かわいさの概念
こんばんは、邦訳アメコミ雨あられです。
今週何食べたのコーナー
今週摂取したエンタメを紹介する、そんなコーナーです。
私が今日紹介するのは、双葉春さんの
【自分をもっと好きになる 【ハピかわ】かわいいのルール】という本です。
おそらく対象年齢は、小学生の女児向けの本だと思います。
女児向けの本なのに、かなりすごい内容のものがあるぞということで
SNSでも少し話題になっていて、気にはなっていたんですが
先日本屋に行った際に偶然見かけて、買って読んでみました。
これがまあ面白かったですね。
かわいいのルールっていう署名の通り
どうすればかわいくなれるのかっていう方法が載っている本です。
例えば、見た目をどうすればきれいに整えることができるのか
例えばファッションであったりとか
見出し並みをどう整えるべきなのかなんてことが書いてあるんですが
この本がすごいのはですね
かわいいっていう概念を見た目だけではなくて
生き様として捉えているんですね。
かわいいとは生き様なんだということで
単に見た目を整えるだけではなくて
例えば食事のマナーとか
立ち方とか歩き方
座り方みたいな立ち振る舞い
あるいは人に愛される行動
あいづちのつき方とか
敬語の使い方
初対面の人と仲良くなる方法
自己紹介のやり方
友達との仲直りをする方法
料理を装う方法
料理の食べ方
片付け方などなど
いわゆる見た目とは一見無関係にも見える
マナーとか生き方にあたる部分についても
こうすればあなたはもっとかわいくなれるんだよっていう風に
教えてくれている本なんですね。
これがかなり細かいところまで書かれていて
お友達の保護者に対してどんなご挨拶をすればいいのかとか
なんてお礼を言うべきなのかとか
あるいは自分の部屋のクローゼットやタンスに
どうすればきれいに収納ができるのか
一日を有意義に過ごすためのスケジュールはどうやって立てればいいのか
嫌なことがあったらどうすればストレスを発散するのか
そんなことまで載っている本なんですね。
まさに自分をもっと好きになるっていう署名の通り
このただのかわいさを求めるだけじゃなくて
生き様としてのかわいさを体現する方法が載っている本で
これ面白かったですね。
見た目を高めるというよりは
誰かに応援される人間になるにはどうしたらいいのか
っていうことが説明されている
本当に教科書みたいな本でした。
もう私ある程度年齢が重ねているので
正直生きているだけで愛されることはあんまりないわけですね。
そんな私にとって学びは大きいですね。
どうすれば人から応援してもらえるのかとか
そういうことは年齢が重ねるほど大事になってくると思うので
女児向けの本と侮る中で
なかなか自分の生き方というか
自分の生き様というのをどうすればいいのか
というのを考えさせられる本になっていましたね。
本当に素晴らしい面白い本でした。
ストレンジアカデミーの授業
ただ一方でこういうほぼ攻略本ですよね。
人間関係の攻略本みたいなものが存在することで
これを知らない人間にとっては
生きづらい世界でもあるのかなと思ったりしましたね。
なんというか本自体はすごく素晴らしかったんですが
逆にこの自分のダメさみたいなものに言語化してしまって
私は結構きついもんもありましたね。
私はなかなか人の気持ちとか考えるの苦手なタイプだったので
自分でこんなにダメでこんなに嫌な奴だったのか
ということを改めて学べるというか
言語化することもできました。
やっぱりこうどうすれば人間関係うまくできるのか
というところは一生学び続けなきゃいけないんだな
ということも実感しましたし
ちゃんと相手のことを想像して行動しなきゃいけないんだなと
改めて考えさせられました。
やはりこのかわいいの生き様
これを体現するというところを目標に頑張っていかなきゃいけないなと
勇気をもらいつつ自分の生き方を反省するきっかけにもらった本ですね。
双葉春さんの自分をもっと好きになるはぴかはかわいいのルール
本当に面白い本だったのでぜひ読んでみてください。
おすすめです。
さてこの番組では毎週一冊の翻訳アメコミを紹介しております。
さて今日取り上げるのは
ストレンジアカデミー3 ウィッチクラフトです。
以前紹介したストレンジアカデミーシリーズの3作目にあたる作品です。
ライサーは前作に引き続いてスコッティー役
アーティストはハンベルト・ラモスが勤めております。
至高の魔術師ドクターストレンジが開講した
魔法学校ストレンジアカデミーを舞台に
神やゾンビ、妖精や妖魔が一緒に学園生活を送るとそんな作品です。
ストレンジアカデミーシリーズ1作目はいわゆる学園ものとして描かれていて
2作目はなんとハワーズ・オタダックを探偵に据えた学園ミステリーという風に
かなりジャンルの違う作品が来ていたんですが
3作目もまたこれまではちょっと違った作風になっていて
結構面白い作品でしたね。
電子版も出ておりますので
もしまだ読んだことがない人がいれば
ぜひ買って読んでいただいて続きを聞いていただければと思います。
さてこのストレンジアカデミーシリーズの魅力
いくつかあるんですが
私としてはですね
この魔法学校の授業シーンってのがやっぱ一番の魅力ですね。
魔法学校なのでいろんな先生がいるんですが
マーベルコミックの世界にいる魔法キャラが
教師としていろいろ登場しているんですね。
3作目であればX-Menのメンバーでもある
ソウルソードを使うマジックさんですとか
ドクターストレンジの仲間のウォン先生ですね。
そんな有名なキャラクターが授業の先生として登場してくれる。
いろんな授業が展開されていくんですが
今回印象的だった授業はですね
序盤に出てくる時間移動の授業ですね。
時間移動の魔法というのがあって
それを生徒に学ばせようと
危ない授業な気もするんですけどね。
今回はマグニートーがX-Menを創設した世界の
社会学見学に行くという授業が行われておりました。
その時に先生からこんなことを言われるんですね。
時間を操作する魔法というのは当然危険なものなので
時間に介入するときには慎重に吟味するんだと。
生徒から質問が出るんですね。
アベンジャーズだとかX-Menは歴史に介入したことあるってことですか?
じゃあ一般人だとか悪人の人生がうまくいかなかった時とかは
それは単に運命だったっていう風に考えるんですか?
いい質問だ。
じゃあそれはレポート課題で。
っていう感じでね。
時間移動の授業が行われていて
いかにも学校あるあるじゃないですか
魔法学校っぽいなっていう雰囲気が味わえる。
というかマーベル世界の魔法学校っぽいなって思わせるシーンとかあったりして
結構楽しめますね。
この中で行ってはいけない時間があるんだと。
移動が禁じられている時間軸があるっていくつか紹介されてるんですが
例えばマーベルゾンビーズに出てきたゾンビがいる世界
これは移動が禁じられていると。
これ以外にもハウスオブMの時間軸
これは魔法の力で作られたミュータントが支配する世界なんですが
ここに行ってもいけないと。
スカールトウィッチ先生が気にしているので質問もしてはいけませんと。
そんなルールがあったりですとか。
未来への不安
あるいはDCコミックとマーベルが合体した世界
アマルガムの世界
これも移動が禁じられている世界
とんでもない世界であるという扱いがされてますね。
あるいは豚のスパイダーマン
スパイダーハムみたいな擬人化したヒーローたちが暮らす
ラーバルアースという世界があるんですが
こちらもストレンジャーアカデミーでは立ち入り禁止にされていると。
こういう細かいマーベルネタと言えるんですが
そういう話が出てくるのも面白さなのかもしれません。
そんな時間移動の授業の中で
自分たちの未来を見てしまうというシーンがあるんですね。
生徒が未来を偶然見に行ってしまって
大人になった自分たちが敵味方に分かれて
殺し合う未来というのを見てしまうというシーンがあって
これが後々まで後を引くことになるんですが
あくまでストレンジャーアカデミーが学園ものなんだなと思うのはこういうところですね。
こういう未来の予言というか
未来の世界を見てしまったことで
ここで過ごしている生徒たちが
未来が分かってしまう不安というのに捉えられていくんですね。
もちろん学園ものですから
いわゆる自分の未来
自分の将来が分からない不安を描く作品って結構多いと思うんですね。
学校卒業したら自分何になるのかなとか
どんな仕事しようかなとか進路どうしようかななんていう悩みは
学園ものなどよくある話なんですが
ストレンジャーアカデミーでは
未来が分からない不安を描くと同時に
未来が分かってしまう不安
自分たちがもしかしたら殺し合ってしまうんじゃないのか
どうしたらこんな未来を避けられるのか
そもそもじゃあ私たちは一緒にいない方がいいんじゃないかとか
そういういろんな悩みにつながってくるのが
カルビンとガスランプの取引
この魔法という設定を生かした学園ものらしいなというのがあって
これも面白かったですね。
さて前半部分で物語の中心になってくるのは
前作ストレンジャーアカデミー2のラストで
魔法の力を失ってしまったカルビンの話ですね。
彼は魔法が使えなくなってしまったので
学校では落ちこぼれ扱いされるようになっているんですね。
ただ友人はたくさんいるので
友人たちはカルビンを心配しているんですが
その心配もまたカルビンにとってはプレッシャーになって
悩みの種にもなってきてしまっているんですね。
そんな生活の中で彼が偶然耳にしたのは
願いを叶える商人ガスランプという男の話
噂話ですね。
彼はどんな願いでも叶えてくれるんですが
その代償を求める闇の商人だったんですね。
カルビンは自分の魔法の力を取り戻すために
このガスランプと取引をしてしまう。
最初は無料でいいよ。
もしこの願いが君に合わなければ
それで取引はおしまいでいいから。
そんなことを言われて
カルビンはガスランプと取引をするんですが
なかなかこんな誘惑抗いきれないんですよね。
カルビンはその後もガスランプと取引をしてしまうんですね。
カルビンがその中で求められた代償というのが
ストレンジャーアカデミー学園の中で
カルビンがガスランプと同じように
他の学生の願いを聞いてあげることでした。
明日はテストなんだよね。自信ないよ。
なんて話してるとカルビンがやってきて
ごめん偶然話し聞いちゃってさ
ちょっといいものあるんだけどどうかな。
カルビンが学園内に薬物汚染を広めていく
というのがこの前半部分ですね。
カルビンと取引をすれば自分の願いが叶えられるということで
いろんな学生たちがカルビンと取引をしてしまう。
これはよく問題になっている
学校内でのドラッグの蔓延という
現実の問題を作品に落とし込んでいる設定で
個人的にはこれもすごく興味深かったですね。
魔法学校という正直浮世離れしたというか
現実にはもちろん存在しない場所なんですが
そこで現実と同じ問題を描いていくというのは
フィクションの強みというか物語だからこそという魅力だと思いますし
こういう現実の学校の問題を作品の中に落とし込んでいるというのも
このストレンジャーアカデミーの魅力なんじゃないかなと思いますね。
学生の権利を主張する運動
学校での居場所がどんどんなくなってしまう
カルビンが魔法の力を失うことで
学校での居場所がなくなっていってしまうというところも
おそらく現実にはもちろんいろんな形を変えながら
存在している問題だと思いますので
こういった現実にある問題を作品に落とし込むというのが
このストレンジャーアカデミー3の魅力なんじゃないかなと私は思いますね。
当然彼の振る舞いは学園にバレます。
カルビンに下った罰は退学。
その結果に反発した友人たちは学園に対して学生運動を始めます。
学園は生徒を殲滅できるから勘違いしているが
学校とは生徒がいなければ成立しないものである。
だから今回の処分は生徒を信じない学校の横暴であるということで
果たしてこの学生運動の未来や行かりというところが後半のストーリーになってきます。
前後半でかなり雰囲気が違う作品なんですが
現実の問題をストーリーに落とし込んだというところでは
ある種共通する部分があるのかもしれないですね。
私は最初に読んだとき正直後半の学生運動がちょっと唐突な感じはしたんですね。
私は学生運動とか学生の自治みたいなものにあんまり知識というか共感がなくてですね
生徒会とかも正直学生時代よく知らないので物語の中でしか知らないんですね。
もちろん大事なものだと思うんですが
学生運動に対してもあんまりピンときてなかったんですが
ただ読み返してみるとあんまりピンとこなかったんですよね。
ただこうした学校に対する学生の権利の主張というところも
実際現実に存在する問題だとも思いますし
そういうのをしっかりとエンタメとして取り入れているというのは
やっぱストレンジャーアカデミー3の特色なのかなと思いますね。
あとちょっと唐突な感じがしたというふうに今言ったんですが
そうしてみると前半の時間移動の授業で
自分たちが勝手に運命や歴史を操作しながら
一般市民や悪人の運命を放置するヒーローに対する疑問を抱くシーンがあったんですね。
それを考えると授業で学んだ結果
友人に対する学園の横暴に戦いを挑もうとするという伏線にもなっているかなと思いますね。
自分たちの勝手な都合、自分たちの考えで歴史を変えてしまうヒーロー
あるいは学生の運命を左右してしまう学校というものに対する反発というのは
前後半共通するお話なのかなと思いましたね。
もちろんこれ以外にも魔法学校でのダンスパーティーとか
学園ラブコメとかいろんな話が同時に展開していく楽しい作品でもあるので
学校生活ってね、多分誰しもどっかしら人生で関わったことがある場所だと思うんですね。
いい思いで悪い思いで問わずみんな誰かしら関わっている場所だと思うので
いろんな人を読めば共感できるお話だと思いますね。
ストレンジャーアカデミーは3作品ともかなり読み味が違う作品になっているので
通して読むとこの違いがわかって面白いかもしれません。
今回作品のラスト、続編に続くという終わり方をしているんですが
続編気になりますね。
11月末に流通限定でストレンジャーアカデミー4が発売されるようです。
最新作、学生運動の未来が一体どこに繋がっていくのか
ちょっと面白そうなんでね、私は買って読んでみたいと思います。
はい、というわけでストレンジャーアカデミー3でした。
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それではまた来週。バイバイ。
諸事情あって時間軸を移動することになりました。
来週こそはベノムインク、そしてベノムザラストダンス扱えるといいな。