1. イラストレーター原あいみの話
  2. #61 アートディレクターの仕事..
2024-03-27 12:24

#61 アートディレクターの仕事ってこんなの【後編】

私が長年、イラストレーターと兼務でやっていましたアートディレクターのお話、後編です。
よろしければ前編からお聴きください❣️

https://stand.fm/episodes/65fbd057ff590dc1ed4d2266

#アートディレクター
#ディレクター
#グラフィックデザイン
#グラフィックデザイナー
#宣伝美術 #イラストレーター
#芸能人 #撮影
#撮影ディレクション
#スタイリスト #ヘアメイク
#カメラマン #写真家 #レタッチ


---
stand.fmでは、この放送にいいね・コメント・レター送信ができます。
https://stand.fm/channels/651cb17b0bc9d6e1d62d5e69
00:05
イラストレーターの原あいみです。前回ですね、私が十数年イラストレーターと兼務をしてやってきたアートディレクターのお仕事についてお話をしました。
アートディレクターの仕事で心に残っている案件についてのお話をしたんですが、時間が足りなくなってしまって【後編】、この回に続くとなっております。
よろしければ前回の放送から聞いていただけると嬉しいです。
さて、前回私が初めて芸能人の方とお仕事をした案件ということで、とある舞台の宣伝美術を担当したお話をしました。
撮影当日に、こちらがいろいろなプランを考えてご用意した衣装が、主演の俳優さんがですね、ちょっとお話が通っておらず、
僕はこの衣装ではイメージが違うので撮影できませんというふうに言われてしまいました。さてどうなるというところで前半を終えました。
今日はその後編をお話していきたいと思います。
衣装が違うというお話になってしまい、あの日は何十人というスタッフが多分関わっていたと思うんですが、これについてきちんと責任者、説明をしてくれというような流れになりました。
責任者というのは私になるんですよね。いや本当はね、プロデューサーさんとかが話すべきだと、あの時はなんで私って思ったんですけど、
まあ宣伝美術のプランを考えているのは私なので、私から話すのが一番いいですよね。
楽屋の方にコンコンと入りまして、とにかく挨拶しっかり声出してと思って、失礼しますと入りまして、
タレントさんとお話することなんて、それ自体初めてだったんですけど、まあとにかくおどおどしていてはいけないのでね、責任者がおどおどしてたら不安になりますよね。
なのでしっかりとご説明をさせていただきました。
ただやはり俳優さんのイメージと違うということで、僕の衣装を家から持ってくるよって言われたんですよ。
ご提案いただきまして、え?今?家から?取ってくる?そんなの絶対スケジュール的に間に合わないと思ったんですけど、
確かね、結局マネージャーさんがお家からご自身の自前のものを持ってきてくださって、それとこちらが用意したものとミックスでアレンジしてきていただくっていう流れになったと思います、確か。
あとこちらが用意していたものが、これはこっちが悪かったかもしれないんですけど、若干サイズがブカッとしていて、それもやはりちょっとイメージと違うというふうに言われまして、確かカットしたんですよね、衣装。
で、いいのかな?これレンタルの衣装だと思うんだけどと思いながら、もうそんなこと言ってられないのでスタリストさんに切ってもらったというようなことを覚えています。
03:03
そんなこんなでですね、私がその楽屋から全然出てこなくなったので、私と一緒についてきてくれていた先輩のデザイナーさんとか後輩の新人デザイナー君とかはすごい心配してたみたいです。
原さん、誰々さんの楽屋に入ってずっと出てこなくなったって思ってましたって後から聞きました。
そんな感じでいろいろあって、だいぶ押し押しで時間ももうスケジュールもどんどん押している状態だったんですけど、衣装のことはなんとかなりヘアメイクを完成していただいて、いざ撮影となりました。
で、ご本人もねとても気持ちが乗ってきてくださって遅れて出てきたんですけど、みなさんごめんね遅れてっていうような感じですごく気持ちよく登場いただきました。
で、すごいもうほっとしてやったーやっとスタートだと思って撮影を始めたんですが、今って撮影するとデジカメなのでパソコンですぐ見られますよね。
見ながらチェックしていくんですけれども、それをご本人に見せるかどうかっていうのも結構重要なポイントだったりするんですよね。
で、見せた方がうまくいく方もいらっしゃったり、見てもらっちゃうともうなんか注文がつきすぎちゃって終わらないとか、なんかいろんなパターンがあるんですよ。
で、多分カメラマンさんや写真家さんによっても見せていいよっていう方もいれば、そんな本人には見せないでくれっていう方もいらっしゃいますし、そういうバランスも難しいんですけれども、
その時は確か何枚か撮ってちょっとご本人にチェックいただく方向がいいっていうようなことを聞いていたので、ご本人に見ていただいたんですよね。
そしたら髪型が違うということになり、もうすごい時間かけてセットしたんですけど、ちょっと待っててねっていうふうにまた楽屋に戻られてしまって、
いやーって髪の毛洗い出しちゃったんですよね。えーっと思って。
まあもうとにかくそんなね、イレギュラーなことが起こりまくるんですよね。
で、結局ちょっと直していただいて、新たな髪型でまたご登場いただきました。
で、そこからはね、なんとか撮影していったんですけど、いろいろちょっと対話しながらね、お写真撮っていくんですけど、
やっぱりね、僕たち俳優は本当に奇跡の1枚で決まるわけだから、そのポスタービジュアルが。
それがやっぱり少しでもファンの方にかっこいいとかキュンって思ってもらうと、
この舞台見たいってチケットを買うっていう行動につながるので、僕らはやっぱりもう少しでも1ミリでもかっこよく映る必要があるんだっていうようなことをお話ししてくださったんですよね。
なので、別に僕がかっこよくなるためっていう感じじゃないんですよ。
やっぱりその作品のためなんですよね。
それを聞いて、なんか、すごいあのもう本当プロフェッショナルの仕事なんだなというふうにすごく納得感がありました。
06:07
なのでこちらももう容赦しません。
なんて言うんでしょう。
よいしょよいしょして作品を作るんじゃなくて、こういうビジュアルが作りたいからっていうのをちゃんとぶつけて撮らなくちゃ逆に失礼だというふうに感じましたね。
で、その時頼んでいた写真家さんがですね、その写真家さんも結構大御所の方で、そちらにも気を使うっていうような、そんな新米アートディレクターという立場だったんですね。
で、写真家さんも全然こう本当に手を抜かないんですよね。
その俳優さんがなんとなくでちょっと何でしょう、ウォーミングアップみたいな感じでポーズをとってくるようなやつに対しては、こうねシャッター切らないんですよね。
で、そんなんちゃうやろみたいな感じの対峙をして、そうすると俳優さんの方も、あ、違うんだな。
もっとこういう真剣な場なんだなみたいな感じで、どんどんどんどん表情とかポージングとかが良くなっていくんですよね。
で、その戦いじゃないですけど、2人のセッションみたいなね、そういうのが見られたなっていう瞬間でもあったなという記憶があります。
で、まあそんな感じでですね、とにかくいろいろいろいろあってですね、非常に胃が痛くなるような現場だったんですけれども、結果すごくすごくいい写真が撮れました。
自分でもね、思ってた以上のものが撮れて、もうほんとね、よかった諦めなくてっていう、そういうような終わり方ができた撮影でした。
で、俳優さんの方も、すごい最初ね、いろいろご迷惑かけてすみませんでしたって言って、最後に皆さんスタッフ全員にね、そういうふうに声をかけていただいて、すごくいい撮影でした。
ありがとうございました、みたいな感じで、私と衣装のね、スタイリストさん、多分一番迷惑、調整が大変だったという2人に対して、私たちだけにね、両手でグッと握手してくださって、
めっちゃね、最初はね、なんやこの人って思ってたんですけど、もうそれでね、キュンってなりましたね。すごいプロの仕事を見たなっていう感じがしました。
で、撮影は無事終えまして、撮影だけがね、撮影ディレクションだけがアートディレクターの仕事ではないので、そこから写真をセレクトして、グラフィックデザインをデザイナーさんとともに作り上げていく。
ちゃんと印刷で紙として完璧に仕上げるところまでを見ていくのが、アートディレクターのお仕事です。
で、写真ってですね、レタッチという作業があって、芸能人の方とかだと必ずここのほくろは薄くするとか、なんかいろいろ決まっている方とかもいらっしゃったり、
専属のレタッチャーさんがいたりとかそういうこともあるんですけど、この時は皆さん男性の方で特にそういう指定はなかったんですね。
09:09
で、写真家さんがあんまりレタッチを好まない写真家さんで、男性なので、影とかシワとかそういうのも含めて男らしさが色気として出ていればそっちの方がいいっていう写真家さんだったので、
とにかく印刷会社さんにレタッチは頼んでたんですけど、レタッチしすぎないようにっていうのを、ものすごいとにかくこのくらいの塩梅入れみたいな資料とかもたくさん見て打ち合わせしたはずだったんですけど、
どのくらい綺麗にするかってやっぱりもう感覚なので、すごい共通認識を持つのが難しいんですよね。
その場でモニター見て横に座って、このくらいとか言えればできるのかもしれないんですけど、その写真が上がってきたらもう想像以上にズルーンってなって上がってきちゃったんですよね。
自分的には確かにめちゃくちゃ綺麗だけど、この写真家さんに頼んだ意味はどうだろう、綺麗にしすぎちゃった、なんかアイドルみたいだなと思って、
すごいそれも失ったって思ってめちゃくちゃ落ち込んだのを思い出しますね。
どうしようって思ったんですけど、ご本人たちがみなさんすごい気に入ってくださって、ご本人たちからのオッケーがいち早く出てしまったんですよね。
なので写真家さんどうだったかなっていうのは、その話もちゃんとしましたけど、もうちょっとだけリアルな生っぽさが出したかったなっていうのが自分の中の後悔として今も覚えています。
ちょっと早口でバーッとお話しましたが、これがある一部分ですけどね、アートディレクターのお仕事の一部です。
本当にごくごく一部分のお話なんですけど、私は結構人に対しての撮影ディレクションをするのは割と好きな方でした。
それまでの段取りは嫌い、苦手なんですけど、やっぱり多分演劇とかダンスをやっていた生もあって、モデルさんとか俳優さんとか素人さんを撮ることもあるんですけど、
その方に演技とかポージングとかをディレクションさせていただいて、その方がどんどんどんどん乗ってきてすごい良い表情になっていくみたいなのをこっちで見ているのがもうめちゃくちゃ楽しい作業でしたね。
なので撮影の当日は本当にヒヤヒヤするし、イレギュラーなことが起こるし、その場で起点を聞かせていろんなことをやらなきゃいけないというのは本当に得意ではないんですけど、
そういう人と向き合って、写真家さんと向き合って、空気を作って一枚を撮っていくみたいなのは好きだったんですよ。
なのでイラストレーター一本に絞れず、十何年もアートディレクターをやっちゃったのかなという気はしますが、
12:04
学生時代の舞台をやっていた経験が生きていたのかなという気がします。
ということで今日はアートディレクターのお話についての後編でした。
イラストレーターの原井美でした。
12:24

コメント

スクロール