映画の字幕翻訳という仕事を世に知らしめた第一人者がいます。
戸田奈津子(とだ・なつこ)。
彼女は、学生時代に字幕翻訳者という、当時まだそれほど知られていない仕事につきたいと思いました。
一度は別の仕事につきますが、もう一度夢を叶えたいと一念発起。字幕翻訳の巨匠、清水俊二(しみず・しゅんじ)に手紙を書きます。
その日から戸田が夢を叶えるまで、およそ20年かかりました。
「狭き門ってよくいうでしょう。あのね、開けてくださいって叩く門がそもそもないの。壁なのよ、一面、壁。そんなとき、夢だ、目標だって気持ちだけでは、中に入れっこない。食らいつく強い意志がないとね。私はこれでやっていくんだって信じる思いがないとね」
映画の字幕というのは、翻訳ではないと戸田は言います。
『字幕の中に人生』というエッセイの中でこんなふうに語っています。
「かたや練りに練ったシナリオのせりふがあり、かたや観客の映画鑑賞の邪魔にならない限度の字数がある。その中間には必ずどこかに、限りなく原文に近く、しかも字幕として成り立つ日本語があるはずである。細い細い線のうえに、その線を綱渡りのようにたどってゆく努力が、字幕づくりの基本である」。
一秒四文字、十字×二行以内のせりふ作りにすべてを賭ける映画字幕の第一人者には、ひとには理解できない苦労がありました。
洋画で朝、父親が出ていくシーン。
「Good bye」と家族に言う。
これを「さよなら」と訳してしまえば、まるで父親が家出してしまうように見えます。
戸田は「行ってきます」と訳すのです。
原文とは違う。では誤訳か?
批判を怖れて原文通りに訳しても、映画として成り立たないものは字幕ではないのです。
戸田は言います。
「映画は、字幕を読みにいくものではありません」
独自の矜持を大切にして、40年以上にわたり第一線で闘い続ける字幕の女王・戸田奈津子が人生でつかんだ、明日へのyes!とは?
戸田奈津子(とだ・なつこ)。
彼女は、学生時代に字幕翻訳者という、当時まだそれほど知られていない仕事につきたいと思いました。
一度は別の仕事につきますが、もう一度夢を叶えたいと一念発起。字幕翻訳の巨匠、清水俊二(しみず・しゅんじ)に手紙を書きます。
その日から戸田が夢を叶えるまで、およそ20年かかりました。
「狭き門ってよくいうでしょう。あのね、開けてくださいって叩く門がそもそもないの。壁なのよ、一面、壁。そんなとき、夢だ、目標だって気持ちだけでは、中に入れっこない。食らいつく強い意志がないとね。私はこれでやっていくんだって信じる思いがないとね」
映画の字幕というのは、翻訳ではないと戸田は言います。
『字幕の中に人生』というエッセイの中でこんなふうに語っています。
「かたや練りに練ったシナリオのせりふがあり、かたや観客の映画鑑賞の邪魔にならない限度の字数がある。その中間には必ずどこかに、限りなく原文に近く、しかも字幕として成り立つ日本語があるはずである。細い細い線のうえに、その線を綱渡りのようにたどってゆく努力が、字幕づくりの基本である」。
一秒四文字、十字×二行以内のせりふ作りにすべてを賭ける映画字幕の第一人者には、ひとには理解できない苦労がありました。
洋画で朝、父親が出ていくシーン。
「Good bye」と家族に言う。
これを「さよなら」と訳してしまえば、まるで父親が家出してしまうように見えます。
戸田は「行ってきます」と訳すのです。
原文とは違う。では誤訳か?
批判を怖れて原文通りに訳しても、映画として成り立たないものは字幕ではないのです。
戸田は言います。
「映画は、字幕を読みにいくものではありません」
独自の矜持を大切にして、40年以上にわたり第一線で闘い続ける字幕の女王・戸田奈津子が人生でつかんだ、明日へのyes!とは?
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