前提として、こうXで、ふと目についた何とも気になるアカウント、
広告炎上チェッカーというアカウントがありまして、
それを運営されているのが中村さんなんですよ。
アカウント名聞くだけでも結構、広告やっている側からしてみると、
なんだこのアカウントはと思ったんですけど、そこからフォローさせてもらってて、
ついこの間、六本木のブレイクスルーカンパニーGOさんでイベントをやられましたよね。
はい、やっていました。
そのイベントに、週間くらい前かな、中村さん、広告炎上チェッカーさんからDMをいただき、
よかったら来てくださいませんかと言っていただいて、僕としてもぜひお会いしたかったので、
ありがとうございます。
お会いしたかったので、行きますっていうところで、こうやってやり取り始めたって形になるんですけども、
あんまり声でのコンテンツっていうのは出ない?出たことないですか?ラジオとかは?
一度NHKの毎朝というラジオで紹介されたことはあるんですけれども、
私が出るのは今回が初めてなので、ちょっと緊張しています。
嬉しいですね。
中村さんが初めての音声コンテンツをアドバターで配合していただいたというと嬉しい話なんで、
もう気になることしかないんですけど。
いろいろこの後伺っていきたいと思います。よろしくお願いします。
何でもしゃべります。
ではですね、ご紹介を僕からさせていただければと思います。
アドランプ代表中村ホールデン理科さん。
外資経営企業で広告コンサルタントを約3年経験後、イギリス大学院に特大生として留学をされております。
SNSのXでは広告炎上チェッカーとして広告制作プロセスに市民の声を届ける活動を行っていらっしゃいます。
国内外の大学や企業で広告倫理に関する講演やワークショップを通して、
100以上の広告を分析日英で50案の大案ワークショップを行っていらっしゃいます。
今回は日本に滞在しているという形になるんですか?
今イギリスの大学院生としてイギリスに1年間いるんですけれども、
ちょっとイギリスで頑張りすぎたので一時帰国という形で1ヶ月日本に帰ってきているというような。
頑張りすぎたってどういうことなんですか?
イギリスで炎上広告の大案を作るというプロジェクトを4ヶ月で回して、
イギリスでその大案と元の炎上広告を有識者のコメントとともに展示する展覧会を行って疲れました。
すごいイギリスで活動してて、ちょっとなんならバケーションぐらいの感じで戻ってきたという感じなんですか?
おっしゃる通りです。日本は暮らしやすいですからね。バケーションというような形で楽しませていただいております。
バケーションの一環でこの間イベントやられたりとか。
そうですね。
今大学院生というところでイギリスでの活動をやってらっしゃると。
ただ広告炎上チェッカー自体はイギリスにいるときに発信を始めているという感じなんですか?
このアカウント自体は1年前から始めていて、本当に自分が気になった広告を自分で分析するというところだったんですけれども。
そこから自分で分析していてもあんまりジェンダーだったり社会問題に対して自分はどれでも専門というわけではないので
人を集めて議論し始めてそこから代案を考えるようになって今に至るというような形になっております。
じゃあ始めたのは日本にいるとき?
そうですね。はい。
じゃあイギリスにいる期間で言うとどれぐらいになるんですか?
昨年2023年の9月から留学でした。
そうか。じゃあもうすぐ1年ぐらいって感じですね。
はい。
順番で言うと炎上広告について調べ始めてが日本にいて、海外イギリスに行かれて今はどんな形で活動しているというところだと思うんですけど
深掘るべきはあれですね。なぜ炎上広告を分析だったり始めたのかっていうところかなと思うんですけど。
そうですね。私は新卒で調査会社に入りました。
たまたま広告の担当になりまして、そこでクライアントさんから言われるのがこれって炎上しますか?しませんか?みたいなことを聞かれるんですね。
ただ上司にこういう可能性でこうだからこういう人は怒るよみたいなことを言ってもそれを私たちは伝える立場にないんですね。
クライアントは雑談として質問しているだけであって契約として提出するべきなのは広告の効果パフォーマンス、効果測定の結果なので。
というところで私はこういう広告って本当はジェンダーの観点だったり社会問題の観点から見たらあんまり受けが良くないのになぁとか思っても言えないっていうのに結構もやもやして
だったら自分で分析したり自分で考えて対クライアントではなくて社会の方に発信したら面白いかなというふうに考えておりました。
もともと広告業から始まったってことです。分析するっていうところですもんね。
そうですね。調査会社で行っていた業務内容は私広告コンサルタントっていうふうに呼んでいるのですが実際の内容は調査設計をして
放映前に広告を試しに消費者に見せてそこで質問をいっぱいするんですよ。楽しめましたか?この広告好きですか?みたいな。
それをスコア化してレポートにしてクライアントにここは楽しくなかったのでこういうふうに修正をかけましょうみたいな提案をするお仕事をしておりました。
そこをやってらっしゃったんですね。僕は直接関わりなかった分野ですけど
Vコンという動画を撮影とかいろいろ進める前にやるんですよね。ABテストみたいなの。
例えば今回の訴求に対してこういうプロモーションの仕方もしくはこういうプロモーションの仕方みたいなので案を出してそれを事前にチェックして評価が良かった方を詰めていくっていうことをやってたんですが
そこの分析されてた方なんですか?
そうです。
なるほど。そっか。
なので結構いろんなVコンと呼ばれるイラストで書かれたまだ芸能人の撮影する前の広告が芸能人がイラストで書かれている下書きみたいなものを見て分析するみたいなことを行っておりました。
CMだったりビジュアルもそうですよね。
はい。
そうなんだ。そこで広告担当されてて。
そうです。
いろいろお客さんからだったりとかいろんな人からの意見でこれは炎上しますかみたいな仲間さん的にはいわゆる評価すべきポイントではないところに質問いろいろあったってことですよね。
炎上しますかなんて分かんないですもんね。
そうですね。ありますとしか言えないですね。
そうですよね。
企業としては契約外なので責任を担ってはいけないのでやっぱり炎上する可能性はあります。
なぜですかって聞かれたらじゃあ追加で調べるのでっていう話になってしまうのでじゃあそれは別の企業に頼んでくださいっていうようなお話になってしまうと。
そこがたまっていったわけですね。なんとも説明しきれないし説明したところでそこは受けられているお仕事のスコップ外だったりするか。
そうです。
なるほど。そこから分析をやってた中で自分の中で進めていきたいなっていうふうに思われて。
そうですね。
辞められたって感じですか?
会社でフルタイムで働きながら広告の倫理ってどういうことなんだろうっていうのがちょっと気になって
モードツーラボという論文塾があるんですね。そこは結構経営者の方とか自分で学術を学びたい方が自主的に集まって論文を書くという塾なんですけれども
そこで私が広告倫理のトピックを扱って、日本広告学会の広告倫理の論文であったりだとか
それこそダイバーシティ&インクルージョンの論文を読んで知見を貯めていって
じゃあいい広告ってなんだろうみたいなところを学術的にまとめていました。
その貯まった知見をもとにツイッター上で広告炎上チェッカーというちょっと挑発的な名前を設定させていただいて
皆さんの目に留まるように設計してですね。炎上した広告についてああでもないこうでもないと分析をしていくというところで
フォロワーが本当にいきなりですよ。初めて2ヶ月とかで国際女性デーがあったので
その国際女性デーの広告が炎上したときに分析パッとしたらすごくバズってフォロワーが一気に3000人ぐらい付いたと思います。
すごい駆け足で話しましたけど、自分で論文とかを学術的にアプローチし始めたわけですね。
一件でも?
はい、もう審査始まるので。
厳しいですね。めちゃくちゃ。
そうです。なのでイギリスは割と面白くって、日本では結構こういう広告嫌だなっていう市民の気持ちがあったりとかはすると思うんですけれども、
イギリスは逆に市民の方がもうポリコレ疲れをしてしまってるんですね。
ポリコレちょっといいですか?聞いても。
はい、ポリティカルコレクトネスといって、外からこれはダメあれはダメって論理的に決めていくことだと思うんですが、
例えばですけども、ちょっとでも水着を着ている白人の女の子が写っている広告はもうすぐ撤去されてしまう。
それがなんか可愛さを推した広告なのか、性的に魅力を押し出した広告なのかっていうことをあんまり深く考えないというか、
あんまりそこは関係なくて、もう肌が露出しているイコール性的だ、じゃあ撤去だにすぐなってしまうっていうところで、
イギリス人の中では割ともう何でもダメじゃんっていうような雰囲気があると思います。
多分この後中羽さんのお話から出てくるワードで、市民っていうのはどこを指してるんですか?
めっちゃいい質問ですね。そうですよね。だって広告会社の皆さんは結構生活者とか消費者っていう言葉を使うと思います。
多分白宝堂の方が生活者っていうふうに使ってるのは市民に近い意味で使ってるんじゃないかなと思っていて、
消費者が消費をする主体であるっていうふうな意味で使われているのに対して、
市民っていうのはただ社会にいるっていう一般人のことですね。
なのでそもそもこの資本主義の世界で別に消費をするべきではないのに、
消費をされてしまっているみたいな文脈がもしかしたら入ってるかもしれないです。
僕はそれこそイベントも参加させていただいてて、中羽さんが市民っていう言葉をよく使われてるんですけど、
どこのことを対象にしているのかっていうのは若干その時はわからなかったんですけど、今おっしゃっていただいて、
消費者っていうのは消費している人を対象として喋ってるけど、市民っていうのは国だったらその範囲の中に住んでいる人たちだったりとかを対象と広くしてるわけですよね。
なんかそれって視聴者とか見た人っていうことではないわけですよね。
広告についてもう少しお話しすると、広告って二重の役割があるというふうに考えていて、
そもそも広告っていうのはやはり企業さんの売り上げを伸ばすためのツールで、
企業がお金を払って作っているものですから、もちろん広告の第一の目的は企業の利益を最大化することです。
僕もそう思ってますね。
僕らは広告代理店の方であったり広告主っていうのはそういうふうに捉えるべきだと思います。
ビジネスとしてやってらっしゃるので。
ただ社会的に広告を見たときに、広告って見えない教育として働くんですね。
どういうことかっていうと、ステレオタイプをはらんだ広告は、そのステレオタイプを社会に普及してしまうというような効果がある。
なので広告主は全然この思想を社会に入れてやろうとかは全然思ってないんですけど、
自然に広告はそういう働きをしてしまう。
なので気をつけましょうっていうふうなことがよく最近コーポレートガバナンスとかの文脈で言われると。
2000年代になってから特に強いですよね。
最近企業様から結構そういうお話で相談を受けるので、結構意識が高まってるんだなというふうに思いながら。
なので広告の第一の目的みたいなところを考えたときは、もちろん消費者に向けて広告を作ってるんだから、
それを見る人は視聴者だ、消費者だっていうふうに理解するのが普通だと思うんですけれども、
広義の意味で広告っていうものを捉えたときに、やっぱり市民もただ電車に乗るときとかただ街を歩いているときに結構目に入ってしまうっていうところで、
こっちは意図していない。人は意図していないのに広告からの思想であったり広告からのステレオタイプを内在化してしまうっていうところで、
そういう意味で市民っていうふうな名前で呼んでいます。
なるほど。国民じゃないっていうのはすごい、市なんだと思って。
その市民の市は国とか市の市ではなくて、多分社会に生きている人間っていう意味だと思います。
多分社会学出身の言葉なのかなと思います。
言いませんか、市民社会なので、いい市民になろうっていうときってだいたいゴミを拾いましょうとか、
お互いのことを思いやっていきましょうみたいなことが言われると思うんですけど、
多分その意味での、このみんなで生きている社会の一員としての人間っていう意味で使っているような。
その視点は社会学というか、そういうアカデミックなところからの言い方ってことですね。
そうですね、これもちょっと説明の仕方変えたほうがいいんですかね。
市民って僕が聞き慣れてないからだと思うんですよ。
そうですよね。
でも多分それってイギリスで勉強されているところを日本語訳していくと多分市民って言葉になっていくところが大きいと思うんで。
おっしゃる通りです。
アカデミックなところだとそういう言い方が正しいんだと。
今でもなるほどと思いましたね。
へーそっかー。
いろいろ話があれなんですけど、聞きたいことしかないんですけど。
学術的にいろいろアプローチをされながらも、お仕事辞めて大学にされてっていうところだと思うんですけど、
それこそイギリスで勉強されてて、最初は多分イギリスの広告とかについて発信されてたと思うんですけど、
どんどん日本の広告について多分中村さんもフォーカス、SNSのところで発信されてると思うんですけど、
なんかこうパッと見、僕はもうひしひし感じてるんですけど、やっぱり日本は遅れてるんですかね、やっぱりそういうところの。
そうですね。
えっと、イギリスと日本の炎上のあり方を比べたときに、イギリスってそもそも炎上する必要がないんですよ。
なぜならもう先ほどお伝えした通り、ちゃんとこれは良くない、これは加害的だ、みたいなことをちゃんと国として社会として基準を持っている。
だけど日本はまだ基準がないんですね。ジェンダーどうしたらいいんだろう、この社会問題ってこういう言い方していいんだっけ、みんながあんまりわかっていない。
それはガイドラインがないから、システムがないからっていうところなので、まあ遅れているっていう言い方をすればそうなんじゃないかなというふうには考えています。
そうですね、さっきお話しあったようにやっぱり面白いですよね。第三者機関が撤去する権限まであるって、すごい怖いことでもあるし、一個でもクレーム入ったらそれが対象になってしまうっていうところ。
日本も一応そのなんとか委員会とか結構、一応あるはあったりして。
ありますね、ジャローとか。
ステマとか。
ステマ規制、昨年10月から。
とかもあったりする中で、とはいえ確かに撤去するとかはクライアント判断だったりしてるんですけど、やっぱりイギリスは出港するときにちゃんとフィルタリングする機能はあったりするんですか?
事前に申請してOKが出るのかNOが出るのか、そんなところはなかったりするんですか?
多分そこがないというか多分オフィシャルにはやっていなくて、なぜかっていうと社会全体が悪い広告を許さない雰囲気、それこそポリコレが浸透しているっていうような言い方を私はしてるんですけれども、
一人一人がこういう広告は嫌だよね、すごく自覚的なので、事前チェックっていう方法をオフィシャルには多分ないと思うんですけれども、一社一社がすごく気を使って調べているっていうような傾向はあると思います。
もしかしたら企業によっては社内にそういう機能がある場合もあるってことですか?
はい、そうですね。
逆に広告会社で働いているときは、その審査的なものは社内チェックみたいなのはないですか?
あるとするならば、企業側のフォームと広告代理店のフォームのチェックぐらいで、例えば効果功能みたいな話で言うと薬事があったりとか。
そうですよね。
でもおっしゃるように、その多様性とかSDGsの観点だったりとか、その社会視点でのチェック期間はない。
だからこそ日本では結構炎上になってしまうなと思っていて、JAROっていうところが日本では法についての規制は取り扱うんですね。
これは古代広告だとか、薬事法の違反だみたいなことはちゃんとチェックするんですけれども、文化表彰、ジェンダーとかですね。
これは良いのか、これは健全なのかみたいなところはガイドラインがないし、基準がないので誰も禁止できないというところでJAROが多分あまり手を付けられていないところ。
私、過去のJAROが禁止した例をホームページから拝見したのですが、やっぱりこれは広告取り下げてくださいねって指示をされたところって全部古代広告とかが多いですね。
これを塗ったら肌が綺麗になるとか言って、そんな効果はありませんでしたみたいな。
ただやっぱりジェンダーがこんなに炎上しているのに、多様性、社会問題がいっぱい炎上しているのにそこが何もできないっていうのはやっぱりガイドラインがないっていうところになるんじゃないかなと思っております。
なんかそれで似たような例で言うと、メディア側にはちょっと厳しいところがあったりしますね。
そうなんですね。めっちゃいいですね。
LINEの広告を載せる方の媒体とか、JAROの広告枠とかですね。
あれもすごい面白いなと思うのは、結構あれなんですよ。載せたいですって広告会社、広告主さんから言われて、多分その掲載媒体の方はこういうのはダメ、こういうのはダメって決まりはあると思うんですけども、どうしても利害関係としては、
広告主側の方がお金を払って広告を掲載するっていうことなので、ビジネス利益と本当に相反してしまうんですね。それを止めるっていうことは。
なので割と機能していないことが多いんじゃないかなと思います。
例えばですけれども、LINEの広告、JAROの広告、たくさんこれはどうなんだ、これは女性をバカにしているんじゃないか、これは社会的弱気者の人をバカにしているんじゃないかっていうような文脈で炎上してしまっているものがすごく多くあるので、
そこにガイドラインとか決まりがあるとはいえ、やっぱり文化表彰についてはなかなかストップをかけられない状態なのかなというのが私の肌感ですね。
おっしゃるとおり、利害関係がやっぱり大きいと思います。
お金を払う側ともらう側ではあるから、やっぱり押し通すというかちょっとニュアンスを変えるとか、そういうことはされると思うんですけど、そもそも出さないとか、
途中で強制的に取り下げるみたいなことはできない状況ではありますね。
イギリスの撤去できる広告審査機関が何がいいかというと、完璧に独立した機関なんですね。
広告主、代理店、経済媒体と市民からも独立している機関になっています。
どういうふうに運営しているかというところなんですけど、広告主が広告を出すときに毎回1%程度のフィーを審査機関に払わないといけないというルール。
会員料みたいな感じですか。
イギリスで広告を出すってなったら1%の広告料はその審査機関に行くようになっているというところで、独立した機関になっているというところで利害関係が他とないというので、
そうやって撤去をちゃんとできるという力を持っております。
ちょっと強すぎませんか、その権限って。
そうですよね。
普通に考えると、そこの裁量ってものすごくイギリスの広告業界において、
強い力を持っているのかなって思うんですけど、そこら辺はどう捉えていますか。
おっしゃる通りで、なのでイギリス人が結構何も言えないじゃないかというポリコレ疲れというところになっています。
ただ、広告審査機関が実際にどういうふうに規制するか、撤去するかというところなんですけれども、
その機関で働いている人だけがダメって決めるんじゃなくて、
例えば、実際にあったので言うと、
ポリスオフィサーになりませんかっていう広告が、
白人の人がポリスオフィサーとして描かれていて、
受刑者の方が黒人の後ろ姿で描かれている広告があったんですね。
これは人種の意識が高いイギリスだと、
ステレオタイプを助長するっていう風な見方をされるんですけども、
これは一般論でもあると思うんですけれども、
イギリスの審査機関が何をやっているかっていうと、
ちゃんと社会問題とかステレオタイプとかコミュニケーションの社会学系の教授にアドバイスをもらって、
学術的にこれはステレオタイプなのか、ステレオタイプにならないのかみたいなところを聞いたりだとか、
広告主の意図はそもそも誰に向けての広告だったのかみたいなところをちゃんと調査。
広告主側にも聞いて、広告主の回答によって禁止するかどうかを決めるみたいなステップがあります。
なので広告主が、いやいやたまたまオフィサーの方が白人で受験者の方が黒人だったっていうのであれば、
多分審査機関はじゃあ複数広告案あったと思うんですけど、3案全部白人がポリスオフィサーなのはなぜですか?とか聞いたりとかするっていうので、
結構公平性を保つようにはなっていると思います。
いきなりもうバン!みたいなことじゃなくて、ちゃんとステップを踏んでいって取り下げるかどうか。
重要なことは専門家の意見と広告主の意見と広告内容に関わる人に意見をちゃんと聞きに行っているっていうところだと思います。
これが市民参加っていう言葉で多分社会学で言われると思うんですけど、広告のことだから広告の人だけで決めようではなくて、
ちゃんと広告に市民のいろんな人の声を聞いて、社会のための広告にしましょうみたいな文脈が強いのかもしれないです。
そう考えてやっぱり進んでるし、その機能が独立しているのはとても意味がありますね。
おっしゃる通りです。
日本にも入れてほしいと思っている自分と入れてほしくないなと思う自分もいるんですけど。
そうですね。難しいと思います。
なかなかそこによって、ちょっと広告って鮮度っていう部分もある中で、
すごい言葉選ぶなこれ。
あしかせっていう言葉は良くないな。
慎重にやっていかなきゃいけないことはもちろん、いろいろ現代あると思うんですけど、
ジャッジが本当の伝えたい人たち向けのジャッジじゃなくて、審査を通るためのジャッジっていうところにもなってしまう気がするなっていうのが、今のお話を伺って思いましたね。
おっしゃる通りです。多分広告業界で今働いている方々の正直な意見っていうのは、もうそういうものなんじゃないかというふうに思っています。
何が私はイギリスのこの審査機関進んでいるけれども、あんまり良くないなって思っているかっていうと、結局広告って企業のためのものなので、
企業が利益を上げるためのものなので、あんまり市民側とか消費者側に、社会側に優しいっていうことには割と無理がある。
この表彰がダメとか決めて撤去してしまうっていうのって、あんまり建設的ではないなっていうところがあって、
なぜかっていうと、一回広告を見せてるじゃないですか。
それって結局一回加害性を払った広告が社会に出てしまっているっていう時点で、あんまり良くないんじゃないかなと思って、
私がトライアルでイギリスと日本で行ったのは、広告制作前のプロセスに市民の声を入れることによって、
広告主も消費者市民も納得できる広告を作るみたいなことだったので、
もしこれが日本でできたら、市民と広告主の価値観がある程度同じになるっていうところで。
ずれないようにすると。
炎上は結局なくならないので、価値観の違いがある限り。
どんな広告を売っても、どっかの属性には嫌だなって思われたり、どっかの属性にはすごい良いなって思われるっていうのは絶対あると思います。
その上ですごく大切だなっていうふうに思うのは、ただ何も考えずに作って炎上してしまうとか、
それで取り下げて何億円のお金をなくしてしまうっていうよりは、
ちゃんと広告制作プロセスで、この属性の人はこういうふうに考えるでしょう。
この属性の人はこういうワードをこの事象と関連づけて理解するでしょう。
この属性はこういうふうに解釈するでしょうっていうのをバーッとリスクがわかった上で、
でも広告主は私たちはこの層にこういう方向でアプローチして、この商品を売りたいからこれを選ぶっていうリスク管理を徹底。
前提として私がやっているのは、炎上した広告の炎上しないであろう改善案を多様な人と話し合って作り直すっていうところをやっております。
これは広告業界で働いたことない人たちが議論して、この広告はもっとこうしたらいいんじゃないかっていうのを話し合うので、最初に私がやり始めた時は正直、まあでもプロが作った広告には勝てんじゃろってと思っておりました。
でも勝てないとしても、刺さらないとかうまく表現できないとかがあるとしても、市民が考えたらこうですよ、こういう風なのが炎上しなくて受け入れられやすいですよっていうのを提示できたらそれでいいなって、そこが目的になってはいたんですけれども、実際に大案50案ぐらい作って、イギリスと日本でですね。
広告業界のプロであったりだとか、コミュニケーションのプロっていうところにコメントをいただいたんですね。市民が作った大案について。そしたら元の広告より全然いいであったりだとか、確かにこの視点を入れることによってクリエイティブとしてもすごくうまく消化できるみたいな意見をいただいたので、広告のプロと市民が一緒に広告を作るって割といいクリエイティブを作れる一つの方法なんじゃないかなっていう風に考えが変わってきました。
手法としてってことですよね。
そうですね。
今おっしゃった50案っていうのはイギリスで援助した広告だけでは?
イギリスでは20案大案を作っていて、日本では30案で、なので今55案ぐらいあると思います。
プロって言い方もあれなんですけど、広告を実際に作られている人たちから見てもその視点は大事だよねっていうようなご意見も。
ブレイクスルーカンパニー5のクリエイティブダイレクターの戸川さんであったりだとか、ヤングカンヌで受賞されている飯島ゆめさんっていうところがコメントをくださったりとかするんですけれども、本当にいいものになってます。
ただもうちょっとプロの視点を入れるんだったらもうちょっとこういう表現にするかなっていうアドバイスをもらって、
じゃあ市民の声を聞きつつも最終的にプロがブラッシュアップするみたいな形態ができたらすごいいいのかなというふうに思っています。
なるほど。すごい活動ですよね。
僕はそれこそそこまでやらないとチェッカーじゃないと思ってて、
いわゆるここは良くないよね、あそこは良くないよねで終わってるケースってめちゃくちゃあったと思うんですよ、今まで。
おっしゃる通りです。
めちゃくちゃ世の中にあって、これは燃えるよとか、ここの表現は良くないっていうので終始してたところを、
中間さんの活動はもう一個先、何ならもう一歩二歩先に行って、その広告に対するアプローチ、そこから見えてきたものを社会として学んでいきましょうっていうスタンスまで持ってきているっていうところに非常に意義、意味のあるところなのかなと思うんですけど、
すごい大変そうですよね。
すごい私が大切にしていることをすごい分かってくださって、ありがとうございますという感じです。
結局炎上って批判して終わりで広告主が振り返りにくいんですよ、じゃあどうしたらよかったのって、みんなキモいとかうざいとか言うばっかりじゃっていうところで、
私としてはそういうのって不毛な議論になってしまうなと思うので、やっぱりせっかく炎上するんだったら。
炎上はなくならないとしてね。
せっかく炎上するんであったら、それをちゃんと学びに変えられる社会の雰囲気であったりシステムがあった方がいいんじゃないかなと思って建設的な方法をやっているので、
ぜひぜひ炎上チェッカーって聞いたら広告代理店とか制作会社の方々はワーって思っちゃうと思うんですけど、
私はぜひぜひみんなでいい広告を考えられるようになればいいなというふうに考えております。
1本目からめちゃくちゃボリュームあるんですけど、
次のエピソードでアドランプ代表というところで、実際の会社としての活動のところだったりとか、
いろいろ伺っていきたいなと思っている。
あと事例ですね、実際に取り込まれた大案というところの話も次の回で伺っていきたいんですけど、
1回目の締めのところでぜひ告知があれば伺っておきたいんですけど、いかがですか。
はい、特にこれっていう告知がないので、
普段やっている炎上した広告についての大案を作るワークショップを毎週木曜日に行っているので、
もし入ってみたいな、実際に広告作るってどういう感じなんだろうみたいなところを体験したい方は、
ぜひぜひTwitterのローマ字炎上チェックで検索していただいて、一緒に広告に。
それが一番ヒヤヒヤすんだよな、僕は。
でも全然、市民の声を広告に入れるっていう活動なので、
全然市民がプロを乗っ取るっていうことは全然できないことなので、
広告業界で働いている方はやはり今後とも今まで通りプロ意識を持って、
今まで通り面白いものを作れればいいんじゃないかなと思っております。
一個の自分の視点を増やすっていうところで。
おっしゃる通りです。
ぜひこれを聞いてくださっている方は興味、もう既にお持ちだと思うので、
中村さんのSNS。
基本はTwitterが中心ですか?
そうですね、今もうホームページとTwitterしかなくて、
ホームページはもうアドランプのもの。
Twitterはそろそろ名前変えないとなと思っているんですけれども、
炎上チェックがキャッチーでいいなと思って。