、ごめんね、ちょっとなんか、
嫌な発言だったら申し訳ないけど、
どっかで一般的な人とは違うところ、
違うっていう面も見せたいっていうのは、
やっぱりちょっとどっかであったりして、
だからそうなってくると、
言われた通り、ジャケットを羽織るとか、
スーツで行くとかっていう解決策に、
安々と乗る自分もちょっと許せないみたいなところもあったりする。
MAYO
なるほど。
MISAKI
うん。
MAYO
そのファッションが一つの表現のツールでもあるんだね。
MISAKI
そう。自分がこういうものを作ります。
一般的な人とはちょっと違う目線も持っています。
だから安心して、仕事任せてくださいね、みたいな。
MAYO
なるほど。
MISAKI
そう、ツールでもあったりする。
職業柄、(服装とか見た目は)やっぱりパッケージだと思っていて、
パッケージちょっといいなと思ってもらって、
買ってもらうみたいな、
そういうのを生業にしているから、
自分自身もそうあったほうがいいんじゃないかっていうのは、
思いとしてあるね。
MAYO
補うとあれだよね、
ミサキさんがよくデザインしているのは、
パッケージが多いんですね。
MISAKI
そうだね。
パッケージとかもやるので、
やっぱり見た目の印象って大事だよねって、
自分的にもこんなことを言いつつ、
ちょっと見た目で判断しちゃうところも全くないとは
言えないから、
そういうお客さんに、
そういう振る舞いをするお客さんに対して、
お前間違ってるよとは言えない。
(自分がそんな風に)判断されちゃったら、
嫌だなと思うけど、でも…みたいな
なんとも言えない感情を抱いているって感じかな。
MAYO
そっか。
MISAKI
マヨさんは自分のファッションとか、
そういう見た目に対して、
仕事の場面で、もやっとする場面に、
自分が経験したとかそんなのはない?
MAYO
相手のファッションについてじゃなくて、
MISAKI
自分のファッションについて。
MAYO
もともとオシャレじゃないっていうのもあるけど、
ファッションにこだわりがそんなにないっていうのもあるかもしれないけれど、
基本的にビジネスシーンにしかり、
プライベートのシーンにしかり、
相手が不快じゃない、
そして自分も心地よい、
っていうのが最適解だと思っているので、
それが基準で考えてるかな。
なので、あんまりその相手から、
ちょっと奇抜ですねとか言われることも特にない。
ファッションを指摘されたことはそんなにないかな。
MISAKI
そうなんだ。
作品と自身のファッションの関係性
MAYO
そうだね。私も一応コンテンツクリエイターというか、
コンテンツを生み出す側として、
この新規性、社会性、ストーリー、はこんなものだっていうのは、
持ち合わせているけれども、
それと自分のファッションは別かなって思ってる。
MISAKI
ああ、そこ切り分けられるんだ。
やっぱりその話を聞いて、私なんかだと、
自分が報道している作品というのか、
報道する作品とその人の見た目って、
統一性がないと、
ちょっともやっとしちゃうところがあるかも。
例えば貧困地帯とか、
例えばそういうで暮らす人たちを取材しているのに、
その人自身が一流メゾンのものだけ身につけられてると、
ちょっともやっとするときがあるかもしれない。
MAYO
ん?
MISAKI
ごめんね。
迷子になっちゃった。
MAYO
今どういうことだと思って。
MISAKI
自分が作っているコンテンツの、
例えばテーマ的なものがあるじゃない?
それとその人のファッションが、
チグハグだとちょっと「おや?」っていう違和感は抱いちゃうかもしれない。
MAYO
そうだよ。だから私はその人に合わせて変えられるっていう話をしているよ。
例えば一流の芸能人や政治家に会うときは、
その方々がお召しになっているものと、
相応のものはもしかしたら選べないかもしれないけれど、
一緒に行って、おかしくないスーツで行くし、
貧困世代なのかな?
そういう方々にお会いするときは、
その方々が不快に思わないTシャツとパンツスタイルで行くし。
MISAKI
それでなおかつ自分も気持ちいいものっていうことだよね?
MAYO
そうだね。
例えば一週間着続けているTシャツとかでは行かないし、
例えTシャツであっても。
私はあまり柄が入ったTシャツとか好きじゃないので、
普通の白シャツで行くとか。
MISAKI
そうなんだ。
MAYO
そういうこと。
お相手やシーン、TPOに合わせてファッションを変えることに
何の抵抗感もなく。
それは相手が不快に思わないTシャツとか、
それは相手が不快に思わないということが
プライオリティがあるからかな。
なので作り上げるこだわりと、作品を作り上げるこだわりと、
そのこだわりをファッションでも表すという思考にはならないかもしれない。
MISAKI
そっか。
作品とファッションの切り分け
MISAKI
そこを切り分けるっていう発想がなかったかも。
MAYO
でも一方で、今あれだよね。
そこがモヤッとすると言わなかった?
貧困層…を取材するのに
一流メゾンの洋服で行くことに違和感があるって言ったじゃない。
MISAKI
それは違和感がある。
でもそういう違和感を
MAYO
ミサキさんが持ってるんじゃないかっていう話。
違和感があるんだったら、
違和感があるんだったら、
じゃあそのお相手の方と同じようなお洋服を着たらいいんじゃないか。
MISAKI
今のマヨさんの話を聞いて思うのは、
私はそこを切り分けたくないんだよね。
でもそれによって相手に対して変な印象を与えてしまってるっていう。
考え方の違いかもしれないけど、
MAYO
私たちコンテンツクリエイターにとっては、
作品って子供のようなものじゃないですか。
すごく苦労して、お世話して、
整えて世の中に生まれるもの。
一方で私は本当の子供を二人育てているので、
そちらに例えて言うと、
子供たちと私は別の人格、別人格なんだよね。
同一視はしてなくて、
もちろん彼ら彼女らが世に何か貢献できるような大人になるまでは、
育て上げる責任もあるし、それが楽しみでもある。
一方で別の人格なので、
最終的にどうしたいかはあなた次第だよっていつも思って育ててる。
だから別人格として。
MISAKI
別人格だから、切り離せるってことだね。
MAYO
そうだね。私は私だし、あなたはあなたっていう部分は大いにある。
もしくはそれがベース。
その上で家族なので助け合うこともあるし、尊敬し合うこともあるし、
たしなめ合うこともあるよねっていう感じ。
だからそれが作品とも似ていて、その作品へのこだわりと、
自分は例えばTPOに合わせたファッションで変えるってことは、また別のこと。
MISAKI
うん。よくね、本当にこの職業でさ、
自分の作ったものは子供みたいなもんだから
っていうのは言ったりするんだけど、
なるほどね、そっか。
MAYO
子供って思うか
分身って思うかで
だいぶ違うかも。
MISAKI
あー…
分身っていうのは、
その何?
同一視したい方?
MAYO
そう、
アメーバのように
同一視したい方
MISAKI
うん。
したい方だよね。
MAYO
私は子育てにおいては毒親になりたくないので、
分身ではなく別人格と思っている。
MISAKI
じゃあ今後私がどういうファッションをすればいいかなんだけどさ。
MAYO
うん、本当だね。
どうしよう。
MISAKI
そうなんだよ。
やっぱ難しいんだよな。
でも分身じゃなくて子供なんだよね。
MAYO
って思うと少しは、
じゃあたくさんは寄せられないけど、
ちょっとはお相手に寄せたファッションにしてみるかっていう。
っていう。
MISAKI
思ってみて。
MAYO
も、いいのかな。
そうするともう一方のミサキさんが抱えるモヤモヤは少しは解消される?
今二人いるんだよね、きっとね。
MISAKI
そうだね。
MAYO
モヤってる自分と、でもファッションでの自分らしさをアピールしたいっていう。
二人がいるんだよね。
MISAKI
そうそう。
MAYO
ちょっとお互いが歩み寄ってみて。
MISAKI
そうだね。
歩み寄りしてみる日みたいのもあっていいよね。
MAYO
いいかも!そうだね、確かに。
MISAKI
うん、確かに。
MAYO
なんか試せそうな人や機会ありそう?
MISAKI
あるかな。
MAYO
まあ、ぜひ試してみてください。
MISAKI
今のところパッと思い浮かばないけど、
次初対面で会う人とかに対してはちょっと試してもいいかなと思った。
MAYO
初対面いいかも。
MISAKI
もう真っさらじゃん。
MAYO
ぜひぜひ試してみてください。
ありがとうございます。
はい、じゃあこのあたりで締めます。
番組では皆様からもお悩みやエピソード、トークテーマを募集しています。
メールアドレスは bcside2@gmail.com です。
MISAKI
最後までお付き合いいただきありがとうございました。
MAYO
それではまた次回。