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2020-08-04 10:08

【第20夜】心がザワザワして眠れない夜に。心落ち着くコミックエッセイ

「夜中に目が覚めて眠れないことが多い。そんな時に心穏やかになれる、気持ちが落ち着くエッセイがあれば教えて」というリクエストにお答えして、『丁寧な暮らしをする餓鬼』というコミックエッセイをご紹介します。餓鬼ってどういう成り立ちか知ってましたか?「無財餓鬼」よりも怖い「有財餓鬼」。無ければないで、有ったら有ったで苦しむ餓鬼の世界。丁寧な暮らしをしてみた餓鬼たちは……。

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みもれ真夜中の読書会おしゃべりな図書室へようこそ。
こんばんは、KODANSHAウェブマガジンみもれ編集部のバタやんこと川端です。
おしゃべりな図書室では、水曜日の夜にホッとできて明日が楽しみになるおテーマに、皆様からのお便りをもとに、おすすめの本や漫画、紙フレーズをご紹介します。
さて、今夜で20回を迎えることができました。パチパチ〜。
毎週配信で20回も続けられると思ってなかったですけれども、聞いてくださっている皆さんのおかげです。ありがとうございます。
さて、今夜のお便りをご紹介します。岐阜県にお住まいのきなこさんからいただきました。
はじめまして。はじめまして。最近このバタやんさんのラジオを知り、毎回楽しみにしています。
寝ながら聞くことが多いのですが、バタやんさんの声がとても心地よく、いつも聞きながら寝落ちしてしまいます。
なので、昼間にしっかり聞き直しています。ありがとうございます。
ご相談は、夜中に目が覚めて眠れないことが多いのですが、そんな時に穏やかになれる、気持ちが落ち着くようなエッセイがあれば、ぜひ教えていただきたいです。ということでした。
さて、今日の勝手に貸し出しカードは、丁寧な暮らしをするガキというコミックにしました。
エッセイというリクエストでしたが、きなこさんは漫画も好きとプロフィールに書かれていたので、一応コミックエッセイというジャンルになりますかね。
心がザワザワして眠れないとか、眠りが浅くて途中で目が覚めちゃってまた寝られないみたいなこと、私もよくありますね。
暑くなってくると余計ですかね、スマホを見るのも良くないなぁと思いつつ、あまり長い文章やコミッタストーリーの小説も頭に入ってこないし、逆に集中しちゃって覚醒してしまってもね、また眠れないですし、
そういう時にコミックエッセイのような、ビジュアルだけなんとなく目で追っていれば内容がわかるようなものってすごくいいんですよ。
詩集とか単歌集とかもぼやっと目を通して、途中でいつやめてもいいっていうところもいいなぁと思っています。
さてこのコミックエッセイ丁寧な暮らしをするガキというのは、日本画を学んだデザイナーのチリアクタコジさんがツイッターで投稿していたのが人気になって書籍化されたものなんですね。
ガキってあれです。飢えた鬼と書いて、昔の日本画に出てくるガリガリでお腹がポコンと出たような絵を、絵を見たら皆さん絶対見たことあると思うんですけど、
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そのガキが梅を干したり、輸入パックを解体して洗ったりとか、ビニール袋を三角に畳んだり、パッチワークをしたりとか、丁寧な暮らしをしているという漫画なんですよ。
本当にかわいいので、今すぐこのポッドキャストを閉じて、丁寧な暮らしをするガキって検索して絵を見てほしいんですけど、また戻ってきてくださいね。
見ました?戻ってきました。この本には浄土宗の僧侶である吉田たけしさんの解説も載ってまして、ガキって何よっていう感じなんですけど、仏教に由来するんですね。
ガキの説明を少しご紹介すると、この本によると仏教では、生前の行いによって死後に生まれる世界に天道、神道、アシュラ道、畜生道、ガキ道、地獄道の6つがあると説かれています。
その中でも生前に欲深く嫉妬深い生き方をした者が死後に生まれる世界がガキ道で、そこに生まれる者をガキと呼ぶそうなんですよ。
怖いでしょ、ちょっと。平安時代から鎌倉時代に絵巻物のガキ創始っていうのが流行したらしいんですね。
なんでかっていうと、平安時代の末期から鎌倉時代にかけて日本各地で天災が発生し、薬病が流行して多くの人が命を落としました。
人の力ではどうすることもできない現実世界の苦しみを前に、この世を越えた死後の世界に関心が高まりましたとこの本に紹介してあるんですけど、なんだか今と似てますよね。
ガキを題材にした漫画がツイッターでバズるのもその平安鎌倉時代に絵巻物のガキ創始が流行したっていうのと一緒だなと思いました。
ガキにはいろんな種類があるそうで、後半はそのガキの種類のお話をしたいと思います。
ガキの種類については出典によって数や分類が違うそうなんですけれども、この本に紹介されている阿比達摩純正理論という理論では無財ガキと有財ガキという2種類のガキが示されているそうです。
無財ガキって財産がないと書いて無財です。
有財は財産があると書いて有財ですね。
無雑帯の有財じゃないですよ。
無財ガキはまあ想像がつくと思うんですけど、有財ガキがちょっと怖いじゃないですか。
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無財ガキは財がないから飢えているっていうことですけれども、
無財ガキは財がある食べ物や着物を思い通りに得られるガキですと。
でも、持てる物の多さによって浮遊ガキ、
裕福の裕ですね。浮遊ガキがいて好きなだけたくさん物を持てるガキもいるんですって。
見た目も美しく好きなように飲食ができるリッチなガキだっておかしいですけどね。
一見とても幸せに見えますが、有り余るほど豊かな金品に囲まれながら、
それらを失う怖さから独り占めして一層欲の心を募らせ、
そのためにかえって不安と不満に苦しんでいるそうなんですよ。
怖いでしょ。
この丁寧な暮らしっていうタイトルになっているそのものも、
社会がどんどん便利になってコーヒーだって梅干しだってコンビニですぐ買えるのに、
そしてそういう便利な社会を望んだからそうなっているのに、
逆に何時間も手間暇をかけて手作りをする幸せみたいなのをまた求めるっていうね、
悪なき欲求っていうか、
それが醜いとまではこの本には書いてなくて、そこまで皮肉ってはいないんですけど、
そんな人間の差がについてちょっと考えさせられてしまいますね。
多材学貴、富裕学貴の、
お金があるからこそ富裕さを楽しむみたいなキャンプとか田舎暮らしとかそうかな、
ちょっと意地悪な話になってきちゃったんでこの辺でやめましょう。
この本自体は丁寧な暮らしをする人、別に居合をしたりしている本ではないので、
優しい気持ちで安らいな気持ちで丁寧な暮らしをする学貴ちゃんたちを見ていられるんですよ。
今夜もこちらから紙フレーズをご紹介して終わりたいと思います。
苦しみはまだ足りないという不満の心から生まれます。
足ることを知る丁寧な生活をすることで自然と苦しみのない生き方ができることを学貴は教えてくれています。
この学貴のことを学貴って愛称で呼んでるんですけど、
あらがきゆいちゃんの学貴じゃないですよ。
たるを知るっていろんなところで言われてきましたけれども、
反省せよ、欲深さを反省せよみたいな説教っぽい意味ではなくって、
このコロナで改めて足りていたことに気づいて分かって良かったなって思うところもあったように思います。
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今日はきなこさん良いリクエストありがとうございました。
よく眠れますように。
さて、そろそろお時間になってしまいました。
真夜中の読書会おしゃべりなと出室はこんな感じで、
皆さんからのお便りをもとにしながらいろいろなテーマでお話ししたり、本を紹介したりしています。
MIMOREのサイトからお便り募集しているので、ぜひご投稿ください。
また来週水曜日の夜にお会いしましょう。
おやすみなさい。おやすみ。
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