1. 志賀十五の壺【10分言語学】
  2. #645 サンキューとダンケシェ..
2024-04-23 09:49

#645 サンキューとダンケシェーン:第二次子音推移 from Radiotalk

関連エピソード
https://radiotalk.jp/talk/643392
https://radiotalk.jp/talk/646314
https://radiotalk.jp/talk/669661

主要参考文献
Fortson, Benjamin W. 2010. Indo-European Language and Culture: An Introduction. 2nd Edition. Malden, MA: Wiley Blackwell.

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#落ち着きある #ひとり語り #豆知識 #雑学 #教育
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始まりました、志賀十五の壺。みなさんいかがお過ごしでしょうか。椿朗です。
英語でありがとうはサンキューですよね。では、ドイツ語でありがとうは何というでしょうか。
まあ、ご存知の方もね、多いと思います。ダンケシェーンというんですね。 このサンクっていうのと、ダンケシェーンのダンケっていうのは
語源が一緒です。 祖語、
つまり祖先の言語では同じ単語だったと考えられているんですね。 それぞれで音変化が起こり、この場合はそれぞれではないですね。
ドイツ語の方で音変化が起こって、サンクとダンケっていうのは違う発音になっています。
いますが、 その英語とドイツ語が分かれる前の
ゲルマン祖語の時点で 音変化があったんですね。
で、このような変化をグリムの法則と言って、 まあこの場合はね具体的な
語形をねお話しした方がわかりやすいと思うんですけど、 インドヨーロッパ祖語、ゲルマン祖語よりさらに遡った
サンクとかね、ダンケの元の形ですね。 それは
テンみたいな形だったそうです。テン。 最初のシーンが
アルファベットでかけばTの音だったらしいんですね。 さらにこれはシンクの語源でもあるので、
サンクとシンクって確かに形に似てますけど、実際語源が一緒なんですね。 で、このテンという音が
英語やドイツ語の祖語、ゲルマン祖語に分かれる時に 摩擦音に変わって
THで書くような音ですね。 ツーっていうような音になりました。
で、その後、 ドイツ語のグループの方だけまた別個の変化が起こって
スっていうのがドゥっていう音に変わったんですね。 で、さらに言うとインドヨーロッパ祖語からゲルマン祖語に分かれる
TがTHの発音になる。これを第一次浸水と言って、 英語とドイツ語を分ける要因になった。
これももうちょっと詳しく言うと、 高知ドイツ語に起こった変化の方を第二次浸水と言います。
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高知があるんだから低地もあるんじゃないかというとあります。 低地ドイツ語っていうのはオランダ語なんかが含まれるもので、
オランダ語にはドイツ語に見られるこのTHの音がDの音に変わるっていう変化はなかったんですね。
第二次浸水の影響を 低地ドイツ語は受けなかったということです。
このグリムの法則については関連エピソードがいくつもあってですね
シャープ359、シャープ361、そしてシャープ372。 多分372が一番詳しくお話ししてるんじゃないかと思います。
このねグリムの法則面白いんですけど、 ざっくり言えば比較言語学、歴史言語学なんですけど、
まあそれらのエピソードでも言ってると思うんですけど、難しいんですよ。いろんな意味で。 複数の言語の話をしなきゃいけないし
音声学の知識っていうのが前提になるので 10分程度でねなかなかまとめるのは難しいので、ぜひ関連エピソードも合わせて聞いていただけたらと思います。
このグリムの法則と言われる音変化は
何もTの音に限った話ではないんですね。 さっきのだとTがTHになるっていうのが第一次で
THがDになるのが第二次っていうね、それが高知ドイツ語に起こったっていうお話ししましたけど、
もっとね組織的な音変化なんですね。 まず第一次心音推移を言うと
これね頭こんがらがると思うし音声学がわかんないと難しいんですけど、 無精破裂音が
無精摩擦音になり、有精破裂音が無精破裂音になり、 有精有機破裂音が有精破裂音になるっていうのが第一次推移です。
で、高知ドイツ語で起こった変化はそっから第一次心音推移から一歩進んだ変化で
無精摩擦音になったものが今度は有精破裂音になり、 無精破裂音になったものが今度は無精摩擦音か無精破裂音になり、
で、さらに有精破裂音になったものが無精破裂音になったんですね。 で、冒頭お話ししたTENがTHANKになりさらにDANKEになったっていうのは
もともと無精破裂音だったものが無精摩擦音になり、 高知ドイツ語で有精破裂音になったというそういう音変化です。
今言ったものをサムネにしてまとめようとは思うんですけど、 なかなか頭がこんがらがるとこですけど、
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ただ図にしてみると相当スッキリした表になるというか、 かなりシステマチックに組織的に音が変化しているっていうのがわかると思います。
他にもありますよ。 例えば、
英語のBOOKっていうのはドイツ語だとBUFFになります。 この
空が風に対応するっていうのも やっぱり第二次浸水の影響で、
ゲルマンソ号で無精破裂音になったものがドイツ語を含む高知ドイツ語で 無精の摩擦音になっているということです。
ドイツ語に触れたことがある方はね、 英語とよく単語が似てるなぁと思うものも
それなりにあると思います。 が、微妙に音が違うなっていうものもあると思うんですよね。
その場合は今言った第二次浸水のせいで 音がずれているということなんですね。
さっきもお話ししたようにですね、 こういう比較言語学、歴史言語学の話っていうのは面白いんですけど、非常に難しいです。
まあこれ以上話すのもアレなので、 ぜひ関連エピソードも聞いていただけたらと思います。
本当に。 確かね、ディセンバーとテンっていうのが
語源が一緒で、 ゲルマンソ号ではドゥっていう音はトゥっていう無精音に変わったみたいな話をしているはずです。
シャープ372ではね。 過去のエピソードは全部第一次浸水の話しかしてないはずなんですよ。
ですので今回は初めてドイツ語、 高知ドイツ語で起こった2つ目の音変化の話ということになります。
英語の場合は特にそうですけど、 英語はラテン語やフランス語から釈用があって、
英語は英語で変化してるんですけど、 変化してない単語が入ってきたことによって、
2つの音が平行に使われているみたいなことがあるんですよね。 さっきのだと、
英語ではテンっていう風にトゥっていう音に変わったんですけど、 ディセンバーとかディケイドとかこういった単語は釈用ですので、
変化が起こる前のドゥっていう音のまま 現代英語にあるということなんですね。
ですので英語において このグリムの法則っていうのは
釈用を見極める一つの基準となっているということができると思います。 まあそれ以外にもね
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当然細かい規則はあったりするんですよね。 その代表がベルネルの法則って言われるものですけど、
それも多分過去のエピソードで話してるんじゃないかなと思います。 というわけで今回は一応グリムの法則の全体像、
第一次と第二次の浸水のお話でございました。 今回は関連エピソードをぜひ聞いてください。
それではまた次回のエピソードでお会いいたしましょう。 番組フォローも忘れずよろしくお願いします。
お相手はシガ15でした。 またねー!
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