肉眼解剖学の重要性
よろしくお願いします。では、よろしくお願いします。本日はですね、北川さんに解剖学の知見でより良い医療を実現するというテーマでお話しいただければと思いますので、どうぞよろしくお願いします。
はい、では早速ですが、まずは北川さん、簡単に自己紹介からよろしくお願いします。
今ご紹介してもらった北川と申します。私の専門はですね、肉眼解剖学。肉眼解剖学って言うと難しいと思うかもしれないですけど、
目で見る解剖学。解剖学って本当に色々あるので顕微鏡の解いたりとか、主に本当に目で見てやることをやっているというので肉眼解剖学をやってまして、
この解剖学が医療につながるかというのを考えて、大体研究をやっています。
なるほど、少し解剖学と医療のつながりといったところをもう少し詳しく説明していただいてもいいですか。
医療をやるときに、例えば私は歯科医師でもあるので、歯科の話で話をしますけど、
例えば上顎のところの歯を抜くときとか、上の歯と顎の中に上顎道という空間があって、そこの距離がすごい近いんですけど、
なので診療所は気をつけないといけないんですね。下手すると穴が開いちゃうんで、この顎の中の空洞に。
そういったリスクとか、そういったのをまとめたりとか、数値がどのくらい距離が離れていたりとか、そういうのが分かっていなかったりするので、
今の上顎道の話だけじゃないですけど、体の中でちょっと間違えたら神経とか血管が傷つけちゃうよという場所のどのくらい距離が離れているのかとか、
そういう数値化したりとかして、診療している先生がやるときによりやりやすいようにデータを出しているというのが研究ですね。
医療現場での課題
なるほど。そういった知識っていうのは、今実際臨床現場にいるお医者さんとかって、大学、医学を学ぶときの知識としては、なかなかそこまで学ぶことって難しいものだったりするんですか?
そうですね。全く学んでいないことはないと思うんですけど、今の上顎道と奥歯のすごく近いところにあるっていうのは、一回試の国家試験とかにも出たことなので、ある程度皆さん知ってるんですけど、似たようなこといろいろあるので、
そういったのは学んでいない方が多かったり、あとは数値的なデータとか、そういうのまではもうご自身でいろいろ学ばないとわかんないですし、結構そういうデータ集めたり探すのって結構大変だったりとか、
皆さんお忙しい中、もう診療でお忙しいと思うので、なかなかそこまで手が回らないと思うので、そういうのを本当に体系化すると結構役に立つのかなと思っています。
現状解剖学の分野の中では研究されていることなんですけど、なかなか体系化されていない、まとまっていないっていったところを検索しやすい状態にするみたいなイメージですか?
そうですね。解剖学である程度わかっているんだけど、診療している人が知りたい形になっていなかったり、見つけにくい形になっていたりしているのを、診療している人が使いやすい形で出して、あとはちょっと足りないところもあったりするので、それは新たに研究したりしてまとめていますね。
なるほど。そういったまとめて現場で実際使いやすい形にする上で、何か重要な部分って一体どういったところになるんですか?
やっぱりいろんな方とお話をするってことだと思っていて、これは別に解剖の人と医療者の人が統一見解ができていないだけじゃなくて、他の医療者同士でも共通見解ができていなくて、それはただ当然のことで、皆さんエビデンスが少ない中、日々診療して自分の中でいろいろ考え積み上げているので、
皆さんの共通見解がないので、本当にいろんな医療者の方と解剖の人間が話をして、同じ歯科の中ですら経験した症例とかで、誰から習ったとかで考え方が違うと思うので、本当にいろんな方と話をしてまとめていくと、それを繰り返していくってことが大事だと思っています。
一回作ってそれが完成形なのではなく、それを元にして実際の現場のいろんな方々と対話をして、どんどんブラッシュアップしていくみたいなイメージですね。
そうですね、本言及でも今7人のメンバーで話し合っていくんですけど、このクラウドファンディングのプロジェクトが終わった後、さらにここでまとめたものを再評価するというプロジェクトをやることを考えていまして、何回もいろんな角度からいろんな方に見ていただくということが、より皆さんの活かせる。
論文出して終わりじゃなくて、実際の医療の現場で役立つという形につながっていくのかなというふうに思っています。
ありがとうございます。北川さんがこういった解剖学的リスクというものが、なかなかその医療現場の方々に対して有効的に今共有できる状態にないなというふうに感じたきっかけとかってありますか?
きっかけというと、いつそれを感じたかということですかね。
私がまだ教員になってばっかりの頃に、診療を教えている先生の講義とかのところに立ち会った時に、これ解剖学でみんな習ったよねみたいな話をしているのを聞いて、でも私はこれを教えてないよねみたいなのを感じることもあって、そういうのの中から徐々に感じていって、
私自身もいろんな友人とか自分自身の経験でそれを感じていて、これ誰が悪いってことでもなくて、どうしても医療がどんどん進歩していく中で、それぞれが専門を極めていった結果起きてしまったことなので、今なので解剖をやっている人間が中心になって、いろんな臨床の先生と話をして解決をしていかないといけないことかなというふうに思っています。
解剖学教育の必要性
こういった課題に対して、法学の方々というのは他にどういう取り組みをされていたりするんですか?
私はこの研究を始める前に、他の解剖の先生と一緒に、例えば同じ構造であっても、顎のところに顔面動脈で血管が通っているところにくぼみがあるんですけど、それがどういう理由でできたかもいろいろ諸説あるんですけど、
ここの部分の一つの名前に関してもいっぱい名称があって、個々の専門臨床の医療している人たちがそれぞれの医療の分野で違う名前がついていて、基礎研究している人でも違う名前がついていて、
とりあえずどの言葉がいいかなといろいろ調べて、使用頻度とか、なんでそう呼ばれているかとか、どれが一番いいよねみたいなふうに言葉を提唱する。どれが一番いいかって言葉を選んでいくことで、とりあえず皆さんの会話が通じやすくなるというのがありますので、
私はその研究だけじゃなくて、そういった研究は他にも解剖の先生がされていますので、そういうのは、すみません、質問に答えてますかね。人間が他の分野の人と一緒に、お互い臨床と解剖の研究を近づけようとやっていることの一つかなと思いますね。
たしかに用語が違うと、なかなかどう調べていいかわからなくなったりとか、検索しても出てこなくて、ただそれは載ってないんじゃなくて、他の用語で書いてあることが多かったりとか、そういうことも出てくるので、今回の研究、このプロジェクトでも、言葉の壁は出てくると思うので、
ブレスレーの分野の人が違う言葉を使っていたり、一応同じものを指しているように感じるけど、ちょっとニュアンスがみんな思っていることがずれているな、みたいなのが結構あると思うので、そういうのもまとめながらやっていかないといけないなと思っています。
確かにそのニュアンスとかまで含めて調整していくみたいな、なかなか大変そうな作業だなというふうに思うんですが。
それぞれの専門家が、事情があってその使い方をしているので、それが間違ってますよじゃなくて、学生さんにはどう伝えたらいいですかとか、研修員にはどう伝えたらいいですかとか、一般の方々にはどう伝えたらいいですかという形で、
そういうニュアンスになった、そういうふうに言葉を使って理由とかそういうのも踏まえながら、どう伝えていくかで何とかまとめていこうと思っているんですけど、いろんな方々には大変だよとは心配はいただいています。
今までも用語の研究はしてきているので、自信は持っていますけど、確かにかなり高い壁だなとは感じています。
なんかちょっと気になったこととして、例えばそれが英語だと説明しやすくなるとか、単語が共通であるとかっていうことってあったりするんですか、それとも英語の時点で単語違ったりみたいなこともあったりするんですか。
英語の時点で違ったりっていうのも多くあって、ただにわからなくなるのがそれを日本語にしていたりとか、わからなくなるのもありますし、
日本の昔の本当に解剖や技官の先生方が素晴らしくて、海外の言葉よりより実態に適した言葉を命名してくださっているようなこともあるので、そういうのを大切にしながらまとめていきたいなとは思いますけど、
すごく良いご指摘で、英語の時点でもすごいばらけていて、かなりそれを和訳しているので、すごいことになっています。
解剖学の分野って、ちょっとその続きとして、海外だと日本と海外の違いとかってあったりはするんですか。
基本はやっていることも、状況に関してもほぼ一緒だと思います。
その欧米でもこういった医療現場での解剖学知識のギャップみたいなところって結構課題になっていたりするんですか。
そうですね。海外でも課題にはなっていると思います。
ただ、日本よりも解剖学があまり教えられなくなっているような国もあるので、課題という点では一緒ですね。
解剖学が教えられにくくなっているみたいな、そういった課題ってなんで生まれているんですか。
本当に一人の医療者を育てようとすると、いろんなことを教えなきゃいけないので、
科学はどんどん進歩して、解剖学だけを教えるわけにはいかないというのと、
解剖が今回のテーマみたいに臨床に直結することになっていたら、もう少し時間をとっていただけた面もあるのかなと思うんですけど、
いろんなことが起きた結果、必ずしもそうなっていないので、
どんどん解剖の教育時間が削られて、解剖が必要なので、結局卒業後に皆さん自分で勉強されたり、サージカルトレーニングをされたりしているので、
そういった状況が起きているので、こういう研究を進めることによって、解剖の重要性というのを日本だけじゃなくて海外の方にも認識していただけて、
解剖教育の時間を確保しないといけないよね、卒業する前に資格を取る前に確保しないといけないよねという考えにつなげるのはすごく大変なんですけど、
そこにつなげる一つのきっかけになればいいなと思っているんですけど、
そこは本当にすごいいろんな理由があるので、他にも大切なものがいっぱいあるので、
簡単ではないですけど、ただ一つのきっかけにはなれるかなというふうに思っています。
ありがとうございます。そういった解剖学を学ぶというところの重要性を啓蒙していくと同時に、
学びやすくするというのが解剖学的リスクの体系かなのかなというふうに思っています。
おっしゃる通りです。
最終的に北川さんとしては、この解剖学的リスクをいろんな医療従事者の方々とか学生さんとかが検索しやすくする、
学びやすくするために、どういう形でアウトプットできるといいなというところがありましたら教えてください。
まずは世界中の方に見ていただかないといけないし、世界中の方に検証していかないといけないので、
英語論文という形ではまずは出すんですけど、その後雑誌とか日本語で書いたいろんな医療職向けの雑誌がありますので、
そういったところに出したりとか、あとはいろんなスタディーグループ、いろんな医療職の方がスタディーグループをやっていると思いますので、
そういったところとか学会とかで発表して広めていきたいなと思っていますし、
より本当に一般の方とか医療との連携を考えている工学の方とか、
そういった方にどう伝えていくかっていうのはちょっと今模索中で、本当にアカデミストさんの知恵を借りながら何度かやっていきたいなと思っているんですけど、
一般の方とか、本当にその医療系以外の医療系との連携を考えている方に発信するとしたら何かいい方法ってありますかね。
検索のプラットフォームみたいなものがウェブ上にあって、そこに対して、まずは専門の、例えば医療従事者の方とか解剖学の専門の方だけがコメントできる機能とかがあって、
ブラッシュアップできたりするとちょっといいのかなみたいに今お話聞いてて、すごいしろげながら思ったんですが。
なるほど、掲示板みたいなところに書いて載せて、そこをさらに専門家の方が修正していくと。
なんかウィキペディアみたいな感じ。
みたいな感じです。
なるほど、それは確かにいいですね。
そうするとアクセス数も上がるから、他の職種の方とか一般の方とか、この辺ちょっと調べて記事にしようというメディアの方とかも見るかもしれないっていうことですね。
確かにそれはいいですね。
ありがとうございます。
そういうアイディアとか、ぜひお持ちの方がいたら北川さんに連絡いただけると嬉しいですね。
お願いします。本当に今のお話もなんですけど、コラボレーションがすごく解剖学重要だと考えてて、本当にいろんなことに応えられるんですけど、
どういうことが役に立つか見えてないので、こういうことでちょっと協力してほしいんだけどみたいなことがあったら、
本当にどんな分野の方でも気軽にお声掛けいただきたいなと思います。
現在も本当にいろんな工学系の方とか、大金学研究者とか、いろんな研究者の方と解剖とか医療をしている人以外でも、もちろん医療系のいろんな方ともコラボしてますけど、
いろんな方と共同研究してまして、本当にいろんな方に学びながら発信方法とか研究してますので、
ぜひいろんな方にお気軽にお声掛けいただけるとありがたいです。
今お話を伺ってて、ロボット工学でも解剖の知識とかがあると、何か新しいものが生まれたりするのかななんてちょっと思ったりもしましたが。
それは本当に思います。
ちょっとロボット工学の方ってどっちかというと、解剖学を機能解剖として見ている方が多いと思います。
人体にこういう機能があるから、それをロボットに再現する。
人体にこういうリスクがあるから、簡単に怪我にしてしまったり病気になってしまうというのは、
そもそも解剖とか医療者の人間が共通認識を持っていないものを、ロボット工学の方が理解するというのはなかなか大変だと思うので、
これがまとまったら、そういう方々にも貢献できるんじゃないかなと思うので、
こういうふうにまとめてもらうと助かるよとか、そういう視点も出来上がる前からいろいろお声掛けいただけると、すごいありがたいですね。
ありがとうございます。
いろんな研究者の方とか、開発に携わっている方とか、いろんな方、ぜひ北川さんにお気軽に、
Xなんかも北川さんやってますので、声かけていただけるといいかなと思います。ありがとうございます。
クラウドファンディングの目的
最後、北川さんから、今実施中のクラウドファンディングについて、簡単にご紹介いただけますでしょうか。
今お話しいただいたように、解剖学の知見でより良い医療環境を実現するというクラウドファンディングをやってまして、
こちらの資金をもって、みんなが持っている体の構造なんだけど、怪我とか診療中に合併症を起こしやすいとか、
病気になりやすいみたいな構造についてまとめて、いろんな医療職と解剖の研究者でまとめてブラッシュアップしてリスト化するというのをやっています。
もうちょっと期限がクリスマスまでなんです。クリスマス。
もう結構迫ってます。ただまだですね、本当にいろんな方に応援いただいてるんですけど、
まだ46%で非常に少なくて、このままだと達成が危ういんですね。
なので、ぜひとも皆様ご存知のように1000円から登録できますので、ぜひとも皆様にサポートいただいて、
こういった取り組みをしている、私これ解剖学的リスクをブラッシュアップしていると言ってるんですけど、
こういう考え方って何となく皆さん、多分医療系の人は何となく思ってたんですけど、概念としてまとまってなかったので、
これを広めるっていうのもすごく大切なことなので、ぜひこの拡散の方もお願いします。
本当にクリスマスまでですので、皆さん本当に少しでも苦しい中だと思うんですけど、
解剖学の重要性
ご支援いただけると本当にありがたいです。
はい、ありがとうございます。こちらのですね、北川さんのクラウドファンディングのページですね、
ポッドキャストの概要欄なんかにも貼っておきますので、ぜひ皆さんそこからクリックしてページをご覧いただければと思います。
それではですね、本日は北川さんどうもお話いただきましてありがとうございました。
ありがとうございました。
アカデミストトークスをお聞きいただきありがとうございます。
アカデミストではクラウドファンディングにチャレンジする研究者を募集しています。
アウトリーチ活動をしながら、ご自分の研究に共感するサポーターを集めることに関心のある皆さん、ぜひお気軽にお問い合わせください。
それではまた次回、アカデミストトークスでお会いしましょう。