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2024-08-21 16:55

「もうええでしょう」地面師たちと不動産リアリティショーにみる欲望のオーバーラン

今夜はNetflixの話題のドラマ『地面師たち』と不動産売買の欲望の沼について語ります。

<来ると思います>

おすすめの「不動産リアリティショー」番組

セリング・サンセット ~ハリウッド、夢の豪華物件」(Netflix)

ロンドン高級不動産 ~その物件、仲介します」(Netflix)

不動産ファミリー 〜高級物件はお任せあれ!」(Netflix)

ラグジュアリー・シドニー ~超高級住宅ドキュメンタリー」(Amazonプライムビデオ)

マンハッタンの不動産王」(Netflix)


<勝手に貸出カード>

地面師 他人の土地を売り飛ばす闇の詐欺集団』森功(講談社文庫)

地面師たち』新条耕(集英社文庫)


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サマリー

不動産リアリティショーの魅力が語られ、特に豪華な物件やエージェントのセールス技術が注目されています。また、「地面師たち」という作品を通じて不正な不動産取引の実態にも触れています。地面師たちによる詐欺事件とその実態について、映画とノンフィクションの違いが紹介されています。不動産リアリティショーは社会の欲望を映し出す一方で、詐欺の危険性も浮き彫りにしています。

不動産リアリティショーの魅力
真夜中の読書会おしゃべりな図書室へようこそ。
こんばんは、KODANSHAのバタやんこと川端です。
真夜中の読書会おしゃべりな図書室では、水曜日の夜に
ホッとできて明日が楽しみになる、をテーマに
おすすめの本や漫画、紙フレーズをご紹介します。
第181話を迎えました、今夜も来ると思いますのコーナーからスタートします。
今日の来ると思いますは、不動産リアリティショーについて語りたいと思います。
私、不動産リアリティショー番組がすごく好きなんですよ。
不動産リアリティショーとは、簡単に言うと、
富裕層向けに高級住宅を売る不動産会社で働く人たちに密着したリアリティ番組のことですね。
こっちをやらせはないとされていますけれども、
ドキュメンタリーというよりは結構ショーアップされている感じはします。
一番有名どころは、ネットフリックスで配信されているセリングサンセットのシリーズでしょうか。
セリングサンセットはLAでセレブたちに豪邸を売り裁くオッペンハイム不動産という会社を舞台にですね、
そこで働くエージェントと呼ばれる家を売る人たち、
特に女性ですね、家を売る女たちの人間模様を追いかけている番組です。
恋愛リアリティショーほどのバリエーションはないんですけれども、
たくさん似たような番組がいろんな国で作られているので、一定の人気のあるジャンルなんだと思います。
私もあまり見るべきドラマが見つからない時だったり、疲れてる時とか、不動産系の番組ばっかりずっと見ちゃいますね。
今日はその魅力とどうして見ちゃうんだろうっていうこと、
それから最近ハマった新しいシリーズをご紹介したいと思います。
不動産リアリティショーの最大の魅力、まずはゴージャスな豪邸が見られるところですね。
セリングサンセットで言えばLA、ハリウッドの豪邸はですね、
大抵プール付き、4ベッドルーム、5ベッドルーム、それぞれにバスルームがあって、
400平米とか500平米とか、日本円で10億20億のお家はザラに出てきまして、
だんだん見ていると感覚が麻痺してきて、10億を切るとあらお手頃じゃないと思えてきたりとか、
ちょっとスプールが狭いなとか、クローゼットはモイストヘアーあればいいのにとか、
欲望には再現がないなと思いますね。
50億60億の家を売った場合、その物件を売ったエージェントの手数料だけで数千万から数億円入るので、
それは家を売る女たちの姉さんたちも薬金になってセールスをするわけです。
彼女たちの必死のセールス、売るための努力っていうのは、
例えば具体的に何をするかと言いますと、
ホームステージングと呼ばれるオープンハウスのための準備に力を注いでいるんですね。
ここが私が面白いなと思うポイントなんですけれども、
日本の不動産を舞台にしたドラマって、家売る女とか正直不動産とか色々ありますけれども、
家を買おうとする家族とその背景に寄り添って、
ホームステージングの重要性
その人が本当に大事にしたいものを見つけ出したりとか、
家族関係が家を買うことで改善されるみたいなところにフューチャーしたりとか、
そこにヒューマンドラマがあるじゃないですか。
でもそういうのがセリングサンセットには売り主買い主のヒューマンドラマはほとんど出てこないんですね。
変わってフォーカスされているのがホームステージングの成功と失敗なんですね。
ホームステージングって何かというと、何もない部屋のまま内見をするんじゃなくて、
インテリアを入れてアートを飾ったり植物を入れたりして、
この高級住宅で暮らした場合の暮らしぶりを想像できるように作り込んでいくことをステージングって言うんですね。
同じ広さの家でもわーださってなったり、わー素敵ってなったり、
温かみがあるリラクシングな感じとかアーティスティックな感じとかクールな感じとか、
全然変わってくるわけですよね。
当たり前ですけど家具とか置かれる絵を飾ったりすることによって、
高級な家具だけ置いてあってもかえって安っぽく見えたりとか、
ステージングのディレクション力がエージェントの彼女たちの経験値とセンスの見せどころっていう感じなんですよ。
失敗することもあって、イメージと全然違うとか予算が足りない、どうしようってなって、
ステージングをするインテリアコーディネーターみたいな人と喧嘩になったりすることもあるのが結構面白い見どころでもありますね。
セリングサンセットがヒットしたせいか、
ロンドンとかシドニーとかいろんな都市の高級住宅を扱う不動産リアリティショーが作られています。
カリフォルニアやシドニーみたいなリゾートホテル的なリラクシングで太陽がさんさんと入る豪邸もいいですけれども、
フランスの高級住宅を扱った不動産ファミリー、高級物件はお任せあれや、
ロンドン高級不動産その物件仲介しますなどの番組で見られるヨーロッパの歴史ある豪邸、
本当お城みたいなお家はまたちょっと違う見応えがありますね。
さて私が最近ハマったのはマンハッタンの不動産王という番組です。
ニューヨークのマンハッタンのゴージャス物件を見る売る不動産廊下に密着したもので、
ネットフリックスで配信されています。
セリングサンセットもそれ以外のロンドン高級不動産とかもですね、
みんなキャットファイトと呼ばれるそのエージェントたちのいざこざが見どころの一つなんですよね。
みんな気が強くて美人でスタイル良くてバチバチのライバル意識で、
セールスとプライベートの充実を競い合っているわけです。
ただキャットファイトのシーンばかりだとちょっと食傷気味になることもありまして、
地面詩たちの実態
バーで口喧嘩しているシーンばかりで家売ってなくない?ってなったりして、
前回のジャグジー付きの家はどうなったんだってなってちょっとだれることもあるんですが、
マンハッタンの不動産王はですね、キャットファイトも多少あるんですけれども、
結構ガチでセールスする駆け引きのシーンがたくさん出てきて、
お仕事者として秀逸でしたね。
CEOのライアン・サーハントがですね、
気が強くてプライドが高いエージェントたちをいかにこぶして、
褒めたりたしなめたりしながらメンバーを育て会社を強くしていくっていう、
リーダーシップや経営者のマネジメントの話でもあって、
とても勉強になりました。
ニューヨークの物価と物件の高さには目が飛び出まして、
他の不動産リアリティショーに出てくる豪邸に比べると、
部屋が狭いなって思うぐらいなんですけれども、
高層ビルという点ではまたちょっと違う見応えがありまして、
400億円相当ぐらいだったかな、
そのマンハッタンの高層ビルの最上階の部屋は果たして売れたのか、
マンハッタンの不動産をよかったらぜひチェックしてみてください。
というわけで今日はですね、不動産つながりで本を紹介したいと思います。
ネットフリックスのドラマ地面詩たち、皆さん見てますでしょうか。
私も見終わりました。
地面詩とは、地主になりすまして不動産を無断で転売して儲けを得る詐欺師のことなんですね。
ネットフリックスのドラマ地面詩たちは、
しんじょうこうさんの小説地面詩たちを原作にして、
実際に起こった大規模な地面詩詐欺事件、
積水ハウスの事件をモチーフに作られています。
でも今日私が勝手に貸し出しカードとしてご紹介するのは、
森勲さんのノンフィクション、地面詩、他人の土地を売り飛ばす闇の詐欺集団です。
小説の方は周永社から出ていまして、
ノンフィクション、地面詩、他人の土地を売り飛ばす闇の詐欺集団は高段社から出ています。
自社本で恐縮なんですけども、この本は2018年に出ていて、
今は文庫に高段社文庫になっていますが、
当時初めて私も地面詩という言葉を知って衝撃を受けたんですね。
この本を読んだ背景から簡単にちょっと話をしようと思うんですけど、
高段社本田康春ノンフィクション賞という賞がありまして、
一時その委員をやっていた時期がありました。
先行委員はですね、もちろん著名な先生方がやって選ばれるんですけれども、
1年間に刊行される膨大なノンフィクション本の中からある程度候補を絞り込んでいくために、
下読みさんみたいなことをするんですね。社員で手分けをして。
勝手に担当作品が割り振られて、ある一定の期間で読み終えて、次の人に回すっていうのも延々繰り返すんですよ。
その中の読んだ一冊が地面詩、他人の土地を追い飛ばす闇の詐欺集団だったと記憶しています。
勝手に割り振られるので正直興味が全くないジャンルの本も多くてですね。
あとは戦争とか虐待とか頭部病に関するレポルタージュ、読んでて辛い作品も少なくなくて、
でも決められた期間で読み切って次の先輩に渡さないといけないので、
割と読むのが早い方の私でも結構辛いお役目でもありました。
ただ一方で自分では絶対に手に取らなかったであろう本に出会って夢中で読んでしまうということもあって、
その一冊が地面詩でした。
地面師たちの詐欺事件
地面詩という言葉も知らなかったし、ノンフィクション賞の委員をやっていてお恥ずかしいことなんですけれども、
当時は森井沙穂さんのお名前も存じ上げなかった。
ずっと女性誌にいたからっていうのもあるんですけど、
その話をしたら他の先輩からそれは斉藤かおるさんの名前を知らずにベストコスメの先行委員をやるようなものだよって言われて、
なるほどと思いました。
すごい面白いなと思ってあっという間に読んでしまいまして、
地面詩はですね、ドラマでは地面詩たちという複数形のタイトルになっている通り、
一人じゃなくてチームで騙すんですね。
パスポートとか偽造文書を作る人、
地主になりすます役の人を見つけてくる手配士の人、
法律に強い人とかっていうふうに分担して分業して動くわけですよ。
一人の天才詐欺師だけで成り立つものじゃないところが、
ちょっと言い方は悪いですけども、
詐欺犯罪なのでワクワクするポイントかなと思いました。
ドラマと地面詩、他人の土地を塗り飛ばす闇の詐欺集団に書かれる実際の事件の違いと、
よく再現されている部分と違うところがあるので、
両方ぜひ楽しんでもらえたらと思います。
例えばですね、ドラマでは小池栄子さんが演じている成りすまし役を見つけてきて、
教え込む手配士という役割がいますよね。
森さんのノンフィクションの方を読むと、
小池さんに当たる人は70歳近い女性なんですね。
普段はビルの清掃員をしていて、
そこで地主のフリができそうでお金に困っている高齢者を見つけてキャスティングするんですよね。
ドラマのネタバレになっちゃいますけれども、
小池栄子さんはピンチになって自分が成りすまし役をやることになりますが、
実際にその70歳の手配士の女性も自分で成りすまし役をやったりしてるんですね。
自分でやっちゃった方が早いっていうこともあるのでしょうか。
本人確認のため青年月日を言わされる時に、
エトで言わせるシーンがドラマでも出てきますけれども、
実際の事件の方の記録ではちょいちょいエトを間違えたりしてるんですよね。
弁護士さんも正規水ハウスの人もあれっておかしいぞって思う瞬間は何度かあったはずなのに、
結局常務決済か何か通常の承認ルートをすっ飛ばして決済を急いだ結果、
市場を稀に見る大きな金額の詐欺にあってしまうというわけなんです。
このあたりのいやおかしいなって思ってもそんなはずないって思っちゃうバイアスとか、
どうしてもここで大きな手柄を挙げたいというアドレナリンが出ていると、
ブレーキが効かなくなっているところが、ドラマでは元工事さんがすごく上手に演じていらっしゃる、
騙される側のエゴがですね、見どころの一つかと思いました。
買う側も欲望が倫理をはみ出しちゃっているという感じでしょうか。
では今日は地面詩、他人の土地を売り飛ばす闇の詐欺集団から紙フレーズをご紹介して終わりたいと思います。
田中さん、あなた本当は田中さんじゃないよね。
これはですね、売り主と買い主が両者弁護士などを連れて接見する場面で、
弁護士がなりすましの嘘に気づいて問い詰めたところが録音されていたという記録が書かれているんですね。
この本に、ドラマよりスリリングな展開ですよね。
ドラマはそんな風にバレるところが出てこないので、やっぱりバレたっていう。
ドラマならピエール滝さんがね、もうええでしょうって途中で詐欺って止めてくれるところですよね。
あなた本当は田中さんじゃないでしょうってすごまれて、なりすまし役の人も固まっちゃって、
さてどうなったっていうのが本をぜひ読んでみてください。
しかし地面誌、他人の土地を売り飛ばす闇の詐欺集団を読むとですね、
詐欺がバレたとしても事件化して実刑判決まで持っていくのは難しいってことが書かれています。
不動産リアリティショーの影響
手配手をやっていた女性も何度も不寄所処分になって縄を逃れているんですね。
ちょっと最初のリアリティショーの話に戻りますとね、
セリングサンセットもハリウッドの不動産を見ていてもですね、
売り主も買い主も超セレブリティーや有名人だったりすることが多いせいか、
内見とか売買契約の場面に本人が一回も出てこないっていうのはよくあるんです。
代理人とか弁護士とか仲介業者の人だけで話が進んでいくケースが少なくなくて、
だからなんというか地面誌に出てくるような体調が悪かろうと、
受けていようと本人を無理やり引きずり出して本人確認をさせる。
青年月日やら最寄りのスーパーを言わせるっていうのがね、
それを偽物のおじいさんで乗り切ろうっていう発想が、
なんというかウエットな湿った犯罪だなというふうに思いました。
ドラマ地面誌たちにハマった方はぜひノンフィクション地面誌と
不動産リアリティショーも見てみてください。
さて今夜もお時間になってしまいました。
真夜中の読書会おしゃべりな図書室では、
リスナーの皆さんからのお便りをもとにおすすめの本や漫画を紹介しています。
インスタグラムバタヨムからメッセージをお寄せください。
それではまた来週水曜日の夜にお会いしましょう。
おやすみなさい。
おやすみ。
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