大葉 直史 新光運輸(株) 代表取締役
2026-10-05 15:25

大葉 直史 新光運輸(株) 代表取締役

「水の都・大阪」をデータで変える。船舶位置情報から生まれる新たなビジネス


今回のゲストは、大阪の河川や港湾で資材・機材の水上運搬を手掛ける 新光運輸株式会社の大葉氏。自社船舶の運行管理から始まった位置情報の取得を、観光船や清掃船など複数の船舶で共有し、安全な河川利用につなげる「Boat Mark」の取り組みについて伺います。さらに、水上タクシーや観光、防災など、船舶位置情報から生まれる新たなビジネスの可能性を議論。11月19日に近畿大学、LBMA Japanと開催する船舶データ・アイデアソンを通じ、「水の都・大阪」の5年後をどう変えていくのか、その構想に迫ります。

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サマリー

新光運輸は、大阪湾や大阪市内の河川で、港湾・河川工事の資材や機材を船で運搬している。自社船の運航管理から始めた位置情報の取得を、観光船や清掃船などにも広げ、船同士が位置を共有する「ボートマーク」の社会実験を進めている。大阪の水上交通や観光、防災利用が広がれば安全面で位置情報の重要性が増す一方、小型船舶の市場規模や事業者の多さから、位置情報ビジネスには課題もある。11月19日には新光運輸、LBMA JAPAN、近畿大学が船舶データを使ったアイデアソンを開き、大阪の河川を今後5年でどう変えるかを議論する。

新光運輸の事業と大阪の河川工事
Location Weekly Japan です。今週は、新光運輸の大葉さんにお越しいただきました。大葉さん、よろしくお願いします。
よろしくお願いいたします。
では、早速、会社紹介と自己紹介をお願いします。
はい。私ども、新光運輸株式会社はですね、主に大船と呼ばれる平べったい船を使いまして、主に大阪湾の港湾部、港の辺りの海上工事ですとか、大阪市内の河川の工事なんかに使われる資材ですとか、
機材、そういったものを水上で、船で運搬している会社になります。
私自身は先代から次いで、今4代目ぐらいにはなるんですけれども、もう60年、70年近くなる会社ではあるんですけれども、いろいろと、まあ、運ぶものをいろいろと時代に合わせて変えながら、仕事をさせていただいているという会社となります。
よろしくお願いします。
よろしくお願いいたします。
70年、まあ、じゃあ戦後すぐにっていう感じですかね。
すぐぐらいですね、はい。
なるほど。その起こりはどんな感じだったんですか?
元々は、港湾の2泊、要は港に大きな船が入ってきたときに、その荷物を小さい船に分けて下ろしていくような仕事からスタートしてまして、業種的には橋形業って言ったりするんですけれども、そういった仕事から始まって、現在は工事を中心にお仕事をさせていただいているというところです。
工事って何を工事されるんですか?
河川ですとか、港湾の工事になりますんで、例えば港湾部ですと、港を津波の対策として強くしていくですとか、新たに橋を架けるための橋脚を作っていくですとか、河川の方の工事でも、まあ、だいたい河岸、岸壁の工事を補強していくっていうようなもので、工材が必要になってくるんですけれども、結構大阪の市内ですと、もう川のすぐ裏が民家が立ち並んでたりしますんで、トラックでとてもじゃないけど搬入できないっていう場所も多くて、
そういったところに、もうそのまま船で直接運んでいって、船についてるクレーン船でそのまま工事をされるっていうところに、そういった資材を収めていくっていう仕事ですね。
はい。
すごいですね。初めて聞いた単語が。
そうですね。一般の方にはなかなか伝わらないお仕事ではあるんですけれども、よく普段一般の方でご覧になるケースがあるとすれば、最近よくあるのが河川の上ですとか、会場の上で打ち上げる花火大会がよくあるんですけれども、あの花火大会の発射台として使われてたりするのがよくあるケースですね。
なるほど。
それって結構毎日毎日船は通っているんですかね、河川の上を。そんなに注目してみたことがないので。
そうですね。もう工事のある時だけになってきますんで、常日頃から定期的に運搬している、要はなんて言うでしょう、そういう一般的な物流とはちょっとまた違う話になりますんで、工事のある時にはほぼほぼ毎日動いたりもしますけれども、そうでない時は全く稼働がないという日も多々あります。
なるほど。ありがとうございます。
船舶位置情報の共有とボートマーク
川を使った、なんて言うんですかね、ある意味我々LBMAなんで、そのロケーションデータですかね。
なので、船および川のロケーションデータっていうところから、今回LBMAにも参画いただいているんですけれども、どんなことをしていらっしゃるのかというのを教えていただけますか。
ありがとうございます。当初は弊社の船が今どこにいているのか、予定通り仕事が進んでいるのかといったものを把握するために、自社が稼働している船に位置情報が分かる、スマートフォンで位置情報を収集し始めたというのがきっかけです。
それを進めていく中で、大阪の市内の河川ですと、結構私どもの工事の船以外にですね、観光船も走ってますし、河川の清掃船なんかも走ってますし、人力でスタンダップパドルというサップを楽しんでらっしゃる方もいらっしゃったりして、結構河川の中にいろんな船がたくさん走ってはいるんですけれども、
そういった時に、うちのような敷材を積んだ大きな船が走ってくると、結構見通しの悪いところですとか、狭いところで服装するようなところですと、結構船長さんたちですとか、他の河川の利用者の方々が怖い思いをされるというケースがあったので、そういった意味では弊社の方で、社内独自で位置情報を取得してたというものを、ちょっと皆さん一緒にお互いの位置を明かし合いませんかと働きかけて、今進んできている、その導入を各社さんに進めていただいています。
大阪の市内河川の方で走っている船が、お互いの位置情報を船長さん同士がお互い分かるように取り組んでいるというのが、今回LBMAにも加盟させていただくきっかけになった事業となります。まだ本格的な事業としての形はまだ取れてないんですけれども、そういった意味で、社会実験に近いような形で、今各社さんに位置情報を取得していただいて、今集約していっているという状況にあります。
それが、今その背景に描かれているボートマークですかね。
はい、そうですね。
おめでとうございます。
水の都・大阪と水上ビジネスの可能性
それを今後活かしていきます。ちょっと最後にその辺のそれを絡めたイベントの話をお伺いしたいんですけれども、実際にその大阪の河での利用っていうのは増えているんですかね。それとも減ってきている。また今後どんな感じになっていくことが見通せるんですかね。
水戸都、大阪、水戸大阪っていう構想もちらっと向けしたりはするので、どんな方針で川の上の事業とか環境を展開していかれるのかなみたいなのがもしあれば教えてください。
私どもの本業としての工事船の運搬という意味では、それほど川の工事自体が増えたり減ったりというのは国家事業的なレベルで変わってくるものなんですけれども、いわゆるその水戸大阪の河川の全体のにぎわいという意味では、鉄道やトラックにとって変わられて河川の船自体は減ってはきているんですけれども、先ほどおっしゃっていただいたように水戸大阪というふうに大阪が水の都だというふうに、観光資源として活用していこうという動きがありまして、
昨今ですとインバウンド客が増えてきてたりですとか、昨年ですと大阪の関西万博が開かれたりですとか、今後IR統合型リゾートの開業の予定もあったりなどで、水の都としての衆運をもっと活用していこうという機運は非常に高まっていると感じています。
そういった意味で船自体が増えてきたときに、おそらく今まで事業されてた方以外の衆運の事業者が参入してくることも考えられますし、今後船の運航数自体がこの狭い川の中で増えてきたときに、今後危険なことになってきますよねというのは業界全体としても危機感としても持っていますので、そういった意味で位置情報を明かしてお互いの居場所を知らせ合うというのが必要性が増してくるのではないかなというふうにも考えています。
今は少なくともそのボートマークに関しては任意で活用できて任意で可視化した状態を見れるという環境なのかなと思います。
船の位置情報ってビジネス観点で言うと今までそれほど注目はされてこなかったのかな。どちらかというといわゆる人流データだったりとか、直接その他のビジネスに結びつきやすいものという意味とか、あとはコロナ禍においてのクラスターの確認とかそういうので注目を浴びてきたというのがあります。
そういった中で今年に関してはホルムズ海峡の封鎖だったりとかで船のデータみたいなところに結構注目が集まったのかなと思うんですけれども、その辺の影響とか、好影響悪影響どっちかわからないですけどもしあれば教えてください。
そうですね。ホルムズ海峡に代表されるようないわゆる国際的な海で起きている船の行き来といったものは非常にスケールの大きな話ではあるんですけれども、私どもの取り組んでいるドメインといいますかエリアでいきますと小型船舶と呼ばれるボートが中心になりますので、そういった意味では国際的な小型船舶と違って位置を明かす義務が国際的なルールでも制定されていなければ、
海と川も同じように誰でもが自由に使える公共財であるという扱い方をされていますので、非常に何か規制がかかってきているという話ではないんですけれども、直近その小型船舶のところでの注目を浴びたという観点から言いますと、
例えばシレトコですとか直近ですとヘノコですとか痛ましい事故が相次いでますので、そういった意味でもそういったときにその位置情報を取得したり明かしたりする義務がない船といったものは事故が起きたときにどこで事故が起きてどういう状態であるのかというのが状況把握が非常に時間がかかったりすることがありますので、そういった意味での機運といいますか安全に対する意識というのは小型船舶の主運を営んでいる方にとっては非常に注目をいただける話ではないですけれども、
船の事故って昔からあったわけじゃないですか。
言ってしまえばもう幕末時代、結構有名な中戸さんの船とミッドファンかどっかの船が衝突してどっちが悪いかで裁判になったみたいな、その話もあったりとかする中で、いまだにまだそういう事故があっても義務化とかされてないのはなぜなんでしょう。
一つは市場の船の事故としての、事故があったときには件数として非常に取り上げられるんですけれども、いわゆるその事業者数という意味でもボリュームとして非常にどんどん縮小傾向にあるというのが時代的な背景もありますので、そういった意味でそこに取り組む、またその事業を営んでいる方々も個人事業主であったりだとか中小企業といったところが非常に多いところでもあるので、
規制なり何なりで厳しく統制していくというのは非常に時間のかかる話なのかなとは思います。それともこの事故も含めて船舶の検査的なところですとかルールのところはここ数年で非常に厳しくもなってきていますので、そういったところの事故に対する意識というのは非常にここ数年で変わってきているのかなというふうには感じています。
すいません、先ほど一個手前のお話でビジネス関係のところでの人流と違っての船のロケーションとしてのお話にはなってくるんですけども、こちらも非常に市場のボリューム自体は小さいので、なかなか船の位置を使ってというのはなかなかビジネスとして成り立ちにくいというのは背景としてあるかなというふうには感じています。
ですけれども同時にこの大阪で水の都と言われているところであれば比較的その水上タクシーのようなオンデマンドの交通といったものの話であったりだとかもちょくちょく聞こえてくるようになってきてますし、災害時に陸上交通がダメになったときに水上交通でそれを代替していくというような防災的な観点からも比較的注目を集め始めてもいますので、今は非常に小さいビジネススケールではあるんですけれども、
実際なりにそれなりにニーズが出てくるんじゃないかなというふうには感じています。
船舶データ・アイデアソンと5年後の構想
そうですね、私も昨年かな、イタリアに行って水の都と言われるベネチア、本当に10年前とかはすごい水が汚かったのが政府が力を入れてすごくクリーンにしましたっていう話もありました。
そうですね、シンガポールなんかも川を中心に街を設計するみたいなことをされて、70年代とかに一気に水辺を綺麗に10年で全く綺麗にしてみたいな、そういった施策が実際の街の発展につながってきたみたいな、そういった事例はすごくあるんじゃないかなと思っていますし、
結局、それって国だったり自治体がどこと力を入れる、その結果としてどういったビジネスだったり社会的な豊かさが生まれていくかみたいな、そんなところをいろんな関係者が集まってディスカッションできればいいなというふうに考えた結果、11月にイベントをやりましょうという話になっておりますので、そのイベントの概要をお話ください。
ありがとうございます。今回、新興運輸とLBMA JAPANさんと近畿大学さんと協力して、11月19日に大阪の天馬橋にある川野駅8軒屋において、弊社が収集している船舶のデータを活用したアイデアソンを開こうと計画しております。
そこでは実際に船舶のデータそのものを見ていただいて、他の事業者さんとの協業でどういったビジネスが考えられるのか、どういった発展ができるのかといったものを広くディスカッションできる場になればいいなというふうに考えていますので、もしご関心のある方いらっしゃいましたらお声掛けいただければと思っています。
ありがとうございます。これはビジネスアイデアソンということで、我々は4月にも開催をして、かなり50名規模で大輝石を。新たなビジネスモデルをいろんな事業者ステークホルダーの視点から話し合う、ディスカッションし合うみたいな、そういったイベントの第2弾でございます。
なので、このイベントで河川のデータを使ってどうやってビジネスモデルを作っていくのか、そういった中でやっぱり大阪ですと、昨年2025年の大阪関西万博もしっかりなんですけれども、その跡地で予定されているIRの複合施設、家事の含めですけれども、そこに対して観光客、インバウンド客を運ぶ手段としての船。
ただそれはただの交通手段ではなくて、それを通ることでより豊かな体験を提供できるみたいな、そういったことをうまく形にしていく、ちょうどこれから5年間あるので、結構大きな構想も含めて話し合えるといいなというふうに考えています。
あとは事業者だけじゃなくて、今回近畿大学さんの学生さんたちですかね、にも一緒に参加していただけるということで、本当にいろんな視点で次の5年間を大阪の河川をどう変えていくのかみたいな、そういったディスカッションができるイベントになればいいなと。
で、LBMA JAPANメンバーもごく参加させていただこうと思ってますので、位置情報データ活用をしたビジネスモデルっていうのをそれぞれ持っている人たちが、河川の位置情報データに対してのビジネスモデルっていうところにどう向き合っていけるのかみたいなところは、この先を含めディスカッションできればなと思ってます。
ありがとうございます。
最後に主催者としてのおばさんの意気込みをお願いします。
単に位置情報のデータというのは、陸上を含めてたくさん取得されて、先ほどご紹介いただいた人流なんかも含めてたくさんあるんですけれども、船の事業者が複数集まって、それを共有し合っているという例としては、なかなか例がないのかなというふうにも思っていますので、単独の主要の事業者さんが取り組めないことでも、複数の事業者のデータを使えば、何か新しいアイデアも出てくるのではないかなと思います。
そういった意味で、特に5年後を考えた時には、船の形ですら変わってしまっている可能性もありますので、広く自由な発想で皆さん参加いただければ嬉しいなというふうに思っています。
ありがとうございます。
今日は新興運輸のおばさんにお話を伺いました。
おばさん、どうもありがとうございました。
どうもありがとうございました。
15:25

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