1. 志賀十五の壺【10分言語学】
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2022-04-16 09:44

#434 日本語の複文のふしぎ from Radiotalk

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「動詞の変化形」ではなく「述語(形容詞)の変化形」です
「同じ主語じゃないとダメで」

参考文献
『現代日本語の構造』(南不二男、大修館書店)

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#落ち着きある #ひとり語り #豆知識 #雑学 #教育
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始まりました、志賀十五の壺。みなさんいかがお過ごしでしょうか。来店多名問です。
今回は、日本語の複文というものについてお話ししていこうと思います。
これは文が文の中に組み込まれているようなもので、
まあ、従属説とか、あるいは副詞説みたいな言い方をしてもいいかもしれません。
お腹が痛いので休みます、みたいなもので、
まあ、この場合、お腹が痛いっていうある種文が、
休みますっていう文を就職してるというかな、
まあ、お腹が痛いのでっていう、こういうのを従属説とか言ったりするんですけど、
まあ、これが休みますという主説を就職しているというか、
主説に従属している、依存しているというような言い方をします。
日本語の場合は、お腹が痛いので、みたいに、
まあ、大抵最後の動詞をはじめとする述語に、
まあ、のでみたいなものがついたりとか、
まあ、あるいは痛くて、みたいに動詞の変化形で従属説であることを表すんですよね。
で、ここで英語みたいな言語をちょっと思い返してみると、
whenとかifとかこういったものを使うんですよね。
なので、そういったものは文の頭に出てくるので、
まあ、日本語とはちょっと構造が違うと。
で、さらに日本語の場合は従属説が大抵前に出てくるんじゃないかなと思います。
従属説、主説という語順が一般的で、
休みます。お腹が痛いので。みたいな言い方は、
まあ、当地っていうふうに感じるんではないかなと思います。
この従属説が表す意味っていうのは様々で、
まあ、今言ってるお腹が痛いので休みますっていうのでっていうのは理由を表しますけど、
雪が降ったら中止です。みたいなものは、まあ、条件ですよね。
あるいは、ドアを開けて出ていったみたいなものは、
時間的な順序みたいなものを表しています。
まあ、一口に従属説と言っても意味は様々だということですけど、
共通しているのはやっぱり従属説というだけあって、
主説に依存しているということですね。
そして日本語の場合は、述語の変化形や、
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その述語に何かくっつくことによって従属説であるということを表します。
まあ、今言ったように従属説っていうのは意味的にも多種多様なんですけど、
文法的にも結構ね、多種多様というか変わっていて、
もっと言うとね、その従属説の中でも、
より依存しているものと、より独立しているものっていう風に段階があるんですね。
まあ、階層性があるという風に言い換えてもいいかもしれません。
で、このね、従属説の依存度、あるいは独立の度合いっていうのを研究した先生が、
南藤代っていう先生で、これがね、非常に面白いんですね。
で、南先生は、その従属説の依存度の度合いによって、
より従属的な依存しているものをAタイプ、中位のものをB、
で、最も独立しているものをCっていう風に、ABCと段階を分けてるんですね。
Aタイプに含まれるもの、つまり最も主説に依存しているものとして、
ながらっていうのがあります。
まあ、あるいは何々しつつ、みたいなつつもここに入るんですけど、
まあ、ながらっていうのは、よくね、付帯状況とかいう風に言われるんですけど、
太郎はラジオを聞きながら顔を洗った。
まあ、こういう風に同時進行を表すようなものですね。
このながらっていうのが、何で主説に依存しているかっていうと、
従属説と主説で別個の主語を取れない、つまり同じ主語しか許されないんですね。
太郎はラジオを聞きながら、二郎は顔を洗ったとは言えず、
必ず共通した主語でないといけません。
それとながらの方は、否定っていうのも含むことができないんですね。
太郎はラジオを聞かないながら、みたいな言い方はできなくて、
聞きながらっていう、ある意味肯定形しかないんですね。
これがもう少し依存度が低くなる、つまり、
より一つの文として独立性が高くなると、別個の主語が取れたり、
否定を表すことができるようになります。
これがBタイプで、のでっていうのがここに入ります。
例えば、太郎が来たので二郎は困った。
これは従属説と主説で別個の主語が出てきてますよね。
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これはAタイプには見られない特徴です。
このBタイプののでは、否定も含むことができるので、
太郎が来なかったので二郎は困ったっていう風に言うことができるし、
さらに独立した文っぽい特徴として、定名形もあるんですね。
太郎が来ましたので二郎は困りましたっていう風に、
デスマス形もここに入ることができます。
こういった意味でAタイプよりBタイプはかなり文らしさがあるっていう風に言うことができます。
そして従属説の中で最も従属度が低い、独立しているのがCタイプで、
代表的なものはがみたいなものです。
これは主説とは違う主語も取れるし、否定もできるし、
さらには推測のだろうみたいなものもつくことができるんですね。
明日は雨が降らないだろうが念のため用意しておこうみたいに、
このだろうみたいなものはモダリティと言われるんですけど、
こういうモダリティっていうものがCタイプには出てくることができます。
さっきのBタイプののでみたいなものは、
だろうのでみたいな言い方はおそらくできないんじゃないかなと思います。
以上、日本語の従属説がAタイプ、Bタイプ、Cタイプに分かれて、
Cタイプっていうのは最も文っぽいっていうかね、そういったお話をしました。
おさらいしとくと、一番従属度が高いAタイプっていうのは、
従属説で別個の主語を取ることができずに、
必ず同一主語じゃないといけない、そういったタイプのもの。
Bタイプののでっていうのは別個の主語を取ることができるし、
否定もできるようなもの。
Cタイプっていうのはかなり独立した文に近くて、
今言った特徴は全部持ってるし、
さらにモダリティのだろうみたいなものがつく。
こういうふうに、より主説に従属してるものから独立したものへと、
階層なしてるっていうのが日本語の従属説、あるいは副文なんですね。
これってなかなか言われないと気づかないことじゃないかなと思います。
〇〇しながらっていうのは同じ主語じゃなくて、
しかも否定もできないんだとかね、
そういったことを気にしたことは皆さんないと思うんですよね。
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こういったことって日本語学習者にとっては、
かなり難しいとこじゃないかなと思います。
今日のトークはAタイプ、Bタイプ、Cタイプで、
ながら、ので、がっていうのを代表例で挙げましたけど、
それ以外にも、山ほど日本語の従属説の形っていうのはあるので、
日本語学習者の方は頑張ってくださいといった感じです。
というわけで今回のトークはここまでということで、
最後まで聞いてくださってありがとうございました。
お相手はしがじゅうごでした。
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