00:02
はいこんにちは、羅針盤リゾナス。本格的なお話第1話というところですね。
今日はですね、皆さん、今巷でよく糸のリフトって流行ってますよね。
よく僕のインスタの方でですね、ライブでオープンカウンセリングみたいな感じでですね、皆さんからご質問を聞いたりすると、
糸のご質問ってめちゃめちゃ多いんですよね。で、実際どうなんですかとか、進めますかとか、効果はどれくらい続くんですかとかいうご質問あるんですけど、
これめちゃめちゃ大事な、市場としてすごく大きくて、今日本の中でですね、美容外科って標榜しているところのほとんどが多分この糸の手術してると思うんですけども、
これに対する正しい情報っていうのがやっぱり出てないなというふうに僕は感じるわけですね。
個人的に押すか押さないかみたいなのはちょっと別にして、今日は論文をちょっとしっかり調べてみました。
でですね、医学論文ってこれからいろいろとご紹介していくんですけど、実は医学論文にも論文というエビデンスという言葉を皆さんちょっと覚えておかないといけないんですけど、
エビデンスって直訳するといわゆる証拠というふうな話になるんですが、このエビデンスというものにもレベルというのがあるんですね。
何それ?みたいな感じですけど、エビデンスピラミッドというのがあってですね、要はどれぐらい証拠が信用できますかというピラミッドを表しています。
これの下の方にあるやつ、このエビデンスピラミッドが低いってやつは一応証拠としてはあるんだけど、信用するにはうーんみたいな感じ。
レベルがどんどん上がっていくと、ああなるほどそうだね、それは信用できるねとかちょっとずつ上がっていくと教科書になってきたりとか。
それがちゃんと比較している検討なんかになってくると、だいぶ信用性が上がってくると。
さらにどんどん上がっていくと、一番頂点のところに論文を調べた論文というのがあるんですね。
メタアナリシスとか言うんですけど、システマティックレビューといってですね、要は世の中にも既に出てきている論文を全部いろんなやつ集めてきて、
それをごちゃごちゃごちゃっと調べてですね、本当なのかどうなのかっていうのを全部調べた時に、
今の結論はこうですよって出してくるのがシステマティックレビューというピラミッドの頂点にいるようなやつになります。
今日ご紹介する伊藤の論文というのは、システマティックレビューからご紹介したいと思います。
エビデンスレベルで言うと一番トップですね。
なので、現存する医療情報の中で言うと一番信頼に足る情報という話になっています。
出典元は2019年のアメリカの皮膚科学会が出している論文で、研究を行ったのはニューヨーク大学というふうになります。
ここのニューヨーク大学が調べているのは、まずその論文をいつからいつまでをスキャンしますかみたいなのを決めるんですけど、
03:00
なんと1970年から2018年までを全部調べまして、これをキーワードですね、いろんな意図関係のリフトの名前を入れていって、
基本は英語の論文だけになっていますけれども、バーッと精査して、これは入れる、これは入れへんみたいないろんなカテゴリーの中で出てきた18本の論文のデータをまとめてきているというふうな話になります。
この論文自体は2019年、今年ですね、出てきている情報なので、今、糸に関する、スレッドリフトというものに関する情報としては一番新しいデータということになります。
早速、内容をちょっと見ていきましょう。
大きくカテゴリーがですね、いろんな糸を見返しているんですけど、皆さんもご存じのようにまず大きく2つカテゴリーが分かれます。
1つは溶ける糸、もう1つは溶けない糸。
この溶ける糸、溶けない糸で言うと、今の流行りはどっちかというと、溶ける糸ですね。
溶けるからなくなるやんってやつなんですけど、実は歴史的に見れば、溶けない糸の方が歴史古いんですね。
これで言うとですね、1987年頃、商業ベースで言うと一番最初に商品として出てきたと言われているのがアプトススレッドというのがロシアで出ていたということなんですね。
僕も全然知らないんですけどね。
わずかまだ6歳頃の話なんですけども。
そこでの研究の話ではですね、ロシアのモスクワの186人を対象に検証されているんですけど、
20という割と太めの糸に両方にトゲトゲが付いているような糸を若返りの治療として入れました。
それがどういうふうな結果になっていきましたかというのを調べている研究ですね。
これで言うとですね、期間は2.5年間、2年半の間をずっとフォローしているんですけども、
それでいくとこれは解けない系の糸なんですけども、
2.5%合併症がありましたよと。
具体的にはどんなんかというと、糸が切れたりとか飛び出てきたりとかっていうふうな話がその論文では出されたんですけども、
2.5%だったら100人に2,3人くらいだから多くないのかなみたいな感じだったようなんですが、
徐々にそのアプトスレッドというやつの情報が集まってきてですね、
次に出てきているやつはですね、102名を調べている研究なんですけども、
そこではですね、102名でしょ、だいたい100人くらいのうち11人は糸が増える。
8人は糸が動いている、違うところに行っちゃった。
5人は感染もしくは肉糸形成という変なお肉みたいなのができちゃった。
5名は皮膚のボコつきがある。
さらにですね、怖い合併症でいくと大気栓損傷という唾が出てくる管をですね、
痛めて大気が中に漏れてしまったりとかですね、
06:00
さらに神経損傷でしびれが出たりとか動きがおかしくなったりとか、
さらにずっと続くような異物反応による炎症、
さらにひどい傷跡などが2年経ったから徐々に徐々に出てきたという風な報告が出ています。
なので、時間が経てば経つほど解けない糸が悪さをして問題になってきているという風な話なんですね。
なのでこのアプトスレッドはアメリカの日本でいう厚生労働省のFDAというやつがあるんですけども、
ここの承認は得てないという話ですね。
でですね、それを受けていろんなこの解けない糸のいろんなバリエーションというのが出てきたんですけども、
解けないから問題なんじゃないかというので、
解けない部分と解ける部分をハイブリッドしたようなやつも出てくるんですね。
シルエットスーチャーズというのがまた出てくるんですけど、
今でもシルエットリフトとか言ってですね、日本でも結構ありますけども、
これ実は当初ですね、今は解けるやつみたいな感じで売ってますけども、
もともと解けない糸30ってちょっと細めのポリプロピレンですね。
ポリプロピレンに解けるですね、このトゲトゲコーンみたいなのがくっついているタイプのハイブリッドタイプとして出てきたんですね。
こういうのがですね、割と効果も良くてですね、このシルエットスーチャーズ自体はアメリカのFDAの認可を取ってます。
ただ、どういう経緯か僕も詳細は知らないんですけども、
解けない糸と解けるコーンを併用して世の中に出てきたものなんですけども、
いつの間にか解けるやつに全部変わってきてるんですね。
なので、これも論文上はですね、いろいろ解けないところが問題を起こしたんじゃないかというふうな話になってます。
しかもですね、解けないやつがなんでそういうふうに浸されてきたかというと、
結論としては最初良さそうに見えたんやけども、修正がどんどん頻度が上がってくるっていうのが、
時間が経つと絶対問題を起こしてくるやんっていうのがだんだんわかってきたわけですね。
さらに、その効果があったって言ってるのはですね、
糸が引っ張ってるから効果があったというよりも、
糸があることで中で炎症を起こして、炎症による効果として針が出たりとか、若返り効果が出たんじゃないかみたいな考察すらされてると。
時間が経つとですよ。
しかも、実際にその問題を起こしてしまったケースですね。
先ほどのフレルとか指形成が起きたとか、神経がどうたらこうたらとか、いろんな怖いのが起きたときに、
実はそれを全部取り切るのがめちゃめちゃ難しい。
09:00
取り切るのが難しい上に、残した小さなパーツとかが割とずっと問題を起こすみたいなのがあったようで、
解けないのは良くないよねっていうのが世の中の流れになってきたようなんですね。
で、できたのが解ける糸って感じです。
解ける糸っていうのは要するにその素材全体がですね、いろんな素材はあるんですけども、
時間の経過だともう解けますよという風な話で、要は無くなりますという風な話なんですけども、
論文の中をちょっと見てみましょうか。
2015年に出ているペーパーで、スーサンラが出しているペーパーですね。
PDOっていう風に解ける糸なんですけど、ポリディオキサノンってやつですね。
これが31名に対してPDOの糸を使った研究をされています。
この内容はですね、2年間、24週間なので6ヶ月ですね。
24週間をフォローしているんですけども、87%の患者さんが満足をしていたというようなことを謳っている論文になります。
手術をしたフィジシャンですね。
お医者さんは、これで言いますと、スキンのテクスチャ、お肌の質感が70.9%、お医者さんはめっちゃ良くなった。
Excellent or Good、めっちゃ良い、もしくは良いってやつが70.9%あった。
そして、吊り上げ効果に関しては54.9%あった。
一家制のアドバンスイベント、要するに合併賞ですね。
ちょこっとだけ合併賞はあったよ、みたいな言い方をしているんですね。
詳細は書いてないです。
次の2017年のキムさんでいけば、これもPDOを使っている10から20、割と太めの糸ですけども、
これを、ヤングスリフトとか言ってね、世の中にも出てますけども、それと同じやつらしいですね。
ジェイコブスメディカルが出しているやつですけども、韓国のソウルですね。
これは31例に対して評価をしていまして、そこでの効果は86.3%が3か月目で満足しているというふうな情報を出しています。
さらに見ていきますよ。
カンさんら、カンという人たちが調べている36例の、これもPDOに関する糸の治療ですけども、ボブリフトとかですね。
これも韓国から出ているやつですけども、39名ですね。39名の評価をしているんですが、最初の6か月の段階で89.7%満足していましたよと。
だいたいは一家性の合併症を認めた。つっぱるとかですね。
そういうのがあったんだけども、問題なくいっていて、たった1例だけ、その39例のうちたった1例だけは、糸が出てきたよ、みたいなことが出ているんです。
12:06
なんか今のところめっちゃいい感じの書きっぷりですよね。
ところが、アメリカでもこういうふうな、トケルケの糸っていうのがたくさん出てきているんですよ。
これがですね、PDOとPDSという別の種類の溶けるやつを使っているのがエチコンから出てきたりとかですね。
いろんなやつが出てきているんですけども、なんとですね、
溶ける、さっきのシルエットに関してはFDAが許可を出していたのに、この溶けないやつはFDAが許可を出していないんですよ。
さらに言うとですね、溶ける、溶けないの話でいくと安全性はあるんですけど、効果自体がっていうところがFDAが認可を出しあぐねているというふうな話があるんですね。
ここからちょっと怖いものの話もあったりするんですけども、
よく溶ける糸がですね、溶けていった後にコラーゲンが残って、そのコラーゲンが糸の代わりに引っ張ってくれるから、溶けても効果が持続しますよみたいな文言というかですね、セールストークのような説明があったりするんですね。
いろんな美容外科に行ってお話聞くとそういうことを言われたりとかですね、カウンセラーさんとかもそういうふうに教育されているので、そういうふうにお話があったりとか、ホームページなんかでもそういうふうに書いたりすることがあるんですけど、逆に言うとそれ怖い方の話もあってですね、PLLAとか、PLGAって溶けるのにちょっと時間がかかるやつですね、長く持ちますよって売っているやつとかは、
自発性の炎症反応の報告があってですね、これが割とその問題を起こしてくる、要はその肉営形成とかしこりんやったりとかいうふうな話も出ているようなんですよね。
これでいくとですね、解ける意図系のこのシステムアディクトレビュー上のまとめっていうのは、実はですね、論文いろいろ出てるんやけど、まずフォローが4ヶ月から6ヶ月ぐらいの短期的なやつが多いんです。さっきのもだいたい3ヶ月とか半年とかですね。
この段階で満足してますとか、いい感じですっていうのが多いんですけど、短期的には良いという報告はあるんですけども、さらにコラーゲンを増生させるとか言ってますけども、どの論文もだいたい6ヶ月、要は半年までしか見てないものが多くて、長期的に、要は何年も経過したときにその効果が本当に確認できている論文というのはないと。
さらにですね、コラーゲンなんたらみたいな話なんですけど、糸が溶けていく際に繊維ができて、その繊維が支えてくれるといったですね、こういう研究レベルの話はあっても、実際の臨床では結論は出てないんですよ。
15:14
なので、何か溶けたら繊維ができて、それがピッと引っ張ってくれるとかって言ってるのは、証明されてないというふうな話になってるんですね。これ論文上の話ですよ。
現時点では、この糸リフトにおけるエビデンスレベルというのは極めて低くて、短期的な、溶ける糸ですね。短期的な報告しか出てないので、効果が出てるとか言ってる論文も要は見てみると、糸とヒアルロン酸を組み合わせて行っていることも多かったりしてですね。
そもそも研究のデザインとして、本当にその治療効果が信用できるものなのかどうかというのがはっきりしないというようなことを書いています。
論文にはストラクチャーというのがあって、導入編があって、説明があって、最後にまとめみたいなのがあるんですけど、この論文のまとめですね。これが面白くてですね。
この論文のまとめですよ。この現時点において、お医者さんは患者さんに対して、そもそもこの治療が長期的にきちんとした結果が出てるっていう風なエビデンスがないっていうのをきちんと説明しなきゃいけません。
その結果に対しても、いわゆる現実的な期待度、つまりめっちゃ変わりますがめっちゃ上がりますって言わないと。さらにもともとあり得るような合併症の話もきちんとしなさいねっていう風なことをここでは書いてるんですよ。それを言いなさいよ。それがお医者さんにとって必要ですよっていうのを推奨してるんですね。
なので、さらに面白いのが、これは皮膚科の論文なので皮膚科の先生に対するメッセージみたいなのが書いてあるんですけど、解けない糸はめっちゃ良さそうに見えたけど結果的にあかんかったやんと。
だからやっぱり皮膚科っていうのは学び続けないといけなくて、それで世の中に新しい情報が出てきたらそれを患者さんに伝えていかないといけないね。新しい技術が出てきた時にすぐに適用するんじゃなくて注意してそれを本当に効くかどうかを確認しなさいよみたいな注意喚起で終わってるという論文なんですね。
これがですね、僕も論文いろいろ読んできましたが、システマティックレビューという一番レビデンスレベルが高い論文が治療効果があるとは言わないと。結局ないとも言ってないんですよ。ないとも言ってないんですけど、レビデンスが足りないからなんとも言われへんねんけども、まとめのところで皮膚科の先生たち、あなたたちは気をつけて新しいものを適用しないといけませんよと患者さんたちにちゃんと情報を伝えないといけない。
18:20
いけませんよっていうことを念押ししてる論文やったんですね。どうですか皆さん。このトーンで糸の話書いてるホームページとかないでしょ多分。僕見たことないですね。学会とかで割と正直な先生が、いやー糸やっぱりダメですわーみたいな。
なんかいろいろ工夫したんですけどもすぐ戻りますみたいなこと言ってる先生はいるんですけど、普通はやっぱりこうセールストークになってること多くですね。どんどん売りたいみたいな感じになってますよね。ただまあ糸も使い方によって、例えばここではですね糸だけでピッて引っ張るみたいな話になってるんですけど、
例えばフェイスリフトですね。本当に切って手術するときなんかは中にやっぱりこう糸を使って釣り上げるとこなんかもあったりするんですけども、あれは実際に効果を認められている治療なんですね。じゃあここの違いってなんなんやろうなっていうところをやっぱりお医者さんたちは考えないといけないし、シンプルに糸だけピッて引っ張るっていうのはこういうふうに限界があるというふうに考えざるを得ないというふうに富山口は現時点では思っているわけでございます。
いやーどうでしたか。ちょっと衝撃的な事実で、これこの情報大丈夫かなと僕も刺されるんちゃうかなみたいなふうに思ってますけども、なのであくまでも勘違いしたらあかんのは、この糸をやってるところが全部悪どいって話じゃないですかね。
あくまでも現時点ではエビデンスレベルが断言できるほどのエビデンスレベルは溜まっていない。なので誰かそういう研究やってねみたいな感じやと思ってください。
なのでそこらへんをですね、検証していきたいなというふうに思ってますね。
ということで今日第一弾ですね、医学論文を読み解くみたいな感じですけども、どうでしたか。そんな難しくなかったくないですかね。むしろいろんな数字が出てきたりとか具体的なパーセンテージが出てきたりとかして面白いと思うんですけどね。
こういう情報はサロンメンバーにはですね、フェイスブックの方で情報自体はシェアしたいなと思いますので、YouTubeの皆さんはこの内容自体をですね、僕のちょっと聞き取りにくい声だったりとか早口だったりとかしますけども、そこから情報を抜いていただいてですね、お勉強していただければなというふうに思いますので、
糸の治療をですね、ご検討の皆様はですね、一応そういうふうな情報があるんやなというのは頭の片隅に置いておいてくださいね。解けない糸は怖いよね、解ける糸はクエッチョンみたいな感じですね。はい、ということで今日はそういった内容になりました。以上です。じゃあね。See you.