取材依頼への初動
新米広報のための質問箱、こんにちは、朝日デジタルラボの新米広報津田です。
こんにちは、広報の武田です。
このポッドキャストでは、いろんなことから広報を兼務することになった津田が、
広報の先輩である武田さんに、広報って何なのと、そのいろはを伺っていく、そんな内容でお届けしております。
今回は、いざメディアなりライターさんなりから取材依頼が来たと。
取材依頼が来た後って、何をしていいのか、その対応部分について伺えたらなと思います。
メールとか電話で、メディアの方から連絡が来て、取材をお願いしたいんですか?って言われた時ですよね。
よくある失敗というか間違いとして、向こうから取材したいって言ってきたんだから的に広報さんになってしまうというケースがよくあって、
わかりましたって日程だけ調整して、普通にアテンドして当日を迎えてしまうと。
そうすると何が起きるかというと、お互いお見合いのように、記者さんは話してくれるものだと思って、「よし!」ってなるし、
喋る側は、「そっちが取材したいって言ったんだからどうぞ聞いて!」みたいに。
特にどちらかがテンション高い人だったら、それでもなんとなくいい感じになることもあるんですけど、
残念ながらそうじゃない場合、すごく盛り上がらない感じの、「で?」みたいな感じになっちゃうという事故が起こったりとか、
僕とか何十年か記者やってるからあれだけど、「あ、これは全然伝わってないぞ!」と思ったら、
急にこっちが質問をガンガンするモードにスイッチを切り替えるみたいな感じになっちゃったりとか、
あとはメディア名だけをチェックしてて、その記者さんとかどこのコーナーとか、
どういう切り口なのかを確認しないで進めると、当日になってスポックスマンが喋りたくない切り口で被害があったりするという事故も起きる。
そういうことが起きないように何をするのかみたいな話で、よく私がお伝えする内容をざっくり話すと、
まずとにかくヒアリングを十分に行うというのが必須で、
セールスに会社にかかってきた電話を受け答えて新人の頃習いました。
あれと同じで、レア番号だけメモしておけばいいってわけじゃないんだよっていう。
どんな要件で繰り返しが必要なのかとか聞くことありますよね。
まさに同じで、何で連絡してきたのかとか、
例えば代表番号だったらあまり意味ないんですけど、
個人のメール、広報のメアドに来たりとか社長宛に来たりとかした場合は、
なぜこの連絡先を知っているのか、リソースはどこなのか、
どこが紹介してここにたどり着いているのかとか、
何かの紹介なのかとか、
どのメディアで、一体何の要件で、どういった内容で、
いつ紹介するつもりでこの連絡をしてきているのかとか。
できればいつまでに取材したいのか、
記者さんのお名前とかもお聞きできると。
実際に取材を当たる人のね。
そうですね。まずはそれを一旦ヒアリングします。
それが最初の段階ですね。
取材準備と実施
次にやることは、しゃべる人にアポを取るわけではなくて、
もう一個はやりまして、次はそのメディアとか、
紹介される記事のコーナー、特集や、
その記者さんの記事の傾向なんかを調べて、
うちにこの要件でこのタイミングで取材が来たってことは、
仕上がりこういう方向の記事を書きたくて、
連絡してきてるんだろうっていうことが、
推測できるところまでまず傾向を調べる。
アウトプットの形がどうなのかってことよね。
そうですそうです。
その上で、この取材をうちが受けるならば、
ベストな感じの内容はどういう感じのゴールなのか。
何だったら記事を勝手に捏造してみて、
こういうタイトルでこういう風に取材してもらえたら、
うち的にはメリットあるなみたいなところを、
一回シミュレーションする。
そこまでやって初めて、
じゃあ誰に喋ってもらうのか。
例えば社長にインタビューですって言われたけれど、
中身を聞いたら、
子会社の新規事業の展望について聞きたい話だった。
そしたら社長だけではなくて、
その事業担当者も同席した方がいいかもしれないわけです。
あとちょっとタイミング的にセンシティブで、
どうしても社長じゃない方がいいかもしれない。
この話できますけど、代表じゃなくてもいいですか、
みたいな交渉が必要かもしれないとか。
あと、相手が指名されていない場合はなおさら、
この話を盛り上がって喋ってくれる、
熱量が高く話してくれるのは、
どこの部署の誰なのかみたいなことを、
そこで初めて考える。
その上で今まで調べたりヒアリングしたことをまとめて、
その喋る担当者に、
こういう話をしてもらいたいので、
取材を受けてもらいたいと依頼して、
初めて日程調整ですよね。
すごい今のプロ広報っぽくていいね。
でも僕ら取材する側が、
それを当たり前というか、
そういうことを普段やってるわけじゃないですか。
だけど自分がいざ広報になった時に、
それをやるのって、
これ聞いてみないとわからないね。
そういうもんかね。
最初に言った事故みたいなことが起きるのは、
だいたいこの部分を広報が端折っているから、
起きることなんですよね。
そこまでやっとけば、
今度は当日どうやって話すのかとかを、
できればスポークスマンと事前に打ち合わせをして、
流れとかを決めておけるとベスト。
あとテーマによっては、
これは喋っちゃダメなので気をつけてくださいねとか、
この話は聞かれなくても必ず話してくださいね、
みたいなのがあると思うので、
それも事前にリハットしておくのがいいですよね。
そうね。
たまに、あまり社長さんないけど、
技術系の人がまだ出しちゃいけない話をしてたりとか、
急におっとっとってなったりとか、
結構あるもんね。
例えば、特に代表とか、
役員とか技術系の人っていうのはフロントにいないので、
例えば値引きする予定だったけどまだリリースしてないとか、
新製品だけどリリース出してないとか、
結構普通に喋っちゃったりするわけですよね。
それは広報さんが、
リリースはしてないけど喋った方がいいって判断したら、
取材後のフォロー
その取材の日までにリリース出せばいいわけですよ。
プレスリリースを前倒しにするみたいなね。
あとは取材のタイミングを後ろにして、
リリースのタイミングに合わせるとかっていうこともできるし、
言ってもらっちゃいけないこととかをできるだけNGって伝えておくことで、
状況変わったりするわけですよね。
まずそこまでは事前にやっとくこと。
特に言っちゃいけないこととかの線をちゃんと引いとかないと、
相手が記者なんで、
僕も記者やってるときはそうだけど、
一発狙ってるからあそこは。
基本喋る人には取材で話したことは取り消せないと思ってもらった方がいいし、
でもそこばっかり気にすると喋れなくなっちゃう人もいるわけですよ。
怖がっちゃう人はいるよね。
逆にこれは必ず喋ってっていうものも一緒に渡しておくと、
切り替えやすいですよね、頭を。
っていうのはまず事前に大事です。
あと記者さんのことを調べておくっていうのは、
記者さんの癖とか傾向が分かっていると、
さっき津田さんが言ったみたいに、
一発狙う傾向のある人なのか、
親切な感じで書いてくれる人なのかで、
だいぶ対応が違うじゃないですか。
そういうのも大事。
特に取材以来で、
例えば社会部の方とかから連絡したら、
これやっとかないと事故でしかないから、
大事だったりしますよね。
俺もこれ一発狙えるなっていうときは、
相手がポロッと言ったときに、
それってどういうことですかって言わないし、
流して、そうなんですねって言いながら、
うーんってやるしね。
さらに、当日の話になると、
当日必ず広報は同席してくださいねっていうのを、
必須にお任せしないでください、
喋る人にっていうのがまず一つ。
さっきの話で欲しい方向への誘導をするっていうのも、
例えば質問の方向が足りてなければ、
そこに相の手を入れて、こういうことですよねって、
誘導したりとか。
あと話しちゃいけないことを、万が一社長がポロッと喋ったら、
活発入れずに被せるように、
今のちょっとって、
例えば録音してたりとかすると、
そこに今のちょっとって被るので証拠になるわけですよね。
止めましたよねうちっていう。
あとカメラ回ってたりすれば、
こうやってやられたら使えなくなるじゃないですか。
使えないようにするみたいなことをして止める。
全力で止めると。
ちゃんとリスクコントロールをしながら、
それが広報さんの場合もあるし、
ちょっとその辺のにかけた社長さんとかだと、
うまくそこをわざと漏らした風に出したりとか。
わざとやってくれる分には全然いいんだけどね。
それも事前に話しておけば、
どこまでは止める、どこまでは止めないっていうのを話しとけるといいと思うし、
あと終わった後でね、
あそこのNGだったやつお願いだから書かないでっていうお願いをするときに、
お願いばっかりすると記者さんテンション下がるじゃないですか。
だって喋ったじゃんみたいになるから、
引き換えにするお土産を用意しておくとベストで。
例えば年間の売上高は、
ちょっとどうしても口滑らさったけど言ってほしくないんだけど、
新しい協業の話のヒントだったらみたいな、
バーターにするものを用意しておくみたいなのも。
大事だね。
特にインタビューとかは、
そういうのある程度用意しておかないと、
全部使えるとかじゃ絶対ないし、
ここ行っちゃったなとかっていうのを後からわかったりとかは、
取引材料を持っておかないと怖いね。
特にテレビとかは、
テレビなんかは絶対に喋ったら取り返しがつかないと思った方がいいので、
たとえ生放送じゃなかったとしても取り返しがつかないので、
本当にダメだと思ったら、
社長さんが喋ってたら、
喋ってる社長さんの喋ってるところに被さるように、
口を出して本当に手を出して、
使えなくするってことだよね。
大事、大事、それは。
っていうぐらいのつもりで挑みましょうと。
意外と向こうから取材して連絡来たからって思ってても、
やらなきゃいけないこといっぱいあるんですよね。
でもそうだよね。
スッパ抜き系やるときとかって、
別にこっちからスッパ抜こうと思っていく取材じゃなくて、
向こうがポロッと出して、
スッパ抜きに結果的になったやつとかでも、
あなたが呼びましたよね、みたいなことがあるからね。
例えば言い回しの語尾を抜かれたりすることも結構あって、
例えば結構売れてないんで期待してないんだよね、
みたいなことポロッと言っちゃったりすると、
このプロダクト不審のためクローズの方向とか書かれちゃったら、
ああってなるわけじゃないですか。
そこは日々の広報さんとのコミュニケーションも重要だったりするね。
社長が気軽に言う会社もあるじゃないですか。
あれは絶対使わないでとか言われても、
じゃあ何を言っていいんですかとかやれないと。
かし一かり一みたいな話ですからね。
だって本当にインタビューをがっつりして、
善悪化みたいなのとかで発言の内容の確認を投げて、
発言の内容が丸々全部変わっていってくるのとか本当にあるから、
そうするともうそのインタビュー自体なかったことにするけど。
取材の重要性と広報の役割
そうですよね。そのトレベルってよくあって、
メディアの記者さんたちはファクト確認だけをしてるつもりなのに、
原稿の修正みたいな。
全く違う話が出来上がっている。
広報さんは絶対にそれは知ったらダメなわけですよ。
今言ったようにメディアからすると、
じゃあもうお前のところには二度と話は聞かないよみたいになっちゃう。
本当だよね。
取材の意味がないんだもんね。それやられちゃったら。
それは広報が立ち位置にもよると思うんですけど、
まずは取材は監修できないと思う。前提です。
その上で、お話しされる上の方たちにも、
それをちゃんと事前にお伝えしておくことが大事で。
要は広報って板挟みにされて、
原稿の修正確認はとか言われるからくださいってなるわけですよね。
メディアとの関係構築
ならないように事前にしておくっていうのがすごく大事だと思うんですけど。
そうだね。そこのコントロールとか。
メディアで話し慣れてないっていう人もいるからね。
例えば、自分が広報さんに受けた対応として、
いいなと思ったのは、何々事業部長は取材自体に慣れてないから、
どうしても言葉足らずの部分とかがあって、
そこの部分は綺麗にしてもらっていいですかって言われたことがあって、
それは別にネガティブなことを伝えようとするわけじゃないから、
それは補いますよとかっていうのは正しい広報対応だなと思ったことがあったし、
その辺の最終的なアウトプットも含めて、
ちゃんとコントロール広報ができていると良い取材になるね。
そうですね。代表取材の場合は逃げようがないのでどうにもならないんですけど、
そうじゃない場合は、例えば事業本部長さんが一番上だったとしても、
実はマネージャーの方が詳しくて話が上手いなら、
マネージャーさんに取材をアテンドするように調整してみるとかね。
そういうこともやったりとか。
同席してもらうとかね。
それはよくあるな。
補足説明としている現場担当の人がほとんど喋ってるんだけどとかっていうのは、
まあまああるね。
そうすると現場担当の人が厚く補足説明を語っているから、
それに触発されて事業部長さんも喋れるようになったりするということもあったりするので、
そのコーディネートはとても大事で、
それこそこっちからラウンドテーブルを仕掛けるとか記者会発表を仕掛ける場合って、
話したいことのセットができている前提で話すから、
一方的にも伝えして質問に答えるって形になるじゃないですか。
むしろ取材依頼が来た時の方がやらなきゃいけないことが多いんですよ。
これは僕の経験上あんまりないんですけど、
メディアから取材依頼が来て、実際に聞く内容が全然違うってことってあるんですか?
ありますね。
怖っ。
聞くってこういう質問でって言ってたのに当日違うことを言われる。
怖い質問を実はするためにとかっていう。
社会部系の人とか経済メディアでも経済屋さんみたいな人たちとかは結構あって、
それも事前にサーチするためにその記者さんの他の記事を調べておくと、
例えば傾向としてどこどこの車メーカー破綻みたいな記事ばっかり書いてる人だったら、
そんな親切な記事書いてくれるわけないじゃないですか。
あと経済系メディアだと全部ネガティブじゃないかみたいなのも、
そのタイトルの方が売れるからそうしてるんだろうけど。
そうすると場合によっては例えばですけど、
いろんなケースがあって取材を断るっていう選択肢も一つありますよね。
事前に調べた結果を断りするとか。
取材対応の実践
あとはその記者さんのメディアに、
例えば他の編集の人に知り合いがいれば、
ライターさん変えてくれませんかみたいな報酬をするとか、
っていうこともあるかもしれないし。
編集とライターが別だったりすると、それは割と有効な。
あとは例えば割と大きなメジャーなメディアで、
そこのメディアの記事はぜひ取材を受けたいけれど、
傾向としてちょっと危ない記事を書かれそうな時期とか、
その記者さんである。
あるよね。媒体としては載りたいけど、
目がもうやるようなメディアだと、
どっちになんだこれはとか。
そういう場合のやり方として、
スタートアップとかでも難しいかもなんですけど、
その取材のタイミングで広告を打つみたいな。
営業に圧をかけて、悪いこと書きづらい状況を作って、
営業に何だったら取材入ってるんでとか伝えちゃったりする。
そういうテクニックもありますよね。
なるほどね。
これって、例えば仮に何らかの要因で、
今取材対応を受けられないとか、
その相手によっては受けないという選択をする場合、
断るじゃないですか。
良い断り方ってある?
相手にもよる、メディアにもよると思うんですけど、
一つは社長の予定がつきませんが、
例えばありますよね。
あと、ご質問いただいている内容について、
ちょっと今のタイミングでご取材が受けづらいんですが、
いつまで待てますかみたいな。
半年後だったらみたいなね。
そういう感じでザクッと延期するみたいな。
実際半年経ったら話せるかもしれないわけだったりするだろうから。
パートナーが絡んでいるとか、
そうなると今何も言えないとかも当然あるもんね。
あとは記者さんが、
例えば結構際どい、きつい記事を書く記者さんだけれど、
関係性が悪くなかったら、
これってこういう感じで取材したいってことですよねって、
ズバッと聞いてしまって、
そういう風に書かないでもらえるんだったらって条件をつけてみるとか。
業界に入っている記者とかだったら、
それ多分成立しますよね。
社会部みたいな人たちだとなかなか上手くいかない。
社会部の時はもう覚悟を決めるしかないみたいな。
社会部から取材が来たら断るのもマイナスだったりするからね。
ノーコメントとか記事に書かれたらちょっと嫌な感じですからね。
最近は違うのかな。
テレビ、新聞とか昔からあるメディアの社会部の人たちってやっぱり怖いもんね。
自分が世の中を背負っている感じの怖さを出すじゃないですか。
飲みに行くと普通に良い人だったりするところがさらに怖いんですよね。
役割だもんね、あれね。
なんかそういう感じですかね。
なるほど。
これはでも新米広報さんに取材の依頼が来たからやることが多くて大変だね。
まずリストアップとかかな。
まずヒアリングと調べること。
私が広報のサポートをしていて、一番相談されるのは
どこどこから取材が来てるんですけど助けてくださいみたいな。
何したらいいですかみたいなのはすごくありますね。
新米広報さんだったらそのメディアがどういうのでどういうところに乗るのかをちゃんと聞かないと
どうアウトプットされるのかがわからない。
取材の記者さん何々って方なんですけど知ってますかとか、そういうのが一番多いですね。
なるほど。恐ろしく実践的な今日の内容でした。
武田さんありがとうございました。
アサヒデジタルラボのミッションはコンテンツで明日のワクワクを作るです。
ワンシームーブーといったメディアの事業の知見をですね、
元に住宅、ウェビガー、企業研修などいろいろやっております。
採用管理についてはデジラボのモンテトリをご覧ください。
お仕事のご相談などもお気軽にどうぞ。
武田さんありがとうございました。
ありがとうございました。