2023-12-17 20:42

EP.049 医師1人育成するのに1億円の税金が投入されているというのは本当か?

元動画:
https://www.youtube.com/watch?v=Mms1LA3oDDk

サマリー

医師1人を育成するのに1億円の税金がかかると言われることがありますが、実際には税金投入額はそこまで高くありません。医学部の教育費用はざっくり1000万円程度です。大学病院の維持には多額の経費が必要で、それは国や国民のために医学の発展や医療レベルの向上に利用されています。医師1人を育成するのに1億円の税金がいくら投入されているのかは分かりませんが、医学生や医師の給料は非常に低く、働き方も過酷です。

医師の育成費用についての誤解
はい、こんにちは。今日はインスタグラムフォロワー様からメッセージでご質問いただいております。ご質問は、医師1人を育成するのに1億円の税金がかかっているってよくネットで言われていますが、これって本当ですか?というご質問なんですけれど、
医者1人育成で1億円、1億円はかからないですね。これよく言う人いるんですけど、医者1人育成するのに1億円とか、あと5000万円とか言う人いますよね。
なので、よくネット上で言われているのは、医者になるのに税金が投入されているから、医者になったら国とか国民に恩返ししろとか、あと女性で医学部卒業して医者になって、ちょっと働いて、結婚して、妊娠して、出産して、ずっと仕事ができていない女性の医師の方っているんですよね。
そういう女性の医師に接触している。
せっかく税金を投入して医者になったのに、医者として働かないで、この税金泥棒とか、税金を返せとか言う人もいるし、あとは医者になって美容外科とか美容皮膚科とか、美容医療、自費診療の方に走って、税金を投入して医者になったのに美容に行くなんて、だったらもう税金返せ、この税金泥棒とかですね。
そういう一般の方とか、あと政治家の方でもね、時々。
そういう人もいらっしゃるんですけれど、まず1億円は絶対ないです。
でも5000万円もないですね。
医学部って6年間通うわけですよね。
だいたい1学年100人ぐらいいるわけですね。
なのでもし、医学部6年間で1億円の税金が投入されているとしたらですね、
大学に医学部で毎年100億円の税金が医学生のためだけに投入されているっていう計算になるんですけど、
これはね、普通にありえないです。
僕も6年間医学部の大学に通ったんだけれど、6年間で1億円分とか5000万円分とかの教育を受けたなっていう実感は正直ないですね。
これは僕以外の医者とか、
医学生でもほぼみんな同じ意見だと思います
計算の仕方が難しいから曖昧になって
適当な数字をもらえちゃうっていうのもあると思うんですけど
基本的に医学部の6年間って
僕の場合は1年生から4年生までは
ほとんどが教室で授業を受けるんですね
あと実習とかもありますね
生理学の実習とか解剖学実習とか
授業っていうのは授業をする先生は医者が多いですね
基礎研究をやってる医者とか
あと臨床のお医者さんとか
正直な話、これ医者によるんですけれど
そんなに真剣に授業をやってくれない先生が多かったりします
特に臨床の先生なんかは
普段普通に病院で働いてるんですよ
大学病院で外来やって手術したりとか
会心したりとか
忙しいんですよね
その片手間で90分の授業をパーッと来て
適当にパッパッパーって喋って
プリント配って終わる感じで
そんなに教育に時間と労力割いてないっていう風に
正直感じます
これは本当に医者によりますけれど
中にはすごい真剣に授業を準備してくれて
熱い授業をしてくれる先生もいます
基礎の先生なんかは特に教育熱心な先生もいて
正直な話ですね
片手間で授業をやってるっていう先生が多いですね
あとは教科書とかたくさん買うんですけど
基本自分でお金払うんですよ
だいたい1冊1万円とか高いと2万円とか
医学省って高いんですけど
それを毎年10冊20冊とか買ってたかな
それを自分で払うわけなので
それは税金とか関係ないですもんね
基本的にね
あとは実習は
例えば1年から4年までの実習はね
例えば生理学実習とかなんかは
マウスとかカエルとかウサギとか
そういう動物を使う実習とか多かったわけで
もちろんそういう動物を管理するのにも
お金かかってるだろうし
それを指導してくれる先生にも
それなりのお金が支払われてるってことになると思うんですけど
それは大学から給料が支払われてて
うちのですねどれぐらいが医学生のための教育の分のお金かっていうのもね
計算しづらいんでねすごく難しいんですけど
あとは解剖学実習っていうのがありますね
僕らの時は2年生の時と6年生の時に解剖学実習っていうのがあります
解剖学実習っていうのは
人間の体を解剖させていただいて
勉強させていただくわけなんですけど
自分の体を死んだ後に
検体してくださる方がいらっしゃるわけですね
その検体していただいた体で
みんなで解剖させていただいて
勉強させていただくっていう流れになるんですけど
基本的に検体していただく方はですね
ボランティアです
なのでボランティアで本当にありがたいことに
医学生のため日本の医学の発展のために
検体してくださるわけですよね
もちろんその体をホルマリンにつけて保存して
管理したりとかそういうのにも
もちろんお金はかかっていると思うし
そういう施設にもお金はかかっていると思います
基本的に解剖学実習っていうのは
医学生3人に1体の検体で勉強させていただく
それが2年生の時と6年生の時に
それぞれ1体ずつ勉強させていただくっていう流れになりますね
あとは5年生はポリクリっていって
病棟を実施していただくという流れになりますね
ポリクリの実習なんですね
教室で授業を受けるではなくて
実際に大学病院の病棟とか
手術室とか救急とかICUとか
そういうところを見学させていただいて
あと患者さんを受け持ちさせていただいて
問診取ったり診察させていただいたりとか
そういう勉強をさせていただくんですけど
その病棟実習ポリクリの1年間って
過にもよるんですけど
大部分がほったらかしになることが多いです
中にはものすごい熱心に
月切りで教えてくださる先生とかもいらっしゃったんですけど
基本見学なので
大部分が放置なんですよね
もちろんそれレポート書いたりとかして
それを見てくださって評価してくださったりとかする
教授の先生とかね
女教授の先生とかもいらっしゃるわけなんですけれど
基本的に医学の勉強とか
自分で勉強するものなんですよ
教科書とか参考書とかで勉強して
だけど本で読むだけ写真見るだけとかだと
やっぱり不十分なので
やっぱり病棟実習の1年間っていうのは必ず必要です
実際に手術見たりとか
病気の患者さんを見させていただいたりとかすると
より本で読んだことが頭に入って
国家試験にもそれが有益になったりとか
あと実際に医者になった後でも
それがプラスになるってことがあるわけなんですけれど
なので医学部の6年間ってね
先生が学生にものすごく熱心に
みっちり教えてくれるっていうのも
本当にケースバイケースなんだけど
さすがに5000万円とか1億円分はかかってないなっていうのは
すごく感じます
実際に病棟実習とかでも
臨床の先生が教室で授業をするのも
その先生たちは大学病院から給料をもらってて
臨床の仕事だけじゃなくて
大学病院の教員として授業もやりなさいとか
病棟実習に来た学生にも
ちょっと教えなさいっていうスタイルなんですよね
だから実際にその先生たちが
いくら分学生のために働いてるかっていうのが
計算しにくいわけですよね
大学病院の維持にかかる費用
ただし大学病院を維持するのにはお金がかかるんですよ
これはもう絶対お金はかかります
大学病院っていうのは
普通にある民間病院とか診療所とかとは違って
高度な研究とか高度な医療
最先端の医療が行われてるわけです
最新式の何億円もする機械とか
手術機器とか検査の機器とかね
たくさんあるわけです
基礎研究も最先端なことであれば
それだけお金はかかるわけです
なので大学病院に維持するのにはお金はかかるんですよ
それに対して税金がたくさん投入されているのは確かです
ただそこにかかってるお金っていうのは
もちろん医学生のためっていうのも
少しはあるわけなんですけど
基本国とか国民のために使われてる
お金なんです
それによって日本の医学が発展して
結果的にたくさんの命を救いますと
日本の医療のレベルを上げますっていうために
使われてるお金なんですよね
やっぱり基本的に大学病院を維持するのって
普通の病院の治療費とか検査費とかの
病院の売り上げだけで維持するっていうのは
もう厳しいわけなので
やっぱりそこに国からの税金が投入される
っていうのは当然なわけでございます
だけど国から税金が投入されてるのは
研究施設の維持とか研究費
基礎研究臨床研究とかのために使われてるっていう風に
基本やっぱり実際に大学病院で働いても
そういう風に感じるわけです
なので実際に医学生の教育費用だけっていう点で見れば
医学部の授業料と教育費用
どれぐらいのお金が6年間でかかってるかって
いうとこれ計算できないんですけれど
ざっくり計算するとですね
いろんな人が計算してるんですよ
実際医学部で教育受けた人とか
教育現場にいる人が
よく言われてるのは6年間で1人当たり
700万円とか1000万円とか
それぐらいかなっていう人が多くて
僕も大体そんなもんかなと思います
これはもちろん大学にもよるわけなんですけど
じゃあ医学部の授業料ってどれぐらいかっていうと
大体国公立大学は6年間で350万円とか
それぐらいですよね
私立大学になると6年間で
本当に大学にもよるんだけど
3000万円前後なわけですよね
なので私立に関しては
実際に受けてる教育以上のお金を払ってると
僕は思います
本当にいろんな意見があると思いますけど
国公立に関しては
授業料が安くて
随分プラスアルファぐらい
税金によって医学教育を受けてるってのがあると思うんですけど
それは5000万とか1億ってレベルじゃなくて
数百万円ぐらいだと思うんですよね
なので税金泥棒とか
国や国民に恩返ししろって
そこまできつく言うことはないんじゃないかなって思います
もちろん医者になった以上は
国民のお金を払って
国のために貢献すべきっていうのは
もちろんあると思いますけれど
じゃあ一人育成するのに
5000万1億って言う人いるけど
5000万とか1億っていう数字って
一体どこから来たの?
何の根拠があってそういう数字が出てくるの?って
これも本当によくわからないんですけど
例えば国から大学に支払われると
いわゆる運営費交付金とか補助金ってありますよね
それが大体大学にもよるんですけど
45億円から55億円とかそれぐらいなんですよね
医学生と研修医の給料と働き方
本当に大学によって全然差があるんですけど
医学部の定員が大体1学年100人だとすると
6年生いるんで600人いるわけですよね
なので45億円とか55億円とか
っていうのを定員600人で割って
かける6年ってなると
大体5000万円とかになるわけで
あとそれ以外にかかってる
お金とかいろいろプラスして1億とかね
そういう数字を乱暴に出してるんじゃないかなと
適当に出してるんじゃないかなって
思うわけなんですけど
やっぱり最初にお話した通り
大学病院を維持するための税金っていうのが
投入されてるわけなので
その補助金がですね
全て医学生のためだけに
使われてるわけではないんですよね
というのが僕の意見でございます
僕自身はどうかっていうと
僕6年間大学通って
その後医者になって
8年間大学に所属してたんですよ
医者になってから
最初の2年間は研修医なんですよね
研修医の給料は僕の時は月16万円でしたね
それプラス大学病院の時間外当直
救急の当直っていうのが
だいたい月に3回か4回ぐらいあって
それが1回1万円だったんですよ
めちゃくちゃ安いですね
ほぼ休みなしで
月の3分の1ぐらいは家帰れなくて
病院で寝泊まりするっていう
過酷な
2年間を送ったわけですよね
なので例えば当直
当直ってね
時間外当直って15時から
次の日の朝8時まで働くんですよ
もちろんそれまでの間は
普通に病院勤務してて
時間外当直やって
その次の日からは普通に
ほとんど寝てないまま
2時間ぐらい加眠することはあるんですけど
働くわけなんですけど
時間外当直1回1万円って
めちゃくちゃ安いですからね
だって
15時間働いて1万円なんで
時給換算すると660円なんで
いつもみんなで
コンビニのバイトより安いねって言いながら
寝ずに救急やってたんですよ
医者の給料と納税
コンビニより安い時給で
人の命を預かって
なおかつ自分自身もディスクを負って
厳しい環境で働いてたわけです
すごい安い料金で
給料で働いてたし
研修医の給料で働いてたし
16万円っていうのもですね
まあ普通に考えてちょっと安いなって思いますね
もちろん研修医なんで
医者になったばっかって
本当に何もできないんで
勉強させていただきながら
労働するわけなんですけど
労働時間ってめちゃくちゃ長かったわけですよ
大体朝の7時から夜9時10時とか
あるいはもうそのまま寝ないで
夜中まで働いたりとか
あと何ですか
別にお金ももらわないで当直やったりとか
普通にあった
わけですよね
研修医2年終わって
その後4年間
僕は大学院に行ったんですよね
大学院なんで
給料は出ないんですよ
学生なので
だけどただ働きするんですよ
病院の中で普通に
それが当たり前だったんですね
今の時代は分かんないんだけど
当時もね
今でもそうかも分かんないんだけど
大学院生ただ働き当たり前ですよ
って感じだったのね
大学院なんで
学費を払うんですよね
自分で払うんですよ
それが
大体年間で
100万円ぐらいだったかな
ただね
だいぶ4年間の3年目だけはね
外病院に1年間行っていいっていう
謎ルールがあって
その時は群馬県立大がんセンターに
1年間行ってて
そこは普通にがんセンターで
形成外科医
統計部外科医として働いて
そこは月30万ぐらいの給料が出ましたね
それプラス土日は
高津クリニックでバイトしてました
そこで高津クリニックから
普通に仕事して
給料もらって
っていう形でしたね
ちなみに大学院の1年目2年目と
4年目は土日
毎週土日高津クリニックでバイトして
それが収入源で
そのお金から学費払って
それで生活してっていう感じなんですよね
で大学院4年間終わって
卒業して医学博士取って
その間もちろん研究してるんですよ
研究しながら大学病院でただ働きして
普通に外来やったりとか
手術したりとか
会心やったりとか
当直やったりとかもしてるわけですよね
でその後2年間大学の助手として
普通に形成外科医局の中で働いて
そこでは月40万円ぐらい給料出たかなと
はい
でその時も
土日は高津クリニックでバイトして
そこからもお金もらってるっていう形なんですけど
なので
医者になって8年間大学に所属して
その間でもやっぱり学生はですね
病棟実習で回ってくるんで
その間は別に普通に僕学生に指導したり
教育したりとかも
自分の時間を割いてやってたわけで
その労働に対して
まあ何ですか
女子の2年間の時は月40万円の給料っていう形だったと思うんですけど
まあ普通に考えて労働時間とか
労働の過酷化さに比べると
ちょっと給料安いなって
普通に考えて
普通にサラリーマンとか公務員の人と比べても
安いと思います
という感じなんですよ
なのでこれは医者にもよるんだけど
医者になってから大学に所属してた場合なんかは
かなり安いんですよ
安い給料で呼気使われて搾取されてるんで
もう仮に国公立6年間で350万円の
何ですか
学費だけで医者になって
多少自分の教育のために税金が投入されてたと思うけど
それは大学で働いたら
あっという間に消化されます
もうそれ以上の労働をしています
まあこれもまあ
大学に所属するかしないかとかにもよりますけど
だけどそれ以外でも医者になれば
基本的にお金を稼いで
多額の納税をするっていうことにもなるし
まあまあそれ考えるとですね
やっぱり最初に話した
税金で医者になったんだから
その恩返ししろとかね
税金泥棒とかね
まあそういう風に言われるのは
ちょっとおかしいかなっていうのが
僕の意見でございます
でございます
はいという感じで
まあ大抵僕以外のね
医者とか医学生も同じ意見だと思いますけど
これね人によって意見違うと思いますんでね
僕と違う意見の人は
遠慮なくコメント欄にお書きください
はいご視聴ありがとうございました
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