第二百六十七話『歩みをとめない』-【佐賀篇】報道写真家 一ノ瀬泰造-
2020-10-10 12:07

第二百六十七話『歩みをとめない』-【佐賀篇】報道写真家 一ノ瀬泰造-

「地雷を踏んだらサヨウナラ」という言葉を残し、26歳で解放戦線下のアンコールワットに消えた、報道写真家がいます。
一ノ瀬泰造(いちのせ・たいぞう)。
その最後の言葉をタイトルにした本が出版され、映画にもなりました。
時は、1972年から73年。
カンボジアは内戦と、北ベトナムからの攻撃で、大混乱の最中にありました。
その戦地に潜入したのが、一ノ瀬泰造です。
始めは、UPIに高く写真を買ってもらうためにスクープを狙っていた一ノ瀬でしたが、戦地を巡り、悲惨さを目の当たりにするうちに、撮る対象が変わっていきます。
「いつだって、最も被害をこうむるのは、ごくごくフツウに生きている家族、子どもたちなんだ…」
休暇で故郷に帰った兵士を迎える、家族の笑顔。
戦地の息子からだろうか、一通の手紙を熱心に読む夫婦。
残虐で凄惨な写真も撮りましたが、気がつけば、彼の周りにはベトナムやカンボジアの子どもたちが集まってきました。
「タイゾー! ねえ、タイゾー! 遊ぼうよ!」
誰に対しても分け隔てしない彼の人柄は、言語や人種を越えて愛されたのです。
一ノ瀬は、最も危険な聖地、クメールルージュ支配下のアンコールワットを目指しました。
日本人として最初に潜入し、写真におさめたい、有名になりたい。
そんな野心はいつしか、ただ単に、アンコールワットの写真が撮りたい!に変わっていきます。
誰が止めても、歩みをやめない。
地雷を越えて、突き進む。
ただ一枚の写真を撮りたいがために。
人生の最期に、彼はジャングルの中の遺跡を見ることができたのでしょうか?
戦場カメラマン・一ノ瀬泰造が人生でつかんだ、明日へのyes!とは?

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