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#84 APET?PETG?ややこしいPETのお話
2026-04-15 13:55

#84 APET?PETG?ややこしいPETのお話

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PETに種類があって分かりません!というお便りに回答する形で、様々なPETについて違いや特徴を解説しました。

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こんにちは、かねまるです。
プラントライフは、化学プラントの技術者が、化学を軸に、皆さんの視野を広げていく番組です。
今回は、ペットのお話です。
ペットボトルのペットです。
話のきっかけは、ひろひろしさんからいただいたお便りです。
いつもお世話になっております。
お元気になったようでよかったです。
でもまた飛ばしすぎちゃうと疲れちゃうので、ほどほどに。
さて、化学で気になるネタです。
仕事でペットを扱っていますが、APET,GPETの違いがわかりません。
CPET,KPETもあるらしいじゃないですか。
あと、3DプリンターだとPET,Gって言いますけど、GPETと一緒ですか?
再生プラスチックの話も面白いかもしれませんね。
ネタがない、まずいって時に使ってください。
話したい話題や、他の方のお便りがあるようでしたらそちら優先で。
とのことで、いつもお便りありがとうございます。
まだ私も大変な部分はありますけど、だんだんと落ち着いてきました。
今回はペットの種類の話ということで、面白いですね。
これは高分子化学の話になりますので、補足を入れながら解説していきます。
まずは、今回主役となるペットの科学的な話から始めてみます。
ペットはポリエチレンテレフタラート、もしくはテレフタレートと呼んだりしますけど、
分類としてはポリエステルと呼ばれるプラスチックの一つです。
プラスチックは小さな分子がたくさん長く連結した分子になっています。
これを高分子ですとかポリマーと呼んだりします。
まずペットがどんな分子が長くつながっているかというと、
エチレングリコールとテレフタル酸です。
エチレングリコールとテレフタル酸がエステル結合という分子構造で長く連結して、
ポリエチレンテレフタラートになります。
プラスチックの話はシャープ38番、
「プラスチックってなんでこんなに種類が多いの?」という回でも詳しく話していますので、
合わせて聞いてみてください。
それではここからいろんなペットの紹介をしていこうと思うんですけど、
03:03
まずはAペットとCペットです。
それぞれ同じペットなんですけど、
ミクロの視点で見たときに結晶化しているかどうかっていう話なんです。
CペットのCはクリスタル、もしくはクリスタライズドと言うかもしれませんけど、
ミクロな視点で見て結晶化しているのがCペット。
反対に結晶化していないペットはAペットです。
科学の世界ではアモルファスって表現するんですけど、
そのアモルファスの頭文字Aを取ってAペットになっています。
ペットを含めてプラスチックっていうのは分子構造が長い紐状になっています。
まず加熱して溶けたプラスチックっていうのは紐状の分子がバラバラになっています。
この加熱したペットをゆっくり冷やしていくと結晶化していきます。
ただ宝石みたいに綺麗な結晶になるっていうわけではなくて、
分子レベルで見たときに長い紐状の分子同士が綺麗に並んで束ねたような感じになっています。
こうしてミクロの視点で見たときに部分的に結晶化しているペットをCペットと呼んでいます。
言い換えると、加熱したペットをゆっくり冷やして結晶が出るようにしたペットなんです。
反対にゆっくり冷やさずに休冷した場合、結晶は出てきません。
アモルファスの状態、Aペットになります。
私たちが抱いているペットに対するイメージって、透明性があって熱に弱い感じですかね。
結晶が少ないアモルファスの状態だと、光を反射しなくて透明性があります。
また、熱に弱くなります。
反対に結晶性が高いCペットになると、結晶の部分が光を反射して透明性が失われてきます。
そして、綺麗に並んだ蜜の結晶の部分が熱に強い特徴を持ちます。
コンビニやスーパーのお惣菜の容器でわかりやすいんですけど、
果物とかサラダが入っている透明性のある容器っていうのは、結晶性の少ないアモルファスのAペットです。
そして、グラタンとかパスタみたいな再加熱したい容器については、結晶のおかげで耐熱性があって透明性が失われているCペットが使われます。
06:15
Aペットがだいたい60度ぐらいの耐熱に対して、Cペットになると220度まで耐えられるものもあったりして、全然特性が違います。
結晶化の違いで材料の特性が大きく異なるということは理解できたものの、一つ忘れてはいけない要素があります。
それは長年材料を使い続けると劣化して物性が変わってくるということです。
特にアモルファス、結晶性のないAペットというのは、衝撃に強くて柔軟性がある曲がりやすい特徴があるんですけど、
長年使っていくと部分的にだんだんと結晶化が起きてきます。
結晶化してくると最初は強くて柔軟性があるものから、固くて脆い物性に変わってきます。
劣化に伴って割れやすくなるということです。
温度の変化とか劣化で物性が変わってしまっては困るので、その時に使われるのがGペット、もしくはペットGと呼ばれるものです。
GペットもペットGも同じ意味なんですけど、グリコール変性ペットと呼ばれています。
グリコール変性のGです。
板状に押し出したりとか、何か型に成形したりするような感じで、パッケージの業界ではGペットと呼ばれて、
3Dプリンターなどのアディティブマニュファクチャリング業界だとペットGと呼ぶみたいですね。
それでは、このGを深掘りしていきますと、グリコール変性、何なんでしょうか。
最初に、ペットがテレフタル酸と一連グリコールから作られているという話をしました。
グリコール変性の変性という言葉は、シリコーン変性みたいな感じで、分子の構造を一部変化させた時に使われます。
09:01
今回のグリコール変性も同じように、ペットの構造の一連グリコールの一部をシクロヘキサンジメタノールという部分に置き換えています。
もう一回言います。
一連グリコールがシクロヘキサンジメタノールに置き換わっています。
だいたい3、40%ぐらい置き換わっているのがペットG、Gペットです。
グリコール変性したペットっていうのは、結晶化しづらいという特徴があります。
熱とか劣化で結晶化してしまうAペットの問題をGペットが解消してくれるんです。
結晶が少ない透明なペットの樹脂をそのまま使いたい時に便利ですね。
そして、熱がかかっても結晶化するリスクが少ないということで、3Dプリンターで使われているのはそういう理由だと思います。
加熱して溶かしたペット樹脂をノズルから出して積層しながら印刷していく方式の場合は、熱をかけていますので物性に変化が起きます。
だからこそ、ペットGにすることで結晶化しないので物性の変化を抑えられています。
最後はKペットです。
これは他のものとちょっと特殊な状態でして、ペット樹脂にオリエン化ビニリデンというまた別のプラスチックをコーティングしたバリア特性のあるペットなんです。
特に水分とか酸素のバリアがあります。
湿気とか酸素に弱いものを包むためのフィルムとしてよく使われます。
特徴はわかったけど、結局KペットのKって何なのって話なんですけど。
正直はっきりとした理由はわからなくてですね。
オリエン化ビニリデンをコーティングしたフィルムっていうのはKコートフィルムって呼ばれるみたいで、
そのKを取ってはいるんですけど、じゃあもともとKコートって何の略なの?と思って調べてみるんですけど、いまいち見つからないんですよね。
一つ可能性が高いものとしては、昭和37年に大日本セルロイド、今でいうダイセルという化学企業が、
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Kセルシという名前で塩化ビニリ原樹脂を塗布したセロハンを販売しています。
おそらくこのKセルシのKを取って、まずは塩化ビニリ原コーティングのことをKコートと呼ぶようになって、最終的にKペットが生まれたんだと思います。
今回は様々なペットのお話をしてきました。
実は今回お話しした結晶の部分っていうのは、高分子化学の本当に基本的な要素なんです。
それを知っているだけで理解が深まると言いますか、
化学を学ぶとこんな感じで見えるんだなってことを実感してもらえたら嬉しいです。
今回はここまでです。
プラントライフでは、化学や工場に関するトピックを扱っています。
配信は毎週水曜日と日曜日の朝6時です。
番組への質問やご感想は概要欄のお便りフォームとか、XのDMからお待ちしております。
今回みたいに何か教えてくださいっていう連絡をいただければ、私の話せる範囲でお答えしていこうと思っています。
パーソナルな部分でも特に問題ありません。
普段どんなポッドキャスト聞いてますかとか、どんなYouTube見てますかっていう質問もありました。
お便りお待ちしております。
それではお聞きいただきありがとうございました。
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