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2025-04-09 10:47

画像生成AIにNGワードで制限をかけるのは良い対策法ではない(第808回)

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画像生成AIにNGワードで制限をかけても、使っちゃダメだと誰もがわかってる有名キャラクターは保護されて、これから人気になっていく可能性のあるキャラクターは守れないなど根本的な問題解決にはならない理由を考えてみました。

=== 目次 ===
画像生成AIにNGワードで制限をかける
有名なキャラクターしか守れない
生成できたものは問題ないと誤解される
悪質なユーザーほど抜け道を見つける
過度な制限につながる可能性
表現の自由を不必要に制限する可能性
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サマリー

画像生成AIにおいて、有名キャラクターにNGワードを設定して制限をかけることは、根本的な問題解決にはならず、逆に新たな問題を引き起こす恐れがあると主張されています。特に、知名度の低いキャラクターが保護されないことにより、より大きな権利侵害のリスクがあると指摘されています。

NGワードの制限の問題点
画像生成AIが有名なキャラクター、ミッキーマウスとかポケモンとかを生成しないように、NGワードをもとに生成に制限をかけるというのは良い対策法ではないと、私は考えていますという話をします。
ミッキーマウスとか、マリオとか、ピカチュウとか、そういう言葉を使って指示された場合に、あらかじめ有名なキャラクターの名前をNGリストに入れておいて、それは著作権的観点から生成できませんよと制限をかけることで、そういうキャラクターの権利を守るという考え方、対策にかかります。
まずその方法だと、有名なキャラクター、世界的に有名なキャラクターは生成できなくなるでしょうが、そこまで世に知られていない、そのNGワードのリストに入っていないキャラクターは生成できてしまう可能性があります。
とはいえ、無名のキャラクターは、そもそもプロンプトにその言葉を入れても生成されない可能性は高いですよね。
そう考えると、超有名なキャラクターだけNGワードで制限すればいいのかもしれません。でもそれならそもそも制限する意味はあまりないんじゃないかと私は思います。
画像生成AIで生成できても、それは使っちゃダメだと誰もがわかっているような有名なキャラクターを勝手に広告に使う企業とかはないですよね。
ガンダムとかピカチュウが自社商品を持っている画像を生成できたからといって、じゃあその画像を広告に使おうと考えないですよね。もしそう考えた人がいたとしても、社内の誰かが全力で止めますよね。
なのであくまでも有名キャラクターを画像生成AIで作れたとしても、せいぜい一般の人がSNSに載せるくらいで、権利者側の経済的な損失につながるような使われ方をする心配はほとんどないと思うんですね。
なので超有名なキャラクターは逆に生成できないように制限をかけて守る意味がそんなにないんじゃないかと。逆にまだ知名度が低いキャラクター、これから売れていく可能性のあるキャラクターこそ保護されるべきなんですけども、そこまで有名じゃないキャラクターはNGワードのリストに入ってこないので保護されるべき。
なので保護されないということになってしまいます。そこまで知られていないキャラクターの方が無断使用された時の被害が大きいはずです。生成AIが作った偽物の方がオリジナルと思われるとか、先に商標登録されてしまうとかそういう被害ですね。
次にNGワード形式で権利的にダメなキャラクターは生成できなくなってますよと言ってしまうと、じゃあ生成できたものは権利的に問題ないんだという間違った認識を持たれてしまう心配があります。
そういう誤解を与えないためにもNGワードによって制限をかけるという対策そのものがあまり意味がないんじゃないかと思うんですね。人間が指示を与えない限りAIは画像を作らないので、AIが生成した画像であっても指示を与えて作った人間側が生成したものの責任を持つわけですよね。
クリエイティブ表現の自由について
生成したかどうかというよりもそれを発表するということに対して著作権とか肖像権とかの責任を発表した人間が持たないといけないんだよという考え方をみんなの共通認識にしていく方が重要だと思います。
ちょっと細かいことを言うと、著作権違反ということで考えると既存のキャラクターに似せようと思ってプロンプトを書いて作ったわけではなく、偶然似てしまった。生成AIに指示を与えた人間はそのキャラクターを知らなかった。偶然似てしまったという場合、著作権侵害にはならない。
可能性が高いです。じゃあ画像生成AIのサービスを提供している側の著作権侵害になるのかというと、そのキャラクターの画像を学習しているのかどうかによっても変わってくるとかいろいろあるんですけど、
結構キャラクターのオリジナルの制作者に対して法律は厳しいというか手厚く守られているわけではないんですね。これはやっぱり創作活動とか文化とかを発展していかなきゃいけないという面からあんまり過度に権利を与えないようにしてるんですね。
ちょっと話しそれましたがまたNGワードの話です。NGワードを設定しての画像生成AIへの制限では絶対抜け道があるはずですよね。裏技的なプロンプトを駆使するとかサービス自体の脆弱性を利用するとか
そういう悪意のあるユーザー、悪いことをするユーザーは有名なキャラクターを生成できて、一般の普通のユーザーは有名なキャラクターは生成できないので、そんなものかと思うと。
そういう状況、悪質なユーザーだけが有名キャラクターを作れるという状況の方が良くないと思います。悪い方面でのプロ的な人、あるいは組織が例えばオーダーメイドで有名キャラクターを使った画像を生成してそれを販売して収益を得るとか
そういう裏側で悪いことをされる流れにつながっちゃうんじゃないかという懸念ですね。
あと、私的な利用、プライベートでの発表したり、商売に使ったりしない使い方であっても有名キャラクターを生成するのはダメだという方向性に突き進んでいくと
将来的にはお絵かきアプリとか画像編集ツールとかでも有名キャラクターの画像を開いた時点で処理できなくなるような制限がかかるみたいなことになるんじゃないかと私は想像してしまいます。
画像を認識して制限をかけることもどんどん将来的には精度高くできるようになっていくと思うので、デジタルのお絵かきツールを使って子供がドラえもんとかピカチュウとかを描こうとすると
ある程度かけた時点でこれは著作権違反なので処理することができません。消されてしまうとか。制限をかけていくというところの先にはそういう未来もあるんじゃないかなと思ったりします。
あとパロディとかオマージュとかそういうものに元ネタとなる著作物が使われることをある程度認めてきた。一つの表現方法としてちょいちょい裁判になったりしたこともあったとはいえ受け入れられてきていたのが
画像生成AIの登場によって全部ダメみたいなことになることで大げさに言うと表現の自由とかクリエイティブな表現が先細りになっていくみたいな考え方もありそうです。
その生成物がどういう文脈で使われるのかとかそれによって人々の受け止め方も変わってくるのでただ機械的にNGワードで制限をかけたらいいだろうというのは少々乱暴かなと思います。
ここまで説明してきたような内容からNGワード形式で画像生成AIが有名なキャラクターなどを生成できないように制限をかけるのは表面的な対策になっているだけで根本的な問題解決にはならないむしろマイナス面さえあるんじゃないかと私は思っています。
皆さんはどうお考えでしょうか。
今回は以上です。アシカガコウジがお届けしました。
キャストアシカガ〜♪。
10:47

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