「忘れられた大物俳優は、人生の何を数え直すのか。」
Netflix『俺のこと、なんか言ってた?』を完走しました。役所広司さん演じる大物俳優・高瀬川玄は、2年ぶりに帰国すると世間からも家族からも忘れられていました。最初は承認欲求の強い男のコメディとして観ていたのに、途中から別の面白さが見えてきました。
仕事で出会う「あれは俺がやったんだよ」と過去を語る人たち。高瀬川は、その極端な姿にも見えます。ところが彼には、過去の栄光を確かめてくれる人が誰もいません。肩書きや評判は、実は他人の記憶に預けてあるだけだった。その設定が、人生の棚卸しにつながります。
資産だと思っていたものは強がりで、借り物だと思っていた進路には父親の愛情がありました。さらに、家族に払ってこなかったものは、彼の中に残っています。仕事だけでなく、親、妻、子供との関係まで並べ直す姿に、笑いながら元気をもらえる作品だと思いました。
今回は、宮藤官九郎さんと磯山晶さんのシリーズを、人生の棚卸しという見方から話します。物語の展開と『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』の結末に触れます。本作の結末には触れませんが、鑑賞後に聴くことをおすすめします。
▼話したこと
・役所広司主演の全8話。世間と家族から忘れられた俳優が再起を目指す
・過去の仕事を自慢するおじさんと、承認欲求の強い主人公が重なる
・スパイダーマンと逆向きの忘却が、自分の過去を証明する手段を奪う
・栄光、父親の愛情、家族への借りを、3つの棚卸しから見つめ直す
・転生せずに周囲の記憶がリセットされ、同じ体で人生をやり直していく
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