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2021-04-30 24:39

「足利尊氏 夜明けのばさら」第4話 妖霊星

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室町幕府の初代将軍、足利尊氏の前半生、鎌倉幕府の滅亡までを描いたボイスドラマ
後醍醐天皇の蜂起鎮圧を成し遂げた足利尊氏と鎌倉幕府軍。しかし、高時を中心とした執権北条家は腐敗する一方で、尊氏はこの鎮圧の戦の中で感じたわだかまりを抱えて鎌倉に戻ってきたが。。。

セリフ書き起こしはこちら:https://bit.ly/3xlt4Hk

●脚本:高井忍
●演出:岡田寧
●出演:
 足利尊氏(高氏):平塚蓮
 赤橋登子:井上あすか
 足利直義:望生
 北条(赤橋)守時:忠津勇樹
 田楽法師:吉川秀輝
 錦小路殿:柏谷翔子
 北条高時:小磯勝弥
 新田義貞:大東英史
 後醍醐天皇:田邉将輝
●選曲・効果:昆優太
●スタジオ協力:スタッフ・アネックス
●プロデューサー:富山真明
●制作:株式会社PitPa

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00:04
足利尊氏 夜明けのばさら
第4話 妖霊星
五無本が鎮定されてから半年の後、
玄徳四年三月、五代後天皇は奥来を失い、
先の帝として沖の国へ御先行になりました。
沖の刈戸所は大層粗末な造りで、
先邸の周りに愚部する人数とてわずかばかり、
それは寂しい島暮しでございましたが、
先邸は討伐のお志をいよいよ盛んにして、
御輩所の中に壇をお設けになり、
駒を焚き、僧侶に代わって御自ら、
勘と重複の手法を朝に夕に取り行われたというお話です。
不気味な大噂は人から人へ口づてに、
沖から海を越えて出雲へ、
郷の都へ、そして遠く鎌倉の地まで伝わって参りました。
がなはちみなやか、がなはちみなやか、
悪人悪行即失大惨、
張敵覆滅御敵張無垢。
相模入道よ、
法杖が子孫、高時法師よ。
たとえ陳から三種の仁義を奪い、
俗世の位を奪おうとも、
今なお天道は陳と共にあると知るがよい。
関東は十位なり、
天下の慣例しかるべからず。
がなはちみなやか、がなはちみなやか、
我らも持ち足るがなはちみなやか、
ゆうかい、ゆうかい、
褒美にすれ、この一手手でゆとるがよい。
では、それがしも、
私は大口ばかまを与えましょう。
しけもり時よ、その方も何か、
伝学の者らに褒美として投げてやれ。
お玉漏れが過ぎましょう、高時さま。
近年は不作続きで、
御家に百姓は今や疲弊の極み。
かような時に伝学見物にうつつをぬかすようでは、
上に立つ者としてしもじもに示しがつきませる。
03:00
かような時に伝学どもを呼んだのだ。
うたって、おどって、他の神を楽しませて、
法則をねがとるのよ。
これは汽車だ、乗載だ。
神仏への汽車をおしんで、
伝学の安寧を保てようか。
しかし、おのずからわきまえがございましょう。
わかった、わかった。
ところで、しっけん、
その法は何のようで参ったのだ。
戒厳の御沙汰をいただきたい。
近利からも得足の使者がございました。
戒厳?
そのことなら、
当家の執事と相談いたし、
良気に計らえばよい。
つまらぬことでわずらわせるな。
御執事と決めればよろしいのですが、
されば、森時はこれにて御免使わせる。
ああ、いけ、いけ。
きょうざめではないか。
酒がまずくなら。
戒厳。
戒厳と申したら、
さっきの帝も、
玄徳をやめて、
玄公の玄王にあらためようと
執着しておいでだったな。
たびたび鎌倉に立てついてわずらわしい上、
ほくらいを這いして、
沖の国へおうつしまえらせたわ。
よい気分じゃな。
よし、見物はもうあった。
わしも舞うぞ。
みなも舞え。
舞いたいものは、
わたしといっしょに舞え。
一人、
二人、
三人、四人、
あとからあとから天国どもが、
舞台にあがってきおるわ。
舞えや。
歌えや。
遠慮はいらんぞ。
この世は、
無礼講だ。
無礼講だ。
天皇陣の、
幽霊星を見舞えや。
幽霊星を見舞えや。
幽霊星を見舞えや。
幽霊星を見舞えや。
おもしろいな。
おまえはくちぶしがとがって、
まるで鳥のような面相ではないか。
おお、
こちらは顔は剣木じゃらで、
狸か、
狐か、
ああ、
ああ、
その方はずいぶん舌が長いの。
06:00
さっきかふたつに言われて、
まるで犬のような。
いやいや、
おまえは、
立派な鷲を生やしておるな。
かぶり者ではなくて、
本物の鷲か。
う、
う、
う、
う、
う、
う、
う、
渡所様‼
起きよ! たしかに!
これは何とした事でございますか
高時様!
天のえ…
天の…
橋アーミン
これは高内殿
よく来てくれた
何か御用かな
ご失見はお聞きでござるか
せんだっての会議のお噂で
鎌倉重が持ちきれでございます
異類の群れに高時様が襲われた
お屋敷が散々に荒らされたのだと。
そのことか。
人の口に戸を立てられぬものだ。
三つ四つの子アッパどもが、意味もよく知らず、
面白がって林立てて居るのを聞きました。
四十余りの古入道、
水餃余りにまうまいなれば、
不勢あるべしとも覚えざりける。
四十余りの古入道。
人の噂は広まるのは早いが、
当てにはできんな。
高時様は当年三十、
私よりもずっと年下だぞ。
下々の者たちはそこまで承知しておらんのでしょう。
いずれにせよ、
あろうことか法上一門の着流、
徳相家の御当主が異類にたぶらかされたと申すのですから、
皆は不安がっております。
高内殿は、
普段の会議をどう見る?
悪い夢をご覧になったのでしょう。
屋敷を荒らした下主人は多かた、
高時様が酔い潰れたとみて、
殿学の一座が盗賊に早変わりしたというところでは。
ですが、天皇寺の妖霊墓師とは何のことでしょうか。
住者に尋ねたものがある。
妖霊墓師は災いをもたらす星故、
天皇寺のあたりから、
乱が起こる予兆ではないか、という答えであった。
それでは、機内で戦乱がまた起こると。
天皇寺の周辺と申したら、
泉、あるいは河内どこにか。
千年の戦で、
下若坂城は最後に自ら火を放って焼き落ちたが、
確か、大将の行方は知れないままになっておったな。
はい。
楠木正重と申しまして、
09:00
生き延びておれば必ずや、
再度の巨兵を致しましょう。
会議に見舞われても、
高時様の御向上は一向に止まぬ。
祭りごとを帰りみず、
昼は刀剣、夜は殿岳の宝刀三昧、
この頃は御家来主に何もかも丸投げの有様。
すっかり棚が緩んでおいでのようだ。
再び戦が始まるまで、
思いのほかに早いような気がする。
申し訳ないが、
追悼軍の大将として、
これからも高時殿の力を頼みにする機会は多いだろう。
森時様、
私とて、
仮初めに足利家の当主を務める立場です。
老いはようやく厳福致しました。
足利家は一門の仲のみならず、
他の家からも、
老いへの相続をどうするのか、
着陸にお戻しするのが筋ではないか、
といった声がしきりに聞こえてまいります。
いまだに天下は落ち着かぬのに、
そのようなことを。
いつか、
我が父貞氏が申しておりました。
私はご性質の子ではない。
主になったら、
足利の老いへが乱れるのだと。
苦しいお立場はわかるが、
戦乱となったら、
高内殿でなくては乗り切れん。
いましばらくは、
足利一門を預けておくぞ。
はい。
厳徳四年は四月のうちに終わり、
将棋元年に開源となりました。
後から思い返してみますと、
将棋元年の夏から秋にかけてのこの頃が、
鎌倉にとっては最後の平穏といえる一時でございました。
六原丹代からの急使でござる。
前年に永山を下り、
行方を絶っていた大東宮が吉野で挙兵致しました。
薙刀正義家が挙兵。
河内の支配城が奪われました。
張馬の国で赤松延新の一党が放棄した余死に、
山陽道並びに山陰道に兵を出して、
鎌倉方の軍馬の往来を阻んでおります。
沖の国千条山で、
長々としなる者が兵を挙げました。
先帝が、先帝が、
先の味方が沖の庫廃所を抜け出して、
縄勢が立て込む千条山へ御宣誓との急報でございます。
即失大惨、朝敵復滅、恩敵重復、
高時報しよ。
真が生きて世にある限り、
仁義をもって天命は覆らずと。
思い知るなよ。
先帝を逃しただと?
ええい、
沖土藩官は何をしておった?
関東八州から兵を集い、
直ちに討手を差し使わせ。
12:02
どこまでも鎌倉にあだなさんとする御親近。
かくなる上は容赦侵食は無用であるぞ。
死者狂いの犬合わせも戦も同じ。
神殺すか、神殺されるかのどちらかだと心得るがよい。
正経二年三月のある日、
思いがけず足利屋敷を訪ねた客がございました。
足利一門の御家人で、
上野の国に所領を持つ、
日田小太郎義貞殿でございます。
これは日田殿、
下赤坂城の合戦依頼となるな。
足利本家御当主に置かれましても、
いよいよ御双剣であらせられる。
誠にもって執着至極に存じまする。
一時の仲繋ぎでござる。
ところで日田殿は傲慢役を命じられて、
都に留まったように伺っておったが、
都からの帰都でござる。
先頃までは千早城攻めに加わっておりました。
陣中で流行病にかかり、
この上の戦働きは到底可能なずと判断して、
こうして引き上げて参った次第。
流行病。
日田殿は病人のようには見えないぞ。
はっはっ、口実ですからな。
戦の支度はまず税にがかかる。
兵労がないのでは戦を支えられぬ。
この度は戦の規模が膨れ上がり、
長引いたことで、
税にも兵労ももはや底をつきました。
なんと!
今、機内近国では、
鎌倉方の御家人がどんどん諸領へ帰っていきます。
税には兵労がないからです。
皆ここまで戦が長引くとは考えてもいなかった。
方や族群は後から後から人数が増える一方で、
そのうちに鎌倉方はすりつぶされることになるでしょう。
知らなかったぞ。
西国ではそのようになっていたとは。
もう一つ、
慌てて帰ってきたのには事情がござる。
日田家にとってはこちらの方がむしろ一大事。
御諸領で争い事でも持ち上がったか。
御当初はお聞きではないのか。
このところ、幕府の武行が御家人の諸領を直に回って、
軍資金を調達するため、
強引に情納金を召し出させておるようなのです。
日田の将にもやってきました。
六万元門を直ちに納入せよと。
六万元門とは。
それはまた、大変な税にではないか。
ただでさえ領民の急忙が深刻なところへ、
このような情納金を課せられたのではひとたまりもない。
戦で敵に撃たれる前に御味方に日殺しにされてしまうでしょう。
それがしは知らせを聞いて、
情納金の徴収をやめさせるために帰ってきたのです。
西岡、どれだけ助けになるかわからんが、
私からも御執権の御耳に入れておこう。
それはありがたい。
15:02
それがしは日田の将へ急ぐゆえ、
これにてごめん。
兄上、日田殿は幕府のやり方にすっかり腹を立てていましたね。
あれは一本気な男だ。
味方のうちは頼みにできるが、
一旦的に回したら、どこまでも立ち向かってくる。
西岡の状況は思いのほかに悪いことになっているようです。
幕府の足元がここまでぐらついているとは思わなかった。
道理で先手に御味方する者が後を整えはずだ。
この戦乱はどうなるのでしょう。
知るものか。
目先の戦に勝ったところで、
そのために帰って悲鳴を招いたなら、
天下の人心はますます鎌倉を離れてしまい、
賊軍はすぐに勢いを取り戻す。
こんなことでは堂々巡りだ。
討っての大将は、三陽道名越終りの神に、
三陰道足利十二湯に命じる。
良人を直ちに上落させよ。
天下の大乱はひとえに、
先手の御範囲から起こったこと。
戦場さんを落とさずして、戦乱は終わらぬぞ。
お殿様、
徳相家のお使者はやっとお帰りのようですね。
気になるのか、桃子殿。
一日のうちに二度のお使者でございますもの。
徳相家。
高時様は痛くご不況のようだ。
いつまで上落を先延ばしにするつもりか、
ときつく責められたわ。
やはり御室人の督促でしたか。
お殿様はどのようにお答えになったのですか。
病み上がりで、体調が優れないからだと申しておいた。
言えたら、非ならずして上落致すとな。
まあ、御殿様は御相賢そのものですよ。
気乗りがしないのだ。
この戦は前の室人と同じようには戦えない。
そんな気がする。
弱気をおっしゃいますこと。
私は弱いお方は嫌いですよ。
御殿様は戦が怖くなったのでしょうか。
戦が怖いように見えるのか。
ハハハハハハ。
私は命のやりとりを怖がっているのではない。
そんなこととは違う。
私は戦が好きなのだ。
きっと性に合っているのだろう。
戦は分かりやすくてよい。
勝った者が強くて、負けた者が弱い。
まるで子供のようなことをおっしゃるのですね。
生まれつきの性分さ。
難しいことや余計なことは何も考えないで、
その時、その時、その場、その場、
目の前にある事態をどうやって切り抜けるか。
とっさに選び、決断を下して実行する。
上手くやったら皆が喜んでくれる。
18:00
下手を打っても私の評判が落ちるだけだ。
他の誰かのせいにはできない。
だから戦は楽しい。血が騒ぐ。
この時のために生まれてきたようにさえ思えてくる。
戦が楽しいのでしたら、ご出陣は結構なことではございませんか。
お殿様は何がお怖いのですか。
戦が楽しいから、怖くなるのだよ。
毎日父上に言われたことがある。
お前たちは足利家をいつか危うくする、と。
私が大将軍を任されて出陣して、大軍を動かしたりしたら、
その時その場の勢いに任せてとんでもないことをやってしまうのではないか。
私は戦よりそのことの方が怖くて仕方がない。
まさか、お殿様の虜しくろうではございませんか。
そうは思えぬ。
私はな、足利の老い家は老いや、弟たちに任せて出家遁世したいとさえ考えておるのだ。
俗世の愛しさとは縁を断ち切り、書を読み、歌を読んで心静かに暮らしていたい。
ところが今の私の立場がそんな願いを許してくれぬ。
ああ、鳥は良いな。
どこへだって好きなように飛んで行けるのだから。
お殿様は先の味方とは戦いたくないのですね。
さて、どうして桃子殿はそのように重いなのだ。
私は妻ですもの。
先の出陣からお帰りになってからというものを、お殿様は塞ぎ込むことが多くて、お声をかけても上の空。
もしや先の味方にお心を寄せておいてなのでしょうか。
どうだろうか。
ただ、先邸が沖から戻ったとの一報を知らされたとき、私はとても驚いたのだ。
恐れたのではない。
よくやったなと心が動いた。
感嘆した。
羨んだと申してもよい。
お殿様が先の味方をお羨ましいと?
先邸は途方もないことをなされた。
並の者では望んだところで到底かなわない御宗挙だ。
もしも私が同じ立場に置かれたとして、先邸と同じことができるかどうかは。
そんなことを考えていたら、私は無性に先邸がお羨ましくなった。
人は誰だって、強いお方が好きですもの。
そうだ。先邸はお強い。
このまま出陣したとして、鎌倉の大将軍として、私は先邸に立ち向かえるだろうか。
先邸のお強さに心を奪われて、今は思えもよらない大変なことをやってしまわないか。
私はそのことがたまらなく怖いのだ。
21:00
お殿様、桃子は育児のないお方は大嫌いです。
はっきりと申したな。
西国追悼の大将軍を育児なしだと。
育児なしではございませんか。
とんでもないことでも、大変なことでも、先の味方のせいにはなさらず、
お殿様がご自分で選んでお決めになったらよろしいのです。
何をおためらいになられているのですか。
私が大好きなお殿様は、はねっかえりで、怖いもの知らずで、手のつけられない暴れん坊のはずでございます。
そいつはひどい。まるきりバサラ呼ばわりではないか。
お殿様は戦が楽しいとおっしゃいました。
でしたら、存分に楽しまれて、なされたいようになされればよいのです。
勝ちでも負けでも、うまくやったと桃子は喜んで差し上げます。
喜んでくれるのか。そうか。それはありがたい。
では、私は桃子殿から嫌われない男として振る舞ってみせよう。
足かがのせがれ。羊をしぶりにしぶって、重い腰をようやくあげおった。
臆病風に吹かれたか。うまことに戦おうと思っておるのか。
人質じゃ。上楽のあいだ、足かがの妻子は鎌倉にとどめるように申し付けよ。
それから、双心の亡きよ、希少紋をとっておけ。
鎌倉を出発した東国勢は、東海道を西上して、やがて大見の国、鏡宿に達しました。
これは鏡宿での出来事でございます。
兄上、ご覧ください。上杉から、母上のご実家から、このようなものが送られてまいりました。
まさか、これは先帝の、五大御邸の隣人ではないか。
作、高井忍。演出、岡田康史。出演。
足かが高渕、平塚錬。
足かが忠義、三尾。
赤橋森時、田達雄貴。
伝学法師、菊川秀樹。
西木浩二殿、柏谷翔子。
北条貴時、小磯勝也。
日田義貞、大東秀夫。
五大御殿の、田辺雅樹。
スタジオ協力、スタッフアネックス。
演出、大河原崎。
浜崎忍。
24:01
選曲、甲賀。
今優太。
音楽協力、HMIXギャラリー。
甘茶。
プロデューサー、富山正明。
制作、株式会社、ピトパ。
24:39

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