化学品とモノづくりの関係
どうも、かねまるです。
プラントライフは、化学プラントの技術者である私、かねまるが、
化学と工場に関するトピックを分かりやすく紹介して、身近に感じてもらう番組です。
皆さんは、モノづくりと聞いて、どんなものを作っているイメージですか?
例えば、自己紹介で、「モノづくりやってます。」と言われたら、何想像しますか?
多分多くの方は、自動車とか家電とか、そういう組み立てるものを想像するんじゃないですかね。
もしくは、町工場で金属を削ったり加工しているような様子をイメージするかもしれませんね。
で、その中に化学品が出てくる方っていらっしゃいますか?
私自身、化学にモノづくりっていうイメージがないんですよね。
それを、今回なぜかっていうところを少し掘り下げて、
今回は、化学品ってモノづくり感あるっていうテーマで話をしてみたいと思います。
これを作ってると、モノづくりっぽくないなーって思うものをいくつか例に挙げてみたいと思います。
窒素とか酸素、あとは硫酸、塩酸、他にはアンモニアとかベンゼンなんていうのも、
ちょっとモノづくりっぽくないなーっていうものの代表例ですね。
そもそも製品区分というのは、川に例えて上流・中流・下流という形で分けられています。
下流が最終製品に一番近いものをですね。
まず上流は単純で純粋な化学品というのが多くて、
例えばイチレン、ベンゼン、メタノール、塩素など基礎化学品と呼ばれるものになります。
中流になると、上流で生産された基礎化学品を加工して、より負荷価値が高い中間体ですとか、機能性材料というのを製造していきます。
例えばポリエチレン、ポリプロピレンのようなプラスチックですね。
他には合成ゴムとか合成繊維など、こういうものっていうのは誘導品って呼ばれます。
このあたりの製品になると、例えばH2OとかCO2みたいな明確な分子の構造式っていうのを表しづらくて、
分子量分布という形で、例えばエチレンが何個繋がっているものが大体これぐらい分布してますっていう、そういう形で表せるものが多くなってきます。
最後に下流については最終製品とか、あと高機能材料の製造を行っていきますね。
より市場ですとか顧客に近い位置づけになります。
例えばプラスチック容器とか自動車のタイヤとか化粧品とか、あとは電子部品など、私たちの身近にある商品とか、その商品に組み込まれるような部品が該当してきます。
こうして製品の区分っていうのを整理してみると、なんとなくものづくりっぽくないものが見えてきます。
新たな視点と感覚の提案
一つが最終製品に近くないこと。もう一つが流体として扱われることですね。
まず一つ目の最終製品に近くないことっていうのは、例えば自動車や家電など、一般的にものづくりと聞いてイメージするものは目に見える形であることが多いかなと思っています。
ただ化学品の多くっていうのは、そういった最終製品になる前の原材料とか中間材料っていうものが多くなってきますね。
例えばエチレンとかベンゼンっていうのは、そのまま私たちの生活に直接関わることっていうのは少なくて、プラスチックですとか医薬品の原料に使われます。
ですので、化学メーカーが作っているって言っても、それでも完成形が目の前に現れないので、ものづくり感っていうのはちょっと薄くなるかなと思います。
もう一つ流体として扱われることについてですけれども、流体っていうのは機体とか液体とか、あとは粉体も少し含まれてきますね。
こういう化学品っていうのは、機体・液体・流体の形で配管の中を流通することが多いんですけれども、
こういうものって容器に詰められて運ばれたりとか、配管の中を通って工場の中を移動したりするので、目に見える加工や組み立てっていうのがあまりないんですよね。
化学では削るとか組み立てる、溶接するという加工プロセスがなくて、反応や生成が主な工程になってきます。
このプロセスっていうのはあまり目に見えづらくて、結果として生まれるのが流体とか粉体になりますので、形あるものを作るっていう感覚が少し希薄になるのかなと思います。
医療用酸素とか化粧品の原料、電子部品向けの高機能材料っていうのは最終製品にすごく近い位置にあるんですけれど、比較的それらってものづくりイメージしやすいかなと思います。
ただ、そういうものって化学品っていうより、例えば電子材料とかそういう言い方をしますので、化学メーカーの影ってちょっと薄くなるのかなと思ったりしますね。
じゃあ、化学メーカーはものづくりっぽくないから何も作ってないのかって言われると、そういうことではもちろんなくて。
化学品は確かに加工ですとか組み立てのイメージが薄いんですけれども、ただ材料や分子レベルでの設計、あと製造が求められる分、むしろ高度なものづくりなのかなというのは私としては思ったりしています。
皆さんもこれ、ものづくりっぽいかなっていう視点で様々なものをぜひ見てみてください。
こういう感覚って自分の中のイメージの話になってくるので、自分の境界はどこかなっていう視点で考えると新しい発見があるかもしれません。
化学品だけどこれ、ものづくりっぽくないですかっていうものがあったら、ぜひコメントをしてください。
今回はここまでです。
プラントライフではこのように化学や工場に関する身近なトピックを扱っています。
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