第百一話『覚悟を持つということ』-【盛岡篇】言語学者 金田一京助-
2017-08-05 14:02

第百一話『覚悟を持つということ』-【盛岡篇】言語学者 金田一京助-

岩手県盛岡市の中心部を流れる、中津川。
その川沿いにユニークな施設があります。
『盛岡てがみ館』。
盛岡にゆかりのある作家や著名人の直筆の手紙や原稿、日記などが展示されています。
字は、ひとを表す。
宮沢賢治や後藤新平の字を見ていると、彼らのひととなりが見えてくるような気がします。
展示された手紙の中で、ひときわ異彩を放つ書簡があります。
3メートルにも及ぶ、長い長い手紙。
それを書いたのは、盛岡に生まれた言語学者、金田一京助です。
彼は盛岡中学校時代の友達に、読みやすい、綺麗な字で思いを綴りました。
内容はほぼ全て、石川啄木のことです。
金田一は、石川啄木と親友であり、啄木の才能にいち早く気が付いた賢人でした。
手紙には、自分の下宿に転がり込んできた啄木の様子や彼の輝かしい未来が、微笑ましい文体で書かれています。
金田一自身、かつて詩を詠んでいましたが、啄木の前には自らの凡才を悟らずにはいられませんでした。
「おまえは、きっと有名になる。おまえはきっと世間をあっと言わせる文人になる。だから、諦めるな!」
ともすればすぐに落ち込んでしまう啄木を鼓舞し、応援しました。
ときには、自分の大切な蔵書を売って、啄木にお金を工面したこともあります。
「ひとがやらないことは金にならない。でもそういうものをやる人間がいなくちゃ、この世は前に進まないよ」
金田一自身もまた、ひとがやらないことを進んで自分に課しました。
その最大の功績が、アイヌ語研究。
裕福な家庭に生まれながら、貧しい生活を選び、アイヌ語を残すために一生を捧げたのです。
言葉に命を賭けた金田一京助が、波乱の生涯でつかんだ明日へのyes!とは?

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