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絶望カフカの何者かになりたいラジオ、この番組は元アスリートのカフカが日々の絶望と些細なヒントをお送りするラジオです。
最近の絶望は若さです。さて今回はですね、
置かれた場所で咲く砂の女、というお話をしていきたいなと思っております。
砂の女、皆さんご存知でしょうか。 安部工房という作家の5本になります。
こちらの砂の女ですね、荒木博之のブックカフェ、荒木さんのボイシーで紹介されていて、懐かしいなぁと思って再読したので、
そこから僕は着想的に思ったこと、 置かれた場所で咲きなさいという5本と着想的に繋がったので、
置かれた場所で咲く砂の女、というお話をしていきたいなと思います。 では砂の女、まず読まれたことない方に向けて簡単にあらすじをご紹介していきたいなと思っています。
文庫本のですね、裏拍子に書かれている部分を読みますね。
砂丘へ昆虫採集に出かけた男が 砂の穴の底に埋もれていく一軒家に閉じ込められる
考えつく限りの方法で脱出を試みる男 家を守るために男を穴の中に引き留めておこうとする女
そして穴の上から男の逃亡を妨害し 2人の生活を眺める部落の人々
ドキュメンタルな手法 サスペンスあふれる展開の中に人間存在の象徴的姿を追求した書き下し長編となっています
まあこちらの本20数ヶ国語に翻訳されている名作と言われています まあ一度聞いただけだとよくわからなかったという方もいらっしゃると思うので
簡単に説明するとですね まあとある場所に砂の巨大な砂の穴がありましたと
その中にはとある一軒家だけがあってその中で女の人一人が生活をしている そして
ある男が その砂の穴の中に引きずり込まれてしまうんですね
とあるきっかけで本人の意図とは全く無関係に引きずり込まれてしまう そして女と出会い
砂の家の中でその一軒家の中で生活をすることになってしまう ただその家というのが砂まみれで砂が天井から降ってくる
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っていうようなかなり劣悪な環境だと なので男は
一刻も早くこの砂の穴から抜け出したい 脱出したいと思っていろいろ試みてみるが
てんてんてんというお話です ここから先は本編本編というか本をね
読んでいただければなぁと思っているんですが この本の構造というのがですね
えっと3社の構造に分かれているんですね 一人目が劣悪な環境に順応し慣れている女
そして劣悪な環境に引きずり込まれて脱出を試みようとする男 その2人を眺め
嘲笑う人々 という3社の構造になっているんですね
僕がこの本を読んでどう思ったかというとですね いやこの手の手法の本は大好物でして
大好物ってなんやねんって感じなんですけど えっとちょっと不思議なファンタジー要素がありつつ
ちょっとしたディストピアを描くような作品っていうのが僕はすごく好みでですね で
あの例えばジョージオウェルの1980年とかも ある種ディストピアを描いた作品なんですけれども
そういうような現実世界でありそうでありつつ まあなさそうな
そんなファンタジーあふれる作品というのが何か僕のアンテナのに引っかかるんですよね まあそういうある種SFの中でも特に好きな作品だなというふうに思っています
そしてこの砂の穴の中で殉納して生活をする女 具体的に言うとビニールの布をかぶって砂が入らないようにして調理をしたり
その上でじゃりじゃりと音がするような まあ
煮魚だったり野菜だったりを食べる そして水が
少ない中なんとかその水分が 足りなくならないように
生活をする 飢えそうになりながら生活をするという女が
なんかどこか人間らしさもありつつとある一冊の本を思い出したんですよねそれが タイドルにもある置かれた場所で咲きなさいというご本なんですね
まあこちらの本もベストセラーですね 渡辺一子さん著者の渡辺さんはノートルム精神学園の学長にも就任をされた
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アシスターでいらっしゃいます この本の中ではまあ修道生活で不平不満があった渡辺さんが
神父様から周りが変わらないと嘆くのではなく まずあなたが変わりなさいと言われるんですよね
そして自分は紅賊だったと気づいた というお話が書かれているんですよね
つまり 他人が何もしてくれない他人が挨拶もしてくれない
そういう紅賊ではなくてまず自分からする 自分から挨拶をする対話をしようとする
そういう姿勢が大事なんだとそうやって笑顔で接することで 周りも笑顔になっていきますよというようなお話が書かれているんですね
これが僕の中では着想的につながって 置かれた場所で咲く
砂の中で咲く 砂の女だなと思ったわけです
でこのメタファーとしての砂というのは単に劣悪な環境というだけではなくて
まあ生活していく中で日々 そうですね
劣悪というか絶望するような状況って誰しもあるなというふうに思うんですよね だからいくら環境を変えても砂からは逃れられないものだと僕は思うんですよね
まあ職場にしたってオアシスのような理想的な環境なんてないなぁと思いますしね なので
たとえ砂であろうともそこで咲く姿勢を持つということが大事なんだろうなぁとも思うし 砂だから
もう否定的になるしかないネガティひたすらネガティブにな気持ちになるしかない というのではなくて適応するための努力をするということがその人にとって何かしら
積み重なる部分はあるんじゃないかなというふうに思ったんですよね その適応するための努力をする
ということによって 何かスキルセットが身についたり
するしまあそうですね 前向きな気持ちにもなっていくんじゃないかなというふうに思ったんですよね
そしてまあこれはちょっと話がずれてしまうんですけれども 僕は今工場に勤務しているんですよね
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工場というと皆さんどういうイメージを持つでしょうか 僕自身はその工場の中の事務所で働いているんですが
工場のラインで 働いている方とよくコミュニケーションを取る部署だったりするわけです
そしてそのラインで働いている方の一般的なイメージとしてはかなりきつい 肉体労働というようなイメージがあるんじゃないかなというふうに思います
まあこれは業界によっても違うのかなぁとも思いつつ まあお話していきますがその一般的にきつい仕事だなぁ
肉体労働の単純作業というところできつい仕事だなぁ だからある種砂的だなぁと思われる人多いと思うんですが
ご本人と話してみると意外とそんなことはなかったりするんですよね 特にベテランの職人のような方とお話しすると
もう自分の仕事にプライドを持って自分が作った製品がどうなるのか どう世の中の役に立っているのかということを考えそして会社のことを考え働いていらっしゃるなというふうに思うんですよね
だから僕はそういう方のそういう部分というのはすごいリスペクトしています なので人によっても砂の定義というのは変わるんだろうなぁと
思いますし 人はいろんな砂に入り込んでしまうということはあるんだろうなぁと思うんですよね
でその時にその砂から 逃れることだけを考えるのではなくてまず適応することを考え
そしてその人にとって本当に逃れがたい 逃れがたいじゃないな
耐えがたい砂であるなら その砂の女に出てくる男のようにですね脱出を試みる
そして脱出をする努力をするということが大事なんだろうなぁというふうに思ったんですよね だからある種
僕たちは砂の女的でもあり 砂の男的でもあっていいんじゃないかなというふうに僕は感じたんですよね
僕は自分の価値観としてですけど まあぐるぐる回りながらも
ある種その場所を変え 場所を変え
逃れるように場所を変えるという生き方よりも その場所の中で
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とにかく自分の能力で頑張ってみる ダメだったら本当にダメだと思ったら場所を変える
そういう繰り返しをすることによって やっぱり身につくものはあるだろうし
やっぱりある程度のその環境の中で 砂の中での努力
大事なんだろうなぁって思いました でもまあ砂に埋もれて動けなくなったら結構きついですけどね
まあちょっとぐるぐるしながら今日はお話をしてみました というわけで今回は置かれた場所で咲く
砂の女というお話をしていきました 最後までお聞きくださりありがとうございました
ではまた