じゃあまず改めて前回話した経歴っていうのを教えてもらってもいいですか。
東大の理学部生物科学科を卒業して、去年の秋からUCデイビスでPhDスチューデントをしております。
専攻は遺伝学になります。
今ナメカ県で何年ぐらい研究されてるんですか。
そうですね、去年のそのジュニアスペシャリストの時からのカウントするならば1年半経ったところですね。今ちょうど。
1年半ですね。
なるほどね。日本の大学卒業して4月からアメリカの大学院が始まるまでナメカ県でスペシャリストとして働いてた。
はい、もう本当に短い4ヶ月ぐらいの期間ではあったんですけど、一応そこでも働かせてもらいました。
それいいですね。そういう手もあるんだ。なかなか知らないですよね。日本人でそもそもスペシャリストっていうポジションがあるっていうのは。
そうなんですよね。それ多分もっと周知した方がいい概念な気がしていて。
みんなもう海外留学するってなると、とりあえず修士に行かなきゃっていう人が多い中で、その架け橋となるようなポジションもいっぱいアメリカにもあるので、
アプライのためのCVに書くタイトルとしてもちろんいいですし、
だし本当に5年間これからこの研究をしたいのかっていうのを自分で確かめるためにも、やっぱりそういう有給のポジションを踏まえてから決断、アプライするか決断した方が、
いろいろいいんじゃないかなと思ってるので、私はすごいその4ヶ月はありがたかったですね。
そういうジョブが結構あふれてるっちゃあふれてるんで、そういうのにアプライして、今1年半ぐらいどういう研究を今してるんですか?
今は舐川県でマウスの生殖、舐川県自体はマウスの生殖細胞の初期発生の過程におけるエピジェネティクスがどういうふうに制御されてるかっていうことを主に見ているラボなんですけど、
私が今メインでやってるのは、その精子形成の時期における特に原子分裂、精子になるまでの原子分裂の時期で重要とされているタンパク質があって、
そのタンパク質が実際にどういう役割を原子分裂の時期に果たしているのかっていうことをモレキュラーレベルで見てるっていうのが、今メインでやってるプロジェクトになります。
なので舐川県のエピジェネティクスの文脈からは、ずれるというかなんだろうな、そこエピジェネティクスゴリゴリのプロファイリングみたいなことは今やってないんですけど、
原子分裂の分子メカニズムをいろいろ見ているっていう感じです。
原子分裂っていうのは、生殖細胞にしか見られない分裂の方法でしたっけ。
そうですね。配偶子形成で。
2NがNになっちゃうんですよね。
そうですね。
やりましたね。教科書で書いてありました。
それです。
いつも言い間に複雑だなと思ってるんですけど。
そうなんだな、あれ難しいんだよな。何個かありますもんね、ステージが。
そうですね、たくさんありますね。私が今見てるのは第一分裂、一番最初のプロフェーズっていうところなんですけど、
それまではその精子とこれからなるための細胞が分化するんですけど、そこから原子分裂の時期に入ると、
染色体の追合だったり組み替えだったり、それがまたまた真ん中の時期に来ると分かれて、
とにかくすごい複雑な過程を経てて、染色体のダイナミックスが大きく一番変わる時期なんですけど、プロフェーズって。
そこのクロマチンレベルの制御っていうのは非常に複雑だし、非常に精密に制御されてるべきところで、
そこで今見てるタンパク質をノックアウトしたら、どうやらそこがなんかもうおかしくなって、
途中で完全に細胞の進行が止まってしまうっていうふうなタイプが見られたので、
じゃあ多分それってそれまでの過程で重要な役割を果たしてるよねっていうところで、今いろいろと見ているという感じです。
じゃあそのオスは、受精できる精子は作れなくなっちゃうってことですか?
そうですね、基本的に。
ちょっとなんか僕精子の形すごい、ちょっと全然研究関係ないですけど、精子ってなんかすげえ特殊な形してるじゃないですか。
なんか丸っこくてぺろぺろぺろってついてるじゃないですか。
細胞もともと丸っこいじゃないですか。
その丸っこい細胞から丸っこくてぺろぺろぺろができるっていうのは、なんでそんなことになっちゃうんですか?
オファロジーの話はあんまり詳しくないんですけど、私。
VIVができるところですよね。
そうそう、だってあんなぺろぺろぺろがなんか、あれ何なんですかあれ。
だって精子って一個の細胞ですよね、あれ。
あれ一個の細胞でATPを酸性して、そのエネルギーをもとに運動性を獲得してるんですけど、
あのぺろぺろぺろがいきなりどういうふうに丸からぺろぺろが生まれるのかのその詳しい経緯は私知らないですね。
あれってバカでかい専門みたいなもんなんですか?
あれは弁毛、弁毛だよね。
弁毛なんだ。
でも私もそこは全然やってないから、正直わかんないな。
制限細胞の時点ではないですもんね、あれ、弁毛。
ないですね。
なんかあいつだけすげー特殊な細胞だなって思うんですよ。
正直尻尾の方がどうできるのかっていうのは全くわかんないんだけど、
頭の方は普通の細胞の状態から頭になるにかけて、すごくサイズとかも小さくなるはずなんだけど、
その過程でさっき中西さんが言ってたように、染色体の状態がすごく変わっていて、
普通DNAって専門的な話ですけど、DNAってDNAだけで存在してるわけじゃなくて、
ヒストンっていうタンパク質に巻き付いて、格内の中でパッキングされてると思うんですけど、
精子になるとほとんどのヒストンっていうのはプロタミンっていう別のタンパク質に置き換わっていて、
プロタミンの方がめちゃめちゃコンパクトになれるっていう性質を持ってるから、
だから精子の中でのクロマチン状態っていうのは普通の細胞に比べてすごい凝縮された状態になって、
だからああいう変な形、すごくコンパクトな形でもちゃんと維持できるっていう機構は存在しますね。
そういう、難しいな、
精原細胞から精子に至るまでの過程っていうのを今中西さんが研究してるって感じなんですね。
TAとかしてお金もらったりするっていうのを聞いたことあるんですけど、それはあるんですか。
そうですね、インターナショナルスチューデントだと、
TAとして自分でお金を稼ぐことで、
ラボからの負担を減らすっていうのが一般的によくあって、
それでTAをやるっていう、動機としてTAの動機がお給料のため、
お給料確保だということが多いんですけど、
私の場合は、まず私が所属するPhDプログラムのQEを受けるためのリクワイヤメントとして、
TAを絶対にやらないといけなくって、
なので、私の身分とか所属しているラボにかかわらず、
TAはやらないといけなくって、
それを来年の春にやろうかなと思っています。
TAって何やるんですか。
TAは基本的にディスカッションTAとラボTAっていうのがあって、
ディスカッションってあるとレクチャーベースの授業、
まずインスタラクターがレクチャーしますと、
その後にディスカッションパートっていうのが大体開かれていて、
スチューデントがグループ単位で2時間ぐらいディスカッションしなきゃいけないんですよね、
多分与えられた課題に対して。
それのディスカッションをリードするTAっていうのがあります。
それも結構大変なんですけど、
もう一つのラボコースのTAっていうのは、
要は実習ですね。
ウェットな実験の実習を学部生がして、
それの準備をTAがする。
主役の準備だったり機械の準備だったり、
いろんなアレンジメントをすべてTAがして、
かつその実習の中の要素を見守るっていう感じ。
どちらのTAにしてもグレーディング、成績づけはやらないといけないっていう感じだと思います。
長谷さんが成績つけるんですか?
TAが成績はつけます、基本的に。
じゃあもう全部分かってないといけないですね。
けど長谷さんその授業とか受けてないわけじゃないですか、
学部の頃、UCT APSで。
そうですね。
分野全く違うことも多分やるんですよね。
それは一応TAをするクラスっていうのは、
自分が専攻している分野に近いところでやるはずなので、
さすがに私がいきなり物理のクラスを教えるみたいなことはないんですけど、
ですしインスタラクターが基本的にすべてTAに向けてガイドラインは作ってるので、
それに従ってグレーディングもするますし、
普段の業務もするっていう感じだとは思います。
でもすごい負担が重いとは、
ちょこちょこいろんな人から話を聞いているので、
覚悟はしてるんですけど。
大変そうっすよね。
ディスカッションとかマジ何言ってるか分からなかったらもう何もできないですもんね。
そうなんですよね。
ディスカッションはやっぱり難しいですよね。
ネイティブに囲まれて。
数人単位だったらいいんですけど、
多分もうちょっと多い単位のディスカッションだと思うので、
それを果たしてノンネイティブの私が適切にリードできるのかは不安で。
生物学だったらいけるか。
どうでしょう。
でも教えるクラスがおそらく学部1,2年のイントラダクションツーバイオロジーみたいな。
本当に入門編の授業になりそうなので、
そこまで専門的なことをやらない。
逆にむずいんじゃないですか。
逆にすごいファンダメンタルな質問されそうですよね。
答えられない。
それは私も考えても怯えても。
PCRの仕方とかなんかすごいなんか、
すっげーなんか教科書レベルだけど意外と説明できないみたいな。
なんかすげー基礎的なところ聞かれそうっすよね。
そうですね。
なんか日本とアメリカで全然その高校までの生物のカリキュラム違うじゃないですか。