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2021-08-07 13:00

Ep2. レンズのルーツ

レンズのルーツについて、調べたことを共有します。

参考文献

  • 図解 レンズがわかる本 (VISUAL ENGINEERING) 永田 信一(日本実業出版社、2002年)
  • 図解入門よくわかる 最新レンズの基本と仕組み[第3版] Kindle版 桑嶋幹(秀和システム、2020年)
  • 「レンズ」のキホン (イチバンやさしい理工系) Kindle版 桑嶋 幹(SBクリエイティブ、2010年)
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皆さんこんにちは、イチゴカメラです。
イチゴカメラの2回目は、レンズのルーツについて調べたことを共有していきたいと考えております。
なぜこのレンズのルーツについて調べ始めたかというと、
数ヶ月前からカールズツーアイズの歴史を調べようと思って、
10冊くらい本を買って読み込んでいったら非常に面白くてですね、
今も調べて良い良いコンテンツ化したいと思っているんですけれども、
このカールズツーアイズは、カメラが好きな方なら誰しもが知っている
ドイツの総合光学機器メーカーであります。
カメラが好きな人なら憧れのレンズとして、
カメラのレンズを作っている会社というふうに思われているかもしれないんですけれども、
一番最初、創始者であるカールズツーアイズさんが何を作っていたかというと、
顕微鏡なんですよね。
顕微鏡をドイツのイエナで小さな工房を開いて作っていたと。
後に、エルムストアッペと組んで、光の解説現象を調べながら
顕微鏡の開発を進め、顕微鏡の解像度を飛躍的に高めることに成功して成長していった。
そういう経緯があるんですけれども、
そういう経緯に至る前のカールズツーアイズさんの老いたちとかも調べていて、
非常に面白いんですけれども、
カールズツーアイズさんが生まれる前に、レンズがどういう経緯をたどって成長していったのかというところを調べました。
本は3冊ほど読みまして、その参考文献、一応名前を挙げておくと、
2002年、日本実業出版社から出ている長田新一さんが書かれた、図解・レンズがわかる本。
2冊目が、桑島美希さん、昭和システムから2020年に出ている、
図解入門・よくわかる最新レンズの基本と仕組み第3版。
3冊目が、こちらも桑島美希さんのSDクリエイティブ2010年に出ている、
レンズの基本一番優しい理工系というこの3冊を読みました。
レンズのルーツ、カメラ好きな方がこのラジオを聞いていると思うんですけど、
レンズのルーツはですね、紀元前にさかのぼります。
紀元前の人々はもうすでに光が起こす自然現象について気づいていました。
虹とか蜃気楼とかあるので、そういう大規模な自然現象はきっと神聖なものとか、
あるいは邪悪なものとかと認識されていたでしょうと。
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ツールとして使われるようになったのが、
古代メソポタミア、エジプト・ギリシャ、ローマの遺跡から水晶玉、
あとガラスビーズ玉が発掘されていることから、
この頃から道具として使われていたのかなと。
用途は装飾品か、あと宗教儀式の道具として使われていたとされています。
それが紀元後になりまして、紀元後1世紀、拡大鏡としてものを拡大してみることができるということを
初めて文章に書き記したのが、ローマの哲学者ルキウス・アンナエウス・セネカが書き記していると。
2世紀ごろになると天道説を唱えたクラウディオス・プトレマイオスが
ガラス玉による物体の拡大作用や光の屈折について述べています。
ずっと時が経ちまして、11世紀ごろアラビアの学者アルハーゼンが
人の目の構造や光の屈折についてまとめています。
13世紀になりまして、イギリスの修道士ロジャー・ベイコンによって凸レンズ、
レンズを大きく分けて凸レンズと凹レンズ、凹凸の凸と凹ですね。
凸っていうのは量が膨らんでいるようなイメージのレンズですね。
ロジャー・ベイコンによって凸レンズの応用が進められ、凸レンズが拡大鏡として使われるようになりました。
13世紀ごろです。
当時のレンズは水晶や緑中石、緑の柱の石と書いて緑中石などの鉱石を磨いて作られていたため、
大変高価で貴重なものであったとされています。
その一つがリーディングストーン、読書石と呼ばれる石です。
本を読むときに使っていたんでしょうね。
老眼になってくるとなかなか小さい文字も読みづらいということで、
そういう知識階級の人々が、お金も持っている人が拡大鏡を求めていたと。
15世紀から16世紀になりますと、凸レンズを使った老眼鏡、凹レンズを使った近視鏡の眼鏡が作られ、世界中に広まっています。
この辺になってくるとガラスの製造技術が上がっていたということで、
ガラスの製造に関しては、12世紀頃からイタリアのベネチアでガラスの製造技術が著しく向上して、
レンズとして使える透明度の高い良質なガラスが作られていました。
1608年、オランダのメガネ屋さん、ハンス・リッペルスハイさんが、
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メガネ用の凸レンズと凹レンズを筒にはめると、遠くにあるものが近くに引き寄せられて見えることに気がつきます。
これが老眼鏡の発明です。
当時、ヨーロッパは紛争が多くて、オランダとしてもこれをなるべく隠したい。
遠くのものが見えるということで、戦争のときとかも有効なツールであったのでしょう。
なるべく隠したいと思ったのですが、このレンズを2つ使って筒にはめると、
遠くのものが近くに引き寄せられて見えるということ、この2つ使うといいよという噂が広まって、
翌年、1609年、イタリアのガリレオ・ガリレイによって改良されます。
天体観測を行います。
ガリレオ・ガリレイは望遠鏡を自ら作ることによって、
木星4つの衛星、土星の2つの衛星、月のクレーター、太陽の黒点の動き、金星の満ち欠けなどを発見します。
その観測結果から、当時はまだ主流であった天動説を否定して、コペルニクスが提唱した地動説を支持したとされています。
1663年、望遠鏡に比べて遅れをとっていたのが顕微鏡だったのですが、その顕微鏡にも技術革新が起きまして、
イギリスの自然学者ロバート・フックが拡大率数十倍の複式顕微鏡を作りまして、様々な動植物の観察を行いました。
1665年に出版したミクログラファーでは、100点を超える動植物のスケッチを掲載しました。
その後、オランダのアントニー・ファン・レイ・ウェン・フックによって、ガラス玉1個のみをレンズにした単式顕微鏡が作られます。
こちらがまたすごいことになってまして、以前までは拡大率が数十倍であったところが倍率200倍以上いけるようになりました。
そうした技術革新により、1673年に赤血球を発見、1676年にバクテリアを発見、これが微生物の発見の始まりだったのかと言われているそうです。
こういった形でレンズが成長することによって、いろんな分野で大きな功績が残されるようになってきたということですね。
この当時の拡大率の高い顕微鏡では、その像に色がついて見えたりぼやけて見えるなどの問題がありました。これを解説現象と呼びます。
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19世紀、ここでカールツアイスが出てきますが、カールツアイスは共同創始者のエルンスト・アッペと光の解説現象を調べながら、
顕微鏡の開発を進め、顕微鏡の解像度を飛躍的に高めることに成功し、顕微鏡が飛躍的に発展しました。
この光学式の顕微鏡の倍率は2000倍までが限度であるということも明確になりました。
このカールツアイスとアッペが共同開発していたのが19世紀ごろということで、ここら辺がカメラが成長した時期と重なります。
重なるといっても、一番最初のロールフィルムが発売されたのが1889年です。
コダックが作った最初のカメラが1888年、その1年前ですね。
ちなみにカールツアイスさんが亡くなったのも1888年でした。
なのでカールツアイスさんは生きている時にはカメラのレンズはおそらく作っていなかったのではないかと思います。
1889年にロールフィルムが発売されて、ドイツのライツ社のオスカー・バルナックがライカの原型を作ったのが1914年ですね。
映画フィルムをパトローネに詰め込み、携帯できる高性能な現代のカメラの礎を築き上げたのがその1914年です。
今回はカメラの歴史には触れないですけれども、レンズのルーツについて語ってきました。
一番最初は装飾品と使われていて、それが次が拡大鏡として使われ、後に望遠鏡の発明があり、顕微鏡の精度が上がり、
エルンスとアッペが研究を進めて、解像度を飛躍的に高めるとともに、安定した品質の製品を大量に作れるようになってきたというところまでお話ししました。
改めて調べてみると、やはりレンズはツールだったんだなということを感じます。
ガリレオ・ガリレーによってさまざまな発見があって、天動説ではなく地動説を支持するきっかけになったり、
あるいはオランダのアントニファン・レイウェン・フックによって発明された短式顕微鏡によって、
赤血球、バクテリアが発見されたり、いろんな分野で大きな成果を出すために使われたツールとして、
レンズというものは欠かせないものであったということが改めてわかりました。
今はもう誰もがスマホを持っていて、スマホにはレンズが1つ、2つあるいは3つ付いていたりするということで、
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誰もがレンズを携帯している状態の今日ではありますが、こういったレンズのルーツを知ることで、
今、当たり前のように簡単にできる写真を撮る行為、多くの方の研究の成果、
それがこの小さくて薄いレンズに込められているということです。
ちょっと面白くないですか。
今回はこれで以上なんですけれども、何か今回の感想などありましたら、
ぜひ何だろう、どこでもいいです。
ツイッターでもどこでも私とコンタクトが取れやすいところで、何かしらフィードバックいただけると嬉しいです。
今回のこのレンズのルーツを基礎知識として、次はいつになるかはまだはっきり分からないですけれども、
カールツアーエスの歴史についても深掘りして紹介していきますので、ぜひ期待して待っててください。
それでは今回のイチゴカメラは以上です。ご視聴ありがとうございました。
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