第百六十八話『ただ、遊べ!』-【滋賀篇】作家 団鬼六-
2018-11-17 13:28

第百六十八話『ただ、遊べ!』-【滋賀篇】作家 団鬼六-

滋賀県彦根市に生まれたその小説家は、日本文学史に新しいジャンルを確立しました。
SM小説、官能小説。
作家の名前は、団鬼六。
代表作『花と蛇』シリーズは、何度も映画化され、彼の名を不動のものにしました。
スキャンダルな空気に包まれているのは、書いた作品だけではありません。
団鬼六の人生そのものが、まるで長編小説のように波乱万丈で天衣無縫。
自身が「私は快楽主義だ」と明言したことでもわかるとおり、好きなことにのめり込み、借金をつくり、馬車馬のように働き、また借金をつくりの繰り返しでした。
いま流行りのリスクマネージメントとは、無縁の世界。
職業も、中学の教師、バーの経営者、ピンク映画の脚本家など転々とし、将棋はアマ六段の腕前。
酒、たばこ、女性。好きなものは手放さない。とことん、のめりこむ。
のめりこんでいるから、人生の底が見えてくる。
団はこんなふうに言っています。
「人間は不本意に生き、不本意に死んでいくものだ。だからせめて快楽くらい求めてもいいと思っている」
晩年、食道がんを告知され、医者から手術をうながされたときも、あっさり断りました。
娘さんから「管だらけになっても、パパには生きてほしい」と訴えられても、こう言ったそうです。
「俺の生きたいように生きさせてくれ。ほんまにありがとう。えらい、すんません」
その潔さは、一生懸命生きた、精一杯遊んだ、証なのかもしれません。
「ただ遊べ 帰らぬ道は誰も同じ」
破天荒に生き抜いた稀代の作家・団鬼六が、人生でつかんだ明日へのyes!とは?

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