第二百五十八話『誰のためでもなく信念のために』-【秋田篇】教育学者 井口阿くり-
2020-08-08 11:44

第二百五十八話『誰のためでもなく信念のために』-【秋田篇】教育学者 井口阿くり-

秋田市出身の女性に「日本女子体育の母」と呼ばれる賢人がいます。
井口阿くり(いのくち・あくり)。
明治3年生まれの彼女は、アメリカに留学し、当時 世界的に流行っていた「スウェーデン体操」を習得。
帰国後、日本の女子教育に生かしました。
当時の日本では、女性たるもの、貞節を守り、従順であれ、が常識でした。
でも井口は、「女性もスポーツをしていいんじゃないでしょうか」という信念のもと、バスケットボール、ダンスなどを女子教育に積極的に取り入れ、ブルマーという体操着も考案、さらに動きやすいように、通常の制服としてセーラー服の原型を創案したのです。
NHKの大河ドラマ『いだてん』でも少し触れられていましたが、スウェーデン体操は、論争や軋轢の渦の中にありました。
井口がボストンで学んだ体操を日本に広めている頃、本場スウェーデンから、永井道明という教育学者が帰国。
「我こそが、スウェーデン体操の正当な指導者である」と、井口を退けようとしたのです。
「アメリカで学んだスウェーデン体操? おかしいじゃないか!」
どんなに揶揄されても、世間から誹謗中傷を浴びても、井口は、一歩もひきませんでした。
彼女の信念は、スウェーデン体操にこだわることではなく、若き女子たちにもっと快活さや俊敏な決断力を手に入れてもらいたいという一心だったのです。
昨年 春から今年の1月にかけて、あきた芸術村のわらび劇場では、井口の人生を描いたミュージカルが上演されました。
今も市民に愛され続けている教育学者・井口阿くりが、人生でつかんだ明日へのyes!とは?

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