第三百八十三話『日常に光を探す』-【愛知篇】作詞家・作家 山口洋子-
2022-12-31 12:53

第三百八十三話『日常に光を探す』-【愛知篇】作詞家・作家 山口洋子-

名古屋市に生まれた、有名な作詞家であり、直木賞作家でもある、レジェンドがいます。
山口洋子(やまぐち・ようこ)。
五木ひろしの『よこはま・たそがれ』『夜空』『ふるさと』、彼女が作詞してヒットした曲は、枚挙にいとまがありません。
そのひとつ『千曲川』で、五木ひろしは、1975年、第26回NHK紅白歌合戦の白組のトリに、初めて抜擢されました。
長野県千曲市にある、「山口洋子 千曲川展示館」に行けば、どの仕事も手を抜かなった、彼女の足跡を知ることができます。
作曲家・猪俣公章(いのまた・こうしょう)が作ったメロディを聴き、山口は、大好きな島崎藤村の『千曲川旅情のうた』の一節を思い出しました。
そうして書いた歌詞は、多くのひとの郷愁を誘い、歌碑として、今も千曲川のほとりで言葉のチカラを示しています。
歌碑が万葉公園にできたことで、山口はたびたび近くの上山田温泉を訪れるようになりました。

その縁で山口が亡くなったあと、貴重な遺品の一部を譲り受け、功績をたたえる場所として、展示館ができたのです。
展示館には、自筆原稿や愛用したソファ、数々の著書やレコードジャケットが並べられています。
みどころは、再現された仕事場。
彼女は、寝る間を惜しんで、書いて書いて、書き続けました。
適当にやっていると思われるのが嫌で、作詞も本気。小説も本気。
山口の生涯は、まさに波乱万丈でした。
複雑な家庭環境に生まれ、16歳で高校を中退。
喫茶店の店主を経て、東映ニューフェイスに選ばれ、女優デビュー。
わずか2年ほどでやめてしまい、その後、銀座でクラブのママとして手腕を発揮。
店には、吉行淳之介や柴田錬三郎など、名立たる作家や俳優、歌手が集いました。
30歳を過ぎた頃、友人の歌手に詞を提供したことがきっかけで、作詞家デビュー。
42歳からは、小説を書くようになるのです。
彼女の創作の源は、常に、日々向き合い悪戦苦闘する、日常の中にありました。
何気ない暮らしの中にこそ、人間の真実が隠れている。
それを独自の目線で掘り起こしていった稀代の作家・山口洋子が人生でつかんだ、明日へのyes!とは?

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