2023-10-23 15:17

荒木 勤 MetCom(株) 取締役CFO

ベンチャーとして、インフラ事業に挑むMetComは、地上波、基地局をベースにした3次元測位技術を提供しています。GPSの弱点を補強する、『高さ』の測位ソリューションは、世の中の不便さを解消する社会インフラとして、防災、人流補完、スマホアプリなどパートナーシップモデルを軸に、様々なシーンでの活用を見込みます。高さが生み出す新たな可能性について、インフラ事業への挑戦について語って頂きました。

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Location Weekly Japan 〜位置情報データビジネス最前線〜です。今日は、MetComの荒木さんに来ていただきました。荒木さん、よろしくお願いいたします。
よろしくお願いします。MetCom、荒木 勤と申します。
それでは、MetComさん及び荒木さんのご紹介をお願いします。
MetComは、創業4年の会社ですけれども、非常に大きな構想を持って、位置情報のサービスを提供しようとしております。
街全体で使える位置情報、GPSの弱点を補強するような、そしてGPSのバックアップを果たすような、そういうサービスです。
具体的に言うと、GPSや導きなどの衛星の仕組みではなくて、地上波の仕組みによってサービスを提供します。
GPSですと、不得意な屋内、地下、それから高さの問題、こういったところを解決し、セキュリティにも配慮したシステムです。
こちらによりまして、今まで皆様の生活で不便でありました、いろんなシーンで全て位置情報が使えるようになる。
これによって、位置情報を本物の社会インフラにしようと、こういったことで活動をしております。
一言で申しますと、そのようなサービスを展開する会社です。
荒木さんはどんな方なんですか?
いろんなベンチャーや大企業、それから公的セクターにもおりましたが、常に社会、それから暮らしをより便利にする、そういう大きな仕掛けをやっていきたいと思ってやってきました。
私は事業分野としては、事業開発や財務など、いろんなことをやってきましたが、こういった経験を生かして、ベンチャーの少人数の会社でマルチの活躍をしようということでやっております。
あれですよね、METCOMさんって結構通信業界にいらっしゃった方々で立ち上げた事業なんですよね。
そうですね。創業のメンバーは通信業界で長く経験を持ったメンバーが、こういった知見を持ち合って創業しました。
あれなんですかね、結構平均年齢高めですよね、皆さん。
そうですね、非常に業態を表してまして、やはりインフラ事業であり、許認可のかかるものであることから、やはり経験の長いものでないとなかなか難しいビジネスだと思うので、
大学生の勢いのベンチャーとはまた違う趣のですね、それでも光るベンチャーというところを目指しております。
なるほど、でも結構ベンチャーやるの大変じゃないですか。僕もベンチャー何社かやってきましたけど、なかなか体力勝負だったりするところあるのかなと思いながら、皆さん元気にやってらっしゃる感じで。
みんなそれぞれ思いを持ってですね、やってますので、これも楽しい人生の経験になると、おそらくみんなで思ってやってると思います。
今どのぐらいの規模でやってらっしゃるんですか。事業規模というか、人数的なところとか。
はい、人数で言うとですね、4人でやっております。
それから事業規模で申しますと、まだまだ実証実験段階ですので、まだ小さな会社ということです。
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夢は大きく、構想は大きく、着手は小さくということでやっております。
意外とあれですね、本当にベンチャーですね。
ですので、そうですよね、私自身もそうですけれども、このベンチャーの仕事をやることで、いろんな作業のところから大きな話までやるので、どうなんでしょう。
リスキリングを仕事を通じてできるという、今の政策課題にちょうど合ってるというふうに思っています。
いやでも結構あれですよね、経歴見させていただくと皆さん結構大企業にいらっしゃった方々ばっかりなのかなと思うんですが、どうですかベンチャーやってみてっていうのは。
そうですね、私自身はもう20年ぐらい前にベンチャーやってたこともあるので、また懐かしいことですけれども、やっぱり大企業の動き方とか考え方とベンチャーの動き方、考え方っていうのは違っている部分もありますので、それは変化を楽しむということでやれるのかなと思っています。
なるほど、ありがとうございます。せっかくなんで、事業の本題について少し質問させていただければと思うんですけど、GPSの弱点を補強するっていうことをどこから着眼されたんですかね。
こちらはですね、たまたまアメリカの私どもが組んでいるNextNavという会社がございますけれども、こちらの方に創業メンバーが出会ったというところが知るきっかけにはなっております。
その時に衛星ではなくて地上波という切り口でやるっていう考え方、ここが非常に斬新でもありコロンブスの卵であったっていうところがいい出会いだったのかなと思っています。
携帯のキャリアでの事業経験もありますので、地上波方式の重要性っていうのはやはりみんな身に染みて分かっています。携帯の基地局っていうのは町全体をカバーしていて、実用生活で非常にやはり欠かせない役割です。
これに対して衛星の通信システムっていうのは地上波を保管するっていうこういう役割でやってるわけですよね。ところが即位の世界っていうのは衛星の仕組みから発展したところがありますので、これで実はいろんなことができちゃう。
あとはローカルなスポット型のシステムがあればできるっていう発想で今まで世の中動いてたと思うんですけれども、実は実用域で言うとやっぱり地上波っていうところがないと不便っていうのがあって、結局それが当てはまるシーンが屋内であったり地下であるとこういったところだと思います。
そういう意味ではそのマクロ的な考え方で見ても非常に合理性のある仕組みだというふうに考えていて、それは創業メンバーも思ってましたし、私もそういう思いでですね、社会に欠かせないインフラのパーツだと思ってやっております。
なるほど。メットコムさんと言うとやっぱり高さですかね、3次元即位っていうところが特徴なのかなというのは思うんですけれども、そこに対しての技術の中身は多分詳しい話聞いてみんなよくわかんないのかなと思いつつ、何でしょう、その高さがわかることでの利便性というか具体的な想定されるインフラとしての活用シーンみたいなのを教えていただけますか?
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そうですね、皆様生活されるときにお家にいらっしゃる方でも平屋の方もいらっしゃれば高層ビルの方もいらっしゃいます。あるいは出かける先で高層ビルでお勤めの方もいらっしゃるし、ショッピングに至りましては百貨店なんかわかりやすい例ですけども、いろんな階層でいます。
こういった時の人々の位置を知る、これを安全安心に役立てたり、あるいはナビゲーションに役立てたり、あるいは位置情報そのものをマーケティングとして使う場合に高さがわかることで今まで見えなかった世界がわかる。自分がわかり、あるいはビジネスとしてわかってくることで利用シーンというのは非常に広がってくると思います。
それから地下も高さ、低さですけれどもわかりますので、こういったことでわかることでですね、やっぱり街がより安全になり安心になり便利になる。こういった側面が大きいのかなと思っております。
なるほど。そうすると何でしょう。ビジネス的な観点としてはスマートシティ活用とかそういったところを目指していらっしゃるという感じなんですかね。
そうですね。暮らしの安全安心、それから便利さ、両方の点からですね、スマートシティです。
なるほど。これは具体的にどんなビジネスにつながっていくんですかね。例えば広告ビジネスなのかとか、そういったインフラを提供することによる自治体に対してのビジネスモデルなのかとか、なんかそんなイメージですかね。
そうですね。最初のうちは比較的公共系の話が多いと思ってます。これはアメリカでの事例の参考にということですけれども、緊急通報をかけた時の人の位置がちゃんと司令台に伝わるとか、
あるいは救助に向かう消防の隊員の位置がわかることで安全な救助活動ができるとか、あるいは洪水とか水害こういったものがあった時に正しく避難する防災の観点、こういったところは公共セクターでの事例っていうのが作れると思ってます。
で、かたやビジネス的なところで言うとマクロの人流データ、こういったものはビジネスとして立ち上がっているんですけれども、こういったところに高さ情報が加わる、あるいはGPSでは今までキャッチできなかった人の動きがわかることでですね、よりマーケティング的な使い方っていうのの幅が広がり深さも深掘りできると、こんなことがあるかなと思ってます。
実際そのMETCOMさんのソリューションを使って取得できるデータってカバレッジは今日本全国なんですか?
はい、私どもも本当は日本全国できたらいいんですけれども、ベンチャーで当然営利企業としてやらなきゃいけないので、需要のあるところからということで進めてます。
具体的に言うと、今日現在垂直の位置がわかるサービスは東京、大阪の中心部でして、年末にはですね、これをもうちょっと大きな東半に広げるほか、それから名古屋ですとか札幌、仙台、福岡、広島、こういった主要都市に広げていく、このように進めております。
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なるほど、これ対応するとかカバーするのに結構インフラ的には大規模な投資が必要だったりするんですかね。
はい、当然これはですね、我々インフラビジネスで基地局というものを作って、それによってサービス提供範囲を構築していきますので、インフラ整備は必須です。
ただしですね、このインフラ整備っていうのは、我々のようなベンチャー企業でも何とか作っていける規模に工夫をしております。
一つは、我々のようなサービスっていうのは包装型の仕組みであってですね、マルチメディアの通信をやるような太いパイプの利用のビジネスではございませんので、非常に構造としては軽くできるということ。
それから全国つつ裏裏ってことではなくて、大都市、需要のある大都市から中心に始めていきますので、こういった順を持った展開をするということでですね、十分我々のような業態でもやっていけるような資金規模で投資ができるというふうに考えています。
なるほど。さっき少しお話でましたけれども、人流であるとかそういったマーケティング活用みたいなところをやる事業者さん、LBMAの会員でも結構いらっしゃったりするんですけれども、どうなんでしょう?そういった各事業者との連携みたいなこともできるんですか?
それともMETCOMさんのデータは独自でプロプライダリーなのかとか、その辺どんな感じなんですかね?
我々のビジネスはそもそもパートナーシップモデルが全ての基本になります。なぜなら我々の出す位置情報というのはそれ自体で何か商品になるわけではないので、必ずこれを活用してくださるパートナーさんというのが必須になります。
LBMAの会員様の企業にもこういったことに長けていらっしゃる方が本当にたくさんいらっしゃいますので、いくつかの会社さんとはすでにお話させていただいていますし、これからも広くいろんな方に対して共存共栄でできるというふうに思っています。
なるほど。どんな業種業態の方々がパートナーとしてMETCOMさんにお声掛けすべきですかね?
ありがとうございます。まずは今お話の上がりました人流データ分析、これを集積するということとそれを今度分析するというこういったレイヤーでされている方はすごく大きなパートナーになると思います。
その他ですね、位置情報を使ったシステムを作っているとか、あるいはスマホアプリを作っているとか、こういった方々っていうのは我々のモジュールをそのままお使いいただくことでですね、GPSの俯瞰地域をなくし、あるいは高さがわかるということができるようになるので、即活用いただけます。こういったところがまず今想定しているところです。
例えばその位置芸と呼ばれるようなスマートフォンの位置情報データを使ったアプリケーションみたいなものっていうのは、今GPSベースでやっていらっしゃる方がほとんどかなと思うんですけれども、そういったサービスに対しても連携できたりとかするんですかね?
もちろん可能です。これはやっぱりゲームのコンセプトをどう作るかっていうところとセットになるんですけれども、高さがわかる、あるいは地下にいても何かがわかるってことで、今までにないユーザー体験っていうのを作れるところとやりたいと思ってます。
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アメリカでは1、2例の事例が出てまして、やはり高いところのポイントに上がると不動産をバーチャルに所有できて、後から来た人が取れるっていうモノポリ的な発想のゲームなんかも出てますし、この辺はですね、やっぱり企画される方とかクリエイターの方といろいろ想像的に意見を出し合ってできればと思ってますので、これも絶賛募集中っていうことになります。
そうですね、私ももちろん結構いろんな位置芸やるんですけど、やっぱりちょっと高さ、地下に入っちゃうと場所がずれたりブレたり、ビヨーンって飛んじゃったりみたいなところってのが結構あったりするので、そういったところに対応していただけるのはすごい良いかなと思います。ちなみに地下鉄とかってどうなんですかね。
地下鉄はですね、位置取れます。これもともとGPSって二つの意味でやっぱり難しくて、一つはそもそも電波が届かないってことと、もう一個は高さがわからないっていう両方あるんですけれども、私ども今電波を使うサービスはですね、居人間待ちですのでやっちゃいけないんですけれども、高さがわかるサービスはやってます。
これで私もですね、東京でいろんな地下鉄乗ってみたんですけれども、実は何線に乗ってるかっていうのは、地下鉄の建設年代によって結構深さが違うんですね。わかるんですね。深さがわかることで、実は何線に乗ってるかってことまでわかってしまう場合もある。
ということがわかってきまして、一番あの典型的なのは東映大江戸線っていう大震度地下鉄なんですけども、あれはあの地下のジェットコースターっていうあだ名がついているぐらいですね。実はすごいくねくね曲がっていて、なおかつアップダウンがすごいっていうのが結構マニアの間知られてるんですよ。
それで一周回ってみたんですけれども、駅によって深さって全然違うんですね。これがわかることで実は水平の位置が仮にわかんなくても、高さだけでどこの駅にいるかがかなり絞れるってことなどもわかってきまして、まあやっぱ高さがわかることでプラスアルファのいろんな価値につながってくるっていう事例かなっていうのを思いました。
なるほどね。そんな話をお聞きすると、まあ防災っていう観点も全然もちろんあるんですけど、エンタメっていう観点でそういったデータを活用できるっていうのは非常に面白い展開。
そうですよね。
両面ですよね。
両面ですね。
いいのかなと思いました。ありがとうございます。
はい、そうしましたら最後にじゃあ今後のMETCOMさんの展望というか、どこ向かって全力疾走されるのかを教えてください。
はい、わかりました。改めて申しますと、私どものミッションは位置情報を本物の社会インフラにするということです。やはりGPS導きに頼るっていうわけにはいきませんので、こういった安全安心と便利さを支える基礎技術としていろんなパートナーさんと組んでいろんなユースケース作りたいと思っています。
そのためにLBMAの会員にもならせていただいているので、こういった輪を広げてやっていきたいと思っていますので、皆さんは一緒にいろいろやってまいりましょう。よろしくお願いします。
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はい、じゃあ今日はMETCOMの荒木さんに来ていただきました。お話いただきました。ありがとうございました。
どうもありがとうございました。
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