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2023-09-25 15:11

【第17回】トム・キングの新作『ワンダーウーマン』は"ワンダーウーマンvsアメリカ"

今回はトム・キングによる新タイトル『ワンダーウーマン』の紹介。

「ワンダーウーマンは、現代的なテーマ性とアメコミ的なハッタリが入り混じってて最高」

みたいな話をしています。

Twitterアカウント:@nobnobnobbonbon

#アメコミ#アメリカンコミック #DCコミックス #ワンダーウーマン

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ポッドキャスト版アメコミ放浪記をご視聴の皆さん、こんにちは。
このポッドキャストは、アメコミ好きの会社員、私、NOBBONが、最近読んだコミックの紹介を中心に、アメコミ関係の話題をさせてもらうものです。
今回なんですけども、毎回の通り、先週読んだアメコミの紹介をしようかなと思ったんですけども、
先週発売されたワンダーウーマン史がとにかく良くて、これについて話したいことをまとめているだけで、かなりの時間を使っちゃいそうなんで、急遽方向性を変えて、
今回は、先週から始まったワンダーウーマン史の解説をするという回にしたいなと思います。
実は他にも話したい内容のコミックが、先週はたくさん発売されていて、
例えば、アンキャニーアベンジャーズ誌であったり、もしくはニュースの方でいうと、ニューヨークコミコンに向けて、
今後のXメンションの展開が予告されたりというので、結構に語りたい内容がたくさんあるんで、
あえて今回はワンダーウーマン史の内容だけ話して、できれば今週の近いうちにそれ以外の内容の紹介をする話をしたいなと思います。
というわけで、ワンダーウーマン史の紹介なんですけども、そもそも今回のワンダーウーマン史なんですけども、
ライターはトムキングです。
これは私が非常に好きなライターなんですけども、
今回のワンダーウーマン史というのは、トムキングによる久しぶりのオンゴーイングタイトルになっています。
要は今まで、最近でいうとバットマン史以降ですかね、バットマン史を書いてからってトムキングってあまりオンゴーイングはやらなくて、
ブラックレーベルとかを使った、静止世界ではない別世界を舞台にした話が多かったんですね。
例えばロールシャッハーであったり、あとはデンジャーストリートであったり、
それと今後映画化が予定されているスーパーガールシーであったりというので、
静止世界ではない物語が多かったんですけども、
久しぶりにそんなトムキングがDCの静止世界に帰ってくるということで発売されるのが、
一つはペンギンで、もう一つが今回のワンダーウーマンになっています。
今回のワンダーウーマンなんですけども、テーマはズバリワンダーウーマンvsアメリカになっています。
物語の発端なんですけども、アメリカの田舎の方って確かにコロラドだったかな、
コロラド州で起きた殺人事件というのがまず描かれて、
何かというとコロラドのバス絵のバーに現れた謎のアマゾンが、
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そのバーに保っている荒くれ者の男性たちをいろいろと揉めた結果、全員殺してしまうんですね。
このアマゾンによる殺人事件というのが非常にアメリカの中で問題になって、
これを機にアメリカの中でアマゾンの排斥論というのが一気に盛り上がって、
アメリカ政府が全てのアマゾンたちの国外退去というのを決定するんですね。
しかもこの国外退去というのが相当可烈で、しかも人権を無視した形で行われているので、
行われますと。当然、ワンダーウーマンに対してもアメリカ政府というのは国外退去を求めるようになって、
そこでワンダーウーマンがアメリカ政府と対立していくことになるというのが物語の大まかなあらすじになります。
余談なんですけれども、この時のアメリカ政府の見解というのが非常に面白いというか、
なかなかいい切り口の見解を示していて、
要はアメリカが何でアマゾンたちを国外退去にするかというと、
そもそもアマゾンの国というのは、もともとアメリカの価値観とは一致させないというのを言い出すんですね。
要はアマゾンたち、セミッシラというのは女王をそもそも頂点にした王国で、民主主義じゃないでしょと。
そういう王政を引いている上に、セミッシラって女性主体で男女平等というのを全く実現していないと。
つまりセミッシラというのは家父朝政、家の基地の王さと書いて家父朝政とかよく言うと思うんですけれども、
家父朝政ならぬ家母朝政、女権主義の独裁国家であるという理屈で、アマゾンとの国交断裂を正当化するんですね。
この国というのはアメリカとは価値観を一致させないから、ちょっと特別扱いしますよというロジックって、
よくアメリカが中国やシリアといった国を批判する時に使う論法なので、
こういう論法を何かここに持ってくるのが、なかなか気が切り切れて面白いなと思います。
というわけで、ワンダーウーマンvsアメリカという物語になる今回の作品なんですけれども、
個人的にいいなと思うのが、今回の物語が現代アメリカを反映させるテーマというのを、
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非常にアメコミ的なハッタリをかまして描くのがいいなと思っています。
というわけで、この以降はこの現代アメリカを反映させたテーマということと、
あとはそれをアメコミ的なハッタリで調理するという2つの切り口で話したいなと思います。
まず最初の前半の現代アメリカを反映させたテーマというところなんですけれども、
先ほど話したAmazonに対する国会大会の描写というのって、
完全にアメリカの不法移民の退去問題とオーバーラップさせるような感じで描かれています。
要は退去させるAmazonというのは、決してアメリカのアウトサイダーではなくて、
完全にアメリカの中に生活基盤があって、何なら子どももいるような、
そういうAmazonに対して、そういった状況を無視して、原理原則に合わせて、
君たちAmazonだから子どもがいようが何しようが、退去命令してねと。
その子どもに対しては、あなたは不法入国者の娘なんで、
両親と離れてアメリカに留まってもいいよと、
それか行ったことないけどもセミシアのほうに帰ってねみたいな感じで、
非常に人権を無視した選択を進めるんですね。
これは日本でも何かありましたよね。
偽造パスポートを使って20年ぐらい前に不法入国して、
完全に日本に生活基盤を築いたフィリピン人の夫妻がいて、
その夫妻の間に生まれた日本しか知らない、日本語しかしゃべれない少女というのを
国外退去させようとする事件が日本にもあったと思うんですけども、
ああいう感じで非常に人権を無視して、原理原則的には正しいんだけども、
その裏側には移民に対する差別というのが、
非常に透けて見えるような処置という形で、
今回のAmazonの国外退去処分というのが描かれています。
差別が透けて見えるというと、それだけではなくて、
この物語で描かれているアメリカというのは、
非常に女性に対する差別や軽視、いわゆるミソロジーにまみれた国として描かれているんですね。
それはさっき話したセミシラは男性差別国家だという国の主張というところからも、
そういうのが立ち寄ってくるんですけども、
あとは例えばテレビのインタビューに答えて、とあるアメリカ人の男性が怒るんですね。
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要はAmazonたちというのは、男を配慮した国を作って、
そこをパラダイスと呼んでいるような連中だと。
そういう奴らというのは当然アメリカにいるべきじゃないと。
アメリカ中の男性を団結して、奴らを追い出そうみたいな感じで話をするんですけども、
うまいのがこういう話をするときにその前置きとして、
いやでも自分は決して女性差別論者ではないよと。
なんならその女性、娘がいるし、娘を愛しているし、
娘を愛している私が女性差別なんかするわけがないという前提を置くんですね。
こういう前提の置き方というのが、いかにも現実にいるアンチフェミニズムというか、
ミソロジーの人を思わせる描写をしていて、
全体的に現代によくいる女性差別問題というのをうまく反映させたような描写になっています。
そういう意味で、ワンダーウーマンがミソロジーにまみれたアメリカと戦っていくというような物語になっていくんですけども、
ここまでが現代アメリカを反映させたテーマという話になっていて、
以後は逆にアメコミ的なはったりというところを話そうかなと思います。
何がアメコミ的なはったりかというと、この作品のヴィランですね。
このヴィランというのは第1話のラストで登場するんですけども、
それは何かというと、アメリカの国王というのが登場するんですね。
でもこの国王というのは本当にいわゆる国王でして、
見た目もでっかい玉座に座って、ローブを着て、頭には王冠を着てみたいな感じの王様が出てきて、
この王様というのは実はアメリカ建国当初から続くアメリカの国王だ。
なんで親から子に、子から孫にという形で連綿とアメリカの玉座というのを受け渡してきた一族というのが登場するんですね。
なんでアメリカというのは実は大統領を超える権限を持つ国王に支配されている国だというのが明かされるんですけども、
要は何かというと、アマゾンはカボチョー制にまみれた独裁国家だというふうなヘイトを煽る裏側には、
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実はアメリカこそがカフチョー制によって支配される独裁国家であったということが明かされて、
物語がカフチョー国家アメリカvsワンダーウーマンという形になっていくんですけども、
この絵が個人的にはグッとくるところで、カフチョー制にまみれたアメリカという曖昧な概念とワンダーウーマンを戦わせるにあたって、
実はアメリカ国王がいたという、アメリカ国王というキャラクターをいきなりその前面に押し出してくるのが、これがいかにもアメコミっぽい感じでいいなと。
ちなみに余談なんですけども、このアメリカ国王なんですけども、実は今回が初登場というわけではなくて、
以前紹介したワンダーウーマンの娘が登場する話ですね。
こちらのほうにも実はこのアメリカ国王が登場していて、この物語全体がアメリカ国王によるワンダーウーマンとアメリカの戦いの解剖録的な感じの立て付けの物語になっているんですね。
このアメリカ国王が登場する話に関しては、私のブログのアメコミフォロー機、こちらのほうでも紹介しているので、ぜひそちらのほうを見ていただけたらいいかなと思います。
この物語って今後それだけじゃなくて、ワンダーウーマンの娘ですね。
ワンダーウーマンの娘の誕生日はって話にもつながっていくのが予告されてるんで、そういう意味でも今後が結構期待できる面白い物語になるんじゃないかなと思ってます。
いずれにしろ始まったばっかりの物語なんで、まだ何とも言えないところはあるんですけども、今回いろいろと話したように、非常にポテンシャルを感じる物語になってくんで、
引き続きこのポッドキャストであったり、もしくはブログの中で紹介できたらいいなと思っています。
というわけで、今回の話題は一旦以上とさせてもらいます。
初めに言った通り、これ以外にも実は話の内容がたくさんあるんで、それは今後であったら今週中どこかでまたポッドキャスト更新したいなと思いますので、よろしくお願いします。
毎度の話になりますけども、感想であったり、紹介してもらいたいタイトルや、もしくはアメコミに関する質問があれば、お気軽にTwitterアカウント宛てにDMを壊さるか、
ハッシュタグアメコミ放浪機をつけてツイートお願いします。
また、Twitter宛てはこういう感じで、日々読んだアメコミについてつぶやいてますんで、そちらのほうもフォローしていただけたら嬉しいです。
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それでは次回の更新でお会いしましょう。ご視聴ありがとうございました。
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