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こんばんは、オカナです。
このポッドキャストは、好きな歌人の方の短歌や、自分で作った短歌について、勝手にあれこれ想像しながらおしゃべりしています。
毎週金曜、夜8時に配信しています。
1日の終わりの息抜きになったら嬉しいです。
今回は雑誌に掲載された自作の短歌をご紹介します。
選ばれた短歌とそうじゃない短歌を比べると、伝わる短歌を読むコツが見えてきました。
今回は伝わる短歌と伝わらない短歌の違いについてお話ししたいと思います。
長女です。色々あって今はもう落ち着いています。何その紹介。
今回は自作の短歌で、長女です。色々あって今はもう落ち着いています。何その紹介。という短歌をご紹介します。
この短歌は、実はダヴィンチという雑誌の短歌くださいという、
ふむらひろしさんがやってらっしゃる短歌の投稿のコーナーに掲載された短歌になります。
私が短歌を始めたきっかけが、ふむらひろしさんの短歌を読んで、
それであの短歌を作り始めたので、
いつかふむらひろしさんに私の作った短歌を読んでほしいなっていうふうに思ってたんですね。
なので、あの短歌の投稿する場所って色々あって、
雑誌だったり新聞だったりあるんですけど、
最初はなんか色々出当たり次第に出したりしてたんですけど、
最近はですね、このふむらひろしさんの短歌くださいのコーナーに絞って、
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短歌ができた都度応募をしてました。
なので、でも多分ね応募数ってすごく多いと思うし、
選ばれるって、乗るってよっぽどじゃないとならないんだろうなっていうふうに思ったので、
まさか乗るとは思ってなくてですね、
雑誌をですね、私あのkindleでダビンチ読んでるんですけど、
ぺらぺらって読んでた時に、
なんかこの短歌見た、どっかで見たことある短歌だなって思ったら、
自分が作ったやつだったっていう、
なんかすごく乗るなんて思ってもなかったのでびっくりしました。
簡単にこの短歌の背景をお話ししたいと思います。
この短歌はですね、私の妹が先日結婚しまして、
結婚式の場で親族紹介ってあるのわかりますか?
両家の親族が揃って、それぞれ自己紹介というか、
何だろう、父の何々です、母の何々です、姉の何々です、みたいな感じで、
お互いの家族を紹介する場が、
だいたい結婚式ってあると思うんですけど、
その場でですね、父が私たちの家族を代表して、
親族紹介をするっていうことになったんですね。
先にお相手の方が親族紹介してくださったんですけど、
すごくまともなというか、めちゃくちゃちゃんとしてわかりやすいですね。
いわゆる親族紹介で。
うちの父はですね、結構変わってるんですね。自由人というか。
で、父が紹介するときにですね、
収支めちゃくちゃなんですけど、
私の紹介になったときに、長女の〇〇です。
で、いろいろありましてって急に言い出したんですよ。
普通ね、長女の〇〇です。何歳です。仕事は何をしてます。とかなんかね。
そんな感じじゃないですか。どこどこに住んでますとかね。
じゃなくて、いきなり長女の〇〇ですって名前を言った後に、
いろいろありましてって言い出したんですよ。
で、私はえ?って思って、
何を言い出す。この人、妹の旦那さんの家族に何を言おうとしてるんだろうって思ったら、
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いろいろあって、でも今落ち着いてましてみたいな。
なんか勝手に一人で父の感傷に浸ってるっていうか、
なんかもうそれが面白くて、
私は本当に何言ってんだかって思ったんですけど、
それが結構印象深かったので、
せっかくなんで単価にしようと思って歌を読みました。
で、ほむらさんのコメントにも、
全然紹介になってないんだけど、
これがお父さんの実感なんでしょうねっていうようなことを書いてくださっていて、
多分そうだと思うんです。
私本当に仕事もてんてんとしてるし、
住むところもてんてんとしてたし、
で、結構ね、めちゃくちゃと結構結婚したり離婚したりとかですね、
本当になんか漂流生活みたいな感じなんで、
多分父の実感としてはもう、
この子は本当にいろいろあったなっていうことだと思うんですよ。
で、でもまあ今落ち着いたなって思ったってことは、
きっと安心してくれてるのかなっていうふうに今は。
で、私のいろいろも、
父はきっといい経験として認めてくれてるのかなっていうふうにですね、
思ったりしました。
単価はこんな感じなんですね。
で、私今までも1年間で毎月1週ぐらいは投稿してるので、
1年間で10週とか10何週とか送っていて、
今まで送ったけど掲載されなかった、
まあ本村さんが取らなかった単価と、
今回本村さんが応募の中から救い上げてくれた単価との違いって何かなって思った時に、
一番はすごく個人的でリアリティがあるっていうことでした。
この親族紹介って本当に私のめちゃくちゃ個人的な話で、
いろいろあってっていういろいろの中のエピソードっていうのも、
私と父の間の本当に個人的なエピソード。
で、それはこの単価を読んだ人、本村さんをはじめ、
私を通じて読んでくれた人たちにも何があったかわからないし、
父と私の関係もわからないし、
本当に超個人的なことなんですけど、
だけどなんかすごくリアリティがあったんじゃないかなって思ったんですね。
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で、単価って結構超個人的な、超私的な気持ちを書いた方がいいような気がしていて、
本村さんもそれに近いようなことをおっしゃっているんですけど、
なかなかなんか自分でそういう単価っていうのが作れなくて、
なんであの、私が普段作る単価って結構漠然とした単価が多いんですよ。
季節の移り変わりだったり、目に見える景色って感じたことだったり、
なんかそういうね、すごく広い、なんだろう、誰にでも見れることなんだけど広すぎて、
ちょっとピンとこないというか、ぼやけちゃってるみたいなことが多いんですね。
で、なかなかそこにリアリティを持たせるとか、
そこに超個人的なエピソードを持たせるっていうことができなかったんですけど、
今回ってすごく限られた妹の結婚式の親族紹介っていうすごくピンポイントなシチュエーションで、
かつ私と父の間に実はこの38年間ね、いろんな思い出がありました、
葛藤がありましたっていう本当に誰にもわからないことを書いたんですけど、
それが実は伝わったのかなって思いました。
そういう個人的なエピソードなんだけど、それが全く同じエピソードじゃないけど、
なんか読んだ人にその方のオリジナルのエピソードを、
なんか思い起こさせるような力があったのかなっていうふうに思いました。
だからこれを読んで、なんだろう、
うちの長女も落ち着かないんだよなっていうことを思う人もいるだろうし、
あ、うちの子もそうだわっていうふうに親目線で思う人もいるだろうし、
例えば子供目線で、あ、うちのお父さんもなんかそういうわけわかんないこと言うんだよねみたいな、
そういえばこんなことあったなっていう、この歌をきっかけに個人的なエピソードを思い出すっていうか、
それでなんかその親子の関係のあったかさに改めて気づいたりとかね、
なんかそうやって感情が広がっていくのかなっていうふうに思って、
だから個人的な、超個人的なエピソードって、その方が実は人に伝わるんじゃないかっていうのを、
あの本村さんがこの歌を録ってくれたことですごく実感しました。
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はい、いかがでしたでしょうか。
今回は自作の単歌で、長女です。
いろいろあって今はもう落ち着いています。
その紹介をご紹介しました。
単歌でおしゃべりは毎週金曜夜8時に配信しています。
また来週金曜夜にお会いしましょう。
それではおやすみなさい。