00:02
おはようございます。絵本作家のアポロです。
今日は、7月の27日、土曜日です。
昨日はですね、本当にジョニーの日というか、ジョニーの記憶の読み聞かせの一日だったなと思います。
実は、香川県の、地元香川県の絵本のつながりの中で、少しずつですけど広がりができてまして、
アトリエロッタさんという、個人で絵本屋さんをされている方がいらっしゃるんですけど、
その方のアトリエでですね、読み聞かせ会がありまして、そこでジョニーの記憶を読ませていただきました。
なかなか写真とか録画とかって難しいと思ったので、自分のスマホで音声を録音してみました。
めちゃくちゃ緊張しているのが伝わってくるんですけど、記録としてここに残しておきたいと思います。
はい、ではこの後その録音をこちらの方にアップしたいと思います。よかったら聞いてみてください。
みなさん、はじめまして。絵本作家のアポロと申します。
今日はこちらで自分の作品を読ませていただけるということで、大変嬉しく感謝しております。ありがとうございます。
私はこれまで5冊の絵本を出版してきました。
今日はその最新版のジョニーの記憶という作品を読んでいきたいと思います。
この作品はですね、ちょっと長くなってしまうんですけど、クラウドファンディングという形をとって、その制作費用をご支援いただいて作った作品です。
ちょっと長いお話なんですけれども、少しだけ未来を想像してお話を聞いていただけると嬉しいです。では読んでいきます。
ジョニーの記憶 レトロボ物語 作 アポロ
これは少しだけ未来のお話。隕石が落ちてきて地球は砕けました。
03:04
地球のかけらは小さな星となって、月と同じように地球の周りを回っています。
自然はよみがえり、わずかに生き残った人とロボットが暮らしていました。
人はロボットの助けを借りながら暮らし、ロボットは人と共に成長することを喜びと感じていました。
ジョニーがいつものように壊れたロボットを修理していました。どこか見覚えのあるロボットでした。
お腹の中から出てきたものは息子ランウェイが子供の頃に遊んでいたはずのレトロなロボットのおもちゃでした。
何体も何体も出てきて、このお腹の中のロボットのおもちゃが壊れた原因かもしれないとジョニーは悲しくなりました。
ジョニーは月に暮らしていました。年齢を重ねた人々は月に移住して好きなことをしてのんびり過ごす人が多かったのです。
手相手制ではジョニーとその仲間たちがAIロボットの研究と開発に力を入れていました。
地球とその家族の星たちを行ったり来たりする宇宙船もジョニーのチームが開発したものでした。
少し前まで手相手制で働いていたジョニーでしたが、軍事ロボットの開発にAIが使われるようになり、反対していたジョニーは半ば月へと追いやられたのでした。
ジョニーは地球に暮らしていた頃のことを思い出していました。
仕事が忙しく家に帰ることもなくなり、子育ては妻の根浦に任せきりでした。
たまってくれないジョニーに寂しさを感じていた根浦は、ジョニーとその仕事を避けるようになっていました。
ナンウェイにはジョニーのような仕事についてほしくないと思っていたのです。
根浦は、人はいつかロボットに支配されてしまう、そんな世界で暮らしたくないと思っていました。
土と共に生きることこそ、人の生きる道だと。
ジョニーは子供の頃のナンウェイを思い出すことができませんでした。
ナンウェイの顔も声も何も思い出せないことに気づきました。
この20年、私は何をしていたのだろう。
06:04
ジョニーはナンウェイが幼い頃に家を出て以来会っていないのでした。
私が送ったおもちゃのロボットがなぜこのお腹の中にあるのか。
ジョニーは胸が苦しくなりました。
ナンウェイに会いたい、そして別れた後も連絡を取らなかった根浦にも急に会いたくなったのでした。
根浦はもう一つの星、カペル星で暮らしていました。
カペル星はAIやロボットが存在しない星。
人はロボットに一切頼らず昔ながらの暮らしをしていました。
カペル星は通信の技術もありません。
情報手段はアナログな紙の手紙だけでした。
ジョニーはポストマンを呼んで、根浦とナンウェイに手紙を届けてもらうことにしたのです。
根浦とナンウェイの手紙。
根浦、ナンウェイ、元気かい?
長い間、とにかく申し訳ない。
今頃、こんな手紙を書くことを許してほしい。
私は今、月でのんびりロボットの修理をしながら一人で生きている。
ある壊れたロボットから小さなおもちゃのロボットが出てきたんだよ。
それはナンウェイに私が送り続けたおもちゃだったんだ。
無責任だが、急に君たちに会いたくなった。
私の知らない過去を教えてくれないか?
ポストマンは根浦に手紙を届けるためにカペル星へ向かいました。
ナンウェイはもうずいぶん前から地球で暮らしているらしい。
ポストマンは根浦に聞いたナンウェイの住所にも手紙を運びました。
しばらくしてジョニー宛に5つの手紙が届きました。
ポストマンは優しくジョニーに手渡しました。
根浦からでした。
それはお互いに年齢を重ね、過去の出来事も懐かしさに変化したのか、
会って話がしたいというジョニーの気持ちを心よく受け入れてくれたものでした。
その後ジョニーは宇宙船に乗って、カペル星へ根浦に会いに行ったのです。
根浦が言いました。
私たちが出会ったのは、家の時計が壊れてしまって、
あなたがすぐに修理してくれた時、
そして可愛いロボットの時計もプレゼントしてくれたのよね。
09:02
嬉しかったし、あなたからAIやロボットの話を聞くのがとても楽しかったわ。
でもランウェイが生まれて、幸せな時間も束の間、
あなたは家に帰ってこなくなったの。
AI、AI、ロボットがあって。
私に話しかけてくるのも実験だからって、
私に話しかけてくるのも実験だからって、
ロボットが話しかけてきたのよ。覚えてる?
それでもまだ会話ができているうちは良かったけど、
ランウェイが3歳になる頃には、あなたは手相手星へ行ったきり。
根浦が言いました。
あなたが修理している壊れたロボットは、ランウェイのサッカーコーチのティムね。
ティムがあなたに修理されているなんて偶然じゃないのかも。
ランウェイの親友のロビと少し前にバッタリ出会ってね、話をしたの。
ティムがもう動かなくなったって。
もうじき月に送られるんだって言ってた。
お腹の中のロボットのおもちゃは、あなたがプレゼントしたものなの?
ジョニーが答えました。
そうだ、思い出したぞ。
私はランウェイに送るロボットのおもちゃをロビ宛に送っていたんだ。
君に送ると、ランウェイに渡る前に捨てられてしまうと思ったんだよ。
でもなぜ、そのおもちゃのロボットがティムのお腹の中にあるのか。
君はどう思う?
ランウェイは私を恨んでいるのだろうか。
会ってくれるといいのだけれど。
ジョニーとネウラは地球に暮らすランウェイに会いに行くことにしました。
案の定ランウェイは家にいませんでした。
あれ?と声をかけてきたのはロビでした。
ランウェイなら今手相手制にいますよ。
ジョニーが聞きました。
彼は何をしているんだい?
ロビが答えました。
ロボットの開発チームデトロボJPで働いていますよ。
何だって?
ジョニーは驚いて、ネウラは笑っていました。
再会したのか?とジョニーが聞くと。
ランウェイには手相手制に行けば会えますよ。
僕が案内します。
とロビは少し嬉しそうに答えました。
12:01
デトロボJPとはジョニーが立ち上げたプロジェクトでしたが、
意見が分かれて閉鎖していたチームでした。
手相手制ではウンジロボットの開発が急ピッチで進んでいました。
やあ二人揃ってどうしたの?
ランウェイが話しかけました。
ジョニーは立派な大人になっているランウェイを見て胸が熱くなりました。
すまないランウェイ。私は何も知らないんだ。
これを見てくれないか?
ジョニーは壊れたロボットの写真をランウェイに見せました。
ティム…とランウェイがつぶやきました。
なぜこんなことになったんだ?ジョニーは聞きました。
そんなことは簡単だよ。
母さんにロボットを見せないために僕がティムに預かってもらってたんだよ。
習い事で忙しくて、ロビから受け取ってすぐにティムに預かってもらってそのまま。
父さんには悪いけどほとんど遊んでもいなかった。
ティムはきっと僕がいつでも遊べるように持っていてくれたんだね。
僕が大人になってもおもちゃのロボットを捨てることができなかったんだね。
優しいティム…とランウェイがジョニーに訴えました。
ロビが言いました。
ティムにおもちゃのロボット預けていながら、僕らはサッカーに夢中でサッカーの話ばかりしていたんだ。
試合に負けて落ち込んだ時だっていつもそばにいて話を聞いてくれたんだ。
ティムはそんな優しいロボットだった。
ネウラが言いました。
私はジョニーとロボットを好きになれなかったわ、あの頃はね。
その気持ちがランウェイに伝わってロボットにもかわいそうなことをしたわね。
少しは見直したロボットのこと。リズムで片付けるロボットばかりじゃないんだよ。
とロビが優しく伝えました。
ランウェイがみんなに伝えました。
ねえ知ってる?地球には森の自然を見守る妖精のロボットが増えているってこと。
おかげで地球の水は浄化され続けている。
父さんが作ってきたAIロボットは進化しているんだよ。
ランタンロボットは森の番人、迷子たちの相談役なんだ。
地球の豊かさを保つために何が必要かを考えるプログラム、記憶が受け継がれているんだよ。
15:08
僕は軍事ロボットなんて作りたくない。
人に寄り添う優しいロボットを復活させたいんだ。
母さんの暮らすカペル星にもそろそろロボットがいてもいいんじゃない?
人だけじゃ何かと大変でしょ?
ネウラは胸が熱くなり涙がこぼれました。
ジョニーが言いました。
じゃあ私はティムをよみがえらせるよ。
そして彼に謝り、彼の昔話を聞きました。
ティムをよみがえらせるよ。
そして彼に謝り、彼の昔話を聞きました。
ティムはよみがえるとジョニーとみんなに伝えました。
はい、ダーリン。ご無沙汰しています。
命を再びありがとうございます。
僕はあなたの愛を受け止めました。
そしてまた愛を伝えます。
あなたが送ってくれたおもちゃのロボットたちは
いつも話を聞いてくれる僕の友達でした。
時々公園で遊んだりしました。
もちろんランウェイがいつでも遊べるようにです。
帰る家は僕のお腹の中がよかったみたいで
いつも一緒に暮らしていましたよ。
だからランウェイが大人になっても寂しくありませんでした。
僕が壊れたのはこの子たちのせいではなく
人が僕を必要としなくなったから。
でもランウェイがまた僕らの時代を作ってくれるなら
僕にもまだできることがありそうですね。
ジョニーは事実を知ることで空白の過去を取り戻しました。
ジョニーの記憶はロボットの愛によって上書きされ
未来に希望を持てるようになりました。
未来は過去を変えていく。
なりたい未来に向かって進むことで苦い過去も許せるようになる。
今日持ってきたこの子は
壊れたロボットのティム君の3Dプリンターで作られたお人形です。
クラウドファンディングで色々やっているうちに
18:01
お人形、フィギュアが欲しいという声がありまして
それでティム君とポストマンと釣りました。
ポストマンは購入者が現れたのでその方のところに届けています。
今日は珍しい日かなと思ったので連れてきました。
ご清聴ありがとうございました。
あと英語版もあります。
これから本当に英語だと思うので
バイリンガルにしようかなと思ったんですけど
英語版も作っています。
ありがとうございました。
以上が録音です。いかがだったでしょうか。
緊張してしまいましたけど
飛ばしてしまった文章もあったりして
反省点満載です。
でもこういう機会はなかなかないので
記録に残しておきたいと思いました。
聞いてくださった皆様ありがとうございました。
そして昨日の夜は
佐月健太さんとお二人が
ジョニーの記憶を読み聞かせをしてくれました。
こちらのスタイフの配信で
ライブで聞かせていただきました。
私もちょっとだけお邪魔させていただきまして
本当に楽しい時間を過ごすことができました。
改めて作り手側の思いだったり
黒話だったりとか色々させていただいたんですけど
本当に一作品一作品
ブラッシュアップしていきたいという気持ちが
さらに湧いてきたのと
絵本は素敵だなっていうのを感じる時間になりました。
絵本の魅力っていうものをこれからも
どんどん伝えていけるように頑張って
配信も制作も進めていきたいと思います。
ちょっと長くなりましたけど
最後まで聞いてくださってありがとうございました。
アポロでした。