第4回 エディントンへようこそ:アリ・アスターの狂気と2020年の「三密」
2026-01-08 40:17

第4回 エディントンへようこそ:アリ・アスターの狂気と2020年の「三密」

映画ファン歴40年の父(あわわっち)と映画学科の息子(あっつ)が、日本公開されたばかりのアリ・アスター監督最新作『エディントンへようこそ』(2025)を語り合います。

A24が放つ「全てを焼き尽くす炎上スリラー」の正体とは?

【理解:アリ・アスター作品の「4象限」分析】

『ヘレディタリー』『ミッドサマー』『ボーはおそれている』を経て、本作は監督のキャリアにおいてどのような位置付けなのか?ベテラン映画ファンあわわっちが、「オカルトの有無」と「視点の数」という独自の切り口で過去作をマトリックス化。予告編の「ブラックコメディ」という宣伝文句に潜むミスリードを、鋭く「理解」へと導きます。

【共感:2020年という「見えない敵」との戦い】

物語の背景は2020年、コロナ禍のロックダウン下にある小さな町。マスク着用に端を発する保安官(ホアキン・フェニックス)と市長(ペドロ・パスカル)の泥沼の争いに、当時の「三密」を避けた生活の息苦しさを重ね合わせます。さらに、あっつが実際に経験した「ホテル隔離生活」での一人『ショーシャンクの空に』ごっこの爆笑エピソードなど、当時のリアルな感情に「共感」するパートも必聴です。

【空間設計:ニックネームが繋ぐ「親密な距離感」】

冒頭では、我が家で「お父さん」「お母さん」と呼ばず「あわわっち」「リーダー」と呼び合う独特の文化について深掘り。役割ではなく個人として向き合うためのツールとしてのニックネームが、どのように「リベラルなアメリカ人家庭」のような親密な空気感を作っているのか。その結果論としての功罪を親子で笑い飛ばします。

商業的芸術としての映画の在り方から、SNSによる情報のカオスまで。アリ・アスターの術中にハマりながらも、親子二代の視点でその「香ばしさ」を味わい尽くす40分間です。

次回はデイミアン・チャゼル監督の『セッション』!若き映像作家たちの熱量を比較します。

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