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こんにちは。お聞きいただきありがとうございます。あきねです。
こちらは、2人の小学生の子を持ついちお母さんの私が、ASDの息子を通して出会った行動分析学について語るチャンネルです。
今のXがツイッターだった頃、Yahoo!のトップページに、ツイッターをにぎわす話題というワンコーナーがありました。
ツイッター内で注目度が高かったツイートをいくつか取り上げてあって、内容は感動話から面白話、豆知識まで様々でした。
私は当時とても楽しみに読んでいて、その中で今も記憶に残っているツイートを先日急に思い出したんです。
そのツイートは、就職面接の時、自分の番の直前に、頭の中で「ショートコント、面接。」と唱えると緊張が解けるという内容でした。
面接といったら、一般的に緊張を引き起こす刺激になりやすいですよね。失敗したくない、失敗してはならないと思う人が多いと思います。
一方、コントは笑いやユーモアを楽しむもので、あくまで演技の一環だし、笑いが起こってももちろんOKです。
このツイートをした方は、面接とショートコントという本来異なるものを認知的に結びつけることで、通常の面接の“失敗が怖い”とか“評価される”、“真剣にやらなければいけない”といったイメージを払拭して、
コントとしての面接、“演じるものであり、笑いが起こってOK”というイメージに変換させたのだと思います。
実は、こうした結びつけによって新しい関係を作るという行動は、行動分析学の一分野である『関係フレーム理論』という分野で扱われています。
私たち人間が言葉を使って物事を関連づける能力に注目した理論です。
例えば、大きさの関係。子供が「犬はネズミより大きい」と学習したとすると、その後初めて見る動物でも、「この動物は犬より大きいからネズミよりも大きいはずだ」と推測することができます。
それから、類似性の関係でいうと、リンゴ=果物だと知っていれば、バナナ=果物だと学んだとき、「リンゴとバナナは同じ仲間」と関連づけることもできます。
他にも、比較の関係。ジュース1本100円なら、2本で200円という関係もすぐに理解できたりします。
こういう、直接経験しなくても物事を理解して応用できる能力は、人間ならではのすごい能力ですが、良いことばかりではありません。
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例えば、「犬は怖い」と一度思うと、「どの犬も怖い」と思い込むような、そういう不合理な恐怖や偏見を持つことにつながる可能性もあります。
テストでA君より悪い点を取ったら、自分はA君より劣っていると関連づけて、ネガティブな自己評価を作ってしまったり、「失敗したら…」と考えて苦しい思考のループに陥ることもある。
人間ならではの能力は、人間ならではの苦しみも発生させるんですね。
さて、今日は『関係フレーム理論』について少し触れてみました。
個人的には、行動分析学の、『何か良い結果があるから行動が増えて、嫌な結果があるから行動が減る』みたいな、『人間も他の動物も基本的に一緒なんだ』と思える考え方が、私はシンプルで好きなんですが、
「ショートコント、面接。」と唱えることで、面接の緊張の場面をコントとして楽しめるものに 再定義できてしまう、
そんな、言語と思考能力を持つ人間だけに当てはまる理論も、興味深いところです。
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ABAで広がれ、シンプルで楽しい生き方。今日も大事なものを大事にできる一日を。あきねでした。