CO2の重要性とCCUS技術
どうも、かねまるです。
プラントライフは、化学プラントの技術者である私、かねまるが、
科学と工場に関するトピックを分かりやすく紹介して、身近に感じてもらう番組です。
カーボンニュートラルやSDGsっていう取り組みが広がる昨今ですけれども、
今回は注目の資源についてちょっとご紹介してみようと思います。
その注目の資源っていうのがCO2、二酸化炭素ですね。
温室効果ガスとして有名なCO2ですけれども、原因として他にもメタンや一酸化二次素などありますね。
中でもCO2っていうのが、今地球温暖化に及ぼす影響が最も大きな温室効果ガスと言われています。
CO2は自動車以外にも火力発電所ですとか工場などからも排出されています。
この化石燃料由来のCO2っていうのをなるべく減らして、化石燃料の燃焼から電気に変えていく取り組みが進められています。
CO2の排出を減らすために原料として使うという取り組みが今加速しています。
CO2削減の方法として覚えていただきたいのがCCUSという言葉ですね。
一つ目のCがカーボンダヨキサイド、二酸化炭素です。
二つ目のCがキャプチャー、回収を意味します。
そしてUがユーティライゼーション、利用ですね。
最後のSがストレージ、貯留、貯めるという意味を持ちます。
このストレージについては地底ですとか海底に貯留することを指します。
ですのでCCUSというのは二酸化炭素を回収して、どこかに貯めたり利用したりする、そういう操作を表します。
今回話すのはCO2の利用ですね、Uの部分を詳しく紹介してみようと思います。
CO2の具体的な利用法
各社が二酸化炭素を化学原料として使おうとしています。
では具体的にどのようなものに使われるのかという話に進んでいきます。
主にはCO2だけでなく水素も組み合わせて使うことになりますね。
いくつか分類分けして紹介します。
まず有機材料系ですね。
これはメタノールやエタノールになるところが肝になります。
化学品の出発原料になるだけではなくて燃料としても使われるのがメタノールやエタノールになりますね。
その他にも需要が大きいオレフィンですとかベンゼントルエンキシレン、BTXと呼ばれますけども、そういう化合物、あとはメタンなどにも使われます。
少し広げてプラスチックという観点から見ますとポリカーボネート、ポリカの板の原料ですね。
ですとかあとはポリウレタン、いわゆるウレタンですね。
そういうものにも使われる可能性があります。
そして次は燃料についてですね。
先に挙げたメタノールとかエタノールを燃料として活用していく話があります。
あとはメタンですね。
メタンを生成して都市ガスに使ったり、アルコールにして輸送燃料に使うなど、既存のインフラっていうのは活用しやすくなっていますので、
それらメタン、エタノール、メタノールあたりが燃料として活用されるのに期待されています。
少し別の視点での話をすると、層類の利用が期待されています。
網ですね。バイオマス由来の化学品や燃料の原料として層類っていうのがすごく期待されています。
層類の成長を促進するために二酸化炭素が吹き込まれるような使い方もされます。
ここまで挙げた原料の多くっていうのは原油から取れるナフサを利用して作られています。
CO2を原料にすることで海外から集めている石油資源っていうのを輸入に頼る割合が減らせるっていう効果も出てきます。
最後に無機材料系の紹介をします。コンクリートを作る時にCO2を吹き込むことで強度の高いコンクリートに仕上げるっていうこともできます。
これをCO2吸収コンクリートと呼んだりもします。
あと最近だと排気する石膏ボードですとかコンクリートっていうのを使って、これらカルシウム系の材料と二酸化炭素を組み合わせて炭酸カルシウム、いわゆる石灰石を作るような取り組みもあります。
この石灰石はセメントの原料になりますね。
そして最近聞いた話では、こうして出来上がった石灰石から紙を作るという取り組みもあります。
この紙はロカボシと呼ばれていまして、おそらくローカーボンから来ている言葉だと思いますね。
課題と未来の展望
こうしていろいろCO2を原料として使えるような取り組み事例が増えているんですけれども、それでもやはりいくつか課題があります。
一つ目が採算が合わないことですね。
そもそも製造コストが高くて、場合によっては水素も使わないといけないということで、水素自体の調達のコストもかかってきます。
二つ目が二酸化炭素を回収する時にもエネルギーを使ってしまうということですね。
何かをどれくらい吸収してどれくらい出したかっていうところは収支という言い方をします。
お金の時もそうですね。
このCO2収支ですとかエネルギー収支っていうのがリサイクルしたところで合わなくなってくるっていう問題が出てきます。
結局環境に良い取り組みに見えても、トータルで見ると実は環境に悪かったっていうオチになっていることもしばしばあります。
EVとか太陽光発電も似たような話聞いたことあるかもしれませんね。
これらの課題を解決できるように各社、メーカーですとか大学が技術革新に取り組んでいるという状況になります。
最後にCO2の原料としてどのようなものがあったのかを振り返ってみます。
まずメタノールやエタノールなどのアルコールですね。
あとはオレフィンですとかベンゼン、トルエン、キシレンなどのナフサ原料ですね。
その他にもポリカーボネートやポリウレタンなどのプラスチックが挙げられます。
あとはメタンのような気体の燃料ですね。
無機系の材料ですとコンクリートですとか石灰石を原料としたセメントや紙などが挙げられます。
こうして聞くと驚くほど大量にありますね。
実際にはこれらの生成物がさらに原料として使われてもっと幅広いものに使用されていくと思われます。
灰ガスの中に含まれるCO2は材料として使われます。
そして廃棄物はまた材料として使われます。
こうして新しい材料というのをなるべく減らして循環していくような社会に変わっていくというのが未来の姿になりますね。
これからも技術革新が進んでどんどん新しい用途というのが期待できますので、ぜひとも皆さん注目してみてください。
今回はここまでです。
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